●IT業界に興味のある就活生は[IT業界のトレンドワード]も抑えておくと良い。
●情報サービス業の売上高は 2011年以降増加傾向にあり、特に2020年から2021年にかけては大幅に増加。
●IT業界の求める人物像は「ITへの興味関心があり、技術・スキルをインプットし続ける知的好奇心がある」「集中力・継続力はある」「論理的思考力がある」「協調性・傾聴力がある」「コミュニケーション能力がある」を満たす人。
IT業界は日々進化しており、我々のライフスタイルを大幅に変え続けています。今後も成長が見込まれている業界のため、IT業界に興味を持つ就活生も多いのではないでしょうか?
しかしIT業界に興味がある就活生の中には、以下のような疑問を持つ方もいるでしょう。
- 「IT業界ってどういう企業のことを指すんだろう…」
- 「文系学生でもIT業界に就職できるのかな?」
- 「IT業界の選考に通過できる志望動機はどういう内容なんだろう?」
- 「IT業界に向いている人ってどういう人?」
IT業界は理系学生だけでなく文系学生でも志望する人が多いため、業界理解を深め、志望動機の質を高めなければ選考に通過することは難しいです。
本記事では、IT業界の特徴・業務内容、過去に選考通過をした志望動機の例文を紹介しています。IT業界を志望する就活生は、本記事の内容を参考に評価される志望動機の書き方のコツを掴みましょう。
IT業界の特徴とは?
IT(Information Technology)とは、コンピュータやデータ通信に関連する「情報技術」の総称です。今の私たちの生活には欠かせない以下のようなサービスは、ITの技術によるものです。
- インターネットによる情報検索
- ECサイトなどのインターネット上での決済サービス
- 新しいパソコン・スマートフォン、ゲーム
- メールやメッセージの送受信サービス
- キャッシュレス決済サービス
- 交通系ICカード
- SNS
つまりIT業界とは、IT(情報技術)を活用した上記のようなサービスを展開する企業の集合体のことを指します。
またIT業界は、「インターネット・Web」「通信」「ソフトウェア」「ハードウェア」「情報処理サービス(SI)」と5つの業種に分類されます。
本記事では、IT業界への就職を考えている就活生向けに、IT業界の特徴やビジネスモデル、動向などをお伝えします。
IT業界に含まれる5つの業種
上記でお伝えしたようにIT業界は、[インターネット・Web][通信][ソフトウェア][ハードウェア][情報処理サービス(SI)]という5つの業種に分類することができます。
中には上記の業種をまたがって展開する企業もあります。
以下では、上記の5つの業種の特徴とそれぞれに向いている人を紹介します。IT業界の中でも、特に自分が興味のある業種はどこに該当するのかを考えながらご確認ください。
インターネット・Web業界
インターネット・Web業界は、インターネットを介して”あったら世の中がより便利になるサービス”を提供しています。
インターネットを通して、顧客やユーザーが求めるものを形にしている業界のため、インターネット業界と呼ばれることもあります。
例えば、TwitterやInstagramなどのようなSNSやWebサイトを閲覧して知りたい情報を得たり、楽天やAmazonのようなECサイトでの買い物ができたりと、インターネット・Web業界が提供するサービスはさまざまです。
Web業界は未経験でも挑戦しやすいと言われていますが、性質的に多かれ少なかれ適性の有無はあると言えるでしょう。
一般的に向いていると言われているのは、向上心・集中力・継続力そして論理的思考があり、コミュニケーション能力が高い人です。
本記事を通し、Web業界の動向を把握し、業界研究にお役立てください。
通信業界
通信業界とは、電波を活用したサービスを消費者に提供する業界のことで、具体的には携帯電話やスマートフォンの開発、インターネットの環境整備などをおこない、電波や通信のサービスを提供しています。
また通信業界は、さらに細かく以下の3つの業種に分けることができます。
- 電波や回線を提供する「通信業」
- 電波を介して情報提供をおこなう「放送業」
- インターネット上に空間を提供する「デジタルプラットフォーム事業」
通信業界は、日々通信関連の技術が絶え間なく進歩し、新たなツールも次々に生まれている変化が非常に早い業界です。
