「伊藤ハム米久HDの強み・弱みは?」「どのような選考対策をすればいいの?」「会社の安定性や成長性はどうなの?」などと考えていませんか?
本記事では伊藤ハム米久HDの事業内容や会社の強み・弱みなど、企業研究に役立つ情報を紹介していきます。
※正式名称は「伊藤ハム米久ホールディングス株式会社」ですが、本記事では「伊藤ハム米久HD」と表記しております。
他にも内定を獲得するために知っておくべき”過去の選考情報”なども紹介しているので、企業研究に自信が持てない人や選考に不安を抱えている人は、ぜひ確認してみてください。
食肉加工業界のホットニュース
近年、食肉加工業界ではタンパク質危機と代替肉、海外展開といった話題が取り上げられています。
以下で詳しく紹介しています。
タンパク質危機と代替肉
タンパク質危機とは、世界的な人口増加や肉食化によって、将来的な食肉価格の高騰と供給不足が懸念されていることを意味する言葉です。この問題は、早ければ今後10年以内に顕在化すると考えられており、こうした背景から多くの食肉加工メーカーでは肉に代わる「代替肉」の開発に力を入れています。
伊藤ハム米久HDでは、2020年に大豆ミート商品『まるでお肉!』シリーズの販売を開始しました。お肉のような噛み応えになるよう使用する大豆を選定することに加えて、大豆と相性のいい香辛料を使用するなど、美味しく食べれる工夫が多く施されています。販売当時は8種類でしたが、2021年には焼肉、サラダチキン、ジャーキー、2022年にはカレーやシチューの販売を開始しており、さらなるラインナップの充実に力を入れています。
大豆ミートは通常のお肉よりもヘルシーかつベジタリアンの方にも楽しんでもらえる商品として、今後もさらなる需要拡大が予想されるでしょう。
参考:伊藤ハムの大豆ミート 公式HP海外展開
食肉加工業界は人口減少に伴い国内市場が縮小傾向となる一方で、海外での食肉需要は高まっています。例えば、中国では「肉食化」が進んでおり、2031年の食肉消費量は2021年より約18%拡大することが予想されています。
こうした背景を踏まえて、多くの食肉加工メーカーは海外展開に力を入れているのです。
伊藤ハム米久HDも、2005年に中国、2009年にタイに進出しており、早い段階から他国の市場に参入しています。2017年には、欧米・アジア・中東に広範な販売網を持つニュージーランドの食肉大手「アンズ子フーズ」を完全子会社化し、さらなる海外展開を実現しました。
今後は、海外に位置するグループ各社を通して、伊藤ハム米久HDの商品を世界各国に拡販していく計画です。
参考:伊藤ハム採用HP「会社を知る」食肉業界のビジネスモデルなどさらに知見を広げたい方は以下の記事を参考にしてみてください。
関連記事:【業界研究】食肉業界の動向4選!仕事内容や志望動機・自己PRのポイントも紹介
データで見る伊藤ハム米久HDの企業研究
ここでは、企業研究で見るべき事業内容や業績について紹介します。さらにSWOT分析という企業研究を深堀りする際に役立つ分析方法についても紹介するので、見てみましょう。
伊藤ハム米久HDの企業概要
伊藤ハム米久HDの企業概要について紹介するので、以下の情報を参考に企業選択をする手段の1つとしてご利用ください。
設立年月日 :2016年4月1日
資本金 :300億円
代表者 :宮下 功
従業員数 :8,089円(連結)(2022年3月31日時点)
平均年齢 :41.6歳(提出会社)(2022年3月31日時点)
平均勤続年数:13.9年(提出会社)(2022年3月31日時点)
平均年間給与:6,884,062円(提出会社)(2022年3月31日時点)
福利厚生 :従業員持株会、財形貯蓄、社宅制度、通信教育など
・伊藤ハム米久HD 2022年有価証券報告書
・伊藤ハム米久HD 福利厚生
伊藤ハム米久HDの事業内容
伊藤ハム米久HDは、子会社52社、関連会社11社で構成されています。
HDは主に食肉加工品(ハム・ソーセージ、調理加工品)と食肉等の製造販売をする役割を担っており、「加工食品事業」「食肉事業」、「その他の事業」の3つの領域に分けて事業展開をしています。
以下にてそれぞれの事業について紹介しますので確認してください。
加工食肉事業
加工食肉事業部門では、ハムやソーセージ、調理加工食品等の食肉加工品の製造・販売を行っています。
商品の例)朝のフレッシュ ロースハム、The GRAND アルトバイエルン(ソーセージ)、ラ・ピッツァ
食肉事業
食肉事業部門では、食肉と調理加工品の製造・販売を行っています。
商品の例)肉の匠 いとう
その他の事業
その他の事業部門では、主に事務代行サービスや物流サービスなど食品加工以外の業務を行っています。
