娯楽としてたくさんの人を楽しませているカラオケ業界。カラオケを利用したことがあるという人は多いと思いますが、カラオケ業界の仕事内容について知っている人は少ないと思います。
そこで今回はカラオケ業界の動向や仕事内容、志望動機を書く際のポイントについて紹介していきます。
カラオケ業界の特徴
市場規模
カラオケ業界全体の市場規模は、2017年度が約6165億円、2018年度が約5960億円、2019年度が約5767億円と微減傾向にあります。
要因としてはカラオケブームの衰退、ボリュームゾーンである10代人口の減少などが上げられています。
課題
カラオケ業界の中で最も売上シェアが高い事業がカラオケボックスで、2019年度は約3798億円あります。そこで課題となっているのが、コストです。
上述した通り売上が低迷している分、利益率を高める施策が必要でありながら、実店舗の空室活用や人件費の削減など抜本的な改革ができていません。
また、現在はコロナ影響により来日外国人が激減していますが、そもそも外国人の取り込み施策もうまくいっていないのが現状です。
多面展開の動き
上記で説明したように、カラオケ業界全体が衰退しかけていますが、新しい取り組みを初めている企業もあります。
❏おうちカラオケ
カラオケボックスにいかずとも自宅でカラオケができるサービスがあります。
第一興商のDAMやエクシングのJOYSOUNDなどの機能が、テレビ、PC、スマホ、ゲーム機にアプリをダウンロードするだけで利用可能です。
カラオケ用のマイクとデバイスを接続することで、カラオケボックスと同じクオリティを楽しむことができます。
❏ターゲット年齢の多様化
カラオケを利用する中心世代である10代の利用数が少なくなる一方で、他の世代へのアプローチも始まっています。
関西を中心に全国で181店舗を展開するジャンカラは、55歳以上の会員二割引きサービスを行うことで空室率の高い平日の利用数が増えています。
また、企業によっては遊具のあるキッズルームやおひとりさま向けルームなど様々な世代・家族構成の人が使えるようになっています。
❏歌わないカラオケボックス
カラオケボックスの利用数が減少する中で、歌を歌うためではなく、会議やミーティングの場所として活用する動きが広まっています。
カラオケボックスは、密閉されて静かな空間、電源やWi-Fiがある、ドリンク飲み放題、アクセスしやすい場所にあるなどビジネスにちょうどいい要素が揃っているからです。
第一興商は、直営店のビッグエコーの部屋を、ビジネス用途で使えるサービス「オフィスボックス」を展開しています。
このほかにも、英会話のレッスンや荷物預かりサービスなど、場所があるメリットを活用したサービスが誕生しています。新しいビジネスにチャレンジできる業界とも言えます。
カラオケ業界の業態
カラオケ業界の中でもどんな事業に関わりたいのかをイメージするうえで、業態を把握しておく必要があります。ここでは主要3業態について説明します。
通信メーカー
カラオケの通信メーカーは「DAM」の第一興商と「JOYSOUND」のエクシング2社に絞られます。
1995年にかけてセガやパイオニアなど参入が相次ぎましたが、2000年代前半に多くが撤退してきました。
2000年代後半には「UGA」のBMBがエクシングに吸収合併されたことで、2社で市場を独占するカタチが出来上がりました。
ディストリビューター
ディストリビューターとは、上記の機器を店舗などに卸す中間会社です。カラオケ業界の場合、ディストリビューターの市場は2019年度で約1513億円の売上規模があります。
酒場、レストラン、高齢者施設などに卸しています。
代表的な企業にUSENなどがありますが、カラオケ通信機器のみを取り扱っているわけでなはく、様々な取り扱い商材の1つとして扱っているケースがほとんどです。
カラオケボックス
カラオケ業界の中で最も大きな売上シェアを持つのが、カラオケボックスで、2019年度は約3798億円の売上規模があります。
「ビッグエコー」を展開する第一興商、「カラオケ館」のB&Vなど全国に多数の企業が存在しています。
カラオケができる場所を提供していますが、差別化を図るため、レジャー施設との融合、本格的な料理提供など企業ごとにサービス内容が異なります。
カラオケ業界の志望動機のポイント
カラオケ業界は大きな課題を抱えている一方で大手企業の平均年収が比較的高い業界です。対策なしでは選考を通過することはできません。
なぜカラオケ業界なのか
「歌が好き」という理由は大切ですが、入社した企業で歌を歌う仕事はありません。歌を通じカスタマーにどんなことを届けたいのかを言語化しましょう。
また、上述したようにカラオケ業界には課題があります。空室をどのように活かせるのか、通信システムをどのように活用するのかを明確にしておきましょう。
なぜその企業なのか