そのため通信業界には、これらの変化に対応できるよう継続的に学習を継続できる力があり、最後までやり遂げる強い意志・行動力がある人が向いていると言えるでしょう。
実際、NTTドコモ・KDDIそしてソフトバンクの3社が求める人物像、企業理念の中で「目標に向けて最後までやり遂げる強い意志・行動力が求められている」といった内容が記載されています。
本記事では、通信業界への就職を考えている就活生向けに、通信業界の特徴やビジネスモデル、動向などをお伝えします。
ソフトウェア業界
ソフトウェアは、分かりやすく言うと「コンピューターに対して命令を出すプログラム」のことです。日常的に使っている「文字入力ソフト」や「計算ソフト」などが代表例として挙げられます。
またソフトウェアには、個人向けから法人向けまで幅広い種類がありますが、全てに共通しているのは「パソコンやスマートフォンにインストールして使うもの」ということです。
このような商品・サービスを提供しているのがソフトウェア業界です。
近年は、SaaS(サーズ)※と呼ばれる販売形態がトレンドとなっていることから、SaaS系企業と呼ばれる企業を耳にすることもあるでしょう。
ソフトウェア業界には、[プログラミングに興味がある][パソコン作業が得意][ITの知識が豊富]という人が向いていると言えます。
しかし最近のIT需要により人手が求められているので、企業によっては未経験でも入社可能な企業が増えています。
一般的に向いていると言われているのは、論理的思考力・勉強意欲があり、コミュニケーション能力が高い人です。
本記事を通し、ソフトウェア業界の動向を把握し、業界研究にお役立てください。
ハードウェア業界
ハードウェア業界とは、PCやキーボード、スマートフォン、ゲーム機、家電といった製品の企画から販売までを一貫しておこなういわゆる「メーカー」企業を指します。
ソフトウェアの技術がどれだけ向上しようとも、それを出力する入れ物(製品・機器)がなければ意味がありません。
例えば「Apple」はiTunesなどのソフトウェアも提供していますが、主にiPhoneやMacBookを発売しているハードウェア企業と言えるでしょう。
このようなハードウェア業界は、[ハードウェア]作りに携わることもあるため、ものづくりや機械をいじるのが好きな人に向いていると言えます。
また近年ソフトウェアを組み込んだ製品も増えているため、関連する業界や製品の知識の獲得に向け継続的に学習を継続できる力があり、動作テストのような細かい単純作業の繰り返しが苦にならない人もハードウェア業界に向いているでしょう。
情報処理サービス(SI)業界
情報処理サービス業界はSI業界(システムインテグレーター)と呼ばれており、[Webサイトで利用するサービス]や[企業が利用する情報システム]の企画・開発・運用・設計をおこなっています。
簡単にお伝えすると、ITを活用して社会に必要なシステムを構築し、企業の課題を解決している業界です。
具体的には、金融機関や自治体などが運営する社会インフラを担う大規模なシステムから、それぞれの会社が事業を遂行するために利用する業務系システムまで、幅広い領域を担当しています。
このようなSI業界は、クライアントとの意思の擦り合わせやチームでの作業があるため、情報を正しく伝達する力や話を聞き要点を把握するコミュニケーション能力、ロジカルシンキングが必要不可欠です。
そのためSI業界は、人と話すことが好きな人や論理的な考え方ができる人、IT業界へ興味がある人に向いていると言えるでしょう。
本記事ではSIer入社を目指す就活生向けに、志望動機の書き方・ポイント、また選考を通過したESの中から志望動機の例文など幅広く紹介します。
IT業界の主な職種
「IT業界に興味はあるけど、そもそもどんな職種があるのかがわからない」と悩んでいる就活生も少なくないのではないでしょうか。
実際、IT業界には様々な職種があり、様々な人たちが担当する仕事を上流から下流へ流し、順序通りに開発を進めていきます。
上流はクライアントが抱える課題を設定し、どのように解決するか決定し、下流では上流で決まったコンセプトや手段を具体的な仕様に落としこみ、製品を完成させるといった具合です。
IT業界の上流と下流で、それぞれどのような業務をおこなっているのかを以下にて紹介します。
ITコンサルタント
ITコンサルタントは、上流に位置し企業が抱える経営や業務課題を明らかにし、システムの導入などITの活用によって課題解決に導く職種です。
