パチンコ業界の志望動機の例文・書き方～セガサミーなど3社の選考通過ESを公開～
パチンコ業界に興味はあるものの、社員として働いた場合にどのような業務を行うのかイメージが付かない方、また業界動向について知らないという方は多いのではないでしょうか。
実はパチンコ業界の企業はギャンブルというマイナスなイメージを払拭するために企業が努力をしており、「高収入」、「残業が少ない」、「福利厚生が充実」した企業も多いのが特徴です。
パチンコ業界への就職に興味はあるものの、どのような業務を行うのかイメージが湧かないという方、また業界の特色を知りたいという方に向けて、志望動機や面接を受けるうえでの参考になる情報をまとめています。
パチンコ業界の動向
ここではパチンコ業界の動向について述べていきます。
パチンコ業界の衰退と今後の展望
かつてパチンコ業界は不況に強いと言われていましたが、近年市場規模は長期的な縮小傾向にあり、廃業する店舗数も多いです。
1つ目の理由に「パチンコ依存症の社会問題化」による規制の強化があります。
パチンコ台の大当たりの確率や、大当たりで払い出される玉の数を国が決めています。
なぜなら大当たりの確率が高いほど、払い出される玉の数が多いほど、ユーザーが「パチンコ依存症」になる確率が高まるからです。
2つ目の理由に「国内の遊戯人口の減少」があげられます。これは上記で記載した規制の強化や若年層のパチンコ離れが原因と言われています。
パチンコの店舗数や遊戯人口が盛況だった頃に昔に比べ、現在は「パチンコ依存症」への対策が強化され、規制が厳しくなっており、客はパチンコで大きく勝つことが出来ず物足りなさを感じるようになっています。
また若年層のパチンコ離れについては、レジャーの多様化でスマホゲームや漫画喫茶、youtubeなどお金をかけずに楽しむことができるコンテンツが増えたことにあります。
更に2020年以降は新型コロナウイルスがパチンコ業界に追い討ちをかけました。
感染が起きやすい場所としてメディアで取り上げられたことでパチンコ店は集客において大きな打撃を受けており、特に高齢者のユーザーが戻っていないといいます。
コロナウイルスの感染拡大で業績が落ち込んだことで、大手パチンコ機器メーカーの「セガサミー」はグループ全体の1割に近い650人の希望退職者を募りました。
以上のようにパチンコ業界は衰退傾向にはあります。ただ、市場規模としては決して小さいわけではないです。
というのも2019年度の余暇市場全体の売上は71.9兆円であり、そのうちパチンコ・パチスロの市場規模は20.7兆円で、全体の3分の1近くを占めています。
需要は停滞しつつも、大きな産業ではあるので、すぐにパチンコ業界が無くなるということはないでしょう。
ただ、業界が縮小傾向にある中で、今後パチンコ業界がどのようなビジネス転換を行っていくべきかについては、志望者は必ず考えをもっておきたい事項です。
例えば、パチンコ製造業界は2016年末に成立した「IR推進法案」、いわゆる「カジノ法案」でのカジノ解禁をビジネスチャンスと捉え、カジノ運営のノウハウを習得しようとしています。
具体的にはセガサミーは韓国で、ユニバーサルエンターテインメントはフィリピンマニラで、カジノやホテル、レストラン、商業施設などを併設した統合型リゾート施設を運営し、来る日本でのカジノ解禁に備えています。
パチンコ業界の職種
パチンコ製造業界の職種について、解説をしていきます。
プログラマー
プログラマーとしてパチンコ機器の製造に関わります。
パチンコ・パチスロの制御システム（他の機器やシステムを管理するためのシステム）の設計や、パチンコ機器の映像や音の実装や修正、通信経路の設計など、様々な設備の製造にプログラマーが関わっていきます。
遊戯機器のプログラム言語は独特であることから専門性も求められますが、未経験者の採用も若干あるようです。
商品企画
パチンコ・パチスロ機の新製品の企画立案、完成までプロジェクトを管理する役割を担います。
ヒット機種を生み出すことを目指し、プログラマー、出玉企画と連携しながら業務を行います。市場のトレンドをマーケティングすることも大切ですので、パチンコにある程度詳しい必要があります。
出玉企画
大当たりの確率や、確変（大当たりの確率が高くなっている状態）への突入率等、パチンコを遊戯している際の出る玉の数についての仕様を作り上げることが出玉企画の仕事です。
出玉企画はパチンコ・パチスロの高揚感を決める要となる業務です。こちらの業務を行うには、遊技機規則による出玉性能の制限についての知識や、数学的なスキルも求められます。
映像・演出企画
パチンコ・パチスロ機の液晶画面の部分の企画から開発を行います。絵コンテ、字コンテの作成や、外部の制作会社と連携し、実際に映像制作も行います。
