保険=安定している、規模が大きいなどのイメージで多くの就活生が志望をしている生命保険業界。
業界の規模が広く、多くの会社が存在します。生命保険業界の動向を掴みながら、各社の強みや社風を理解していきましょう。
生命保険業界の特徴
生命保険とは、大勢の人で公平に保険料を負担しあい、死亡や病気の時に、保険金を支払うことを約束したものです。
もしもの時に、家族や生活を支えるための保険であると言えます。
生命保険業界の動向
生命保険会社への入社を希望している人で知っておくべきことは、日本は生命保険大国であるということです。
生命保険の世帯加入率は89.8%で、10人のうち約9人が何らかの生命保険に加入しているという状況です。
今後、生命保険業界に最も影響を与えることは、日本の少子高齢化と人口減少です。
これにより、生命保険の加入者が減ることは予想されます。
しかし、高齢化社会ならではの新しい生命保険のニーズが誕生しました。
それは、長生きに合わせた保険です。寿命が伸び、定年退職してから過ごす時間の間に、病気や怪我をするリスク、介護を必要とするリスクが増えました。
また、今後老後のための蓄えがより一層必要になり、その蓄えを保険に求める人も増えてきています。
よって、医療・年金・介護などに対応する生前給付型の保険が多くなってきています。
その中でも介護保険の需要は格段に伸びていて、今後も必要とされると考えられます。
日本は、現在、75歳以上の約3人に1人が要介護(要支援)認定者となっています。機
関によってはこの10年間で倍増しているというデータもあり、今後も増大すると考えられます。
介護は、介護を必要とする本人への経済的負担が大きいですが、介護をする家族へもお金の面だけでなく精神的にも負担があります。
これをカバーできる介護保険は今後多くの人に求められると考えられます。

生命保険業界の業務
ここでは生命保険会社の様々な仕事の中から、主な3つの業務についてピックアップして説明していきます。
■営業部門
営業部は各会社で呼ぶ名前は違えど、個人営業部門、法人営業部門、代理店営業部門に分けられます。
いずれの部門でも、保険を営業業務を行っています。しかし、営業先が異なるので、保険の内容や営業のやり方に違いがあります。
■アンダーライティング部門
保険加入から支払いまでの流れをサポートするための部門です。
特に、生命保険会社には、保険加入時の契約に基づき、お客様に適切な額を支払う義務があります。
この保険の出口となる支払い業務を担っているのがこの部門です。
■資産運用部門
保険加入者から受け取った保険料は膨大な額になります。その一部を有価証券や不動産などで運用する部署です。
この運用して増やしたお金で将来の保険金や配当金の財源にします。
損害保険との違い
生命保険は、「ヒト」に関わるリスクに対する保険であり、損害保険は、「モノ、財産」に関わるリスクに対する保険です。
また、生命保険の営業は個人にしますが、損保は法人に対して行います。個人へはお客さんの場合は代理店を通すことが損害保険の売り方です。
万が一の際の保険金の支払い額は、損害保険は損害の度合いによって変わりますが、生命保険は保険加入時に決めた定額であるという違いもあります。
生命保険業界で評価される志望動機を作る3つのステップ
ここでは生命保険業界の志望動機を書く際に意識してほしいポイントを3つ紹介します。
これから志望動機を作成するという人は、以下のポイントを参考に作成してみてください。
(1)志望動機に必要な要素を把握する
志望動機を作成する際は「なぜ生命保険業界か」「なぜその企業なのか」をしっかりと深掘りしましょう。
“なぜ生命保険業界なのか”については、数ある業界の中でもなぜ生命保険業界を選んだのかについてしっかりとした理由を準備しておく必要があります。
「損害保険のような『モノ』ではなく、生命保険の特徴である『ヒト』に対して寄り添った提案がしたい」のように、生命保険業界ならではの理由を述べるようにしましょう。
生命保険業界の面接では特に、損害保険との違いをよく問われます。上記のような「モノ」と「ヒト」という違いの他にも提案先が異なります。
例えば営業職の場合、生命保険は個人に直接提案しますが、損害保険は代理店を通して行います。
