商社業界は、事業規模が大きく海外展開している企業が多いことから、グローバルに働くことができる点や年収が高いという印象が強く、就活生からの人気が毎年高い業界です。
ライバルが多いからこそ、志望動機の質を上げなければ内定を勝ち取ることはできません。商社業界のデータや特徴を今一度把握し、例文を参考に書き方のコツを掴みましょう。
商社業界の特徴
ここでは商社業界の動向・業種・職種についてを解説してきます。
2023年最新|商社業界の動向
2021年の総合商社業界は原油安、資源安から一転し、世界的な金融緩和や渡航制限による労働者不足、経済再開期待などを背景に資源価格が上昇しました。
とくに2021年後半から2022年にかけては原油をはじめ、銅やLNGなどの資源価格が高騰し、世界的なサプライチェーンも回復傾向にあります。
専門商社業界も同様な回復傾向を見せています。2020年は新型コロナウイルスの影響により、日用品以外の鉄鋼、繊維、電子、機械など幅広い分野で落ち込みが見られました。
しかし2021年-2022年は多くの企業で業績回復が見られ、エネルギーや電子機器、半導体、機械、鉄鋼分野が大きく伸びたと言えます。

商社業界の業種
様々な業種の中でどの業種を選ぶべきか、特徴と差別化ポイントを勉強しておきましょう。
■総合商社
総合商社は、特定の分野に限らず多種多様な商材を扱うことが特徴とされている企業です。
総合商社が取り扱う商品は、ガスや金属といった資源はもちろん、自動車を始めとする機械類やアパレルなど、ジャンルを問わず実に3万を超えるほど豊富な商品を取り扱っていると言われています。
よく「鉛筆からロケットまで」というフレーズで言い表されているのは、これが基になっているのかもしれません。
また、国内で総合商社と呼ばれている企業は多くなく、基本的に次の7社のみ対象となっています。
(伊藤忠商事・住友商事・丸紅・三井物産・三菱商事←5大商社/双日・豊田通商←7大商社)
■専門商社
専門商社は特定の分野に特化した商品・サービスを取り扱う企業を指し、売上比率の50%以上が特定の商品である場合がほとんどです。
取り扱う商材としては日用品を始めとし、化学製品や情報・通信といった特定の分野及び業種の商品やサービスです。
ビジネスの規模としては、総合商社のほうが大きいですが、分野ごとの規模や知識、競争力、メーカーや顧客との繋がりで比較すれば、勝っているケースもあります。
専門商社と言っても中には「複合専門商社」と呼ばれる複数の商品を取り扱っている専門商社も存在します。
専門商社として有名な企業は以下の通りです。
(伊藤忠丸紅鉄鋼・大塚商会・住友グローバルメタルズ・フジテックス・メタルワンetc…)
商社業界の職種
職種によって業務内容も異なってくるため、自分がやりたいことは何なのかや、キャリア形成のイメージをある程度もって入社する必要があります。
■営業職
商社の代表的な職種として挙げられるのが営業職です。一般的な企業の営業は特定の顧客が対象となるのに対し、商社の営業は企業同士をつなぐパイプの役割を果たします。
デスクワークよりも外回りの方が多いのが特徴で、会社に戻らずに外で仕事をする営業スタッフが居ることもあります。
■事業企画
事業企画は商社の中では花形と言われる職種です。
一般企業で言うマーケティングの役割を担う仕事で、例えば、どのような分野に進出するかをふまえ、取引先の選定を行ったり、新たに事業を立ち上げるために必要な事業企画を立案したりするのも、この事業企画の仕事です。
また、他企業への投資の計画も行うこともあり、経営問題に対する解決策・計画の提案、経営戦略を考えるなど、コンサルティング要素を含む業務を行うことも特長と言えます。
■営業事務・貿易事務
営業事務は営業担当社のサポートを行う職種です。デスクワークが多く、電話対応や書類整理と言った基本的な仕事内容ですが、営業が命とも言われる商社にとっては欠かせない存在です。
ただ、商社の取引先には海外の企業も含まれ、ビジネスレベルの語学力が必要とされる企業もあります。
また、原料や製品を輸出入するケースが多いため、税関を通す手続きを行う「貿易事務」も重要な仕事とされています。
ここでも外国語の読み書き、また通関手続きに関する幅広い知識が求められます。
海外事業が多い商社ほど、営業事務と貿易事務を分けて採用する傾向もあるようです。
商社業界で評価される志望動機を作る3つのステップ
ここでは商社業界の志望動機を書く際に意識してほしいポイントを3つ紹介します。
これから志望動機を作成するという人は、以下のポイントを参考に作成してみてください。
(1)志望動機に必要な要素を把握する
志望動機を作成する際は「なぜ商社業界か」「なぜその企業なのか」をしっかりと深掘りしましょう。
“なぜ商社業界なのか”については、数ある業界の中でもなぜ商社業界を選んだのかについてしっかりとした理由を準備しておく必要があります。
例えば「新興諸国の発展に直接的に関わる仕事をしたい」のような商社業界ならではの理由を入れると良いでしょう。
“なぜその企業なのか”については、志望企業の強みや事業形態などの特徴を調べて、競合他社と差別化しながら伝えます。
例えば三井物産であれば、ヘルスケア分野に注力しており、アジアを中心に世界10カ国に約80病院と約3000万人の患者データを保有するIHHを核とした病院・クリニック事業を行っています。
そのほかにも、医薬品開発支援・販売事業、予防を含む検査・診断事業を築き上げたという強みがあります。
このように企業ごとの特徴や強みを把握した上で、志望動機を作成してください。
(2)商社業界の求める人物像を把握する