具体的にはクライアント企業へのヒアリングや分析を通して、解決すべき課題を見極めて設定し、ITを活用してどのような方法で解決するべきか、という課題解決の道筋を提案し、一緒に改善・解決に臨みます。
プロジェクトマネージャー(PM)
プロジェクトマネージャー(PM)は、名前の通りプロジェクトの総責任者として業務の進行管理をおこなう職種です。
上流工程に分類され、プロジェクトの管理から人材の選定まで幅広いマネージメントをおこなうなど、プロジェクトの全行程に関わります。
プロジェクトの初期には、クライアントを交えてどのようなプロジェクトにするのか具体的な要件定義をおこない、納期の決定をします。
プロジェクトの進行中は、問題解決や進捗を確認する役割を担い、プロジェクトの完了後はレポートを提出して総括します。
プロジェクトの中心として活動するPMには、リーダーとしての社内調整力やリーダーシップが求められる職種と言えます。
エンジニア職
エンジニア職は、実際に製品を作ることに携わるため、下流工程に分類される職種です。PythonやJavaといったプログラミング言語を使って製品を作ります。
エンジニアはシステムエンジニア(SE)とプログラマーに分類され、SEがクライアントからの注文を実際のプログラミングに落とし込む計画書を作成し、計画書に従ってプログラマーが製品を作り上げるといった関係にあります。
IT業界でも特に人材が不足しているエンジニア職では、プログラマーはもちろん、SEでも文系の採用を広くおこなっています。
SEは計画書を書くための論理性とコミュニケーション力が求められています。
また、エンジニアにはシステムエンジニア・サーバーエンジニア・webエンジニア・そして営業的な側面を持つセールスエンジニアなど多くの種類があることも特徴です。
総合職
IT業界にも、営業やマーケティングなど他の業界にもある職種は存在します。例えば、営業職はクライアントを獲得し、クライアントの課題を自社製品を通じて解決することを提案します。
このようにIT企業の営業は自社の持つ人材やノウハウ、製品がいかにクライアントの売り上げや効率の向上に繋がるのか、自社の魅力を新規の顧客にアピールします。
またマーケティング部門では、カスタマーのニーズをくみ取り魅力的なプロモーションを考え、消費者の購買意欲を刺激します。
その他にIT業界の業界動向や仕事内容などについて詳しく知りたい人は、以下の記事を参考にしてください。
本記事では、IT業界への就職を考えている就活生向けに、IT業界の特徴やビジネスモデル、動向などをお伝えします。
文系でもIT業界で活躍できる!
文系学生の中には「IT業界は理系学生の方が採用されやすいのでは…?」と思っている人もいると思いますが、そんなことはありません。
文系学生でもIT業界で活躍することはできます。
しかしIT業界は専門知識が多い業界であるため、ITに関連していない学部で勉強している文系学生にとっては難易度が高いのも事実です。
文系学生がIT業界の選考を突破するには情報収集がカギとなるため、選考を受ける前にしっかりと情報収集しておきましょう。
以下でIT業界の選考で活かせる情報収集のやり方を紹介します。
書籍を読む
書籍はIT業界に詳しい専門家が監修したり執筆したりした上で発行されているため、インターネットよりも信憑性のある情報を手に入れることができるでしょう。
しかし書籍の場合は常に最新の情報を得ることは難しいため、IT業界の最新動向までは追えていない可能性があります。
IT業界の情報収集に書籍を活用したいという人は、書籍だけでなくインターネットも併せて活用すると、より深い情報収集が行えるでしょう。
ニュースサイトを読む
近年ではインターネットの普及に伴い、ほしい情報を誰もが簡単に手に入れることができます。ニュースサイトを活用するメリットは、最新の情報を入手することができる点です。
IT業界は進化し続けている業界であるため、選考を突破するには新しい情報を常に持っていないと難しいでしょう。
最近はIT業界に特化したニュースサイトも登場しています。
しかしIT業界に特化したニュースサイトとはいえ、中には誤っている情報や、作成者の意見に偏りがある可能性もあるため、ニュースサイトを参考にする際は複数のサイトをチェックするようにしてみてください。
参考:ITmedia NEWS
動画コンテンツを視聴する
「文章を読むのが苦手」という就活生もいるでしょう。そのような就活生は動画コンテンツを通してIT業界に関する知識を付けることをオススメします。
