
百貨店の志望動機の例文・書き方~三越伊勢丹など3社の選考通過ES公開~
小売業界の中でも華やかなイメージを持つ百貨店。三越や高島屋など馴染み深い方も多いのではないでしょうか。百貨店にはそれぞれ特徴があるため、志望業界や業務内容を把握した上で、志望動機の例文を参考に書き方のコツを掴みましょう。
百貨店業界の特徴
この章では百貨店の動向と特徴について解説していきます。
百貨店の動向
そもそも百貨店とは、小売業界に含まれるデパート産業です。百貨店を志望する上でまず抑えておきたいことが、「ネット通販」と「コト消費」です。
時間帯を選ばず気軽にショッピングが楽しめるECサイトは、若者の百貨店離れを加速させています。そのため各百貨店も、自社のECサイトの強化が不可欠だと考えられます。
次に人々の消費の対象がモノからコトに移っている点です。そもそもコト消費とは、「体験、時間、思い出」など、商品を買いサービスを使うことで得られる体験に重きを置き、価値を見い出す消費傾向のことを指します。
消費者のニーズが「モノ消費」から「コト消費」へ変化している今、百貨店も店舗内にヨガやエステ、ホテルなど体験型の売り場を拡充する動きも見られています。
百貨店を取り巻く様々な現状から、百貨店のいくつかは経営統合やリニューアルに着手しています。
例えばJ.フロントリテイリング(大丸松坂屋)は、坂屋跡地に銀座エリア最大の商業施設GINZASIXを開業したり、高島屋は日本橋本店の隣に高島屋ショッピングセンターをオープンしたりと新しい百貨店のカタチを模索しています。
■数字で見る百貨店業界の現状
参照元:業界動向サーチ/全136業界の業界ごとの合計、または平均を項目ごとにランキング。百貨店業界23社が対象(2018年-2019年)
百貨店業界の主な仕事内容
販売
実際に店頭に立って接客と販売をするほか、商品の発注、在庫管理、伝票処理なども行います。お客さまのニーズを汲み取った最適な商品提案が求められるため、販売職だけでなく総合職の方も、はじめは店頭に立つことが多いです。
バイヤー
バイヤーとは商品を仕入れたり、ブランド側と交渉して新規開拓を行ったりする立場の人です。バイヤーは売れる商品を仕入れる必要があるため、日頃からトレンドに敏感でなければなりません。
販売企画
物産展や有名ブランドとのコラボを企画・運営することで販売促進を行います。今まで百貨店を訪れたことがない層にもPRするために、アニメとコラボするなどの、斬新な企画力によって魅力ある売り場を作り出します。
営業
最後に営業ですが、大きく分けて法人営業と外商営業に分けられます。法人営業では、企業に対してユニフォームを制作したり、ノベルティを作ったりしています。
次にお客様のところに直接出向いて、商品の販売や注文を受けるのが外商営業の仕事です。このようなお客様は百貨店の経営に直接影響する大口顧客のため、外商営業は重要な業務と言えます。
志望動機を作るために用意すべき3つの「なぜ」
百貨店業界に限らず志望動機には一貫性と論理性が求められます。深く、細かい理由が必要ですが、最低限3つの「なぜ」を言語化した上で作成しましょう。
「なぜ」百貨店業界を志望するのか
小売業界の中で、スーパーやコンビニではなく、なぜ百貨店業界なのかを説明する必要があります。
百貨店業界を選んだ理由を答えるためには、上述した業務や動向の他に、百貨店だからこそ提供できる価値を知っておく必要があります。
過去の経験と考えをもとに、どんな軸で業界を選んでいるか明確にしておきましょう。
「なぜ」その百貨店を志望するのか
百貨店といえども、各会社によって特徴は様々です。
例えば、ファッションに強くデジタル化を推し進めている三越伊勢丹や大阪に本社を構え「まちづくり」という視点を持って百貨店経営を行う高島屋など、百貨店の特徴を踏まえて個社ごとの志望動機を伝えることが重要です。
そこで、企業理念や取り組みを比較するだけでなく、インターンやOB・OG訪問、店頭での接客を観察して自分だけの志望動機を作れると良いでしょう。
「なぜ」自分が必要なのか
百貨店で働くにはまずお客様が何を求めているのか、それを知らなければ販売・バイヤー・企画などほとんどの業務はこなせません。
そのため、常にお客様視点に立ちニーズを把握することが求められます。そして変化の激しい百貨店業界は、百貨店という枠に捉われず常に新しいことにチャレンジしていく人材を欲しています。
これらを志望動機に盛り込み、自分が会社に入社する場合、どのように貢献できるかアピールすることが重要です。
志望動機の書き方
情報収集や自己分析を基に、伝えることが決まれば、あとは書くだけです。必ずしもオリジナルの構成にする必要はありません。シンプルでわかりやすい文章構成が、相手を意識した書き方であり、読んでもらうコツです。
文章力に課題がある人は第三者にチェックしてもらうことで、「て・に・を・は」、接続語、「です・ます」調など細部まで整えましょう。
(1)志望動機をひと言で
(2)具体的に言うと
(3)理由(過去の経験と業界・その会社の関連性)
(4)入社後にどうなりたいか
▶志望動機の書き方、考え方を詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
「志望動機の書き方~選考通過率をUPさせる方法~」「志望動機の正しい考え方やコツ~「志望動機がない…」と悩んでいる人必見~」

志望動機の例文
実際に選考を通過したESの志望動機の例文および考察から、書き方を学び自身のESや面接に活かしてください。

三越伊勢丹の志望動機の例文
「喜び」や「感動」が自身の活力になることを実感した経験から、私の強みである「高いホスピタリティ精神」と「達成力」を武器に「お客様のために最高のおもてなしを提供したいと考えています。
→自分の経験からなぜその百貨店がいいかについて述べられています。
高島屋の志望動機の例文
→150字以内なので志望業界については省略されています。面接では深堀りされると思うので、論理的に話せるよう準備しておきましょう。
J.フロントリテイリング(大丸松坂屋)の志望動機の例文
その中でも貴社は特別な買い物だけではなく「くらしのあたらしい幸せを発明する」ということをビジョンとし、日々の不満や不安を解消することを重視しているという点に魅力を感じました。今の百貨店という業態に危機感を持ち、将来を見据えて時代の変化に合わせた明確な取り組みをここまで推し進めている百貨店は貴社だけだと感じます。
私はそんな貴社の一員として今まで部活動の経験で培った自身の向上心を活かし新しいことにもどんどんチャレンジしながら共に成長していきたいと考えています。
→なぜその業界か、なぜその百貨店か、なぜ自分かをしっかりと伝えています。特に自分の経験から導き出した考えをESに落とし込めているので一貫性が出ます。
▶レベルの高い例文集を見たい方は下記記事をご覧ください。
「志望動機のおすすめ例文10選!」まとめ
百貨店業界は人気が高く、十分な業界研究や企業研究が必要です。他の就活生と差をつけるためにも、読みやすく一貫性のある志望動機を作りましょう。
▶志望動機の基礎から応用まで網羅的にノウハウを知りたい方は下記をご覧ください。
「志望動機の書き方・例文」あなたの志望動機は順調ですか?
ここまでは、志望動機を書くために必要な情報をお伝えしてきました。
それでも、「自分の場合はどうすればいいの?」と不安な方も多いのはではないでしょうか。
そんな時は、自分ひとりで抱え込まず、客観的な視点からフィードバックをもらうべきです。就職エージェントneoでは、企業人事の要望を把握したプロのアドバイザーが年間2万件以上の就活生の悩みにお応えしています。
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