通信メーカーを目指す場合、第一興商とエクシングでは特徴が異なります。第一興商の場合、カラオケ1つではありません。音楽放送や音楽レーベル事業など音楽全般に関わることができます。
エクシングもまた多事業展開をしており、グループ企業内で音楽レーベルの運営や、健康介護アプリの開発なども行っています。企業ごとの事業全体を見て強みや特徴を見つけましょう。
求められる人物像
カラオケ業界の低迷の現状を考えると新しいアイディアを出し推進できるポテンシャルが必要と言えます。
その中でも、第一興商のHPには社員メッセージで「年功序列ではなく実力主義」という言葉があります。
結果にこだわる姿勢や意欲が求められる人物像の1つです。
このように企業ごとに明確な「求める人物像」を発信していなくてもHPなどの情報の中から推測することも志望動機を作る前作業として必要になります。
カラオケ業界の志望動機の書き方
情報収集や自己分析を基に、伝えることが決まれば、あとは書くだけです。必ずしもオリジナルの構成にする必要はありません。
シンプルでわかりやすい文章構成が、相手を意識した書き方であり、読んでもらうコツです。
文章力に課題がある人は第三者にチェックしてもらうことで、「て・に・を・は」、接続語、「です・ます」調など細部まで整えましょう。
(1)志望動機をひと言で
(2)具体的に言うと
(3)理由(過去の経験と業界・その会社の関連性)
(4)入社後にどうなりたいか
志望動機の書き方、考え方を詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
カラオケ業界の志望動機の例文
ここではカラオケ業界2社の選考通過ESから志望動機の例文を紹介します。レベル感や書き方を学びましょう。
第一興商の志望動機の例文
1つ目はカラオケ業界の進化に携わることです。 私は小さい頃よく祖父とカラオケに行っていたのですが、その時に祖父がよく機械の使い方がわからないと困っていたのを見ていた経験から、誰もが簡単に使うことができるようなカラオケ機器を作りたいと思うようになりました。
日々進化が求められている世の中で、貴社は時代の流れに沿って業界初のAIを取り入れたシステムを開発しており、マイクで話すだけで操作ができるなど、誰でも簡単に操作できる機器を作っているところに感銘を受けました。
2つ目は音楽を通じて社会貢献をすることです。 私は東日本大震災で避難所生活をしていた際、不安や恐怖を紛らわせるため音楽を聞いたり、歌ったりして過ごしているうちに、音楽は人に力や元気を与えることができると心から思うようになりました。
貴社は子供たち向けにプロのアーティストと一緒に歌やダンスを楽しめる音楽プログラムの開催や、東日本大震災の仮設住宅に自社機器であるのFREE DAMを用いて被災者の健康管理サポートを行っており、困っている人に寄り添い、元気を与えられる会社だと確信しました。
こういった社会貢献を行うことで自社のブランディングに繋がり、DAMを好きになってくれる方が増えると考えています。私は社会貢献やカラオケ機器の進化を通して、第一興商のファンを創出していきたいと思っています。
⇨自分が何を成し遂げたいのかをまず簡潔に述べ、その後にそのような夢を持った背景について具体的に書くことができています。
また入社後どのように会社に貢献したいのかについても述べられていて、志望度の高さが伝わる志望動機となっています。
エクシングの志望動機の例文
このような経験を通して、歌うことが苦手な人でもカラオケで楽しむ方法はないのか、そのような環境を自分が作りたいと思うようになりました。貴社は、カラオケルームでライブビューイングや映画鑑賞ができるなど、同じカラオケルームでも様々な楽しみ方ができ、自分の目指すカラオケというものを体現しているところに魅力を感じました。
貴社に入社したら、カラオケルームでできる新しいコンテンツを企画し、「カラオケ=歌う場所」という概念を覆していきたいと思っています。
⇨なぜカラオケ業界を志望しているのかについて、過去の自分の経験を交えて書くことができています。
また貴社の志望理由と自分の軸がマッチしていることに関してもアピールできているため、入社後のミスマッチの可能性は少ないと感じることができる志望動機となっています。
しかし、もう少し志望度の高さをアピールするために、最後の「貴社に入社したら~」の部分をより具体的にどういうことをしていきたいのか書くことができると良いと思います。
まとめ-カラオケ業界の書き方と例文-
清涼飲料業界は採用に関する情報が手に入りやすいです。それだけに、企業ごとの特徴をしっかり把握し、その企業ならではの強みを見つける必要があります。
その強みと求める人物像を把握したうえで志望理由や自己PRを書いてください。
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