最近ではYouTube等を利用することで誰でも簡単に情報発信することができるようになりました。それに伴い、就活ノウハウや業界・企業の情報をまとめて発信する人も増えています。
中にはIT業界に特化して仕事内容や働き方、求められるスキルを解説しているものもあります。
動画コンテンツも様々なタイプのものがあるため、たくさんの動画コンテンツの中から、あなたが理解しやすい動画を見つけてみてください。
SNS等を活用する
X(旧Twitter)やFacebook等のSNSで就活アカウントを作成し、情報収集に活用しているという就活生も多いのではないでしょうか。
今では、SNSも情報収集に役立つアイテムの1つです。IT業界について投稿している企業や社会人はたくさんいます。
あなたが求めている情報を発信しているアカウントを見つけ、情報収集に活用しましょう。
業界研究セミナーに参加する
T業界は情報収集が難しいことから、IT業界に詳しい人が業界解説をするセミナーが開催されることが多いです。
自分で調べて情報収集するのも大切ですが、上記のような業界研究セミナーに参加して、実際にIT業界で働いている人や、IT業界に詳しい人の話を直接聞く機会を作るのは、効率的な情報収集の手段の1つでしょう。
また、セミナーでは話を聞くだけではなく、質問することができるケースも多いため、IT業界に関する疑問点や気になる点がある就活生は是非積極的に参加してみてください。
もしもセミナーなど大人数の前で質問をするのはためらわれる、という就活生は是非就職エージェントneoにご相談ください。
就職エージェントneoには、理系学生に特化したキャリアカウンセラーが在籍しています。そのためあなたのIT業界に関する不安や疑問にお答えしつつ、あなたの希望や適性に近い企業の求人のご紹介も可能です。
興味のある就活生は是非以下の画像をクリックしご登録ください!
IT業界の志望動機を作成する際に注意すべき点
ここではIT業界の志望動機を作成する際に注意すべき点を3つ紹介します。IT業界の志望動機を作成する前にチェックしてみてください。
IT業界でなくても良い志望動機になっていないか
企業は「志望度が高く、将来活躍してくれそうな人材」を求めています。
そのため、IT業界でなくても言えることを志望動機に書いてしまうと「それIT業界じゃなくて他の業界でいいよね…?」とマイナスな印象を持たれてしまう可能性があります。
例えば「人々の生活を豊かにしたい」とアピールしたとします。これはIT業界ならではの志望理由でしょうか。
「人々の生活を豊かにしたい」という志望理由であれば、小売業界でも不動産業界でもその他の業界でもアピールできる内容ですよね。
「そのような夢を持っているからIT業界を志望しているんだな」と思ってもらえるよう、「IT技術を活用して、地方の利便性を向上させたい」というようなアピールをするようにしましょう。
そのため、志望動機を作成する際はまず、「なぜ自分はIT業界を志望しているのか?」「自分がIT業界に興味を持ったきっかけは何だったか?」を言語化できるようになるまで考えてみてください。
給与や福利厚生がメインになっていないか
IT業界は人材の確保が難しいことからも、他の業界に比べて年収が高い傾向にあります。
そのためIT業界での就職を希望する際、給与や福利厚生を判断材料の1つとしていること自体は問題ありません。たしかに給料・福利厚生は働いていく上で重要な指標です。
しかし志望動機でこれらをメインでアピールしてしまうと「この人は仕事内容よりも条件面で志望しているんだな…」と良い印象は持たれないでしょう。
先程もお伝えしましたが、企業は志望度が高く、熱意のある人と一緒に働きたいと思っていることを理解し、条件面でアピールすることは避けましょう。
受け身の印象を与える志望動機になっていないか
特に文系学生でありがちなのは「IT業界に興味があります。今は知見もないですが、入社後に勉強を頑張りたいと考えています!」といった意欲をアピールするような志望動機でしょう。
しかし上記のように「勉強熱心さ」をアピールするために「御社で勉強したい」と志望動機で伝えてしまうと、「自ら戦力になろうとしない受身な人間」と捉えられてしまうことがあります。
また「研修やメンター制度が充実している御社で働きたい」など受け身の印象を与える志望動機も評価されにくいと言えるでしょう。
なぜなら再三お伝えしていますが、企業は即戦力ではなくとも将来活躍してくれそうな人材を求めているためです。