このように一見似ているように見える業界ですが担っている役割は大きく異なるため、業種の違いについては事前にしっかり調べておきましょう。
“なぜその企業なのか”については、志望企業の強みや事業形態などの特徴を調べて、競合他社と差別化しながら伝えることが大切です。
保険料収入1位を誇っている第一生命は、海外展開にも注力しており、ニューヨークに現地法人を開設したり、海外企業を買収して関連会社化・子会社化したりしています。
近年では、子会社として現地会社の「第一生命ミャンマー」を設立し、2020年1月からミャンマー最大都市ヤンゴンで現地会社の営業を開始しました。
このように企業によって注力ポイントや特徴は異なるため、志望企業の特徴や他社との違いを把握した上で、志望動機を作成しましょう。
(2)生命保険業界の求める人物像を把握する
生命保険は『ヒト』の将来のリスクに備えた保険商品です。そのため、どれだけお客様に寄り添った提案ができるかが重要になってきます。
また、お客様の正確な健康状態や希望を把握したうえで、保険の契約を結ばなければならないため、コミュニケーション能力や傾聴力も重視されます。
さらに、国内市場の縮小に伴い、業界で生き残るためにも新しい保険商品を提案しなければなりません。そのため、主体的に新しい保険商品を考え出し実行に移せる行動力も必要とされます。
(3)志望動機のフレームワークを知る
情報収集や自己分析を基に、伝えることが決まれば、あとは書くだけです。必ずしもオリジナルの構成にする必要はありません。
シンプルでわかりやすい文章構成が、相手を意識した書き方であり、読んでもらうコツです。
文章力に課題がある人は第三者にチェックしてもらうことで、「て・に・を・は」、接続語、「です・ます」調など細部まで整えましょう。
(1)志望動機をひと言で
(2)具体的に言うと
(3)理由(過去の経験と業界・その会社の関連性)
(4)入社後にどうなりたいか
志望動機の考え方、書き方を詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
生命保険業界の志望動機の例文
実際に選考を通過したESの志望動機の例文および考察から、書き方を学び自身のESや面接に活かしてください。
第一生命の志望動機の例文
その経験から、より多くの人々の暮らしをライフステージに寄り添って支え続けられる生命保険業界に携わりたいと考えています。
中でも貴社が大手生命保険会社初の株式会社化や積極的な販売チャネル・海外進出を行うなど、お客さまに選ばれ続けるために変革に挑戦し続ける姿勢に魅力を感じました。
また貴社は変革に伴い幅広いビジネスフィールドを持っており、私は様々な業務を経験することによって自身の付加価値を向上させ、貴社に貢献できると考えています。以上の理由から貴社を志望致します。
→自分自身の経験から感じたことを、生命保険の事業と照らし合わせて述べています。その上で第一生命へ共感できるポイントが書かれています。
参照元:unistyle/選考通過者本選考ES(第一生命20卒)
日本生命の志望動機の例文
私は顧客に対して広く深い関係性を構築できる点から、生命保険業界を志望しております。
しかし、保険商品のみでは他社と差別化が図れません。
そこで私は保険以外の付帯サービスをより充実させることによってお客様との「より深い関係性」を構築したいと考えております。
そして、このようなことが実現できるのは資金力のある貴社のみであると考えております。
また、私は高校野球部の主将を務めた経験から1人1人を観察し、そのニーズを探ることに長けております。
そこで、個々にオーダーメイドのサービスを提供するこの仕事において自らの強みを活かして活躍したいと考えております。
→生命保険業界を志望している理由について明確に書かれています。
また、入社してからやりたい仕事も根拠を持って書かれています。
参照元:unistyle/内定者本選考ES(日本生命(日本生命保険相互会社)16卒)
明治安田生命の例文
これは、アルバイトの経験から、お客様のことを考え自ら行動したことに喜んで頂けた時にやりがいを感じたためです。
