●志望動機に盛り込む内容は[広告業界を選んだ理由][企業を選んだ理由][入社後に貢献できること]の3つである。
●志望動機を書く際には、フレームワークを用いて書くとより思いが伝わりやすい。
●志望動機に向かない内容は[憧れをアピール][どこの会社にも使えるアピール]をすることなので注意する。
華やかでかっこいいというイメージがあるため広告業界は就活生に人気な業界の1つです。
人気な業界であるため、書類選考においては、「どれだけ他の就活生より魅力的な志望動機を作成できるか」という点が非常に重要なポイントです。
そこで本記事では、広告業界で一歩差を付けた魅力的な志望動機を作成するために知っておいた方が良い3つのポイントをご紹介していきます。
さらに、実際に書類通過をした志望動機例文も公開していますので、絶対に書類通過をしたいと考えている就活生は、是非参考にしてみてください。
広告業界を理解しよう!
志望動機を作成する上では、業界をしっかり理解し、その企業ならではの志望理由を考えることが必要不可欠です。
そのため、まずこの章では、広告業界の動向・ビジネスモデル・職種について確認し、業界に関する理解を深めていきましょう。
広告業界の動向
近年の広告業界の売上は全般的に堅調な成長を見せています。
というのも、「オンライン動画」と「ソーシャルメディア広告」の成長によってデジタル広告費が著しく増加しているためです。
モバイルやSNSとの連携が強まったことで広告と消費者との距離が縮まり、大衆向けの広告から個人の趣味や嗜好に合わせた広告へと変化しています。
しかし、テレビや新聞といったオフライン広告は厳しい状況にあり、既存媒体の広告は伸び悩みを見せています。
また、人口減少や経済成長率の低下による日本市場の鈍化に伴い、国内各社は海外展開に力を入れています。特に電通は積極的に海外M&Aを進め、現在の売上総利益の半分以上が海外事業となっています。
広告業界の動向についてより詳しく知りたい人は下記記事を参考にしてみてください。
広告業界のビジネスモデル
ここでは、広告業界のビジネスモデルについて紹介していきます。
広告業界の多くは広告代理店としてビジネスを展開しています。広告代理店は取り扱う媒体や広告主によって3つに分類されているため、ここではそれぞれの特徴について確認していきましょう。
・取扱媒体:テレビや雑誌、交通広告、インターネット広告など様々な媒体を扱う
・特徴:大企業が多く、グループ会社が制作・運用・管理をしている。あらゆる広告枠を扱うため、複数メディアに横断的にアプローチすることが可能。
・主要企業名:電通・博報堂・ADK(アサツーディ・ケイ)など
■専門広告代理店
・取扱媒体:特定の媒体に特化している
・特徴:各業界のエキスパートが集まるため、提案やサポート内容、費用対効果が良い
・主要企業名:サイバーエージェント(インターネットメディアに特化)など
■ハウスエージェンシー
・取扱媒体:テレビや雑誌、交通広告、インターネット広告など様々な媒体を扱う
・特徴:特定の企業専属の広告代理店。 親会社やグループ会社が広告主となるため、仲介手数料が削減可能、意思疎通がスムーズである。親元の企業が存続する限り安定して事業運営が可能である。
・主要企業名:JR東日本企画・東急エージェンシー など
広告業界の主な職種
ここでは、広告業界の主な職種について紹介していきます。職種理解を深め、自分自身の将来のキャリアイメージを膨らませ志望動機に活かしていきましょう。
広告のデザインやコンセプト策定、キャッチコピー考案などを担う広告代理店の要の職種。
■営業職
広告主となるクライアントの獲得がメイン業務であり、クリエイティブ職と並ぶ要の職種。案件獲得のため、クライアント調査やプレゼン準備、自社とクライアントの調整などをおこなう。
■マーケティング職
市場調査やターゲット調査、戦略策定などが主な業務で、代理店の「頭脳」的な役割を担う。広告ビジネスに関わる知識や経験、的確な判断力などが求められる難易度の高い職種。
広告業界で評価される志望動機を作る3つのステップ
ここでは広告業界の志望動機を書く際に意識してほしいポイントを3つ紹介します。
これから志望動機を作成するという人は、以下のポイントを参考に作成してみてください。
