
商社業界は、事業規模が大きく海外展開している企業が多いことから、グローバルに働くことができる点や年収が高いという印象が強く、就活生からの人気が毎年高い業界です。
ライバルが多いからこそ、志望動機の質を上げなければ内定を勝ち取ることはできません。商社業界のデータや特徴を今一度把握し、例文を参考に書き方のコツを掴みましょう。

商社業界の特徴
ここでは商社業界の動向・業種・職種についてを解説してきます。
商社業界の動向
資源価格の高騰を背景として成長を続けてきた商社業界ですが、世界金融危機を景気として各国の経済が悪化しました。
それから影響を受け資源価格が下落し、商社業界の成長は停滞しました。
特に資源分野への依存が大きかった総合商社は、資源分野から非資源分野へとシフトする動きが見られます。
また、専門商社においては、商社同士の統合や、吸収合併が行われるなど、国内の専門商社市場の飽和状態から脱却すべくM&Aを積極的に進めています。
人工知能(AI)領域への注目も高まっており、スタートアップへの投資と言った新たな時代への取組が行われているようです。
❏数字で見る商社業界の現状
総合商社

専門商社

商社業界の業種
様々な業種の中でどの業種を選ぶべきか、特徴と差別化ポイントを勉強しておきましょう。
❏総合商社
総合商社は、特定の分野に限らず多種多様な商材を扱うことが特徴とされている企業です。
総合商社が取り扱う商品は、ガスや金属といった資源はもちろん、自動車を始めとする機械類やアパレルなど、ジャンルを問わず実に3万を超えるほど豊富な商品を取り扱っていると言われています。
よく「鉛筆からロケットまで」というフレーズで言い表されているのは、これが基になっているのかもしれません。
また、国内で総合商社と呼ばれている企業は多くなく、基本的に次の7社のみ対象となっています。
(伊藤忠商事・住友商事・丸紅・三井物産・三菱商事←5大商社/双日・豊田通商←7大商社)
❏専門商社
専門商社は特定の分野に特化した商品・サービスを取り扱う企業を指し、売上比率の50%以上が特定の商品である場合がほとんどです。
取り扱う商材としては日用品を始めとし、化学製品や情報・通信といった特定の分野及び業種の商品やサービスです。
ビジネスの規模としては、総合商社のほうが大きいですが、分野ごとの規模や知識、競争力、メーカーや顧客との繋がりで比較すれば、勝っているケースもあります。
専門商社と言っても中には「複合専門商社」と呼ばれる複数の商品を取り扱っている専門商社も存在します。
専門商社として有名な企業は以下の通りです。
(伊藤忠丸紅鉄鋼・大塚商会・住友グローバルメタルズ・フジテックス・メタルワンetc…)
商社業界の職種
職種によって業務内容も異なってくるため、自分がやりたいことは何なのかや、キャリア形成のイメージをある程度もって入社する必要があります。
❏営業職
商社の代表的な職種として挙げられるのが営業職です。一般的な企業の営業は特定の顧客が対象となるのに対し、商社の営業は企業同士をつなぐパイプの役割を果たします。
デスクワークよりも外回りの方が多いのが特徴で、会社に戻らずに外で仕事をする営業スタッフが居ることもあります。
❏事業企画
事業企画は商社の中では花形と言われる職種です。
一般企業で言うマーケティングの役割を担う仕事で、例えば、どのような分野に進出するかをふまえ、取引先の選定を行ったり、新たに事業を立ち上げるために必要な事業企画を立案したりするのも、この事業企画の仕事です。
また、他企業への投資の計画も行うこともあり、経営問題に対する解決策・計画の提案、経営戦略を考えるなど、コンサルティング要素を含む業務を行うことも特長と言えます。
❏営業事務・貿易事務
営業事務は営業担当社のサポートを行う職種です。デスクワークが多く、電話対応や書類整理と言った基本的な仕事内容ですが、営業が命とも言われる商社にとっては欠かせない存在です。
ただ、商社の取引先には海外の企業も含まれ、ビジネスレベルの語学力が必要とされる企業もあります。
また、原料や製品を輸出入するケースが多いため、税関を通す手続きを行う「貿易事務」も重要な仕事とされています。
ここでも外国語の読み書き、また通関手続きに関する幅広い知識が求められます。
海外事業が多い商社ほど、営業事務と貿易事務を分けて採用する傾向もあるようです。
就活で何をしたら良いかわからない、または効率的に就活を進めたいという方はぜひ就活エージェントneoを利用してください。