特にIT業界のような日々進化し続けている業界は、なおさら受け身の姿勢では通用しない業界と言えます。
IT業界の求める人物
IT業界は「変化への対応力」が必要不可欠です。
日々進化し続けているIT業界では、時代に対応できるよう変化し続けることができなければ、競争に破れてしまいます。
そのため、未経験からIT業界に挑戦したいと考えている場合は、特にITへの興味関心があること、技術やスキルをインプットし続ける知的好奇心をもっていることが重要な素質となるでしょう。
また、なにかトラブルが起きた時には、決まった形式と柔軟な知識力で対応する必要があります。
その際、解決まであきらめずに取り組むためには、知識と技術だけでなく集中力と継続力、そして論理的思考が不可欠です。
就活生の中にはIT業界の仕事は、1人でもくもくと仕事をしているイメージを持っている人もいると思いますが、実際は顧客や取引先、社内スタッフなど、多くの人と関わりながら仕事を進めていかなければなりません。
そのため、どんな人とも協力して仕事を進められる協調性や、相手が求めているものを聞き出せる傾聴力、コミュニケーション能力が求められます。
つまり以下のような素養を満たす人が、IT業界では求められていると言えるでしょう。
- IT業界に興味関心がある
- 技術、スキルをインプットし続ける知的好奇心がある
- トラブルに対しても柔軟に対応できる対応力と論理的思考力
- どんな人とも協力して仕事ができる協力性
- 相手が求めているものを聞き出せる傾聴力とコミュニケーション力
IT業界で評価される志望動機に必要な2つの要素
IT業界で評価される志望動機を作るにあたって、まずは[IT業界で評価される志望動機]に必要な要素を把握しましょう。
IT業界で就活で評価される志望動機には、以下の2つの要素が欠かせません。
・数ある業界の中で、なぜIT業界を志望しているのか?
・数ある企業の中で、なぜその企業を志望しているのか?
[なぜIT業界なのか]については、例えば「IT技術を活用して、地方の利便性を向上させたい」「社会で役に立つシステムを開発したい」といったIT業界ならではの理由を入れましょう。
[なぜその企業なのか]については、志望企業の強みや事業形態などの特徴を調べて、競合他社と差別化しながら伝えます。
例えば富士通であれば、ITサービス分野で国内第1位、世界でも第10位の売上高を誇っており、大規模で先進的なシステムを構築してきた技術力と実績が強みとしており、世界180カ国、約400社以上のグループ会社と連携しながらグローバルに事業を展開しています。
またNECであれば、ICTインフラ整備(※)に強みを持っており、ICTを活用することで人々に対し「均等に高い質の生活」を提供しています。過去の事例としては、アルゼンチンのティグレ市で世界最高精度の画像認識技術を用いて、犯罪の予防、安心・安全な街づくりに貢献したことが挙げられます。
ティグレ市では犯罪率の高さが深刻な問題でしたが、画像認識を活用したソリューションを提供したことにより、2008年~2013年で車の盗難が80%減少するといった成果を上げました。
このように同じIT業界に属する企業とはいえ、企業ごとに強みや注力している事業は異なるため、企業ごとの特徴を把握した上で、[自分がIT業界・その企業を志望する理由]を考えるようにしてください。
(※)ICTインフラとは、システムやアプリケーションを利用する上での基盤となるハードウェア(PC、サーバー、ストレージ)、ソフトウェア(OS、アプリケーションサーバー、Webサーバーなどのミドルウェア)のことを言います。
IT業界で評価される志望動機の作り方
[IT業界の求める人物像]と[IT業界で評価される志望動機に必要な要素]を理解したら、早速IT業界で評価される志望動機を作成していきましょう。
志望動機を作成する際、「他の就活生の志望動機に埋もれないようにオリジナルの構成にしなければと…」と考える就活生もいるようですが、必ずしもそうではありません。
シンプルでわかりやすい文章構成が、相手を意識した書き方であり、読んでもらうコツです。
志望動機を作成する際は、以下の構成で作成しましょう。
(2)背景・動機を伝える
(3)その企業を志望する理由を伝える
(4)入社後にどのように活躍したいと考えているかを伝える
具体的にそれぞれどのような文章を書けばよいのか、IT業界の選考を通過した内定者の志望動機を参考にして確認してみましょう。
(1)志望動機を一言で伝える