商社は企業と企業とつなぐ役割のある仕事です。
そのため、多様な人との関係を作っていけるようなコミュニケーション能力が必要です。
また企業の担当者へ商品や新規事業の提案を行っていかなければならないため、提案力やそのストレスに負けないタフさも求められるでしょう。
商社の代表的な職種である営業職に就く場合においては、仕入れた商品にどれだけ付加価値を付けて売ることができるかどうかが会社の運営に大きく影響します。
そのため営業力や渉外能力も必須と言えます。
さらに、これからの新たな分野への着手やITの進化に伴う新しい仕組みを作り、推進できるリーダーシップやチャレンジ精神も必要です。
(3)志望動機のフレームワークを知る
情報収集や自己分析を基に、伝えることが決まれば、あとは書くだけです。必ずしもオリジナルの構成にする必要はありません。
シンプルでわかりやすい文章構成が、相手を意識した書き方であり、読んでもらうコツです。
文章力に課題がある人は第三者にチェックしてもらうことで、「て・に・を・は」、接続語、「です・ます」調など細部まで整えましょう。
(1)志望動機をひと言で
(2)具体的に言うと
(3)理由(過去の経験と業界・その会社の関連性)
(4)入社後にどうなりたいか
志望動機の考え方、書き方を詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
商社業界の志望動機の例文
実際に選考を通過したESの志望動機の例文および考察から、書き方を学び自身のESや面接に活かしてください。
商社業界の志望動機の例文(1)
事業投資などを武器に、社会の課題解決の為に長期的な仕組みづくりをする商社のビジネスにこそ、私の行動の基軸である当事者意識を体現し、夢を実現できる環境があると考えます。
その中でも、自由闊達に挑戦でき、人の意志を尊重する貴社の風土に最も魅力を感じました。
強い使命感をもってビジネスに携わり、夢の実現・貴社の発展に貢献したいです。
→自らの体験が商社の理由とマッチしていることが伝えられており、説得力のある書き方ができています。
仕事に挑むスタンスが面接官に伝わる書き方ができているため、企業側はこの学生が働く姿をイメージすることができます。
参照元:unistyle/内定者本選考ES(三井物産20卒)
総合商社業界の志望動機の例文(2)
中国に駐在していた祖父の影響を受け幼少期より広い世界に関心を向けていたものの、成熟した日本社会でしか生きてこなかった私は、旅行で訪れたインドネシアで目にした未だ形をとらない若い活気に満ちた街の様子に衝撃を受け、このような新興国が今後新しい形で発展していくその成長の渦に関わりたいと考えるようになった。
それは社会的な意義はもちろん、その過程に人生をかけて携わることに大きなやりがいを見出せると感じたからである。
特にアフリカを含む新興諸国で様々な事業を展開する○○商社には、私が描くビジョンを実現する土壌があると考え、御社を志望している。
→商社の理由を過去の経験に紐付けて明確に書かれています。
参照元:unistyle/選考通過者本選考ES(豊田通商20卒)
専門商社業界の志望動機の例文(1)
その夢を実現できる最適な環境は、商社であると考えます。
なぜなら、自社の商材を持たないからこそ、社会のニーズを汲み取り、その解決策をビジネスとしてつくっていくことが商社の特徴だと考えるからです。
中でも、貴社の手掛ける産業を根底から支える鉄鋼ビジネスと貴社のもつグローバルかつ幅広いフィールドの中で自身の夢を実現したいです。
→結論→理由→具体の順で書くことで、論理的でわかりやすい文章ができています。
また、「自身の夢を実現したいです。」とあり、面接で夢は何かを聞きたくなる文章です。
参照元:unistyle/選考通過者本選考ES(メタルワン20卒)
専門商社業界の志望動機の例文(2)
受験生と、講師の方、監査法人に勤める会計士の方々を繋げることによって多くの合格者を出すことができた。
また多くの引っ越し経験を通じて住まいが人々の生活の根幹を支えていることに気付き、人々が安心して暮らせる住まいの開発に携わることで社会を支えたいと考えた。
御社においても学生時代同様組織の潤滑油として、社内、社外問わず多くの人と信頼関係を築きたいと考えている。
→結論→キッカケ→結果と論理的な文章です。自分が働いている姿を人事にイメージさせるような書き方ができています。
参照元:unistyle/選考通過者本選考ES(伊藤忠丸紅住商テクノスチール)
上記例文の他にも就活支援サイトunistyleでは選考通過者のESを7万件以上掲載しています。 下記画像からサイトに移動できるので、ぜひES作成の参考にしてください。
まとめ
本記事では商社業界の動向や業種・職種、志望動機の書き方、例文を紹介してきました。
商社業界はグローバルで働くことができる点や年収が高いということから、幅広い就活生から人気の業界となっています。
人気のある業界の選考を突破するためには、他の就活生と差別化を図ることが大切です。
まずは本記事で紹介した商社業界で評価される志望動機の書き方を学び、志望動機から他の就活生と差をつけていきましょう。
●”商社業界”の動向
資源価格の上昇や新型コロナウイルスの影響を受け、一時業績が悪化したが、2021年から2022年にかけて回復傾向がみられる
●”商社業界”の求める人物像
(1)コミュニケーション能力がある
(2)提案力・渉外能力がある
(3)リーダーシップがある
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