「華やか」「かっこいい」といったイメージのある広告業界。
毎年就活生から高い人気を誇っているため、選考通過のためにはライバルと差別化された志望動機を伝えることが大切です。
この記事をもとに内定レベルの知識とノウハウを確認し、しっかりとした準備と対策を行っていきましょう。
広告業界の特徴
ここでは広告業界の動向・形態・職種について解説していきます。
広告業界の動向
近年の広告業界の売上は全般的に堅調な成長を見せています。
というのも、「オンライン動画」と「ソーシャルメディア広告」の成長によってデジタル広告費が著しく増加しているためです。
モバイルやSNSとの連携が強まったことで広告と消費者との距離が縮まり、大衆向けの広告から個人の趣味や嗜好に合わせた広告へと変化しています。
しかし、テレビや新聞といったオフライン広告は厳しい状況にあり、既存媒体の広告は伸び悩みを見せています。
また、人口減少や経済成長率の低下による日本市場の鈍化に伴い、国内各社は海外展開に力を入れています。
特に電通は積極的に海外M&Aを進め、現在の売上総利益の半分以上が海外事業となっています。

広告代理店の各形態
広告代理店は取り扱う媒体や広告主によって主に3つに分類されます。
■総合広告代理店
テレビや雑誌、交通広告、インターネット広告など様々な媒体を扱うのが総合広告代理店です。
電通や博報堂、ADK(アサツーディ・ケイ)などがこれに当たり、あらゆる広告枠を扱うため、複数メディアに横断的にアプローチすることが可能です。
また、会社として大所帯の企業が多く、グループ会社が制作や運用、管理をするという企業が多くあります。
■専門広告代理店
総合広告代理店とは異なり、特定の媒体に特化して広告活動を行うのが専門広告代理店です。例としてインターネットメディアに特化しているサイバーエージェントなどが挙げられます。
各業界のエキスパートが集まるため、提案やサポート内容、費用対効果などに強みがあります。
■ハウスエージェンシー
JR東日本企画や東急エージェンシーのように、特定の企業専属の広告代理店はハウスエージェンシーと呼ばれます。
親会社やグループ会社が広告主となるため、仲介手数料が削減可能、意思疎通がスムーズ、親元の企業が存続する限り安定して事業を行える等のメリットがあります。
広告業界の主な職種
■クリエイティブ職
広告のデザインやコンセプト策定、キャッチコピー考案などが主な業務です。
広告の製作そのものに携わる職種であり、プロジェクトの全体像を決定していくなどの役割を担うため、広告代理店の要の職種です。
■営業職
広告主となるクライアントの獲得が役目であり、クリエイティブ職と並ぶ要の職種です。
実際には複数の代理店によるコンペという形が多いため、クライアント調査やプレゼン準備、自社とクライアントの調整などが主な業務となります。
■マーケティング職
市場調査やターゲット調査、戦略策定などが主な業務で、代理店の「頭脳」的な役割を担います。
広告ビジネスに関わる知識や経験、的確な判断力などが求められるため、難易度の高い仕事とも言えます。
広告業界で評価される志望動機を作る3つのステップ
ここでは広告業界の志望動機を書く際に意識してほしいポイントを3つ紹介します。
これから志望動機を作成するという人は、以下のポイントを参考に作成してみてください。
(1)志望動機に必要な要素を把握する
志望動機を作成する際は「なぜ広告業界か」「なぜその企業なのか」をしっかりと深掘りしましょう。
“なぜ広告業界なのか”については、数ある業界の中でもなぜ広告業界を選んだのかについてしっかりとした理由を準備しておく必要があります。
「世の中の人に直接アプローチできる広告を通して、人々に笑顔や活力を与え、心を動かしたい」のような広告業界ならではの理由を入れましょう。
“なぜその企業なのか”については、志望企業の強みや事業形態などの特徴を調べて、競合他社と差別化しながら伝えます。
例えば電通であれば、売上高1位を誇っているほか、1,004社(2019年12月時点)もの連結子会社を持っていることから、広告以外にも様々な分野の事業を行うことができます。
例えば、電通の子会社である”電通デジタル”では、クライアント企業に対し、CDP(顧客データ基盤)開発、Webサイト制作、マーケティング戦略の立案と実行まで行い、クライアント企業の事業成長をサポートしています。
