
私たちの生活をより便利で快適にしてくれている航空業界。
飛行機を利用する機会がある人にとっては仕事内容のイメージがしやすく、CAは女性の憧れの職業としても有名であることから、就活生に人気の業界と言えます。
そのため選考突破するためには、企業に評価される志望動機を作成することが必要です。本記事の志望動機の例文を参考に書き方のコツを掴んでいきましょう。
航空業界の特徴
この章では航空業界の動向や業種、職種についてわかりやすく解説していきます。
航空業界の動向
国土交通省の航空輸送統計調査によると、新型コロナウイルスの感染拡大以前は、訪日外国人数が3,188万人を突破し、国外へ出国する日本人も過去最高を記録しました。
しかし、新型コロナウイルスが猛威を奮い始めた2020年では、国内線の旅客数は前年比67%減の3,376万人、国際線は96.2%減の81万にまで減少しました。
特に、国際線は各国の出入国規制によって、前年度の売上高がほとんど消えた状態となっています。
上記のような赤字を回復するための取り組みとして航空業界では「国際貨物事業」「LCC事業の拡大」「オンライン販売の拡充」の3点に注力しています。
国際貨物事業では、マスクや電子部品、自動車、医薬品、医療機器などの国際輸送の需要が増加したことから、通常旅客機として利用する機体を貨物機として転用が行われました。
LCC事業は、JALが特に注力している事業であり、既にグループ会社化している「ジェットスター」、国際線を運航している「ZiPAIR」に加えて、新たに「SPRING JAPAN」を連結子会社化しました。
オンライン販売の拡充は、機内食やグッズをオンラインで販売することです。
ANAでは家の中で少しでも旅気分を味わってもらおうと、通常国内線で提供している機内食や国際線エコノミークラスの食器などを含むトレーセットをオンラインで販売し、2022年4月時点で売上2億円を超える大ヒットとなりました。

航空業界の職種
■客室乗務員
旅客機に搭乗し、乗客に安全で快適な空の旅を提供するためにサービスと保安の2つの役割を担っています。
サービスでは、乗客の搭乗から到着までの様々な業務を担当しており、具体的な仕事内容はお客様に機内食や新聞、雑誌毛布など配布や、免税品の販売です。
保安では、急病人への救急処置、天候悪化時の機内の安全確保などを行います。
また、安全運航をするために、出発前ミーティングで緊急時の手順確認、備え付けの消化器や酸素ボトルの確認作業も客室乗務員の仕事です。
■パイロット
パイロットは地上にいる航空管制官の指示の下、航空機を操縦士し、安全に目的地まで乗客や貨物を運ぶ仕事です。
ただ操縦すれば良いだけではなく、フライト前には気象データや飛行経路、空港の状態、航空機の整備状況など、数多くの安全確認を行っています。
パイロットとは多くの人の命を預かっています。そのためフライトでは「安全性」「定時性」「快適性」を考え、安全な運航を行う技量が求められます。
■グランドスタッフ
グランドスタッフの仕事内容は大きく分けると「旅客ハンドリング」「ランプハンドリング」の2つです。
旅行ハンドリングとは、空港のカウンターなどのお客様のチェックインや案内を行ったり、出発準備が整った航空機のドアを閉めるドアクローズ業務や座席の調整、機内食の管理などを行っています。
ランプハンドリングは、空港に到着した航空機を安全かつ正確に駐機スポットまで誘導したり、お客様の手荷物や貨物の出し入れを担当しています。
また機内で提供している茶菓や飲料等の搭降載業務も行います。グランドスタッフは、どうすれば飛行機を安全に出発させられるのかを常に考えなければけない仕事となります。
■事務職
航空会社の事務職の役割は、売上の最大化・製品の品質強化・事業運営基盤の構築です。
これらを改善するために、顧客のニーズや需要動向を予測、分析するマーケティング、空港サービス・客室サービスの改善や商品企画、運航・客室乗務員の管理、事業運営に必要となる部門ごとの採算管理も担当しています。
その他にも航空会社の事務職は職種が幅広く、企業によって多少異なりますがいわゆるバックオフィスと言われる仕事がたくさん存在しています。
■航空整備士(技術職)
航空会社の技術系の仕事であり、航空整備士は安全を守るために品質・安全・生産管理、新シートの企画や開発、導入などを行っています。