志望動機の作り方のポイント
商社業界はライバルが多いため採用担当者に強い印象を与えなければ書類選考を通過できません。
なぜ志望するのか、なぜ自分なのかをシンプルかつロジカルに書きましょう。

商社業界の志望動機に必要な3つの要素
なぜその業界か、業種か、会社か。この3点の深堀りが必要不可欠です。
まず業界について。商社はモノを仕入れて売る、川上から川下まで商品の流れの全ての局面に関わります。
その中でどんな仕事に携わりたいのか、企業と企業をつなぐ仕事ならではの理由を書きましょう。
次に業種について、総合商社と専門商社では、取り扱う商品の幅が異なります。
1つの商品の専門性を身につけたいのか、それとも総合的に様々な商品の知識を身につけたいのかを考えておくようにしましょう。
最後に企業について。その企業がどの商品・事業を強みとしているのか、どういった取引相手がいるのかなどの特徴を調べましょう。
それが終わったら競合と比較してください。そうすれば自ずと各社ごとの特徴が明確になります。
商社業界で求められる人物像
商社は企業と企業とつなぐ役割のある仕事です。
そのため、多様な人との関係を作っていけるようなコミュニケーション能力が必要です。
また企業の担当者へ商品や新規事業の提案を行っていかなければならないため、提案力やそのストレスに負けないタフさも求められるでしょう。
商社の代表的な職種である営業職に就く場合においては、仕入れた商品にどれだけ付加価値を付けて売ることができるかどうかが会社の運営に大きく影響します。
そのため営業力や渉外能力も必須と言えます。
さらに、これからの新たな分野への着手やITの進化に伴う新しい仕組みを作り、推進できるリーダーシップやチャレンジ精神も必要です。
志望動機の書き方
情報収集や自己分析を基に、伝えることが決まれば、あとは書くだけです。必ずしもオリジナルの構成にする必要はありません。
シンプルでわかりやすい文章構成が、相手を意識した書き方であり、読んでもらうコツです。
文章力に課題がある人は第三者にチェックしてもらうことで、「て・に・を・は」、接続語、「です・ます」調など細部まで整えましょう。
(1)志望動機をひと言で
(2)具体的に言うと
(3)理由(過去の経験と業界・その会社の関連性)
(4)入社後にどうなりたいか
志望動機の書き方、考え方を詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
関連記事:
・「志望動機の書き方~選考通過率をUPさせる方法~」
・「志望動機の正しい考え方やコツ~「志望動機がない…」と悩んでいる人必見~」
商社業界の志望動機の例文
実際に選考を通過したESの志望動機の例文から、クオリティと書き方を学び、自身の書類に活かしてください。
商社業界の志望動機の例文(1)
事業投資などを武器に、社会の課題解決の為に長期的な仕組みづくりをする商社のビジネスにこそ、私の行動の基軸である当事者意識を体現し、夢を実現できる環境があると考えます。
その中でも、自由闊達に挑戦でき、人の意志を尊重する貴社の風土に最も魅力を感じました。
強い使命感をもってビジネスに携わり、夢の実現・貴社の発展に貢献したいです。
→自らの体験が商社の理由とマッチしていることが伝えられており、説得力のある書き方ができています。
仕事に挑むスタンスが面接官に伝わる書き方ができているため、企業側はこの学生が働く姿をイメージすることができます。
総合商社業界の志望動機の例文(2)
中国に駐在していた祖父の影響を受け幼少期より広い世界に関心を向けていたものの、成熟した日本社会でしか生きてこなかった私は、旅行で訪れたインドネシアで目にした未だ形をとらない若い活気に満ちた街の様子に衝撃を受け、このような新興国が今後新しい形で発展していくその成長の渦に関わりたいと考えるようになった。
それは社会的な意義はもちろん、その過程に人生をかけて携わることに大きなやりがいを見出せると感じたからである。
特にアフリカを含む新興諸国で様々な事業を展開する○○商社には、私が描くビジョンを実現する土壌があると考え、御社を志望している。
→商社の理由を過去の経験に紐付けて明確に書かれています。
専門商社業界の志望動機の例文(1)
その夢を実現できる最適な環境は、商社であると考えます。
なぜなら、自社の商材を持たないからこそ、社会のニーズを汲み取り、その解決策をビジネスとしてつくっていくことが商社の特徴だと考えるからです。
中でも、貴社の手掛ける産業を根底から支える鉄鋼ビジネスと貴社のもつグローバルかつ幅広いフィールドの中で自身の夢を実現したいです。
→結論→理由→具体の順で書くことで、論理的でわかりやすい文章ができています。
また、「自身の夢を実現したいです。」とあり、面接で夢は何かを聞きたくなる文章です。
専門商社業界の志望動機の例文(2)
受験生と、講師の方、監査法人に勤める会計士の方々を繋げることによって多くの合格者を出すことができた。
また多くの引っ越し経験を通じて住まいが人々の生活の根幹を支えていることに気付き、人々が安心して暮らせる住まいの開発に携わることで社会を支えたいと考えた。
御社においても学生時代同様組織の潤滑油として、社内、社外問わず多くの人と信頼関係を築きたいと考えている。
→結論→キッカケ→結果と論理的な文章です。自分が働いている姿を人事にイメージさせるような書き方ができています。
レベルの高い例文集を見たい方は下記記事をご覧ください。
関連記事:
「志望動機のおすすめ例文10選!」
まとめ-商社業界の志望動機の書き方と例文-
商社業界は人気が高いため志望動機のレベルも高いです。志望理由をなぜなぜと掘り下げて具体的でロジカルな構成で制作しましょう。
志望動機の基礎から応用まで網羅的にノウハウを知りたい方は下記をご覧ください。
関連記事:
「志望動機の書き方・例文」
「就活に出遅れた」「今からでも受けられる企業を知りたい」「とにかく内定がほしい」と感じている就活生は就活エージェントneoを利用してみてください。