貴社は対面のアフターフォローの充実やKizuna運動など、お客様目線を徹底していることから、よりお客様に寄り添うことができると思いました。
このような貴社であれば、軸を成し遂げられると確信し、志望します。
→就職活動の軸を、会社で入れば成し遂げられると書かれています。企業研究で何ができるのかをよく考えています。
参照元:unistyle/内定者本選考ES(明治安田生命(明治安田生命保険相互会社)20卒)
かんぽ生命の例文
強みである二万四千の郵便局のネットワークを通じて、お客様のニーズに合わせた保険商品を提案するだけではなく、健康増進などお客様のことを考えた事業展開をされていることに私は魅力を感じました。
私は中学校で生徒会長の立場にいた時に、自分が仕事をしなかったことで学校の行事が潰れてしまうという事がありました。
その中で多くの人を支えることにやりがいと大きな使命感を感じ、将来は人を支えることが出来る仕事に就きたいと思うようになりました。
人を支えるという中でも、特に人の人生のすべての出来事に対応することが出来、お客様の不安を取り除くことが出来る生命保険業界を志望しました。
お客様の抱えている課題は何かを考えながら、私の強みである粘り強さや課題解決力を活かして、日本中のすべての人を保険という商品を通して安心を与えたいです。
→ネガティブな点を書くのであれば、それを挽回したエピソードがなければマイナスの評価をうむことがあります。
しかし会社についての研究はよくできています。
参照元:unistyle/内定者本選考ES(かんぽ生命保険20卒)
住友生命の例文
そのことからより多くの人や企業を支えることができる生命保険業界を志望します。
中でも貴社は保険商品開発力が高く、お客様を第一に考えたサービスを提案している点に魅力を感じました。
そのため貴社を志望し、さらにジョブローテーションを通じて様々な地域で多くの経験をすることで自身の付加価値を高め、貴社に貢献したいと思い、総合職での入社を希望致します。
→自分の経験から保険業界への志望理由が述られています。
主将の経験がチームを支えることに繋がったエピソードがあるとより良いです。
参照元:unistyle/内定者本選考ES(住友生命(住友生命保険相互会社)20卒)
上記例文の他にも就活支援サイトunistyleでは選考通過者のESを7万件以上掲載しています。 下記画像からサイトに移動できるので、ぜひES作成の参考にしてください。
生命保険業界の志望動機を書く際の注意点
生命保険の志望動機でありがちなのが、損害保険ではなく生命保険業界が良い理由が明記されていないというケースです。
一見似通っているように感じる業界だからこそ、明確な違いが理解できていないという人もいるでしょう。
しかしそれでは企業の採用担当に「うちの会社じゃなくても良くない?」と思われ、落とされてしまう可能性があります。
せっかく熱意を持って選考に臨んでいるのに、あなたのやる気や熱意が伝わらないともったいないですよね。
そうならないためにも、志望動機を書く前にまず、両社の違いについて理解しましょう。そして志望動機を書く際も損害保険業界ではなく、生命保険業界が良い理由をしっかりと伝えるようにしてください。
まとめ
本記事では生命保険業界の動向や仕事内容、損害保険との違い、志望動機の書き方・例文を紹介してきました。
再三お伝えしていますが、生命保険業界の志望動機で大切なことは、損害保険ではなく生命保険業界が良い理由を明確に伝えることです。
それらの違いを伝えるには業界・企業研究が重要になってくるため、志望動機を書く前に必ず業界・企業理解を深めるようにしましょう。
●”生命保険業界”の動向
社会問題である少子高齢化と人口減少は、今後の生命保険業界に大きな影響を与えるとされており、生命保険の加入者が減ると予想されている
●”生命保険業界”の求める人物像
(1)お役様に寄り添える
(2)コミュニケーション能力や傾聴力がある
(3)主体的に動ける行動力がある
●”生命保険業界”の志望動機に向かないアピール内容
損害保険業界との差別化ができていない志望動機
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