介護業界の仕事は都心か地方かに関わらず、どこでも行うことができます。少子高齢化もあり、色んな所に介護施設があるからこそ介護の需要が高く比較的転職もしやすいです。
また資格次第では給料アップや業務の幅が広がります。女性が活躍している業界であり、働きやすい環境を整えている企業も多く環境整備がされているのが現状です。
本記事では、「介護業界の種類っていくつあるの?」「なんとなく興味はあるけどどんな魅力があるんだろう?」という人に向けて、介護業界の動向や業務内容、やりがい、自己PRの書き方についてわかりやすく解説していきます。
また介護業界の売上や利益、年収、従業員数、勤続年数をランキングで紹介しています。ビジネス規模や働きやすさ等がわかるので、志望企業が決まっていない人は参考にしてみてください。
介護業界の仕組み
介護業界は介護サービスを受けたい「利用者」、介護サービスを提供する「サービス事業」、介護費用の一部を負担する「市区町村(自治体)」の3つから成り立っています。
2000年に介護保険制度が制度化され、保険加入者は介護サービスの1割を負担し(得者額によって2割~3割負担の場合がある)、残りの9割(7~8割のケースも)は介護保険財政から支払われるようになりました。
「利用者」が制度を受けられるかを「市区町村(自治体)」が確認し、対象者が利用している「サービス事業」に対して費用の一部負担をおこなっています。
介護業界の種類
介護業界は大きく民間と公的施設の2種類に分けることができ、施設形態も10種類に分けられます。種類によって違いがあるので、それぞれの特徴を見ておきましょう。

自身の興味のある施設を見つけて就職活動をすることが大切です。
▶参照元:介護求人パーク介護業界の動向
ここでは介護業界の動向を5つに分けて紹介していきます。それぞれ以下のトピックスについて紹介しているので、介護業界の動向を把握しておきましょう。
■従業員の負担を軽減する取り組み
■介護業界の残業時間と給料面の実態
■厚生労働省が始めた取り組み
■外国人採用の活発化
まず動向を学ぶ前に介護業界について数字で見てみましょう。

