
IT業界は日々進化しており、我々のライフスタイルを大幅に変え続けています。今後も成長が見込まれるため、多くの就活生が志望している注目の産業です。
ライバルが多いからこそ、志望動機の質を上げなければ面接に進むことはできません。
業界の特徴や業務内容を把握した上で、志望動機の例文を参考に書き方のコツを掴みましょう。未経験で不安な人も参考にしてください。
IT業界の特徴
IT業界は、最も注目を浴びている業界のひとつです。
注目を浴びる背景にはDX(デジタルトランスフォーメーション)といわれるITを活用してビジネスモデルやシステムに変革をおこしていこう、という世界的潮流があります。
人事や人材業界の課題をテクノロジーで解決するHRtechと呼ばれるジャンルや、金融の課題をテクノロジーで解決するFintechなどが具体的な事例として挙げられます。
IT業界は革新的な技術が登場する変化の激しい業界だからこそ、注目の業界と言えるでしょう。

IT業界の業種
様々な業種の中でどの業種を選ぶべきか、特徴と差別化ポイントを勉強しておきましょう。
■IT
2018年のIT業界の業界規模(主要対象企業176社の売上高の合計)は15兆6,309億円となっています。
通信速度の向上を機に、クラウドとビッグデータの活用が市場をけん引、IoTやAIの導入によるDXの中心的な役割をはたしている業界です。
世界的な企業としてはMicrosoftやIBMなどが挙げられ、日本ではNTTデータや富士通、NECが代表的な企業として挙げられます。
■ソフトウェア
ソフトウェア業界の売り上げ規模は6007憶円で、ITと同様にクラウドサービスが市場を牽引しています。
また、SaaS(ソフトウェア・アズ・ア・サービス)と呼ばれるソフトウェアを利用者側に導入するのではなく、提供者側で稼働しているソフトウェアを、インターネット等のネットワーク経由で、利用者がサービスとして利用する販売形態がトレンドとなっています。
今後はIoTなどへの対応も注目すべき点です。
■インターネット
売り上げ規模が5兆5,748億円(2018年度)という巨大な市場を形成するインターネット業界は主にネットサービス系と通販系に分かれますが、いずれも拡大傾向にあります。
サービス系にはサイバーエージェントやヤフーなど、通販系にはZOZOや楽天、Amazonなど皆さんにとっても身近な企業が多く挙げられます。
こうした企業は、1990年代から2000年代初期の起きたITバブル期に登場しました。近年では、スマートフォンの普及に伴って爆発的な市場の伸長を見せた業界です。
■通信
売り上げ規模が33兆3,137億円(2018年度)というIT業界でも特に大きな市場を形成する通信業界は、ユーザーと企業の橋渡しである通信回線を扱う業界です。
現状としてNTTドコモ・ソフトバンク・KDDIの大手三社を、新規参入した楽天が追いかける形となっています。
また、MVNOと呼ばれる通信回線を借り受けて格安スマホを提供する事業者も存在します。2020年には通信速度を飛躍的に向上させた5Gが登場し、今後の動向が注目されます。
一方で市場規模は2014年から横ばいの状態で、新しい事業による成長が期待される業界ともいえます。
IT業界の職種
IT業界は上流と下流に業務を分類することができます。上流はクライアントが抱える課題を設定し、どのように解決するか決定します。
下流では上流で決まったコンセプトや手段を具体的な仕様に落としこみ、製品を完成させます。
では、それぞれどのような業務をおこなっているのでしょうか。仕事内容からIT企業の全体を理解しましょう。
■エンジニア職
実際に製品を作る下流工程に分類される職種です。PythonやJavaといったプログラミング言語を使って実際の製品を作ります。
エンジニアはシステムエンジニア(SE)とプログラマーに分類され、SEがクライアントからの注文を実際のプログラミングに落とし込む計画書を作成し、計画書に従ってプログラマーが製品を作り上げるといった関係にあります。
IT業界でも特に人材が不足しているエンジニア職では、プログラマーはもちろん、SEでも文系の採用を広く行っています。
SEは計画書を書くための論理性とコミュニケーション力が求めれられています。
また、エンジニアにはシステムエンジニア・サーバーエンジニア・webエンジニア・そして営業的な側面を持つセールスエンジニアなど多くの種類があることも特徴です。
■プロダクトマネージャー(PM)
上流工程に分類され、プロジェクトの管理から人材の選定まで幅広いマネージメントを行い、プロジェクトの全行程に関わります。
プロジェクトの初期には、クライアントを交えてどのようなプロジェクトにするのか具体的な要件定義を行い、納期の決定をします。
プロジェクトの進行中は、問題解決や進捗を確認する役割を担い、プロジェクトの完了後はレポートを提出して総括します。
プロジェクトの中心として活動するPMには、リーダーとしての社内調整力やリーダーシップが求められる職種といえます。
■ITコンサル
上流に位置し、顧客が抱える課題の原因を明らかにし、システムの導入によって課題解決を提案する職種です。
ITコンサルもPMと同様に要件定義を行いますが、ITコンサルはクライアントが抱える課題の設定と、ITのどのような方法で解決するべきか、という方法の設定を定義するため、PMの具体的な定義とはやや異なるといえます。
