楽天グループは毎年400名前後を採用しています。一方で、応募者も多いため就活難易度が高いと言えるでしょう。
したがって、事業内容・強み/弱みなどの企業に対する深い理解がないと内定を獲得するのは非常に難しいです。
本記事では、”楽天グループ”の選考を受けてみたい学生が当該企業から内定をもらう可能性を高めるための内容を紹介していきます。
- 通信/情報サービス業界の動向
- 楽天グループの企業研究
- 楽天グループの選考対策
- 楽天グループの財務状況
楽天グループのホットニュース
昨今、通信キャリア各社は「通信を基軸とした経済圏の構築」に注力しています。
スマートフォンが爆発的に普及した現在、各社新規の契約を伸ばすことが困難であることから、経済圏の構築を通した既存ユーザーの囲い込みが今後の成長戦略のカギとなるようです。
3大キャリアが経済圏構築に奮闘する一方、楽天グループは、楽天モバイルで楽天金融経済圏のさらなる強化を図っています。
楽天モバイルは1年間で急速に契約者を伸ばし、2021年3月時点で289万人のユーザーを保有しています。楽天モバイルが289万ユーザーに達したのは楽天カードの4.8倍(*1)も早いそうです。
その他に、2021年7月、楽天は日本郵便とともにJPロジスティクス株式会社を設立しました。両社のアセットを活用し、物流事業のDX化・効率化を共に推進していく模様です。
合弁会社の設立の背景には、EC需要拡大に伴う自社物流網の強化があります。
参照元(*1):楽天株式会社 2021年度 決算ハイライト楽天グループの企業研究
データで見る楽天グループ
まずは楽天グループの企業概要についてご紹介します。
設立年:1997年2月7日
従業員数:単体7,390人、連結23,841人(*2)
男女比:男性59%・女性41%割 連結 (*3)
平均年齢:34.2歳 単体 (*2)
平均勤続年数:4.5年 単体 (*2)
平均年収:745万円 単体 (*2)
転勤の有無:東京本社及び国内・海外支社の勤務あり (*3)
福利厚生:食事補助、社員寮完備・ストックオプション (*3)
参照元(*3):楽天採用サイト 福利厚生
楽天グループ 事業内容
楽天グループには「インターネットサービス事業・フィンテック事業・モバイル事業」の3つの事業部門があります。以下では、各事業部門の概要を述べていきます。
フィンテック事業(*4):インターネットを介した銀行及び証券サービス、クレジットカード関連サービス、生命保険サービス、損害保険サービス及び電子マネーサービスの提供等を行う事業により構成
モバイル事業(*4):通信及びメッセージングサービスの提供、並びにデジタルコンテンツサイト等の運営等を行う事業により構成
楽天グループの業績
過去3年間における楽天グループの売上高・営業利益(本業で稼いだ利益)を紹介します。
売上高および営業利益/営業損失


グループ企業の業績を含む連結ベースでの売上高は毎年右肩上がりで成長しています。一方、営業利益は大幅に減少しており、2020年度は営業損失を出しました。
2020年度の売上高は、インターネットサービス事業やフィンテック事業において、事業が堅調に推移し、191億円増加しました。
続いて、2020年度において営業損失を出した要因は、さらなる事業成長を実現するために、販促活動や物流拠点の整備に伴う費用やモバイルにおける基地局建設に関わる費用を計上し、営業費用が増加したこと等によるものです。
楽天グループの事業環境
SWOT分析というフレームワークを活用して、楽天グループの事業環境を分析していきます。
ちなみにSWOT分析とは、競合や法律、市場トレンドといった自社を取り巻く外部環境と、自社の資産やブランド力、さらには価格や品質といった内部環境をプラス面、マイナス面にわけて分析する手法になります。
インターネットサービス事業

・独自の楽天経済圏(エコシステム)形成
→70超のサービス展開、世界15億人超のユーザーが利用
・国内ECサイトにおいて会員数最大
・ビックデータの保有