拡大し続ける市場と需要
介護業界はこれからも市場が拡大し続けていく予想がされていますが、その背景には3つの要素が挙げられます。
1つ目は介護保険総費用の増加です。厚生労働省の調べによると、2019年度の介護保険総費用は、前年度比3.5%増の10兆5,095億円でした。前年度から3,559億円が増加したことで、2年連続で大台の10兆円を記録しています。
2つ目に要介護者の増加が挙げられます。2021年1月には、要介護(要支援)認定者数は679万人にも及んでおり、2000年には218万人だった要介護者が約20年間で3倍以上に増加しています。
3つ目には高齢者の増加が止まらないことです。2025年には「団塊の世代」全てが75歳以上となり、後期高齢者人口は2,180万人に達すると推計され、2050年は高齢者1人あたり生産年齢人口は1.5人になると予想がされております。今後もさらなるニーズの増加と市場の拡大が想定されています。
▶参照元:「内閣府」従業員の負担を軽減する取り組み
需要が伸び続ける中で、人材不足が要因で大変さだけが増えると感じる方もいるのではないでしょうか?確かに人手不足が続いておりますが、従業員の業務負担を軽減する色んな取り組みが展開されています。その中で2つご紹介します。
取り組みの1つとしてユニットケアというものがあります。従来、一度に多くの入居者を介護していましたが、10人程度の入居者を1ユニットとして専任のスタッフがケアにあたる介護手法のことを言います。メリットは下記になります。
・ユニットごとで何か考えたことを実践に繋げやすい
・自由度が高い
よって、従来の集団ケアよりも介護職員のストレスを抑えやすくすることができます。
2つ目として、IT導入が挙げられます。日報や管理の書類作成を多くの介護施設が手書きやエクセルなどで対応しているケースが多いです。タブレットなどの導入によってペーパーレス化もでき、更に下記のメリットを得ることができます。
・書類作業の時間を介護サービスにあてることができ、施設利用者の満足度の向上
・作業時間の低減
・見守り支援ロボットなどのIoT機器の導入による業務負担の低下
見守り支援ロボットは夜間見回りを大幅に削減しつつ、入居者ごとの行動や健康状態を数値化できることもあり、近年注目を集めています。
介護業界の残業時間と給料面の実態
全国労働組合総連合の「介護労働実態調査 報告書(2019年4月)」によると、介護職のひと月の残業時間は平均8.2時間、正職員で平均10.2時間でした。正社員で1日あたり30分程度が現状です。
一方で「残業なし」の人は32.3%、ひと月の残業が5時間未満の人は22.7%であり、残業時間が5時間未満の割合は半数を超えています。残業は非常に少ない業界と言えます。
給料面に関しては、介護職員の正社員の平均月給が217,465円で昨年より2,614円増加と賃金は年々増加しています。
厚生労働省が始めた取り組み
助成金制度や給料の改正などがおこなわれる中、厚生労働省の人材確保に向けた「介護のしごと魅力発信等事業」といった取り組みがあります。福祉業界について若者に知ってもらう場としてできました。
例えば「体験型・参加型イベント」の開催や「世代横断的な広報活動」などを実施し、介護の仕事の魅力を発信しています。「東京ガールズコレクション」とのコラボや新卒向けの福祉就職フェア「 FUKUSHI meets! 」などがあります。
「 FUKUSHI meets! 」を例に挙げると、出展法人数 が122 団体と学生 1,270名が参加し、内定者が197名出ているイベントもあります。今後も新しいイベントや取り組みが開催されるかもしれません。
外国人採用のための制度
介護業界の需要に対して人材不足が続いていることもあり、外国人採用を行う企業も増えてきています。最初のきっかけは2008年の外国人受け入れ制度であるEPA(経済連携協定)ができたことです。
また、2017年には「介護」の在留資格が設立されました。内容としては在留資格の「特定技能」で介護福祉国家試験を受験し、「介護福祉士」を取得できれば「介護ビザ」を取得することができるというものです。
人材不足も続いていることもあり、今後も外国人採用を積極的におこなう企業が増えてくるでしょう。
仕事のやりがいや満足度
介護業界の仕事は、やりがいも多くあります。例えばどんなやりがいや嬉しさを感じることができるのかいくつかピックアップしたので、見てみましょう。
「ナイス!介護」(※1)によると、介護職の仕事をしている人の半数以上が「働きがいのある仕事だと思っている」と感じています。「ありがとう」の一言や笑顔を見た瞬間にやりがいを感じる人が多いです。
また仕事への満足度は、「仕事の内容・やりがい」が53.4%(※2)で最も多く、「職場の人間関係、コミュニケーション」「職場の環境」と続いて満足度が高いです。「働き続けられる限り、介護の仕事をしたい」と思っている人も約56%います。
直接人と触れ合いながら利用者と2人3脚で仕事ができるからこそ、得られるやりがいがあるのかも知れません。
▶参照元(※1): 「ナイス!介護」 ▶参照元(※2): 「財団法人 介護労働安全センター」キャリアアップ・キャリアチェンジ
介護福祉士から大きく4つのキャリアを目指すことができます。