具体的には「ライン部門」「ドック部門」「ショップ部門」「エンジン部門」に4つに分かれており、それぞれ整備する部分が異なり、分担して行っています。
ライン部門であれば、空港に到着した航空機が次のフライトに出るまでの短い時間内に点検・整備を行い、ドック部門は一定のフライト時間に到達した航空機を点検・整備します。
ショップ部門は特注で作られた高価な部品や装備品を点検・整備し、エンジン部門では航空機の要であるエンジンの整備を担当しています。
航空業界で評価される志望動機を作る3つのステップ
ここでは航空業界の志望動機を書く際に意識してほしいポイントを3つ紹介します。
これから志望動機を作成するという人は、以下のポイントを参考に作成してみてください。
(1)志望動機に必要な要素を把握する
志望動機を作成する際は「なぜ航空業界か」「なぜその企業なのか」をしっかりと深掘りしましょう。
“なぜ航空業界なのか”については、数ある業界の中でもなぜ航空業界を選んだのかについてしっかりとした理由を準備しておく必要があります。
「既存路線の拡大・新規路線の開拓を行い、世界と日本の人々が気軽に繋がる社会を作りたい」などといった航空業界ならではの理由を述べるようにしましょう。
その際に業界の仕事内容と絡めて伝えることができればより深い志望動機になるため、業界の職種や動向についても把握しておきましょう。
“なぜその企業なのか”については、志望企業の強みや事業形態などの特徴を調べて、競合他社と差別化しながら伝えます。
例えばJAL(日本航空)であれば、アジア諸国とヨーロッパ諸国、アメリカ合衆国、オセアニアに、国内線は東京国際空港や大阪国際空港を拠点に幹線からローカル線まで、幅広い路線網があり、ANAであれば、ANAブランドの航空だけでなく、LCC事業、商社事業、旅行事業にも注力しています。
このように企業ごとの特徴や強みを把握した上で、志望動機を作成するようにしましょう。
(2)航空業界の求める人物像を把握する
航空業界ではパイロットや客室乗務員、航空整備士などと協力しながら働かなければならないのはもちろんですが、その他にも外国のお客様や様々な年代のお客様と関わる機会がとても多い仕事です。
そのため、コミュニケーション能力や多様な文化や価値観を受け入れることができる素養が必要です。
また、お客様が何を求めているのかを聞き出す傾聴力や問題発生時も臨機応変に対応できる冷静さと対応力も必要不可欠となります。
さらに航空業界は企業間の競争が激化している業界であるため、生き残るためにもどのような機能があれば喜んでもらえるか、世の中が求めているものは何なのかを常に考えなければなりません。
そのため、新しい企画やサービスを考えることができる発想力や実際に行動に移すことがで
きる行動力も大切です。
最後に、最も大切なのは、航空業界の仕事はたくさんの人の命を預かっている仕事であるため、責任感や管理能力はなくてはならない素養となります。
(3)志望動機のフレームワークを知る
情報収集や自己分析を基に、伝えることが決まれば、あとは書くだけです。必ずしもオリジナルの構成にする必要はありません。
シンプルでわかりやすい文章構成が、相手を意識した書き方であり、読んでもらうコツです。
文章力に課題がある人は第三者にチェックしてもらうことで、「て・に・を・は」、接続語、「です・ます」調など細部まで整えましょう。
(1)志望動機をひと言で
(2)具体的に言うと
(3)理由(過去の経験と業界・その会社の関連性)
(4)入社後にどうなりたいか
志望動機の考え方、書き方を詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
航空業界の志望動機の例文
実際に選考を通過したESの志望動機の例文および考察から、書き方を学び自身のESや面接に活かしてください。
ANAの志望動機の例文
幼少期、飛行機で太平洋を横断中に満天の星空を見て「空を越える素晴らしさ」に魅了され、「飛行機で世界を繋げていきたい」という夢を抱き、人生が大きく変わった経験があります。
この経験から、私が夢見た場所で一人でも多くのお客さまに、自身が感じたような夢や希望を提供したいという強い想いを持ちました。