■総合職
IT企業であっても、営業やマーケティングなど他の業界にもある職種は存在します。例えば、顧客の獲得をおこなう営業職では顧客の課題を自社の製品を通じて解決します。
IT企業の営業は自社の持つ人材やノウハウ、製品がいかにクライアントの売り上げや効率の向上につながるのか、自社の魅力を新規の顧客にアピールします。
またマーケティング部門は、カスタマーのニーズをくみ取り魅力的なプロモーションを考え、消費者の購買を刺激します。
IT業界で評価される志望動機を作る3つのステップ
ここではIT業界の志望動機を書く際に意識してほしいポイントを3つ紹介します。
これから志望動機を作成するという人は、以下のポイントを参考に作成してみてください。
(1)志望動機に必要な要素を把握する
志望動機を作成する際は「なぜIT業界か」「なぜその企業なのか」をしっかりと深掘りしましょう。
“なぜIT業界なのか”については、数ある業界の中でもなぜIT業界を選んだのかについてしっかりとした理由を準備しておく必要があります。
「IT技術を活用して、地方の利便性を向上させたい」「社会で役に立つシステムを開発したい」のようなIT業界ならではの理由を入れましょう。
“なぜその企業なのか”については、志望企業の強みや事業形態などの特徴を調べて、競合他社と差別化しながら伝えます。
例えば富士通は、ITサービス分野で国内第1位、世界でも第10位の売上高を誇っており、大規模で先進的なシステムを構築してきた技術力と実績が強みです。
世界180カ国、約400社以上のグループ会社と連携しながらグローバルに事業を展開しています。
また、NECであればICTインフラ整備(※)に強みを持っており、ICTを活用することで人々に対し「均等に高い質の生活」を提供しています。
過去の事例としては、アルゼンチンのティグレ市で世界最高精度の画像認識技術を用いて、犯罪の予防、安心・安全な街づくりに貢献したことが挙げられます。
ティグレ市では犯罪率の高さが深刻な問題でしたが、画像認識を活用したソリューションを提供したことにより、2008年~2013年で車の盗難が80%減少するといった成果を上げました。
このように企業ごとに強みや注力している事業は異なるため、企業ごとの特徴を把握した上で志望動機を作成してください。
(※)ICTインフラとは、システムやアプリケーションを利用する上での基盤となるハードウェア(PC、サーバー、ストレージ)、ソフトウェア(OS、アプリケーションサーバー、Webサーバーなどのミドルウェア)のことを言います。
(2)IT業界の求める人物像を把握する
IT業界は「変化への対応力」がキーワードです。日々進化し続けているIT業界では、時代に対応できるよう変化し続けることができなければ、競争に破れてしまいます。
そのため、未経験からIT業界に挑戦するうえで、ITへの興味関心があること、技術やスキルをインプットし続ける知的好奇心をもっていることが重要な素質となるでしょう。
また、なにかトラブルが起きた時には、決まった形式と柔軟な知識力で対応する必要があります。
その際、解決まであきらめずに取り組むためには、知識と技術だけでなく集中力と継続力、そして論理的思考が不可欠です。
就活生の中にはIT業界の仕事は、一人でもくもくと仕事をしているイメージを持っている人もいると思いますが、実際は顧客や取引先、社内スタッフなど、多くの人と関わりながら仕事を進めていかなければなりません。
そのため、どんな人とも協力して仕事を進められる協調性や、相手が求めているものを聞き出せる傾聴力、コミュニケーション能力が求められます。
(3)志望動機のフレームワークを知る
情報収集や自己分析を基に、伝えることが決まれば、あとは書くだけです。必ずしもオリジナルの構成にする必要はありません。
シンプルでわかりやすい文章構成が、相手を意識した書き方であり、読んでもらうコツです。
文章力に課題がある人は第三者にチェックしてもらうことで、「て・に・を・は」、接続語、「です・ます」調など細部まで整えましょう。
(1)志望動機をひと言で
(2)具体的に言うと
(3)理由(過去の経験と業界・その会社の関連性)
(4)入社後にどうなりたいか
志望動機の考え方、書き方を詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
IT業界の志望動機の例文
実際に選考を通過したESの志望動機の例文から、クオリティと書き方を学び、自身の書類に活かしてください。
IT企業の志望動機の例文
貴社は様々な業界や業種に対して高い技術力でサービスを提供し、5Gインフラ構築等の企業や世の中の中枢となるシステムを多数構成していると存じております。このことから貴社の成長は様々な分野の企業の成長、更には日本全体の成長に繋げるのではないかと考えています。
また、マルチベンダーとして多数の先進IT企業と提携し、お客様の課題に対してより柔軟なソリューションを提案出来るという点に魅力を感じております。
御社で業務を遂行する上で、「積極性」や「学び続ける姿勢」が必要であると感じております。私は学生時代に”○○○○○”という経験の中で、主体的に展示会に足を運び専攻の応用技術について学んだり、実験報告書作成時に必ず5冊以上の文献を参考にしたりする等して積極的に学び続けてきました。この力を活かして貴社に貢献したいと考えております。