(2)背景・動機を伝える
(3)その企業を志望する理由を伝える
(4)入社後にどのように活躍したいと考えているかを伝える
IT業界の志望動機の例文
過去に選考を通過した人の志望動機を見ることで[IT業界で評価される志望動機]の書き方や伝え方を知ることができるでしょう。
以下では、unistyleにて公開されているIT業界の選考を通過したESの志望動機の例文を、IT業界の5業種それぞれに分けて紹介します。
インターネット・Web業界の志望動機
■楽天グループ/23卒内定者
私は今まで感じ、考え、行動することで自分を含めた沢山の人たちに影響を与えてきた。挑戦をバリューとし、若手から裁量権を持って働ける御社でなら自分の持ち味を生かせると考える。さらに御社には多様なバックグラウンドを持った人たちがたくさんいる。現在はサービスの海外展開に注力していることから、自分の海外志向を活かせるだけでなく、たくさんのモノ、人、文化に触れることから、洗練されたかっこいいサラリーマンになれると考えた。また自由なキャリアプラン形成は自分の興味のあることに取り組むことを可能にし、生き生きとしたサラリーマンにもなれると考えた。
以上の理由から私は御社を志望する。
■アマゾン/21卒内定者
私は今まで感じ、考え、行動することで自分を含めた沢山の人たちに影響を与えてきた。挑戦をバリューとし、若手から裁量権を持って働ける御社でなら自分の持ち味を生かせると考える。さらに御社には多様なバックグラウンドを持った人たちがたくさんいる。現在はサービスの海外展開に注力していることから、自分の海外志向を活かせるだけでなく、たくさんのモノ、人、文化に触れることから、洗練されたかっこいいサラリーマンになれると考えた。また自由なキャリアプラン形成は自分の興味のあることに取り組むことを可能にし、生き生きとしたサラリーマンにもなれると考えた。
以上の理由から私は御社を志望する。
ソフトウェア企業の志望動機の例文
第1に、国内一位のプラットフォームを利用して、多くの人々に新たな顧客体験を提供し感動を届けたいからだ。まず、下記の経験など、自ら創造した新しい価値を多くの人々に提供し、感動を与えることに楽しさを覚える。次に、困難に挑戦し、人間力を駆使して他者と信頼を築き、組織を纏めながら貪欲に成果を求める強みを持つ。これらを生かし、営業として新たな商品を開拓したい。そして、居住地や年齢などを越えて一番多くの人に提供できる「Amazon」を用いて、多くの人々に新たな体験を提供し、生活を豊かにしたい。
第2に、「Our Leadership Principles」に惹かれ、私が活躍する場があると確信しているからだ。まずCustomer Obsessionの考えに共感できる。下記の経験から、お客様のニーズに応えることがビジネスで一番大切だと思うからだ。次に学園祭の模擬店で代表を務めた経験など、Earn Trustは私の強みである。1結果を積み重ねること、2意見に耳を傾け誠実に対応することで、関係者と信頼を構築して活躍したい。
以上の理由から、貴社で多くの人々に新たな感動を届けていきたい。
通信業界の志望動機
■NTTコミュニケーションズ/23卒内定者
「OPEN HUB」をはじめとする、多彩な顧客と共創してSmartWorld実現へ挑戦し続ける貴社ならば、以下2点の理由から豊かな未来を実現できると考えている。
1つ目は、フルスタックなサービスを提案できる点だ。各種サービスを統合的に自社で提供できるため、顧客の負担を軽減し、要望に対して柔軟に対応できる。
2つ目は、Tier1プロバイダとしてグローバル展開している点だ。データセンターなどのICT基盤を用いて190以上の国/地域にサービスを提供しており、海外進出する企業に対しても手厚くサポートできる。豊富なノウハウとグローバル展開力のある貴社ならば、変革に対して不安を抱く顧客を支えることができる。
そして私の「課題解決力」を発揮することで、顧客の困難な課題に対して変革を起こし、豊かな未来を共創できると確信している。
■東日本電信電話(NTT東日本)/21卒内定者
これまで不可能であったことを可能にし、未来の「あたりまえ」の創造に貢献することが目標です。例えば、街の3DデータとVR技術を使用し、その場にいながら、あたかも他の空間にいるかの様な体験ができるサービスを開発したいです。時間とお金がない人でも海外旅行気分を楽しめる、自宅に居ながら職場と同様に仕事ができるような仕組みを作りたいです。また要介護者の方々を対象に、家にいても散歩や交流を可能にするICTを実現したいです。ICTは我々が過ごす環境をより快適で便利な空間へと進化させる重要な要素であることは勿論、日本の深刻な社会問題の解決に導く大きな手段であると考えます。