就職エージェントneoの紹介
就職エージェントneoでは、専任のアドバイザーが個別面談を実施し、各人の就活状況や人柄を把握した上で、希望や適正に合致した企業の求人情報を紹介してくれるサービスを提供しております。
何千人もの就活生を見てきた就活のプロがあなたに合ったアドバイスをしてくれるのが特徴と言えます。
各人の抱える就活の悩みを相談することができます。
(2)企業紹介
面談をした上、あなたの希望や適正にマッチした企業を紹介してくれます。
(3)履歴書・ESアドバイス
専任のアドバイザーが企業から評価されるESの書き方の助言をしてくれます。
(4)面接アドバイス
面談を通して、自分という商材のアピール方法をアドバイスしてくれます。
- サポートはすべて無料で受けることができる
- 模擬面接の予約が取りやすい
- 面接練習だけではなく本番の面接のセッティングもしてくれる
- 相性の良いコンサルタントに当たるとは限らない
- 志望度が高くない企業を紹介される可能性がある
内定支援実績約40,000件を誇る就職エージェントneoの専属アドバイザーがあなたが内定を獲得するまで最後まで伴走をしてくれます。
また、サイト登録をすることであなたに適した未公開求人も紹介してくれるためさらに内定の確率がアップします。
とはいえ、「就職エージェントってなんか不安だな」と思われるかもしれません。
ですが、仮にキャリアセンターに相談をしても、紹介できる求人数に限りがある場合もあります。
求人数が少ないと、あなたの本来の目的である「内定の獲得」を果たすことは難しい可能性が高いです。
一方で、就職エージェントneoならば多数の求人の紹介・就活の相談を同時に受けることが可能です。
このサービスに登録することで、ご自身の人生を変えるキッカケを得ることができるのです。
このまま何も行動を起こさなければ、ご自身の納得のいく企業に内定をもらうことができないかもれません。
たった1分の行動が「納得内定」のキッカケになるでしょう。
本記事を読んで「就活エージェントに相談したい」という方は、ぜひ就職エージェントneoをご利用ください。

関連記事
総合商社業界の志望動機の書き方・例文~三菱商事など7社の選考通過ESを公開~