志望動機に必要な要素を把握する
志望動機を作成する際は「広告業界を選んだ理由」「志望企業を選んだ理由」「入社後に貢献できること(入社後の想い)」について記載することが大切です。
広告業界を選んだ理由
「広告業界を選んだ理由」については、数ある業界の中でもなぜ広告業界を選んだのかについてしっかりとした理由を準備しておく必要があります。
「世の中の人に直接アプローチできる広告を通して、人々に笑顔や活力を与え、心を動かしたい」のような広告業界ならではの理由を入れましょう。
志望企業を選んだ理由
「志望企業を選んだ理由」については、志望企業の強みや事業形態などの特徴を調べて、競合他社と差別化しながら伝えます。
例えば、電通と博報堂のいずれかの志望動機を作成する場合、どちらも国内でも1位・2位を争う大手広告代理店であり、どちらも100年以上の歴史がありグローバル展開をしているという点でも相違はありません。
しかし、創立から現在に至るまでの歩み、働く環境、社員、社風、広告を手がけるまでのフローや想い、培ってきたノウハウなどに関しては全く異なる性質を持ちます。
その企業独自の魅力を見極め理解したうえで、「なぜこの企業を志願するのか」という点を深堀りしてみましょう。
入社後に貢献できること(入社への想い)
志望動機を締める言葉として、「入社後に貢献できること」「入社への想い」を伝えることが非常に重要です。
面接官は志望動機を通じて、企業への[熱意]があり[入社後に活躍してくれる人材かどうか]を見極めたいと考えています。
そのため志望動機の最後は、必ずあなたの想いが伝わる言葉で締めくくるようにしましょう。
広告業界の求める人物像を把握する
広告代理店では社外のクライアントに限らず、社内においても営業職やデザイナー職、マーケティング職など様々な人が協力して1つのプロジェクトに取り組むため、多様な人との関係を構築し、まとめていくコミュニケーション能力が必要です。
また、時代やトレンドに合わせて新しいものを生み出していくため、柔軟な発想力や創造性も求められます。
ただ、これらは生まれつきのセンスによって決まるものではなく「知識」と「どれだけ考えることができるか」の2つによって決まるものです。
自分のクリエイティブさに自信がないという人は、これら2つを意識してみると良いかもしれません。
広告業界が求める人物像をまとめると下記となりますので、これを理解したうえで志望動機に盛り込める要素は盛り込んでいきましょう。
●円滑にプロジェクトを進めることができるコミュニケーション能力のある人
●時代やトレンドに対応できる柔軟な発想力や創造性を持ち合わせている人
志望動機のフレームワークを知る
情報収集や自己分析をもとに、伝えることが決まれば、あとは書くだけです。必ずしもオリジナルの構成にする必要はありません。
シンプルでわかりやすい文章構成が、相手を意識した書き方であり、読んでもらうコツです。
文章力に課題がある人は第三者にチェックしてもらうことで、「て・に・を・は」、接続語、「です・ます」調など細部まで整えましょう。
(1)志望動機を一言で
(2)具体的に言うと
(3)理由(過去の経験と業界・その会社の関連性)
(4)入社後にどうなりたいか
志望動機の考え方、書き方を詳しく知りたい人は下記をご覧ください。
本記事では、志望動機に盛り込むべきポイントをわかりやすく解説しています。
広告業界の志望動機の例文
実際に選考を通過したESの志望動機の例文および考察から、書き方を学び自身のESや面接に活かしてください。
電通の志望動機の例文
→200文字という文字数がある中でよくまとめられています。実際の事業や社員の方から聞いた話がもとになっているなど、独自性のある志望動機から熱意が感じられます。また、入社後の意欲や自身の目標も伝えられている点も好印象です。
博報堂の志望動機の例文
私は、知らない世界や新たな自分に出会える「ワクワク感」と「笑顔にしたい」という想いからサッカーや学生団体、国際NGOなど幅広く本気で挑戦してきた。
貴社主催のUoCを通じて、これまでにはない正解を見つけるには今までの当たり前に縛られてはいけないと改めて気づかされた。
これは私が大切にしてきたことに通じる。
