
精密機器業界の志望動機の書き方・例文~富士フイルムなど5社の選考通過ESを公開~
精密機器業界は、ものづくりに携わりたい想いを持って志望している学生が多いです。最先端の技術を用いている業界だからこそ、入念な業界研究と企業研究は欠かせません。
精密機器業界の動向から、志望動機の書き方と例文まで載せているので、参考にしてみてください。
精密機器業界の特徴
精密機器業界は、企業を相手に取引を行う「BtoB」メーカーと一般消費者を相手に取引する「BtoC」メーカー両方があります。
具体的には、MRIやCT、体温計などの医療機器やカメラ、プロジェクターなどの光学機器を取り扱っているのが精密機器業界の特徴です。
精密機器業界は、あらゆる業界と関連している業界で、高い精密加工技術を保有している日本が得意とする分野です。
次に精密機器業界の動向を見ていきましょう。
精密機器業界の動向
精密機器業界全体として、業界規模の推移はほぼ横ばいになっています。
しかし、スマートフォンの普及とペーパーレス化によりデジタルカメラ市場・プリンター市場は共に大きく縮小。今後新しいジャンルに挑戦する必要があります。
例えば、人々の安全を守るネットワークカメラの需要は年々高まっているため、そのビジネスチャンスに対し、ネットワークカメラ事業に参入する企業も存在します。
また、計測機器は家庭でのスマートメーター導入により、生産額が大幅に増加しました。
スマートメーターとは、電力使用量をデジタルで計測する電力量計のことです。データを遠隔地に送れるため、検針員による一戸一戸の電力メーターチェックの作業が必要なくなるという利点があります。
そして、医療機器業界は、国内の高齢化と新興国の経済発展に伴う医療水準向上のため、まだまだ伸びしろがある業界と言えます。
富士フイルムやキヤノンといったカメラ事業に強みを持っていた精密機器メーカーは、その画像解析技術を活かし、シナジーのある医療機器の開発に力を入れています。(MRIやCTは画像解析技術を用いているため)
今後も、精密機器メーカーが医療機器市場に参入するケースが増えるでしょう。
■数字で見る精密機器業界の現状

参照元:業界動向サーチ/全136業界の業界ごとの合計、または平均を項目ごとにランキング。精密機器業界52社が対象(2018年-2019年)
■数字で見るカメラ業界の現状

参照元:業界動向サーチ/全136業界の業界ごとの合計、または平均を項目ごとにランキング。カメラ業界5社が対象(2018年-2019年)
■数字で見る医療機器業界の現状

参照元:業界動向サーチ/全136業界の業界ごとの合計、または平均を項目ごとにランキング。医療機器業界32社が対象(2018年-2019年)
精密機器業界の仕事内容
総合職
■商品企画、マーケティング
市場調査や消費者動向調査を踏まえ、新製品の企画やコンセプトの立案を行います。販売に向けての営業戦略やプロモーション手法を検討したりもします。
■営業
様々な業界に属する企業と、価格交渉や商品提案、販売を行います。
日本の精密機器は世界的に見ても高い水準のため、海外の人と交渉活動をすることも少なくありません。
技術職
■商品開発、研究開発
新商品の開発や、有効な素材・成分の研究を行います。とりわけ医療機器は、命にかかわるため高い技術力と大きな責任が求められます。
■生産技術、生産管理
効率的な生産計画を組み、会社にとってベストな生産計画を立案/遂行します。また、取引先のもとに不良品が届かないよう品質管理を行います。
志望動機を作るために用意すべき3つの「なぜ」
精密機器業界に入社するには、徹底的な業界研究、企業分析、そして自己分析が不可欠です。一貫性と論理性のある志望動機を書くために、最低限3つの「なぜ」を言語化した上で作成しましょう。
「なぜ」その業界を志望するのか
なぜ精密機器業界なのかを説明する必要があります。ものづくりに携わりたいという理由でも、メーカーの中でなぜ精密機器業界なのか、自分の言葉で説明できるようにしておきましょう。
また、自分の夢ややりたいことが、本当にその業界でできるのか確認することが重要です。
「なぜ」その企業を志望するのか
その企業じゃなければならない理由を見つけましょう。例えば、「デジタルカメラやプリンターの市場が縮小している中、なぜキヤノンなのか」と問われた際、うまく説明できるように、インターンやOB訪問などを通じて、自分だけの志望動機を作りましょう。
「なぜ」自分が向いているのか
最後に自分がその企業に入ることで、どのように貢献することができるのかアピールしましょう。精密機器業界は、様々な商品の根幹となっているものが多いため、各企業のブランドを背負っています。
そのため、強い責任感が求められます。また、様々な業界の人とかかわるため、マネジメント能力も不可欠でしょう。
業界や企業で求められる人物像を把握し、自分の強みを話しましょう。
志望動機の書き方
情報収集や自己分析を基に、伝えることが決まれば、あとは書くだけです。必ずしもオリジナルの構成にする必要はありません。シンプルでわかりやすい文章構成が、相手を意識した書き方であり、読んでもらうコツです。
文章力に課題がある人は第三者にチェックしてもらうことで、「て・に・を・は」、接続語、「です・ます」調など細部まで整えましょう。
(1)志望動機をひと言で
(2)具体的に言うと
(3)理由(過去の経験と業界・その会社の関連性)
(4)入社後にどうなりたいか
▶志望動機の書き方、考え方を詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
「志望動機の書き方~選考通過率をUPさせる方法~」「志望動機の正しい考え方やコツ~「志望動機がない…」と悩んでいる人必見~」