参照元: 伊藤ハム米久HD 2022年有価証券報告書伊藤ハム米久HDの業績
次に、過去3年間における伊藤ハム米久HDの売上高・営業利益(本業で稼いだ利益)を紹介します。
伊藤ハム米久HDの売上高および経常利益
以下は、伊藤ハム米久HDの売上高と経常利益をまとめたグラフです。
売上高とは、営業活動として商品やサービスを提供した際に、対価として受け取った販売額のことを指します。
そして営業利益とは、販売した商品の「売上高」から「売上にかかったコスト」を差し引いた残りのもののことを指します。営業利益が大きいほど優良企業だとされています。
2021年は新型コロナウイルスの影響で外食向け業務用商品の需要が減退したことにより、伊藤ハム米久の売上高も同様に減少しました。
しかし、2022年度には業務用商品の需要の伸長に加えて「まるでお肉!」シリーズなど、消費者の多様なニーズに対応した商品の販売に力を入れたことによって、売上高、営業利益ともに増加しています。
今後は、原材料価格やエネルギー価格の高騰が続き、コスト上昇が懸念される厳しい状況が予想されます。
それに対し伊藤ハム米久HDでは、新たな市場ニーズに対応した商品の開発と社会や環境に配慮した取り組みを通して、競争力・成長力を高めていく方針です。
*各年度の決算書より就職エージェントneoが独自に作成
参照元:・伊藤ハム米久HD 2022年有価証券報告書
・伊藤ハム米久HD 2021年有価証券報告書
伊藤ハム米久HDのSWOT分析
以下にて、SWOT分析というフレームワークを活用して、伊藤ハム米久HDの事業環境を分析していきます。
SWOT分析とは、競合や法律、市場トレンドといった自社を取り巻く外部環境と、自社の資産やブランド力、さらには価格や品質といった内部環境をプラス面、マイナス面にわけて分析する手法です。
この分析により、企業の置かれた状況を客観的に俯瞰して見ることができ、将来性のある企業かどうかを判断することが可能になります。
・国内での強いブランド力
・新商品の開発力
・豊富な商品のラインナップ
【弱み】
・事業の幅が狭い
【機会】
・海外展開による市場の拡大
・健康志向の強まり
・ライフスタイルの変化により、調理済み食品の需要が拡大
【脅威】
・国内市場の縮小
・家畜の持病によるリスク
*就職エージェントneoが独自で作成したSWOT分析になります
企業研究をしっかり行っている学生でも、SWOT分析まできちんと行えている学生は多くいません。
そのため上記の分析内容を自分なりに理解し、志望動機や逆質問などで活用できると、他学生と差別化が出来る可能性があるでしょう。
伊藤ハム米久HDが求める人物像
伊藤ハム米久HDは、1928年に創業した伊藤ハムと、1965年に創業した米久が2016年に経営統合し発足しました。
以降伊藤ハム米久HDグループでは、それぞれの会社が得意分野を活かし、担当エリアと販売ルートを明確にしながら、 グループ全体の目標達成に向けて事業を展開しています。
そのため伊藤ハムと米久は別々で選考を行っており、求められる人物像も異なるため、ここではそれぞれの会社が挙げている「求める人物像」を紹介します。
まず、伊藤ハムの採用ページでは、求める人物像として以下が挙げられています。
“自律的に考え挑戦心を持って行動できる人”
伊藤ハム 採用ページ 求める人物像
伊藤ハムでは、常に従業員1人ひとり自らの個性を生かし、能力を最大限に発揮し活躍することが、企業の成長につながると考えられています。従業員数が非常に多いため、1人の責任や役割を意識しにくい環境だからこそ、自ら考え、失敗を恐れず行動し、仲間と共に会社の発展に貢献する気持ちが求められていると言えるでしょう。
次に、米久株式会社では、以下の3つが求める人物像として挙げられています。
1. とことんニーズをつかみ、前例にとらわれず新しい発想ができる人
米久株式会社 採用情報
2. 相手を尊重し、お互いを高め合いとことん対話のできる人
3. 物事の本質を見極め、とことん考え抜いてやりきる人
米久株式会社は「感動を創る」を創業精神として掲げており、お客様のニーズを捉え、『感動』を与えるような新しい発想で、商品・サービスを提供し続けていく企業を目指しています。そのため、既成概念にとらわれることなく新しい発想ができる人や、お客様のニーズについて考え抜ける人材が強く求められていると言えるでしょう。
伊藤ハム米久HDの選考対策
伊藤ハム米久HDは、伊藤ハムと米久それぞれで選考を行っています。そのため、ここでは「伊藤ハム」と「米久」に分けて紹介していきます。
伊藤ハム米久HDの本選考対策
