
ソフトウェア業界の志望動機の例文・書き方~トレンドミクロなど3社の選考通過ESを公開~
IT業界に分類されるソフトウェア業界ですが、注目を浴びる産業である一方で実態や製品内容を理解することが難しい分野です。ソフトウェア業界のデータや特徴を今一度把握し、例文を参考に書き方のコツを掴みましょう。
ソフトウェア業界の特徴
ソフトウェア業界は主に企業を相手にシステムの販売を行います。商品は主にパッケージソフトとクラウドソフトに分類できます。近年は、実務サービスをクラウド化する仮想化サービスや顧客の満足度をデータを用いて管理するCRMなど注目を集める分野も多く今後の収益化について注目されています。
またSIerとは違い、ソフトウェア業界は一般的には自社開発したソフトを多様な形で販売しています。例えばトレンドマイクロのウイルスバスターをはじめ、パッケージとして製品を提供しますが、一方でSIerは顧客のニーズに合わせて個別のソリューションを提供していくことが特徴として挙げられています。
■数字で見るソフトウェア業界の現状
参照元:業界動向サーチ/全136業界の業界ごとの合計、または平均を項目ごとにランキング。ソフトウェア業界15社が対象(2018年-2019年)
ソフトウェア業界の業種
様々な業種の中でどの業種を選ぶべきか、特徴と差別化ポイントを勉強しておきましょう。
OSサービス
OSとは、ハードウェアとソフトウェアを仲介するサービスです。
例えば、スマートフォンにインストールしたアプリを起動し画面上で利用するために必要なソフトウェアとしてandroidやアップル社のiPhoneOSなどが挙げられます。
仮想化サービス
仮想化とは、いわば各自のパソコンの脳とも言えるソフトウェアをオンラインを通じて一つに集約し効率化させるサービスのことです。代表例としてはGoogle社によるGmailが挙げられます。ソフトをインストールする必要があったメールサービスですが、Gmailはクラウドソフトを通じて、デバイスに限定されずに多様なソフトを提供することを可能にしました。
セキュリティソフトサービス
ハッキングやウイルスによるデータ破損・盗難を防ぐためのソフトウェアを提供する業種です。FireFoxやウイルスバスターなど個人向けサービスも幅広く手がけているため、最も身近な分野と言えるでしょう。
運用・管理
開発したサービスが正しく維持し、運用の効率を図るためのソフトウェアを開発しています。NTTデータ・日立製作所・富士通などが手がけており、コンビニエンスストアのWi-Fiの運用から巨大銀行システムの運用システムまで幅広い場面で活躍しています。近年は継続してクラウドへの移行に関するニーズが高まっており、AIによるエラー予測など最新技術の導入も始まっています。
ERPソフト
会計・人事など分野ごとに導入されているシステムを一つのデータベースで統合するサービスを提供する業種です。代表企業としてSAPやオラクルといった企業が挙げられます。
目下IT業界では2025年問題という課題が業界全体として挙げられていますが、その一因としてSAPの製品サポートの終了とサービスの一新が提起されるほど大きな影響力を持っている業種です。近年は、基幹システムにとどまらず、自社システムのクラウドへの移行やデータを用いた顧客との関係を管理するCRMなど新しいサービスを用いたソリューションサービスも手がけています。
ソフトウェア業界の職種
営業職
企業を相手に無形財の販売を行います。ソフトウェア自体が多様な形態を持つので商材によってスタイルも変わってきますが、獲得した案件をコンサルタントやSEに繋げる役割をもっています。お客様とのコミュニケーションを通じて課題を発見する必要性からITに関する専門知識も必要とされます。
SE・エンジニア
製品となるソフトウェアの開発・実装を担います。専門となる分野から商品のアップデートなど技術的なサポートを行います。
ITコンサルタント
クライアントの抱えるIT課題を発見し、専門的な知見から解決手段を提供する職種です。技術課題を踏まえてエンジニアやスペシャリストに実行策を提案します。ERP分野においては自社の基幹システムサービスをいかに運用するのか、お客様と話し合い運用案を決定する役割を持ちます。
志望動機の作り方のポイント
ソフトウェア業界はライバルが多いため採用担当者に強い印象を与えなければ書類選考を通過できません。なぜ志望するのか、なぜ自分なのかをシンプルかつロジカルに書きましょう。