志望動機の例文
実際に選考を通過したESの志望動機の例文および考察から、書き方を学び自身のESや面接に活かしてください。

富士フイルムの志望動機の例文
→志望動機より前に述べていた、既存の方法だけでなく試行錯誤してタンパク質研究を行った経験と夢が、幅広い事業を展開している富士フイルムにうまく合致しています。そのため、200字という制限の中でも、簡潔にわかりやすく伝わっています。
キヤノンの志望動機の例文
また、自由視点映像生成システムをスポーツニュースに用い、多くの人々に明日への活力を与えられると考えました。さらに、このシステムによる映像制作の時間を短縮することが出来れば、子どもの運動会などに用い、笑顔や活力をよりもたらすことができると考えます。私は貴社のカメラを使い、日常に笑顔や活力を生み出したいです。
→キヤノンが得意とするネットワークカメラと自由視点映像を踏まえて夢を語っています。このように企業研究をすることで、より具体的な志望動機を書くことができます。
オリンパスの志望動機の例文(技術職)
その中で貴社を志望する理由は光学の専業メーカーとして高い技術力を持っており、また、早期診断と低侵襲治療を目指している点に魅力を感じたからです。さらに、海外の売上も大きく、世界中の医療改善に挑戦しながら成長できると考えています。医療機器は特殊な分野であり、今後も学ぶことが多いと思いますが、私の「努力家」という性格を生かして、多くのことを吸収し、技術者として世界中の医療に貢献していきたいです。
→自分の経験から得た学びと強みをアピールしています。結論から先に述べている点もわかりやすく、綺麗にまとまっています。
テルモの志望動機の例文
私の祖母は3年前がんを患いましたが、最先端の医療と担当医のおかげで無事完治しました。長時間にも及ぶ手術や抗がん剤治療を経て健康であることへの幸福を知った彼女は、発症前は家にこもりがちでしたが体操教室や華道の教室に通い、活き活きとした生活をしています。治療は、ただ体の器官の動きを改善し腫瘍を切除するだけでなく、人間そのものの性格や生活をもプラスの方向に導くことを知りました。医療や健康は全ての根幹です。物質的に豊かになったとしても、健康でなければ幸福や楽しさも感じられず、仕事もできません。
貴社は「がん就労制度」を設けており、患者様だけでなく、働く社員の健康やライフスタイルも大切にする点も魅力に感じました。
→なぜその企業なのかについて、企業理念と自分の経験を理由に挙げています。ただ1行目の就職活動の軸が、他の業界でも当てはまるため、より具体的なことを述べたほうがよいでしょう。
島津製作所の志望動機の例文
インターンシップで貴社の研究・開発の姿勢は「見えないものを見えるようにする」ことでこれが人の健康に繋がると学んだ。これから少子高齢化が進んでいくので私も人の健康の役に立ちたいという思いがある。その為に0から1を「創造」する事、その為に常に「挑戦」し、1から10にする為に「情報の分析」を行いニーズを見つける事が出来るような営業として貴社で働き貴社のさらなる発展に貢献したい。
→アルバイトの経験とインターンシップでの学びを志望動機に落とし込んでいます。しかし、アピールしたいことが多く、わかりにくい文章になっているため、少々削ったほうがよいでしょう。
▶レベルの高い例文集を見たい方は下記記事をご覧ください。
「志望動機のおすすめ例文10選!」まとめ
日本の精密機器は、世界的に見てトップレベルです。当然入社したいと感じる就活生は多いため、記事を参考に、通過できる志望動機を作成しましょう。
▶志望動機の基礎から応用まで網羅的にノウハウを知りたい方は下記をご覧ください。
「志望動機の書き方・例文」あなたの志望動機は順調ですか?
ここまでは、志望動機を書くために必要な情報をお伝えしてきました。
それでも、「自分の場合はどうすればいいの?」と不安な方も多いのはではないでしょうか。
そんな時は、自分ひとりで抱え込まず、客観的な視点からフィードバックをもらうべきです。就職エージェントneoでは、企業人事の要望を把握したプロのアドバイザーが年間2万件以上の就活生の悩みにお応えしています。
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