●インターネット広告業界の需要は年々増加傾向である。
●インターネット広告は、広告の費用対効果をもとに課題を見つけ、改善につなげやすい。
広告業界と聞くと、華やかな業界をイメージする人が多いと思いますが、実際はどのような仕事をしているか知っていますか?
本記事では「広告業界の仕事ってどんな仕組み?」「インターネット広告業界ってクリエイティブだけが仕事?」という人に向けて、インターネット業界の仕組みや職種内容、志望動機の書き方についてわかりやすく解説していきます。
またインターネット広告業界の売上や利益、年収、従業員数、勤続年数をランキングで紹介しているので、志望企業が決まっていない人も参考にしてみてください。
インターネット広告業界とは?
まずインターネット広告とは、インターネット上のWebサイトやSNS、メールなどに表示する広告のことで、それらを扱っている企業を総称してインターネット広告業界と呼んでいます。
場合によっては「ネット広告」「WEB広告」「デジタル広告」「オンライン広告」と呼ばれることがあります。
下記画像は、インターネット上で検索した際に表示されるインターネット広告の一例です。パソコンだけでなく、スマホやタブレットなどに表示される広告もインターネット広告に含まれます。

インターネット広告は、利用者の年齢や性別、趣味・嗜好などによって、配信対象を細かく分けられるだけでなく、管理画面で表示回数やクリック数などを確認することが可能です。
そのため、広告の費用対効果をもとに課題を見つけ、改善につなげやすい広告の1つです。
インターネット広告業界の仕組み

インターネット広告業界は、広告を出したい「広告主」、広告主と媒体の架け橋となる「広告代理店」、広告枠を提供する「プラットフォーム」、広告を作成する「制作会社」、広告を消費者に伝える「メディア」から成り立っています。
今回は「広告代理店」「プラットフォーム」「制作会社」「メディア」の4種類について紹介していきます。
広告代理店
インターネット広告業界の広告代理店は、無数に存在するメディアやプラットフォームから最適な媒体を選択し、効果的な施策を立案する会社です。また、複数媒体を組み合わせながら、同時に広告を打つこともできます。
代表企業は、電通、サイバーエージェント、オプトです。

プラットフォーム
プラットフォームは、広告を表示するための枠を提供する会社のことです。
場合によっては、広告代理店とプラットフォームを仲介する「メディアレップ」といわれるメディアの選定・広告枠の購入をおこなう会社が間に入るケースもあります。
代表企業は、Google、Yahoo!、FaceBookです。
制作会社
制作会社は、インターネット広告業界におけるクリエイティブ部分を担当をしており、広告主や広告代理店の意向をもとに、実際に広告制作をする会社です。
広告制作を専門としている会社もあれば、広告代理店、もしくは広告代理店のグループ会社などに制作部門があり、そちらで制作をおこなっていることもあります。
代表企業は、GMOアドパートナーズ、トランスコスモスです。
メディア
メディアは、消費者が直接目にするWEBコンテンツを提供している媒体のことです。
例えば、YouTubeなどの動画やInstagramなどのSNS、ブログなどに表示されるWeb広告など多くの種類があります。
インターネット広告業界の動向
ここではインターネット広告業界の動向を「インターネット広告業界の推移」「インターネット広告の需要拡大」「インターネット広告業界の脅威」に分けて紹介していきます。
それぞれ以下のトピックスについて紹介しているので、インターネット広告業界の動向を把握しておきましょう。
■インターネット広告業界の需要拡大
・デジタル化の浸透
・プラットフォームの種類増加
■インターネット広告業界の脅威
まず動向を学ぶ前にインターネット広告業界について数字で見てみましょう。