ソフトウェア業界の志望動機に必要な3つの要素
なぜIT業界か、なぜその業種か、なぜその企業か。この3点の深堀りが必要不可欠です。
まず、業界について。ITの視点から人々の生活を支えたり、信用される人間になりたいといったIT業界ならではの理由を入れましょう。
次に業種について。例えばソフトウェア会社であれば、日進月歩の速さで更新される新しい技術を用いて、人々の生活を大きく変える重要な役割をもっているなど、業種ごとの社会的価値を必ず把握しましょう。
最後に企業について。その商品のターゲット、規模、新規事業、取引相手などの会社の特徴を調べ上げましょう。それが終わったら競合と比較してください。そうすれば自ずと各社ごとの特徴が明確になります。
ソフトウェア業界で求められる人物像
ソフトウェア業界は「変化への対応力」がキーワードです。新陳代謝の激しいこの業界では、変化し続け時代に対応しなければ競争に敗れてしまいます。
未経験からソフトウェア業界に挑戦するうえで、ITへの興味関心があること、技術やスキルをインプットし続ける知的好奇心をもっていることが重要な素質となります。
志望動機の書き方
情報収集や自己分析を基に、伝えることが決まれば、あとは書くだけです。必ずしもオリジナルの構成にする必要はありません。シンプルでわかりやすい文章構成が、相手を意識した書き方であり、読んでもらうコツです。
文章力に課題がある人は第三者にチェックしてもらうことで、「て・に・を・は」、接続語、「です・ます」調など細部まで整えましょう。
(1)志望動機をひと言で
(2)具体的に言うと
(3)理由(過去の経験と業界・その会社の関連性)
(4)入社後にどうなりたいか
▶志望動機の書き方、考え方を詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
「志望動機の書き方~選考通過率をUPさせる方法~」「志望動機の正しい考え方やコツ~「志望動機がない…」と悩んでいる人必見~」

志望動機の例文
実際に選考を通過したESの志望動機の例文から、クオリティと書き方を学び、自身の書類に活かしてください。

トレンドマイクロの志望動機の例文
2つ目は、貴社は若手でも活躍できる場であると考えたからです。貴社の会社説明会で、上を目指せる環境があることを伺い、その点に魅力を感じました。様々なことに挑戦して経験を積み、貴社の発展に尽力したいと考えています。
→とても優れたESです。自らの経験を踏まえて、どうしてIT業界に興味をもったのか、そしてどうして志望先の企業を選んだのかわかりやすく書いてあります。
SAPジャパンの志望動機の例文
将来は貴社の一員として、ITの力で世界中の人々とビジネスを根底から支え、社会の発展に寄与していきたい。
→自らの経験を踏まえて、ITを志望する理由が書いてあります。ただ、どうして志望先の企業を選んでいるのかもう少し言及するべきです。
野村総合研究所の志望動機の例文
貴社を志望する理由は、2つある。1つ目は、社員の方々の仕事への強い拘りに惹かれたためである。貴社のインターンを通じて、年次に関係なく意見をぶつける環境・優秀かつ仕事に対しての情熱が熱い人が多い環境に魅力を感じた。2つ目は、業界のリーディングカンパニーを顧客に持つことである。これは、自分の作ったシステムが業界のスタンダートになる可能性があることに、魅力を感じたためである。
→志望する職種・企業である必要が明快に書かれています。自らの考えに則り、ITで社会にどう貢献したいのか書いてあり、とてもわかりやすい構成となっています。
▶レベルの高い例文集を見たい方は下記記事をご覧ください。
「志望動機のおすすめ例文10選!」まとめ
ソフトウェア業界は業界で狭く、志望動機のレベルも高い。志望理由をなぜなぜと掘り下げて具体的でロジカルな構成で制作しましょう。
▶志望動機の基礎から応用まで網羅的にノウハウを知りたい方は下記をご覧ください。
「志望動機の書き方・例文」志望動機の作成は順調ですか?
ここまでは、志望動機を書くために必要な情報をお伝えしてきました。
それでも、「自分の場合はどうすればいいの?」と不安な方も多いのはではないでしょうか。
そんな時は、自分ひとりで抱え込まず、客観的な視点からフィードバックをもらうべきです。就職エージェントneoでは、企業人事の要望を把握したプロのアドバイザーが年間2万件以上の就活生の悩みにお応えしています。
就活でモヤモヤしている方は、少しでも早くそのお悩みを解決し、自信をもって本番に臨んでください。