・ブランド力
<弱み>
・海外進出に苦戦
<機会>
・EC市場規模が年々拡大している
・「巣ごもり消費」や人との接触機会を避けた購買活動等への需要増
<脅威>
・Amazon
・D2C(デジタルtoコンシューマー)ビジネスの台頭
‐補足‐
D2Cとは「Direct to Consumer」の略で、「製造者(メーカー)が直接的に消費者と取引をする」という意味の言葉です。D2Cの特徴は、メーカーが自社のECサイトで商品を消費者に直接販売するため、販売会社を介さないということです。
フィンテック事業

・独自の経済圏である楽天エコシステム形成
→ネット銀行利用者数ナンバーワン
→ネット証券利用者ナンバーワン
→楽天カードの利用者2,300万人
<弱み>
・サービスの改悪によるユーザー離れの恐れがある
→楽天ゴールドカードのポイントの還元率が減額
→楽天プレミアム終了
→楽天証券での毎月ポイント付与が廃止
<機会>
・キャッシュレス決済の需要の拡大
<脅威>
・事業によって競合が多い
モバイル事業

・ネイティブモバイルネットワーク
・楽天経済圏とのシナジー(*5)
→楽天モバイルユーザーは楽天市場一人あたりの単価が高い
<弱み>
・シェア率
・通信事業のノウハウ不足
・基地局等の追加開発費がかさむ
<機会>
・デジタル技術活用の必要性が高まっている
→5Gの商用化、AI・IoT・ビックデータの活用
・電気通信事業法の改正
→通信各社による利用者の過度な囲い込みを防ぐため、2019年10月に改正された事業法です。具体的には、契約の2年縛りの禁止や通信料金と端末代金の完全分離などが求められています。
<脅威>
・競合とのサービスの同質化
楽天グループの選考対策‐インターン/本選考‐
楽天グループの求める人物像を理解したうえで、インターン/本選考対策を行なっていきましょう。
楽天グループが求める人物像
常に改善、常に前進
人間には2つのタイプしかいない。
【GET THINGS DONE】様々な手段をこらして何が何でも物事を達成する人間。
【BEST EFFORT BASIS】現状に満足し、ここまでやったからと自分自身に言い訳する人間。
一人一人が物事を達成する強い意思をもつことが重要。
仮説→実行→検証→仕組化
仕事を進める上では具体的なアクション・プランを立てることが大切。 楽天 新卒採用サイト「MESSAGE」より一部抜粋
楽天は、市場や旅行などのインターネットサービス、銀行や証券などのフィンテックサービス、さらに通信事業など70以上のサービスを展開しています。このように楽天は「常に変化が問われる」環境にいます。
したがって、自身の環境の変化をいとわず、変化に対応するために自ら考え、行動できる人材を求めていると考えられます。
楽天グループのインターン選考対策
楽天グループは夏と冬の2つのインターンを設けており、各インターンごとに選考内容が異なります。ですが、どのインターンシップでも、インターンの志望理由が問われることは共通しています。
以下に実際にインターン選考に通過した志望動機を掲載しています。ぜひ参考にしてみてください。
→少ない文字数のなかで、インターンシップに参加したい理由とその背景が記載することができています。
楽天グループの本選考対策
楽天グループでは、過去の情報によると下記の本選考フローが組まれています。最新の選考では選考フローが変わる恐れもあるので予めご了承ください。
以下で楽天グループの本選考対策についてフローごとに紹介していきます。
■エントリーシート(ES)
楽天グループのエントリーシートでは、志望動機や大学時代に注力したことを問われることが多いそうです。本記事では、楽天グループ内定者の志望動機をご紹介します。
◆楽天グループの内定者 本選考の志望動機① ‐ビジネス総合職‐
→「楽天主義」と自身の経験を上手く紐づけて、楽天で実現したい内容を書けています。ぜひ参考にしてみてください。
◆楽天グループの内定者 本選考の志望動機②‐ビジネス総合職‐