営業
パチンコホールを運営する企業を訪問し、市場の動向やトレンドを伝えながら、パチンコ機、パチスロ機を購入してもらえるよう営業を行います。
また購入後のアフターフォローを行うことも営業の仕事です。
志望動機の作り方のポイント
パチンコ業界の志望動機を作成するうえでポイントになるのは、パチンコ業界の製造メーカーがゲームなど他のエンターテイメント機器を扱う企業と違って、どのような違いがあるかをきちんと理解していることです。
業界研究をきちんと行なったうえでなぜ、パチンコ業界に興味を抱いたのか、また同業他社と比べてなぜ、その企業を志望するのかを明確にしたうえで、志望動機の作成に臨みましょう。
なぜパチンコ業界か
パチンコが好きという理由に終始しない志望動機を作成しましょう。
例えば、パチンコ業界しか受けていないという学生だと好きなものに囚われすぎて視野が狭くなっているのではないか、という不安を面接官に与えます。
しかし、パチンコ業界以外の選考も受け、比較したうえで志望していることを伝えることができれば、熱意を持ってパチンコ業界を志望しているのだという印象を与えることができます。
なぜ、前者が歓迎されないかというと、視野が狭い状態でその企業に就職をしてしまうと、就職後にイメージとの違いから退職される可能性が高いからです。
好きであることを理由に就職するのであれば、良いイメージだけで入社したいと思っているのではない、他の企業と比べ、業界のデメリットも分かったうえで、志望しているのだということを伝えましょう。
なぜその企業か
それぞれのメーカーの特色を把握し、その企業の特色にあった志望動機を必ず用意しましょう。
例えば、「キャラクターもののパチンコ機器の開発に携わりたくて、御社を志望しました」のような複数のパチンコメーカーに当てはまるような志望動機を伝えてしまうと、「○○社もその手の機器に精通していますが、なぜ、弊社なのですか」という質問が必ずきます。
ですので、「キャラクターもののパチンコ機器の開発に携わりたくて、御社を志望しました。中でも御社を志望した理由は、パチンコ機器を製造するメーカーの中でもアニメや映画など版権が必要なパチンコ機器の草分け的な存在であるからです」のような、その企業の面接官にツッコミどころを与えないような志望動機を作成しましょう。
なぜ自分が向いているのか
パチンコを製造する企業について、自身がどのような価値を与えられるのか明確に言語化できるようにしましょう。
パチンコ業界を志望する人の大半がパチンコ好きで知識があるため、「パチンコが好き」であることは大前提です。
それ以外のアピール要素を必ず盛り込むようにしましょう。
例えば、企画開発職はプロジェクトリーダーのような役割を担うため、全体の作業を把握して、様々なポジションの人と連携を取りながらヒットするパチンコ機器の開発に臨みます。
そのため、人をまとめて何かを成し遂げるなどリーダーシップを発揮した経験や、マーケティングを勉強をし、実際に実務でも活用できる知識があるなどのエピソードも良いアピールポイントになります。
「パチンコも好きだし、○○も得意なので、その能力を活かして御社に価値を与えたいです」という志望理由を作成しましょう。
志望動機の書き方
情報収集や自己分析を基に、伝えることが決まれば、あとは書くだけです。必ずしもオリジナルの構成にする必要はありません。
シンプルでわかりやすい文章構成が、相手を意識した書き方であり、読んでもらうコツです。
文章力に課題がある人は第三者にチェックしてもらうことで、「て・に・を・は」、接続語、「です・ます」調など細部まで整えましょう。
（1）志望動機をひと言で
（2）具体的に言うと
（3）理由（過去の経験と業界・その会社の関連性）
（4）入社後にどうなりたいか
志望動機の書き方、考え方を詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
パチンコ業界2社の望動機の例文
「パチンコ製造」業界の中でも人気の高い企業3社の選考通過ESの志望動機を紹介します。
セガサミーの志望動機の例文
御社を志望したのは、業界最大手であることと、自分自身が最も親しんだ機器を製造している点に魅力を感じたためです。
大学時代は演劇サークルに所属をし、演出をとして舞台を監督する立場にありました。その経験から、自身は仲間の中でリーダーシップを発揮しながら物づくりをすることに、最もやりがいを感じるのだということを実感し、「企画開発」のような物づくりに携わることができる業務を第一志望としています。