私は貴社だからこそ、この想いに向け挑戦できると感じています。なぜなら貴社の目指す「世界をつなぐ心の翼で夢にあふれる未来に貢献する」という目標と、私が実現させたい想いは同じだと考えるからです。
私は、ミャンマーでのフィールドワークや部活動の経験で培った「目標達成に向けて諦めない気持ち」を軸に、貴社のグローバルなフィールドで、失敗を恐れず常に挑戦心を持ち、グローバルスタッフ職としてチーム内外を問わず人と人を繋げる架け橋になります。
これまでにお会いした社員さんから感じた謙虚で丁寧かつ熱意を持って対応してくださる姿勢、明るく前向きで情熱的な雰囲気のチームワークで共に困難な壁を必ず乗り越え、想いを実現させたいです
→自分の夢、その夢を持った背景について実際の経験をもとに書けています。
また入社後自分の強みを活かしてどのように貢献していくかについても書けているため、読み手が入社後の姿を想像しやすい志望動機となっています。
しかし業界の中でもANAを志望している理由が少し薄く感じるため、もう少し なぜその企業が良いのかについて深堀りをしてみましょう。
参照元:unistyle/選考通過者本選考ES(全日空空輸(ANA)18卒)
JALの志望動機の例文
貴社は、全社員が心を一つにお客様との信頼関係を築いてきた経験があるからこそ揺るがない土台があると感じ、中でもお客様に一番近い距離で最高のサービスを追求する貴社のCAでならこれを実現できると考えました。
そこで私は、学童のアルバイトで学んだ(1)命をお預かりする事に責任を持ち注意を行き渡らせる(2)求められている事を理解する為相手へ興味を持ち続ける事を活かしていきたいです。
一人一人のお客様を想い、沢山の発見と気遣いの行動を通してお客様の期待を上回るサービスを提供したいです。
→将来成し遂げたいこと、JALを志望している理由、入社後活かせる能力については過去の経験を踏まえてしっかりと書けていますが、航空業界を志望している理由が書かれていません。
個社を志望している理由を書く前に、なぜ航空業界を志望しているのかについて書けるとさらに良い志望動機になると思います。
参照元:unistyle/内定者本選考ES(日本航空(JAL)客室乗務職20卒)
スターフライヤーの志望動機の例文
しかし日本の人口減少は加速しており、地方路線の運営は困難になっています。そこで私は地方路線の維持に携わりたいと考えるようになりました。
地域に根差した空輸の運営を通して社会に貢献する一方で、航空サービスの質の追及などの更なる成長戦略を掲げる貴社だからこそ守れる地方路線があると考えています。
また積極的な成長戦略を持つ貴社でなら、私が研究室で磨いた「論理的かつ多面的な思考力」を存分に発揮できると考え、貴社を志望しています。
→個社を志望している理由について地方出身ならではの経験を踏まえて書けています。
また、自分の強みを活かしてそのような事業に携わりたいかについてもアピールできているため、説得力があり、志望度の高さが伺える志望動機になっています。
参照元:unistyle/選考通過者本選考ES(スターフライヤー20卒)
上記例文の他にも就活支援サイトunistyleでは選考通過者のESを7万件以上掲載しています。 下記画像からサイトに移動できるので、ぜひES作成の参考にしてください。
まとめ
本記事では航空業界の動向や職種から、評価される志望動機の書き方、例文を紹介してきました。
本記事でも紹介したように、航空業界ではFSCとLCCの競争が激化や、抱えている課題に対してそれぞれの企業が様々な施策を行っています。
そのため、各企業がどのような施策や事業を展開しているのかを把握し、具体的且つ説得力のある志望動機を作成しましょう。
●”航空業界”の動向
航空業界は新型コロナウイルスの影響による赤字を回復するため「国際貨物事業」「LCC事業の拡大」「オンライン販売の拡充」の3点に注力している
●”航空業界”の求める人物像
(1)コミュニケーション能力がある
(2)多様な文化や価値観を受け入れられる
(3)傾聴力がある
(4)臨機応変に対応できる冷静さと対応力がある
(5)新しい企画やサービスを考えられる発想力
(6)行動力がある
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