このように広告制作のみならず、様々な事業を展開しています。
売上高2位の博報堂DYと比較しても、博報堂DYの子会社および関連会社は419社(2022年3月時点)であるため、圧倒的な人財力があると言えるでしょう。
このように企業によって特徴や事業領域の幅が異なるため、企業ごとの特徴を把握した上で志望動機を作成してください。
(2)広告業界の求める人物像を把握する
広告代理店では社外のクライアントに限らず、社内においても営業職やデザイナー職、マーケティング職など様々な人が協力して一つのプロジェクトに取り組むため、多様な人との関係を構築し、まとめていくコミュニケーション能力が必要です。
また、時代やトレンドに合わせて新しいものを生み出していくため、柔軟な発想力や創造性も求められます。
ただ、これらは生まれつきのセンスによって決まるものではなく「知識」と「どれだけ考えることができるか」の2つによって決まるものです。
自分のクリエイティブさに自信がないという人は、これら2つを意識してみると良いかもしれません。
(3)志望動機のフレームワークを知る
情報収集や自己分析を基に、伝えることが決まれば、あとは書くだけです。必ずしもオリジナルの構成にする必要はありません。
シンプルでわかりやすい文章構成が、相手を意識した書き方であり、読んでもらうコツです。
文章力に課題がある人は第三者にチェックしてもらうことで、「て・に・を・は」、接続語、「です・ます」調など細部まで整えましょう。
(1)志望動機をひと言で
(2)具体的に言うと
(3)理由(過去の経験と業界・その会社の関連性)
(4)入社後にどうなりたいか
志望動機の考え方、書き方を詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
広告業界の志望動機の例文
実際に選考を通過したESの志望動機の例文および考察から、書き方を学び自身のESや面接に活かしてください。
電通の志望動機の例文
電通の「熱さ」に惹かれました。貴社は広告の他、オリンピックの招致や新規事業の創出など、社会のあらゆる場所に価値を創造してきました。一見途方もない課題や未踏の領域に対して、その独創性はもちろん、それを現実のものにする熱量に心を打たれました。
また、その熱量は「信頼」を生んだと考えています。様々な人を巻き込み、常に期待を超えてきた貴社には、「電通なら」という信頼と「どことも組める」魅力があると感じます。
[Why]そのような考えに至った背景やきっかけはどのようなものか(200文字)
社員の方々との会話から、この考えに至りました。どの方からも目の前の仕事への誇りと将来的な企みを伺うことができ、貴社が必ず結果を残す所以は一人一人の熱意にあると実感したからです。私が “熱さ” に惹かれるのは、何かを成し遂げた経験には、一人と周囲の熱意があると感じるからです。
ここから【課題解決×原体験を作る】という私の目標を、最大の熱意を持った環境をつかいながら実現したく思い、貴社を志望しています。
→実際の事業や社員の方から聞いた話がもとになっており、自身の目標も伝えられているため具体的な志望動機になっています。
博報堂の志望動機の例文
私は森林学を専攻しており、日本の林業の様々な課題を痛感している。それらの解決策の中でも、ブランド化による日本材の発信は最も可能性の感じる手段だ。和牛も日本酒もブランディングで世界で成功する例となった。このように、絶対的に良いと思えるコンテンツを世の中に広げるという意味で、広告業界のビジネスモデルに興味を持った。
数ある広告代理店の中でも貴社は特に「生活者発想」と「パートナー主義」の2点をビジョンとして掲げており、他社に比べパートナーと人々の両者に対し深い洞察力があると感じた。そのような企業で、双方の潜在ニーズをしっかり捉えて、より多くの人々、ひいては社会全体を幸せにしたい。
→結論→きっかけとなる原体験→業界の志望理由→博報堂の志望理由→やりたいことの順で、論理的かつ分かりやすく書かれています。
参照元:unistyle/選考通過者本選考ES(博報堂・博報堂DYメディアパートナーズ20卒)
ADKホールディングスの志望動機の例文
この経験から人の心を動かす企画作りに興味をもった。 クライアントの課題を解決する為に、心に響く表現を考え、社内外のチームで作り上げ、実際に心を動かして解決するという広告代理店を志望している。