中でもパチンコ業界である御社を志望したのは、パチンコが舞台の次に学生時代に時間を費やした好きなものであったということと、人々にエンターテイメントを提供したいという気持ちがあったからです。今まで自分にたくさんのエンターテイメントを与えてくれた御社に属しながら、自身が新たなエンターテイメントの価値を生み出したいと思い、今回志望しました。
→自身の経験と志望動機を絡めることで、具体性が増していて、志望理由に説得力が増しています。
また舞台サークルの演出としてリーダーシップを発揮したという強みは、「企画開発」の業務を行ううえで必要とされる能力とマッチする面もあり、面接官にきちんとアピールもできる志望動機になっています。
なぜセガサミーか、という部分が、自分の好きな製品を作っている企業だからという理由に終始してしまっているのが残念です。
セガサミーの業務内容として魅力的な部分を志望理由としてあげられると良いでしょう。
セガサミーの志望動機の例文
パチンコの開発に携わりたく、御社を志望しました。
高校生の時から、プログラミングが趣味で、将来はプログラマーとして製品を開発してみたいと思っていました。様々な企業の説明会に参加する中で、自身の趣味であるゲームやパチンコの製品開発にプログロマーとして関わりたいと思うようになりました。
というのも、多くの企業の説明会に参加する中で、自分と同じ趣味を持つ人が多くいる環境に身を置くことが自身のモチベーションに繋がると感じたからです。
御社を志望する理由は、パチンコ以外にアミューズメント機器など、様々な製品に携わっており、プログラマーとしてだけでなくエンターテイメント製品の開発者として様々な経験ができると考えたからです。
→パチンコ業界に就職したいという思いは伝わるのですが、全体的に好きだから、という理由に終始してしまっているので、もう少しビジネス的な視点が入れられると尚、良いと思います。
また、実際にプログラミングをされるということなので、自身のプログラミングスキルが具体的にどう活かせれるかを述べられても良いと思います。
フィールズ の志望動機の例文
御社を志望したのは、様々なメーカーのパチンコ機器の営業に携わりたかったからです。
私は自分の言葉で、人を説得することができた際に非常にやりがいを感じます。学生時代に携帯電話ショップでアルバイトをしていたのですが、その際に商品の魅力を自分なりに把握し、さらにどう伝えれば人に魅力が伝わるかを考え、実践して結果が出すことができた際に今まで感じたことがない達成感を得ることができました。
この経験を生かし、製品の魅力を伝え、売上目標に向かって進んでいく業務に非常に魅力を感じています。
中でもパチンコ機器のメーカーである御社を志望した理由は、もともとパチンコが好きであったため、好きなものの製品の魅力を存分に語ることができたら楽しいだろうと思ったためです。また、御社はパチンコ機器のメーカーではなく商社であるため、顧客のニーズに合う幅広い提案ができるという点に非常に魅力を感じています。
→なぜ、営業職を志望するのかという理由を、自身の学生時代のアルバイト経験から語っている点が良いです。
具体的なエピソードとともに志望理由を語りますと説得力を増しますし、その経験で得た成果を加えることで、活躍できる人物だという印象を面接官に与えることができます。
なぜ、フィールズ かという点について「商社であるため、顧客のニーズに合う幅広い提案ができる」という理由をあげていますが、こちらの理由だと商社の業務を担うパチンコ機器メーカーであればどこでも良いのか？という話になってきます。
そのため、敢えてフィールズを志望する理由を深掘りした方がより良いESになるでしょう。
まとめ
パチンコが好き、誰よりも詳しいというのは、同業界を目指すうえで大切な要素です。
いかに自分がパチンコ・パチスロが好きで、人よりも詳しくて、熱い思いを持っているのか、というのはきちんと伝えられるようにしましょう。
ただ、好きです、と伝えるのではなく、どう好きなのか、どう詳しいのか、具体例を交えて熱く語れるようにしましょう。
ただ、そこに止まらず、パチンコ業界の課題を製造側の目線からきちんと伝えることができるようになる必要はあります。
余暇市場全体の売上の中で、大きな規模を持つ業界ではありますが、娯楽のバリエーションが増えた現代において、今後、人々の「パチンコ」離れは益々、進んでいくでしょう。そのような状況の中、何をすれば業界内で生き残っていけるのか、自分の見解をきちんと語ることができるようにしておきましょう。
志望動機の基礎から応用まで網羅的にノウハウを知りたい方は下記をご覧ください。
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