→学生時代に積極的に学び続けた体験から、IT企業の変化の激しい環境に対応できる人材であることをわかりやすくアピールできています。
参照元:unistyle/選考通過者本選考ES(伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)20卒)
ソフトウェア企業の志望動機の例文
大学でパソコンに携わるアルバイトをしていることからITに興味を持ち、勉強するうちに、より一層ITに携わりたいと考えるようになりました。そのため、貴社が会社内の各事業部と協力して、他の事業での課題を解決する業務を行っている点に惹かれました。
貴社が行っている他社にはない事業をIT技術でサポートすることで、円滑に事業を行うことができるよう貢献したいと考えています。
2つ目は、貴社は若手でも活躍できる場であると考えたからです。貴社の会社説明会で、上を目指せる環境があることを伺い、その点に魅力を感じました。様々なことに挑戦して経験を積み、貴社の発展に尽力したいと考えています。
→ITへの興味関心を示し学び続ける姿勢が伝わってきます。本ESには記載されていませんが、資格なども積極的に取得しており、ITへの適性を伺うことができるESです。
興味を持った背景や経験をもう少し具体的に書けるとなお良いESになったと考えます。
参照元:unistyle/内定者本選考ES(トレンドマイクロ20卒)
通信企業の志望動機の例文
中でも日本の企業の変革をICT技術によって支えたいです。 理由として、私の叔父は製造業の会社を経営をしており、日本の企業が人手不足や働き方改革など様々な課題を抱えていることを実感するようになったためです。
日本では人口減が進み生産性の向上や人材育成の強化など、企業にとって変革していくことが欠かせない時代にあると考えています。 今後よりいっそう強くなっていく大きな効率改善の波の中で、貴社の製品を通して変革を支援し日本企業の競争力強化に繋げていきたいです。
その中で貴社である理由としては、○○のサービスビジネスの日本シェアが1位、世界シェアが4位ということから、多くの顧客のニーズに応える技術力やノウハウがあると考えたためです。
このように、様々なノウハウや世界トップレベルの技術力を保有している貴社で仕事をさせて頂くことにより、自分自身を成長させながら、ICTを駆使した提案で日本の企業の変革を推進していきたいです。
→自らの経験をもとに、「変化」を起こしたいという渇望を示すことでIT業界への適性を示しています。
その上でこの会社でなくてはならない理由を明示しているため、思わず会ってみたくなる内容となっています。
参照元:unistyle/選考通過者本選考ES(富士通(FUJITSU)20卒)
インターネット企業の志望動機の例文
一つ目は、スピード感を意識して仕事を行っていることです。御社のインターンシップに参加した際、どの社員さんもかなりのスピード感を意識して働いていると実感しました。自分の考えを早いスピード感で事業に取り入れることができ、その姿勢が急速な自己成長に繋がると感じました。
二つ目は、展開するサービスが幅広いことです。これは、幅広くやりたいことに挑戦できるという利点と、楽天経済圏という大きなマーケット内のやり取りに関するビックデータが存在するという利点があります。この経済圏の規模の大きさは御社独自であります。
そこで、事業拡大を目指す御社にとって欠かせない経済圏のデータの活用に携わりたいです。そして、事業の底上げや人々をエンパワメントするような新規ビジネスの創出に貢献したいです。
→スピード感を志望動機の冒頭に挙げて、変化が激しい環境を望んでいることが全面に押し出しています。
さらに、変化の中で成長のために学び続けたいという知的好奇心も効果的にアピールできています。
参照元:unistyle/選考通過者本選考ES(楽天グループ20卒)
上記例文の他にも就活支援サイトunistyleでは選考通過者のESを7万件以上掲載しています。 下記画像からサイトに移動できるので、ぜひES作成の参考にしてください。
まとめ
本記事ではIT業界の動向や業種・職種、志望動機の書き方・例文を紹介してきました。
IT業界は就活生人気が高いため、選考を通過するためには他の就活生と差別化できる志望動機を作成することが大切です。
そのためには「なぜIT業界なのか」「中でもなぜその企業なのか」を必ず明記するようにしましょう。そうすることであなたの志望動機に説得力を持たせることができるはずです。
エピソードを選ぶ際は、本記事で紹介したIT業界の求める人物像に当てはまるものを選ぶようにしましょう。
●”IT業界”の動向
IT業界は最も注目を浴びている業界の一つで、その背景にはDXというITを活用したビジネスモデルやシステムに変革をおこすという世界的潮流がある。
●”IT業界”の求める人物像
(1)技術やスキルをインプットし続ける知的好奇心がある
(2)集中力がある
(3)継続力がある
(4)倫理的に考えることができる
(5)相手が求めているものを聞き出せる傾聴力がある
(6)コミュニケーション能力がある
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