今回は大学生の松村が、誠真工業の宮本貴嗣社長にお話を伺いました。
同社は千葉中心に、神奈川、埼玉、東京におけるマンション・ビル等の大規模修繕・改修・防水工事を行う専門工事会社です。
企業を知ろうー誠真工業ってどんな会社?ー
誠真工業の魅力
誠真工業について、会社の魅力を4つのP(理念・職業・給与・人)でまとめてみました。
同社は人を大切にしており、働き方改革をしたり、多様性のあるメンバーで社内外交流も盛んな点が魅力的な会社です。
働き方改革については、アプリを導入して有休の申請もしやすくしたり、選べる2つの働き方(完全週休2日制or週休2日制)を導入することで、社員が有給を取りやすいように環境を整えています。
また、社内外交流については、自社で専門学校を運営していたり、地域とのイベントも開催しています。
実際にどんなことをやっているの?
同社は工事部門や建物診断サービスを行っています。
まず、工事部門について、ビル・マンションの大規模修繕・改修工事では、人と環境にやさしいエコリニューアルな工事を目指しながら、大手建設ゼネコンの下請けで培った技術をもって安心価格で提供しています。また、ビルのマンションを中心に総合的な防水工事も提供しています。
次に建物診断サービスについては、サーモグラフィ診断士による高性能かつ安全・効率的な建物診断・漏水調査において業界有数の実績を誇ります。
社員のやりがいやプライベートも大切にしながら、社内外交流や地域イベントの開催にも積極的な誠真工業さん!
今回はそんな誠真工業の宮本社長に、インタビューを通してお話を伺いました。
【インタビュー】宮本社長の人を大切にした理想の組織のあり方
ーはじめまして。本日は貴重なお時間を頂き本当にありがとうございます。それでは早速ですが、インタビューを始めさせていただきます。よろしくお願いいたします!
宮本社長:はじめまして!よろしくお願いいたします。
ーはじめに、宮本社長が考える理想の組織についてお話しを伺いたいです。
宮本社長:そうですね。トップダウンではなくて、世代世代でリーダーを作っていけるような組織が一番強いと考えます。よくあるトップダウンだと、経営者と現場では目線が違うので、評価がずれてしまうと思うんです。だからこそ、一番は現場やその周りの人たちが評価することだと思っています。
そして継承が出来る組織がいいですね。前の人間が残る人たちや組織に残せるものを残しながら、ゆっくりと次の人たちが改革を起こしていく、温故知新という形が良いと思います。急に変わるんじゃなくて、ゆっくりと変わっていくからこそ、その組織のあり方に納得して周りも着いてくると思います。
ー興味深いお話をありがとうございます。とはいえ、今まで経営者が自分で行ってたことをまた別の人に引き継いでもらうことは難しいと思うのですが、その点に関してどのように思われますか?
宮本社長:はい。意外とそんなに難しくないんですよ。職歴が長くある程度仕事ができたとしても、責任が大きくなる役職につきたくない人もいると思います。適材適所を大切に、役職にこだわらない社風や雰囲気作りができれば、そこは解決できます。
どうしても社会的なステータスを気にする方もいますが、それは一時の感情的なものだと思っていて、「楽しく仕事できているか?」に前向きに答えられる状況を継続していくのが大切だと思います。
ー役職にこだわらない社風やそういった環境づくりにおいて、大切にするべきことあありますか?
宮本社長:環境づくりにおいては、仕組みだけ変えていくのではなく、本質的な考え方から変えていくことが重要です。社員のみなさんが納得して理解して、取り組めるのが一番大切なんです。
そして先ほどの評価について少し触れましたが、評価制度のあり方をとても重要視しています。
例えば、私が今後辞任する際に、継承者を決めるのは去っていく私ではなく、社員のみなさんです。現場を知っている、これからの会社をよりよくしていく社員の方々に選挙をして決めてもらいます。また日頃の評価においても、その人のことを一番知っている社員が個人個人に合わせて行う評価制度も取り入れています。こうすれば個人の目標意識やモチベーションに繋がります。
【インタビュー】これから一緒に働きたい人材
ー人を大切にされている宮本社長ならではの、理想の組織についてお話が伺えて感激しております。ここで採用について伺いたいのですが、宮本さんはどんな学生と一緒に働きたいですか?