何かの専門性を身につけるとともに、幅広く経験してきた人材こそ、今後世の中に新たな価値を生み出し、より多くの人を笑顔にできると思う。
論理的に導く「正解」と同時に、常識を打ち破る「別解」で課題解決に挑む貴社でこそ、これまでの経験と学んだ価値を活かす事ができると考え志望した。
→「志望動機」という質問ではなく、より具体的に入社後のビジョンについて確認する質問です。
この問いに対して、自身の信念と企業の理念をうまく掛け合わせた志望動機が作成できています。入社して働くイメージが沸く良い志望動機です。
参照元:unistyle/選考通過者本選考ES(博報堂・博報堂DYメディアパートナーズ22卒)
ADKホールディングスの志望動機の例文
→ADKならでは特徴をしっかりと掴み、ADKでしか出来ない点を自身が入社後に実現したい点として良く伝えられています。また、自身の性格についても触れて記載されておりこれが広告業界が求める人物像と合致している点も評価できます。
参照元:unistyle/選考通過者本選考ES(ADKホールディングス(ADK)23卒)
サイバーエージェントの志望動機の例文
→質問に対する回答が冒頭にあるため非常に読みやすい構成です。また、自分自身が同社に向いている点や自身の強みなどもアピールできており熱意の感じる内容となっている点も評価できます。
参照元:unistyle/内定者本選考ES(サイバーエージェント23卒)
東急エージェンシーの志望動機の例文
→結論と業界の志望動機、東急エージェンシーの志望動機がそれぞれ明確に記述されています。きっかけとなる経験をもう少し具体化できるとより良い志望動機になると思います。
参照元:unistyle/選考通過者本選考ES(東急エージェンシー23卒)
広告業界の志望動機に向かないアピール内容
最後に広告業界の志望動機でアピールしない方が良い内容についてお伝えします。自分の志望動機が下記に当てはまっていないかを確認してみてください。
広告業界への憧れをアピールする
広告業界を志望している就活生の中で「かっこいいから」「キラキラしてるイメージがあって楽しそう」といった理由で志望しているという人も多いかと思いますが、それを志望動機で伝えてしまうことはオススメできません。
企業は、採用活動を通して「自社に貢献してくれる人材」を探しています。そのため、当たり前ですが、具体的な夢やキャリアプランが伝わる志望動機とただ憧れだけを伝えた志望動機では、圧倒的に前者の志望動機の方が好印象です。
広告業界で働きたいのであれば、憧れを伝えるのではなく、例えば「消費者の購買意欲を高められるような広告を作り、クライアントの課題を解決したい」といったような入社後に成し遂げたいことをアピールするようにしましょう。
どこの会社にも使えるアピールをする
志望動機に必要な要素を把握するでもお伝えしましたが、[その企業ならではの志望理由]を伝えることが重要です。
どこの企業でも使える志望動機を作成してしまうと、「この学生は本当にうちの会社のことを理解しているのかな?」「理由が明確ではないからうちの会社でなくても良いのでは?」と捉えられ、不採用になってしまう可能性が充分に考えられます。
繰り返しになりますが、面接官は志望動機を通じて皆さんの[熱意]を確認していますので、[志望理由]を明確にし[熱意]の伝わる志望動機を作成しましょう。
まとめ
本記事では広告業界の動向・ビジネスモデル・職種など業界に関する情報や志望動機で評価を得るための3つのポイント、実際に書類通過をした志望動機の例文を紹介していきました。
広告業界はイメージが先行しやすい業界であるため、書類選考の倍率は特に高いです。そのため、なぜこの業界が良いのか、なぜこの企業が良いのか、入社後どのように活躍したいと考えているのかといった明確な理由がなければ書類通過は難しいでしょう。
憧れではなく、入社後を見据えた業界・企業選びをおこない、成し遂げたい夢を実現したいという熱意が伝わるあなたらしい志望動機を作成してみてください。
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- 「広告業界への目指すならではの志望動機とはどういう内容?」
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