例えば、介護付有料老人ホームなどを展開する「木下の介護」では入社時の職種に関わらず、希望と能力によってキャリアチェンジができる環境があります。どんなキャリアを目指したいかを考え、希望する企業にその道があるのか見る必要があります。
相談業務のプロフェッショナル
ケアマネージャーやサービス提供責任者、生活指導員があります。それぞれの特徴を見てみましょう。
ケアマネジャー
利用者を直接介助する介護職とは異なり、主な仕事内容はケアプランの作成になります。利用者やその家族から状況などを聞きとり、適切な介護サービスを受けられるようにサポートするのが役割です。
サービス提供責任者
役職や資格ではなく、介護保険制度上の職業の名前で、訪問介護事業所のホームヘルパーを取りまとめる責任者のことを言います。ホームヘルパーの手配や調整といったスケジュール管理をおこない、教育・指導などもします。
生活相談員
利用者やその家族への相談援助・指導業務を担うのが主な業務内容になります。介護施設で利用者の入所・退所の説明や契約の手続き、家族やケアマネジャーとの連絡調整などをおこないます。
介護現場のプロフェッショナル
ここでは、認定介護福祉士や認知症ケア専門士があります。介護の現場で利用者と向き合いたい方にはオススメです。また、専門的な資格を取得することでこの道のプロフェッショナルを目指せます。
認定介護福祉士
介護福祉士としての実務を5年以上経験し、研修などを受講することで得られる資格になります。介護職員のリーダーとして指導や教育をおこない、他職種との連携の中心的役割を担うことが求められています。
認知症ケア専門士
認知症ケアに対する知識と技能に関する資格を取得することでなることができます。仕事内容は、介護現場で認知症ケアをおこなっています。有資格者は転職の際に待遇面など優遇されることがあり、資格手当を設けている施設や事業所もあります。
マネジメント
役職者としてキャリアアップしていきたい方にオススメです。施設全体の責任者として管理や運営を任されます。
仕事内容は働く施設や事業所によって異なりますが、施設や事業所全体の管理をメインにおこないます。介護業務や人材、収支に関するマネジメントも業務内容の1つです。給料面は、介護職員と比べ優遇されているため収入アップも目指せます。
他職種へのキャリアチェンジ
介護職での経験を活かし、看護師や作業療法士、理学療法士、言語聴覚士など、職種を変えることも1つの道です。給与面では介護職よりも収入アップが期待でき、介護職としての経験を持つ人材は、施設や事業所からも歓迎されることがあります。
介護業界の動向や仕組みを知ることは選考を突破するために必要です。
そのため「志望業界についてもっと知りたい」「選考の通過率を上げたい」という方は、ぜひ就職エージェントneoを利用してみてください。
介護業界の志望動機の書き方
介護業界の志望動機を書く際は「なぜ介護業界なのか」「なぜその会社なのか」をしっかりと深堀りしておくことが必要です。
具体的には自分が将来何を成し遂げたいのか、例えば「生活の手助けをしながら、利用者に笑顔になってもらいたい」などといった介護業界ならではの理由を述べるようにしましょう。
“なぜその会社なのか”については、他の企業ではなくその企業でなければいけない理由を伝えます。
例えばツクイの強みの1つを挙げると「業界トップクラスのデイサービス事業所数」があります。企業ごとの特徴や強みを把握した上で、志望企業を決めるようにしましょう。介護業界の志望動機の例文を見てレベル感を掴みたい方は以下の記事を参考にしてみてください。

そして、介護業界をなぜ志望したのか説明できるようにしておきましょう。そのために業界研究や仕事内容についても書いているので是非参考にしてみてください。
介護業界でうける自己PRの書き方
自己PRの書き方について学ぶ前に、まずは介護業界の求める人物像を把握しておきましょう。
企業に評価される自己PRをするためには、その業界ではどのような人が求められているのか知っておくことが重要です。
介護業界の求める人物像
人を喜ばせることや誰かのためにといった気持ちがあることは大前提必要です。介護を受けている方やその家族が求めているものを敏感に察知し、その願いを汲んだ配慮や対応ができる素養も重要です。介助をメインとするので、体力面もあると良いでしょう
介護業界の求める人物像について学んだら次は自己PRの書き方を学んでいきましょう。
自己PRの基本的な書き方
自己PRを書く際は基本的に「強み⇨エピソード⇨結果・学んだこと⇨入社後どう活躍できるか」の順番で書きます。