インターネット広告業界の推移
電通が2023年2月24日に発表した「2022年 日本の広告費」の調査結果によると、2022年のインターネット広告媒体費は、社会のデジタル化を背景に、検索連動型広告(※)をはじめとする運用型広告や動画広告の成長によって、前年比115.0%の2兆4,801億円でした。
そして、2023年のインターネット広告媒体費は、2兆7,908億円まで増加する見込みです。
(※)検索連動型広告:インターネット広告の一種で、検索エンジンで一般ユーザーが検索したキーワードに関連した広告を検索結果画面に表示する広告
参照元:電通|「2022年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」
インターネット広告の需要拡大
2019年には、国内インターネット広告費が雑誌広告費や新聞、テレビ広告費を追い抜き、インターネット広告の需要が拡大しています。ここでは需要が拡大した背景について紹介します。
■デジタル化の浸透
近年、スマホの普及や企業のデジタル化が進み、調べ物をする時はネット上で検索をする人がほとんどです。
インターネット広告は、利用者の年齢や性別、趣味・嗜好などといった詳細なターゲット選定をした上で広告配信ができ、さらに効果測定がしやすく低コストで始められます。
そのため、テレビや新聞などのメディアよりも高い費用対効果がみられることから、インターネット広告へ移行し始める企業が増えてきています。
■プラットフォームの種類増加
インターネット広告は1996年の「Yahoo! JAPAN」のバナー広告から始まり、インターネットデバイスの普及で「検索連動型広告」ができました。
しかし、最近では利用者が使うプラットフォームの種類が増加し、「Twitter」「Instagram」「Tik Tok」「You Tube」といったSNS・動画広告など様々な種類が出てきています。
それにより、企業側も利用者のニーズなどに合わせて、様々な広告手法を投じながら認知拡大や集客などをおこなっています。
インターネット広告業界の脅威
インターネット広告業界の脅威として、ChatGPTをはじめとする生成AI(人工知能)が挙げられます。
生成AIによって、写真のようにリアルな画像を量産することができ、写真や映像といったクリエイター関連事業者のビジネス構造が崩れてくる可能性が出てきました。
企業によっては生成AIを上手く業務に組み込み、生産性向上に向けて動いていますが、人員構成の見直しなどが起きています。
他にも2024年から予定されているGoogleのCookie利用制限(※)によって、インターネット広告におけるコンプライアンスの在り方や運用方法を変えなくてはいけない可能性が出てきました。
(※)Cookie:サイトに訪れたユーザーの情報を一時的にユーザーのブラウザに保存する仕組み
参照元:株式会社矢野経済研究所|2023 インターネット広告市場の実態と展望
インターネット広告業界の主な職種

広告業界といえば、デザイナーなどのクリエイティブな仕事をイメージする人が多いのではないでしょうか。しかし、様々な職種の人が関わりながら広告は作られています。各職種についてみていきましょう。
クリエイティブ
主に制作会社のデザイナーが担当することが多いです。仕事内容としては、デザインや企画・設計、運用、改善といったディレクションをおこないます。
ディスプレイ広告やリスティング広告に対する専門性だけではなく、WEBデザインに対する専門性も求められます。
営業
主に広告代理店がおこなうことが多い職種です。仕事内容としては、広告主から課題をヒアリングし、広告配信戦略や配信先の提案や広告配信に向けて社内外の調整をおこなっていきます。
広告の運用が始まった後には効果分析を実施し、改善提案を繰り返していきます。広告主の課題を解決するため、インターネット広告に関する幅広い知識が必要とされます。
マーケティング
主に広告代理店が担うことが多い職種です。
仕事内容としては、広告主の広告効果を最大化するために、現状分析や競合他社分析などを通じて広告配信の企画提案をおこないます。
広告主の課題を解決に導くマーケティング全般の知識はもちろんのこと、データの収集・分析スキルが求められます。
インタネット広告業界志望者の3つの重要アクション

自己分析や業界理解はもちろんですが、それ以外におこなった方が良い重要なポイントを3つまとめました。
納得ができるまでOGOB訪問をする
インターネット広告業界に限らずどの業界においても、情報を得る上でOGOB訪問はとても有益です。実際の現場で働く人から生の声を聞けることで、得られるメリットは様々あります。
例えば各社のカラーやカルチャー、業務スタンス、仕事の中身を理解することができるため、面接で本気度を伝えやすくなります。
他にもインターネットには載っていない働き方も理解することができ、入社後の働くイメージもしやすくなります。