過去の情報によると伊藤ハムと米久では、下記の選考フローが組まれています。最新の情報では選考フローが変更されている恐れもありますので、予めご了承ください。
伊藤ハム「ES→Webテスト→一次面接(オンライン)→二次面接(オンライン)→最終面接」
米久 「ES→一次面接(オンライン)→Webテスト→二次面接(オンライン) →最終面接」
以下で実際に伊藤ハムのESと面接で問われた内容を紹介していきます。本選考対策として、ぜひご活用ください。
エントリーシート(ES)
伊藤ハムと米久のエントリーシートでは、志望動機や大学時代に注力したことを問われることが多いそうです。本記事では、伊藤ハム内定者の志望動機をご紹介します。
→最初に結論を述べ、その後に具体的なエピソードを書くことで分かりやすく読みやすい構成になっています。また、伊藤ハムが求める人物像として挙げている「自律性・挑戦心のある人」と合致する内容となっています。自己PRを書く際には、会社の求める人物像などを予め確認しておきましょう。
→課題・それに対する対応・結果の順番で書かれており、この経験から得た能力を入社後に生かせるという旨もしっかりとアピールできています。ガクチカを書く際には、結果に加えて、そこから何を得たのか、それを入社後どのように生かせるのかを述べるようにしましょう。
Webテスト
伊藤ハムでは、ES通過後、Webテスト(言語・非言語・性格)が課されます。WebテストはSPI形式で言語・非言語・性格検査が行われます。
米久では、ES・一次面接通過後にWebテスト(SPI)が課されます。
面接
下記にて、伊藤ハム米久HDの各面接においてどのような質問があるのかについて紹介します。人によっては、質問の内容が異なることもあるので、参考程度に見ておきましょう。
以下では過去に面接でされた質問を紹介していきます。
・ガクチカ
・志望動機
・志望職種
・勤務地へのこだわり
・10年後どうなっていたい?
・日本ハムを受けていない理由
・ESの深堀
・企業選びで大切にしていること
・選考状況
・逆質問 など
年次によって質問内容が異なってくる場合もあるので、選考前は最新の情報を各サイトから確認して情報収集しておいてください。
伊藤ハム米久HDの財務状況
ここでは、伊藤ハム米久HDの財務状況を「会社の安定性を図る指標」「会社の成長性を図る指標」の2つの観点から説明していきます。
”安定性”を図る指標
まずは、会社の安定性を図る指標である「流動比率」について紹介します。
伊藤ハム米久HDの流動比率
「流動比率」とは会社の安全性を測る代表的な指標です。自己資本比率とは異なり、短期的観点から企業の安定性を判断できます。以下の公式により流動比率の算出が可能です。
「流動比率=流動資産÷流動負債×100」
伊藤ハム米久HDの流動比率は以下のようになりました。
流動比率=243,405÷126,533×100%=192%
*伊藤ハム米久HDの財務諸表(貸借対照表)の流動資産合計と流動負債合計より就職エージェントneoが独自に計算
流動資産は原則として1年以内に現金化できる資産を表し、流動負債は1年間以内に返済可能な金銭債権のことを表します。
この流動比率を計算することで会社にどれだけすぐに現金化できる資産があるかがわかり、流動比率が120%の会社であれば安全であると言われています。
ちなみに流動比率はあくまで簡易的に会社の安定性を判断する指標であるため、流動比率が低いからといっ伊藤ハム米久HDが破産することを示唆するものではありません。
”成長性”を図る指標
続いて、会社の成長性を図る指標である「売上高」「純利益」「純利益率」について紹介します。
上記の表は伊藤ハム米久HDの直近3年の売上高・純利益・純利益率を表したものです。
ちなみに純利益とは、法人税など企業が支払うべき費用を差し引き、最終的に会社に残ったお金のことを指します。
売上高は、新型コロナウイルスの影響により2021年に一時減少していますが、2022年にはコロナ禍以前の数値を上回る結果となりました。
外食向けの業務用商品の売上が回復したことや、海外での食肉需要が堅調であったことが回復の要因として考えられます。
今後は、新たな市場ニーズへの対応に加え、社会や環境に配慮した取り組みに力を入れることで事業の拡大を図ります。
まとめ
本記事では、伊藤ハム米久HDの企業研究に役立つ情報を紹介してきましたが、いかがでしょうか。
企業研究は内定獲得をするための重要な要素の1つですが、ただ情報を見るだけでは内定を獲得することはできません。
ぜひ本記事を参考にし、伊藤ハム米久HDへの理解を深め、内定までの一歩を踏み出してください。
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