(1)結論
自己PRを書く際は最初に「私は○○することができます」といったように自分の長所を端的に述べます。
最初に結論を述べ面接官に今から何の話をするのか伝えることで、聞き手側も話が入りやすくなります。
そのため、自己PRをする際は結論として、まず長所を伝えるようにしましょう。
(2)エピソード
長所を伝えたら、実際にその長所があることを証明できるエピソードを交えます。
ここではできるだけ具体的なエピソードを伝えるために、その出来事の中で生じた課題・目標や、その課題・目標に対してどのような行動をとったのかについてまで書くようにしましょう。
また企業は、課題・目標やそれ対する行動を通してその人の人柄や価値観を判断しているため、なぜその課題・目標に取り組もうと思ったのか、なぜそのような行動をとったのかについて、しっかりと見つめ直しておいてください。
(3)結果・学んだこと
エピソードの次は、自分がとった行動によってどのような結果になったかについても書きましょう。
結果を書く際は、定量的に表すことを意識してください。
例えば「〇〇というアイディアを出し実践したところ、売上を40%上げることができた」など数字を用いてアピールした方が相手に伝わりやすいです。
また、この経験を通して何を学んだのかについても書きます。
面接官はその人の学びからも価値観や人柄を判断しています。価値観や人柄はその学生を採用するかどうかの大きなポイントとなるため、自分がどういった人なのか、いかにその企業に必要な人材であるのかをアピールするようにしましょう。
(4)入社後どう活躍できるか
企業は採用活動を通して、自社に貢献してくれる人材を求めています。つまり、面接官にこの学生は「自社で活躍する素養がある」と思わせるのが大事です。
そこで自己PRをする際は、最後に今伝えてきた長所をどのように志望企業の業務に活かしていくかまで伝えるようにしてください。
そのためには企業が求めている人物像を把握する必要があります。業界研究・企業研究を通してどのような強みをアピールするのか考えておきましょう。
より詳しい自己PRの書き方について知りたいという方は以下の記事を参考にしてください。

現時点で自己PRの書き方に悩んでいる人だけでなく、今の自己PRをさらにブラッシュアップしたいと考えている人も是非参考にしてください。
介護業界ランキング
ここでは介護業界のランキングを「業績」と「社内環境」に分けて紹介します。
介護業界の業績ランキング

売上については1位がニチイ学館、2位がSOMPOホールディングス、3位がベネッセHD、経常利益は1位がSOMPOホールディングス、2位がセコム、3位がシップヘルスケアHDです。
介護業界の中でも家事代行サービスや資格取得講座などの介護職以外の事業もおこなっている企業が上位にランクインしている傾向があります。
売上や利益、利益率をチェックした方が良い理由は、以下の2点です。
・利益、利益率は企業がおこなっているビジネスの成否を示しているから
売上は企業の財務力、ビジネスの規模を表しています。つまり売上が高い企業の方がビジネスの規模が大きいということです。
またA社とB社が同じ利益の場合、売上が大きい企業の方が金融機関からの融資を受けやすいとされているため、売上を見ることで企業の資金調達力もチェックすることができます。
次に利益、利益率は企業がおこなっているビジネスの成否を示しています。そのビジネスによる付加価値がどれくらいあるかを測る指標です。
つまり利益がほとんど出ていなかったり、赤字だとビジネスに何らかの問題があるということになります。
ただし、このランキングだけでなく、成長率も大事であるため各企業の過去についても振り返っていきましょう。
介護業界の社内環境ランキング

年収は1位がSOMPOホールディングス、2位がベネッセHD、3位が学研HD、勤続年数は1位がセコム、2位が SOMPOホールディングス 、3位が学研HDになります。
勤続年数が長いということは定着率が高いということになります。一概には言えませんが、定着率が高い会社は良い会社である可能性が高いです。
また従業員数が多い会社は多様な人と関わり合うことができるというメリットがあります。しかし多いと自分の意見が通りにくい場合もあるというデメリットもあるため、自分にとってどの環境が合っているのか考えてみましょう。
まとめ
本記事では介護業界について紹介してきました。業界の仕組みや動向について理解できたと思います。
選考を突破するためにはその業界を理解することが必要不可欠です。そのため業界研究をしっかりとおこない選考に備えましょう。
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