→自身の経験に紐づけて、楽天で成し遂げたいことを記載できています。主語がエントリーシートの書き手であることが明白であるため、「私は」などは省略してもよいでしょう。
■Webテスト
楽天グループではESとWebテスト(言語・非言語・性格)が同時に課されます。Webテストはef-1G形式で性格診断と能力テストの2種類に分かれています。
eF-1Gの性格診断は全部で251問・80項目あり、約30〜40分程度で回答します。
続いて、eF-1Gの能力テストは、「言語問題」「非言語問題」の19ブロック114問を30分以内に回答します。
■面接
下記にて、楽天グループの各面接においてどのような質問があるのかについて紹介します。
◆面接過去問① ‐ビジネス総合職‐
<内容>
・学生時代に頑張ったこととその深堀り
・周りの人からは自分はどのような人だと言われるか
・逆質問(一人一問)
<感想>
ガクチカは成功のコンセプトに当てはまることを言うようにしました。また全員が同じ質問をされる集団面接は、ほかの参加者と比べられるため個人面接と異なり、相対的に評価されやすいと思うので、その点も意識しました。
【二次面接】社員1(楽天カードの社員):学生1 (オンライン) 30分
<内容>
・学生時代に力を入れたこととその深堀り
・逆質問
<感想>
一次面接で伝えたガクチカとは異なる成功のコンセプトに当てはまりそうなものを言うように意識しました。ガクチカの話をしているときに「そのような思考ができる方と働きたい」みたいなことを言われ、嬉しかったです。
【三次面接】社員1(入社3年目の人事の方):学生1 (オンライン) 30分
<内容>
・自己紹介
・志望理由とその深掘り
・自分が楽天とマッチしていると思う点
・第一志望のカンパニーとその理由
・希望職種とその理由
・他に受けている企業とそれぞれの選考フェーズ
・楽天の懸念点、惹かれる点
・逆質問 (5分)
<感想>
三次面接は落ちないと言われていましたが(第2期本選考の方の中で、内定者の枠が埋まってきているからか、三次で落ちている方もいらっしゃいました)、気を抜かずに面接に臨みました。特に一次面接と二次面接ではガクチカをメインに聞かれたので、三次面接では楽天に入社後やりたいことを伝えるなど、しっかりと志望度をアピールできるよう心がけました。
【最終面接】社員1(楽天ペイの事業部長の方):学生1 (オンライン) 30分
<内容>
・自己紹介とその深堀(?) – アルバイトのことや専攻のことを聞かれました。
・受けている企業と、その中での楽天の志望度
・逆質問(20分以上)
<感想>
ほぼ逆質問だったので、面接官の方の話を聞いている時の聞く姿勢を意識しました。面接官の方が私の話を聞いているときも「どう思う?」と質問を投げかけてくることもあったので、逆質問の時間が多くても完全に受け身にならないことが大事だと思います。
◆面接過去問②‐ビジネス総合職‐
<雰囲気>
やわらかい雰囲気の中で、緊張せずリラックスして普段の姿が見たいと仰っていたためそれほど硬くならず受けることが出来た。
<内容>
・自己紹介
・学生時代に力を入れたこと
・ガクチカ深掘り
<感想>
回答に制限時間はなく自由に答えられた。グループ面接は初めてだったため仮に制限が設けられていた場合、制限通り話せるか不安だったがその点は良かった。しかしその分、全体の面接時間と自分の回答時間とのバランスや流れ・雰囲気に沿った回答を臨機応変にできるかという点が試されていると感じた。ビジネスマンとして、スムーズで気持ちの良いコミュニケーションが取れるのか、といったことが見られていたと思う(受け答えや表情の気持ちよさ等)。
【二次面接】社員1人(若手の方):学生1人 15分程度
<雰囲気>
比較的年齢が近いため、ざっくばらんな雰囲気の中で行われた。
<内容>
・志望動機
・楽天でやりたいこと
・学生時代に力を入れたこと
<感想>面接前のワークで、ビジネス上人にモノを伝えるうえで気を付けるべきことがいくつか提示されていたので、そこに対策の重点を置いたところ、その通りに試すような面接内容だった(数値の具体化など)。