大手企業以外の選択肢ももつ
インターネット広告を扱っている企業は大手だけではなく、中小やベンチャー企業も存在します。
大手企業と中小やベンチャー企業の違いの1つとして、裁量権の大きさや業務範囲の広さが挙げられます。
大手企業は「1つの仕事を専門的に扱う」傾向が強く、中小やベンチャー企業は「多くの仕事に関わることができる」企業が多いです。
自分の興味のある事業や仕事のスタイル、強みが活かせる企業を見つけることが大切です。
1人で悩まず誰かに相談
就職活動をしている中で、自分の強みや業界理解などがうまくできないと不安に思うことも多いかと思います。
その際は家族や各大学のキャリアセンターなど、信頼できる人に相談してみるのも1つの手です。
周りに相談できる人がいないという人は、就活エージェントを利用してみるのもオススメです。
自己分析から履歴書やES、面接など悩みに応じたけたアドバイスをキャリアアドバイザーがおこないます。
1人で悩まず誰かに相談することで、自分を客観視することができ、不安を解消することできるかもしれません。
インターネット広告業界の志望動機の書き方

インターネット広告業界の志望動機を書く際は「なぜインターネット広告業界なのか」「なぜその会社なのか」をしっかりと深堀りしておくことが必要です。
具体的には自分が将来何を成し遂げたいのか、例えばインターネット広告業界であれば「企業側には低コストで高品質な広告を提供する。ネットユーザーには欲しい人に、欲しい情報を届ける」などといった業界ならではの理由を述べるようにしましょう。
その際に業界の仕事内容と絡めて伝えることができればより深い志望動機になるため、業界の職種や動向についても把握しておきましょう。
次に「なぜその会社なのか」については、他の企業ではなくその企業でなければいけない理由を伝えます。
例えばサイバーエージェントであれば「AIなどを活用した高度なシステム」が強い特徴があります。
このように企業によって特徴は異なるため、しっかりと企業研究をおこない、企業ごとの特徴や強みを把握した上で、志望企業を決めるようにしましょう。
広告業界の志望動機の例文を見てレベル感を掴みたい方は以下の記事を参考にしてみてください。

インターネット広告業界でうける自己PRの書き方
自己PRの書き方について学ぶ前に、まずはインターネット広告業界の求める人物像を把握しておきましょう。
企業に評価される自己PRをするためには、その業界ではどのような人が求められているのか知っておくことが重要です。
インターネット広告業界の求める人物像
社内外の様々な職種の人たちと連携・協力しながら、一緒に1つのプロジェクトに取り組む必要があります。
そのため異なる価値観、立場の人とも協力するコミュニケーション能力は必須になります。
柔軟な発想力や創造性をもち、新しいものを見つけて発信していくことが楽しいと思える素養は大切です。
またインターネット広告は、広告を出稿した際の結果が数値で明確に把握ができることが特徴です。
そのため、数値を使った分析流行や世の中の動きに敏感であることが不可欠です。
インターネット広告業界の求める人物像について学んだら次は自己PRの書き方を学んでいきましょう。
自己PRの基本的な書き方
自己PRを書く際は基本的に「強み⇨エピソード⇨結果・学んだこと⇨入社後どう活躍できるか」の順番で書きます。