中でもクライアントに貢献するために個性と能力を発揮することを追求しておられる貴社でこそ、よりクライアントと自社の一体感を感じながら、人の心を動かすことを実現できると考える。
→こちらの志望動機も結論→きっかけとなる原体験→業界の志望理由→ADKの志望理由と、論理的で分かりやすい構成になっています。
参照元:unistyle/選考通過者本選考ES(ADKホールディングス(ADK))
サイバーエージェントの志望動機の例文
理由として大きく分けて二点あり、まず貴社が獲得して来た既存の顧客をターゲットとすることで、収益が上げられると考えたことと、東京オリンピックの影響もあり、来日する外国人の数がこれから大きく増えると考えているため、グローバル化を視野に入れた新規事業が必要だと感じていることです。
具体的には、二つの新規事業を考えていて、日本に来た外国人のツアーガイドを一般の人がするというコミュニティ作りと、来日した外国人に向けたインターネット広告事業をやってみたいです。
→設問と文字数の関係上仕方ないのですが、「どうしてそのような考えに至ったのか」という原体験についての記述があるとより具体的な内容になると思います。
また、「挑戦して見たいです」のような誤字には気を付けましょう。
参照元:unistyle/内定者本選考ES(サイバーエージェント19卒)
東急エージェンシーの志望動機の例文
それを実現できる業界はコンサルティングなど様々あるが、人の心を動かし笑顔にさせることにやりがいを感じるので、生活者に直接アプローチできる広告業界を志望している。
広告会社の中で何故貴社かというと、東急グループなため生活者との接点がより多くあることや私の生活圏内にある親近感を覚えたためである。
私は、自ら企画し課題を解決できた経験からプランニング職に挑戦したいと思う一方で、アルバイトで培った関係性を築く力を活かして、営業・メディア職にも挑戦したいと考えている。
現時点では一つに絞ることができていないが、企業と生活者のニーズを汲み取り、私だからこそのアイデアで課題を解決し、人々の生活を豊かにできる活躍をしたい。
→結論と業界の志望動機、東急エージェンシーの志望動機がそれぞれ明確に記述されています。
きっかけとなる経験をもう少し具体化できるとより良い志望動機になると思います。
参照元:unistyle/選考通過者本選考ES(東急エージェンシー20卒)
上記例文の他にも就活支援サイトunistyleでは選考通過者のESを7万件以上掲載しています。 下記画像からサイトに移動できるので、ぜひES作成の参考にしてください。
広告業界の志望動機に向かないアピール内容
広告業界を志望している就活生の中で「かっこいいから」「キラキラしてるイメージがあって楽しそう」といった理由で志望しているという人も多いと思います。
広告業界に興味を持つきっかけとしては良いですが、それを志望動機で伝えてしまうのは避けた方が良いでしょう。
なぜなら企業は、採用活動を通して”自社に貢献してくれる人材”を探しています。
そのため、具体的な夢やキャリアプランが伝わる志望動機とただ憧れだけを伝えた志望動機では、圧倒的に前者の志望動機が評価されます。
広告業界で働きたいのであれば、憧れを伝えるのではなく、例えば「消費者の購買意欲を高められるような広告を作り、クライアントの課題を解決したい」といったような入社後に成し遂げたいことをアピールするようにしましょう。
まとめ
本記事では広告業界の動向から仕事内容、志望動機の書き方・例文を紹介してきました。
広告業界はキラキラしたイメージから就活生に人気の高い業界と言えます。
そのため本記事でもお伝えしたように、志望動機を作成する際は「なぜ広告業界なのか」「中でもなぜその企業なのか」を伝え、成し遂げたい夢を具体的にアピールするようにしましょう。
●”広告業界”の動向
近年の広告業界は「オンライン動画」と「ソーシャルメディア広告」の成長により、売上が堅調に伸びている
●”広告業界”の求める人物像
(1)コミュニケーション能力がある
(2)柔軟な発想力や創造性がある
●”広告業界”の志望動機に向かないアピール内容
「かっこいい」「キラキラしてる」など、憧れだけを伝える
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