【三次面接】社員1人(人事):学生1人 20分
<内容>
・興味のある業界
・企業と楽天に対する志望度合い
・不安の解消
<感想>
次の面接(実質最終面接?)に向けての相談という意味合いが大きいがしっかりと質問もあり、見られているなと感じた。
【最終面接】社員1人(上層部の役職):学生1人
<内容>
・学生時代に力を入れたこと
・志望動機
・楽天でやりたいこと
<感想>
実質の最終面接だと想定していたので厳かな雰囲気の中で行われると思っていたが、気さくな方で優しく話を聞いてくださった。これまで聞かれた内容とは変わらないが、逆質問の際ジムの関心と、面接官の方の仕事を関連付けた質問をすると熱心に答えてくださり、自分の志望度も伝わったようで手ごたえがあった。
楽天グループの財務状況
楽天グループの財務状況を「会社の安定性を図る指標」「会社の成長性を図る指標」の2つ観点から説明していきます。
会社の安定性を図る指標
会社の安定性を図る指標である「流動比率」「自己資本比率」について紹介します。
楽天グループの流動比率
「流動比率」とは会社の安全性を測る代表的な指標です。自己資本比率とは異なり、短期的観点から企業の安定性を判断できます。
以下の公式より流動比率を算出することができます。
「流動比率=流動資産÷流動負債×100」
楽天グループの流動比率は以下のようになりました。
流動比率=382,979÷257,364×100%=148%
*楽天グループの財務諸表(貸借対照表)の流動資産合計と流動負債合計より就職エージェントneoが独自に計算
流動資産は原則として1年以内に現金化できる資産を表し、流動負債は1年間以内に返済可能な金銭債権のことを表します。
この流動比率を計算することで会社にどれだけすぐに現金化できる資産があるかがわかり、流動比率が120%の会社であれば安全であると言われています。
したがって、楽天グループは流動比率が148%あるため財政状況は盤石であると言えます。
楽天グループの自己資本比率
「自己資本比率」は企業の安全性を示す代表的な指標です。この指標は金融機関で融資をうける際にも非常に重視される指標です。
自己資本比率では会社がどれだけ返済義務のない自己資本を所有しているかが分かり、自己資本の充実が会社の安全性につながります。
楽天グループの自己資本比率(*6)は以下の通りです。

一般的に自己資本比率が40%を超えると財務体制が安定した会社として評価されます。
この指標から会社の負債や自己資本のバランスが明確となり、長期的観点から企業の安全性を評価することが可能です。
楽天グループの自己資本比率は20~52%の間を推移しています。近年の自己資本比率の減少はモバイル事業における投資が起因しています。
したがって、今後モバイル事業が軌道に乗れば、自己資本比率が回復していき、安定した財務基盤になるでしょう。
会社の成長性を図る指標

上記の表は楽天グループの直近3年の売上高・純利益・純利益率を表したものです。
ちなみに純利益とは、法人税など企業が支払うべき費用を差し引き、最終的に会社に残ったお金のことを指します。
近年の楽天グループは「売上規模は増加しつつ、利益の質が落ちている」ことが数字から読み取ることができます。
ですが、利益率が落ちているのはモバイル事業における基地局建設の費用がかさんだためです。
したがって、今後楽天モバイルの利用者が増加することで利益の質も向上していくでしょう。
【企業研究】5分でわかる楽天グループ‐まとめ‐
いかがでしたでしょうか。今回は、楽天グループの選考に役立つ情報を紹介しました。ですが、情報を得ただけでは楽天グループの内定を獲得することはできません。
本記事で得た情報をもとに行動を起こせるかが重要になります。ぜひ本記事を参考に楽天グループ内定までの一歩を踏み出してください。
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