宮本社長:はい。コミュニケーション能力と素直さのある方と働きたいです。コミュニケーションと素直さがないと、周りもフォローすることが難しいからです。
当社では即戦力は求めていなくて、教育に力を入れています。経験して不安な方もいるかと思いますが、私は人には不向きというものはほぼないと思っています。
ただ、やっているときに楽しく意義を持ってやっていけるかどうかは重要ですね。これは環境によって変わってくるので、だからこ当社でも環境づくりはとても大切にしています。
例えば、誰でも「ありがとう」と言われると嬉しいですし、そんな環境で働きたいですよね。当社ではセクションを越えて、社内全体で、お客様の「ありがとう」やポジティブな声を積極的に発信・共有し合っています。これも社員それぞれの働く意義やモチベーションに繋がっています。
【インタビュー】立派な夢なんて無くてもいい、大切なのは『誰と働くか』
ーここまで大変貴重なお話を誠にありがとうございます。さいごに、学生のみなさんへのメッセージをお願いします。
宮本社長:やりたいことが無くて、悩んでいる学生の方も多いかと思います。私は、夢は立派なものじゃなくても良いと思うんです。小さな夢でもたくさん持てていたら、それが少しずつ叶うたびに必ずそれはあなたの原動力になります。そうやって私たちも仕事頑張れるんです。
だから、やりたいことが真っ先に思い浮かばなくても、悩まなくて大丈夫。まずは、『誰と仕事をするか』が一番大切です。
世の中に頑張っていない人なんていないから、ただ頑張り方を教えてくれる人や評価してくれる人がそばにいる環境が重要ですし、入社後のモチベーションに繋がります。そういう場所を探していけばいいと思います。
応援しております!
業界を知ろうー建設・土木業界とは?ー
改めて建設・土木業界の構増や動向についておさらいをしておきましょう。
建設・土木業界の構造と仕事内容
建設業ってよく聞くけど、実際にはどのように仕事が行われているのでしょうか?
建設業界は住宅やビル、学校、工場などの建物を建築する建築と道路やトンネル、橋、ダム、水道などのインフラ整備を行う土木に大別されます。一つの案件に対する規模が大きいため、さまざまな企業が連携を取り合い、工事や整備を行います。
下の図のように、まず国や自治体からの受注をゼネコンが引き受けます。ゼネコンは工程や資材費の管理や現場の安全管理を行い、下請け企業の取りまとめをします。その下請け企業にあたるのが、専門工事業者です。
今回インタビューした誠真工業は、技術工の方々を集めた土木中心の専門工事業者にあたる業者です。誠真工業は、長年大手ゼネコンの改修工事での塗装工事・防水工事等に従事し、最近では施工及び管理も委託されるほど信頼されている専門工事業者です。そのため、安心で安全な施工ができるだけでなく、千葉県内の公共工事で多くの実績があります。
建設・土木業界の市場と動向
土木業界は、道路や河川、ダムや上下水道、空港や鉄道などのインフラ建築を担っており、インフラ整備は経済活動や人々の生活を支える重要な役割です。
1960~70年代の高度経済成長期に整備されたインフラは、現在50年以上が経過し老朽化が進んでいます。国土交通省によると、50年以上経過するインフラ建築の割合は、道路橋では2018年の25%が15年後の2033年には63%に、水門などの河川管理施設では32%が62%へ、港湾岸壁では17%から58%など、多くのインフラの老朽化が進んでいる状況です。
そのため、インフラの維持管理・更新費用は30年後には1兆円増加すると予測されている。最近では異常気象の影響もあって、国を中心として老朽化したインフラを整備・強化する動きが強まっています。
このような状況の中、土木・建設業界では人手不足が深刻化しています。汚い、きつい、危険という「3K」の負のイメージが根付いてしまっているのが原因ですが、多くの企業がこのイメージを払拭するために、働き方改革やロボットやAIなどの技術導入を積極的に行っています。
■ 数値で見る土木業界
【参照サイト】
・業界動向サーチ/全136業界の業界ごとの合計、または平均を項目ごとにランキング。(2019年-2020年)
さいごにー誠真工業のインタビューを通してー
今回のインタビューを通して、誠真工業さんの人を大切にしている社風がとても伝わってきました。
社員のモチベーションを向上させたり、組織として同じ方向を向いていくためのお考えは、私自身人や組織のあり方に関心があるので、とても興味深い内容でした。
また、やりたいことがなくて悩んでいる学生は実際に私の周りにも多いのですが、小さな夢でも叶えることで原動力になることや、『誰と働くか』について考えることの重要性について考えさせられました。
最後のこの学生へのメッセージは多くの就活生にぜひ届いてほしいです。
宮本社長、この度はお忙しい中、とても素敵なお話をありがとうございました。