(1)結論
自己PRを書く際は最初に「私は○○することができます」といったように自分の長所を端的に述べます。
最初に結論を述べ面接官に今から何の話をするのか伝えることで、聞き手側も話が入りやすくなります。
そのため、自己PRをする際は結論として、まず長所を伝えるようにしましょう。
(2)エピソード
長所を伝えたら、実際にその長所があることを証明できるエピソードを交えます。
ここではできるだけ具体的なエピソードを伝えるために、その出来事の中で生じた課題・目標や、その課題・目標に対してどのような行動をとったのかについてまで書くようにしましょう。
また企業は、課題・目標やそれ対する行動を通してその人の人柄や価値観を判断しているため、なぜその課題・目標に取り組もうと思ったのか、なぜそのような行動をとったのかについて、しっかりと見つめ直しておいてください。
(3)結果・学んだこと
エピソードの次は、自分がとった行動によってどのような結果になったかについても書きましょう。
結果を書く際は、定量的に表すことを意識してください。
例えば「〇〇というアイディアを出し実践したところ、売上を40%上げることができた」など数字を用いてアピールした方が相手に伝わりやすいです。
また、この経験を通して何を学んだのかについても書きます。面接官はその人の学びからも価値観や人柄を判断しています。
価値観や人柄はその学生を採用するかどうかの大きなポイントとなるため、自分がどういった人なのか、いかにその企業に必要な人材であるのかをアピールするようにしましょう。
(4)入社後どう活躍できるか
企業は採用活動を通して、自社に貢献してくれる人材を求めています。つまり、面接官にこの学生は「自社で活躍する素養がある」と思わせるのが大事です。
そこで自己PRをする際は、最後に今伝えてきた長所をどのように志望企業の業務に活かしていくかまで伝えるようにしてください。
そのためには企業が求めている人物像を把握する必要があります。業界研究・企業研究を通してどのような強みをアピールするのか考えておきましょう。
より詳しい自己PRの書き方について知りたいという方は以下の記事を参考にしてください。

また「志望企業に評価される志望動機・自己PRの書き方が知りたい」「選考通過率を上げたい」という方は、就職エージェントneoを利用してみてください。
インターネット広告業界ランキング
ここではインターネット広告業界のランキングを紹介します。まずは「売上」「経常利益」「利益率」のランキングを紹介していきます。
また「年収」「従業員数」「勤続年数」のランキングも以下で紹介しています。
インターネット広告業界の業績ランキング

売上については1位がサイバーエージェント、2位がデジタルHD、3位がGMOアドパートナーズ、経常利益は1位がサイバーエージェント、2位がデジタルHD、3位がバリューコマースです。
サイバーエージェントは、高い広告効果を実現する運用力やAIなどを活用した高度なアドテクノロジーに強みがあり、国内インターネット広告市場のトップシェアを誇っています。
売上や利益、利益率をチェックした方が良い理由は、以下の2点です。
・利益、利益率は企業がおこなっているビジネスの成否を示しているから
売上は企業の財務力、ビジネスの規模を表しています。つまり売上が高い企業の方がおこなっているビジネスの規模が大きいということです。
またA社とB社が同じ利益の場合、売上が大きい企業の方が金融機関からの融資を受けやすいとされているため、売上を見ることで企業の資金調達力もチェックすることができます。
次に利益、利益率は企業がおこなっているビジネスの成否を示しています。そのビジネスによる付加価値がどれくらいあるかを測る指標です。
つまり利益がほとんど出ていなかったり、赤字だとビジネスに何らかの問題があるということになります。
ただし、このランキングだけでなく、成長率も大事であるため各企業の過去についても振り返っていきましょう。
インターネット広告業界の社内環境ランキング

年収は1位が サイバーエージェント 、2位がデジタルHD、3位がユナイテッド、勤続年数は1位がサイバーエージェント、2位がバリューコマース、3位がインタースペースとなります。
勤続年数が長いということは定着率が高いということになります。一概には言えませんが、定着率が高い会社は良い会社である可能性が高いです。
また従業員数が多い会社は多様な人と関わり合うことができるというメリットがあります。
しかし多いと自分の意見が通りにくい場合もあるというデメリットもあるため、自分にとってどの環境が合っているのか考えてみましょう。
まとめ
本記事ではインターネット広告業界の仕組みや動向、志望動機・自己PRの書き方について紹介してきました。
インターネット広告業界は、私たちが普段使っているネット上でよく表示されているため、扱っている商材のイメージを持ちやすいのではないでしょうか?
そんなインターネット広告業界ですが、業態や会社によって業務内容や職種が異なり、複雑なビジネスモデルで構築されています。
各社によって取り組みは異なるため、自分が少しでも興味を持っている企業はどのような事業に注力しているのか、業界研究を通してしっかりと学んでおきましょう。
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