より多くの人にとって便利で、幸せな社会を築いていくことがNTT東日本で働く自らの使命であると考えます。
ソフトウェア業界の志望動機
■日本オラクル/23卒内定者
共感の観点では、「顧客企業の成長やビジネス変革に貢献できる」という点に強く共感しています。大学で、疲労について研究するうちに日本では、労働による肉体的・精神的疲労が社会問題になっていることを知りました。この経験から、働く人々を支える仕事がしたいと考えるようになりました。テクノロジーを活用して、業務効率化や売り上げ向上につなげること、いわゆる「顧客企業の成長やビジネス変革に貢献をすること」で、働く人々を支えられるのではないかと考えます。
また、貴社は600点もの製品を提供していて、顧客にあった柔軟な提案ができるため、より自身の想いを実現できると考えました。
適合の観点では、「信頼関係構築力」を活かせると考えたからです。私にとって、「信頼関係構築力」とは、相手に合わせたコミュニケーションと必ず結果に繋げる貪欲さに分解できます。一人一人のお客様に合わせたコミュニケーションをすることで、目的・課題をヒアリングし、ヒアリングした課題の本質を考え抜くことで顧客の満足いく提案をして結果に繋げる貪欲さが私にはあります。この強みを活かすことで「オラクルファン」を増やせると考えます。
また、塾講師で3人の生徒から指名をもらい並走してサポートした経験から、並走した課題解決ができることに強くやりがいを感じます。
成長の観点では、「自分の学びが、顧客の成長、そして貴社オラクルに貢献できる」という成長環境を求めているからです。私は自分が得た知識や経験を人のために生かしたいと考えています。
様々なソリューションがある貴社で、日々学び続けることで好奇心が満たされ、またそれを人のために活かすことができる環境が一番成長できると確信しています。
■NECネクサソリューションズ/22卒内定者
2020年度はコロナウイルスの影響でゼミ活動がオンライン上になり、緊急のミーティングが開きやすくなるなど例年より優れた面が多く、当たり前に甘えて気付かなかったことが沢山あるとわかりました。実際に、一時的に対面でのミーティングが許可された際にもオンラインでミーティングした経験から気付いた技術の利便性を応用し、リアルとオンラインを融合させた新しい形で行いました。この経験から、人々が気付いていない技術の利便性を伝え、広めることによって仕事や生活を豊かにしたいと思いました。
貴社は官庁をはじめとし、消費者の生活を支える組織に「暮らしに寄りそう、イノベーションを」提供していることからITを身近にし、人々の生活を豊かにできるのではないかと考え、志望します。
ハードウェア業界の志望動機
■日立製作所(設計・開発職)/24卒内定者
私は、電力系統の安定性を向上させる事によって、現在の日本の課題となっている再生可能エネルギー大量導入への課題解決に繋がると考え、慣性を有するインバータを使用した際の事故時の短絡電流低下について研究を行っている。
私には「継続力」や「多角的な視野」だけではなく、研究で培った専門知識がある為、貴社の社会インフラコントロールシステムで、新しい電力流通のニーズに応えるソリューション提供を共に検討をし、貴社が掲げている再生可能エネルギーの安定した電力供給の新たな方法を生み出す事で、誰もがいつでも安心して暮らす事が出来る世界を実現する一端を担いたいと考えている。
■日立製作所(SE職)/24卒内定者
学生時代のアルバイトで辞めたいと思うことがありましたが、お客様の笑顔を見るたびに続けることができた経験から、人の役に立つ仕事がしたいと感じました。
御社の強みはワンストップソリューションで、お客様固有の課題に対して最適なソリューションを提供できます。この強みはより多くの人の役に立つことができるため、御社に入社したいです。
情報処理サービス(SI)業界の志望動機
■富士通/23卒内定
私はアルバイトでの商品管理において、手書きかつペーパーからデータベースによる一元管理が導入された経験がある。商品管理に対するミスと時間の削減により、一人一人の労働効率が大幅に向上した。この経験から、デジタルによって非効率を効率にすることの優位性を痛感した。その点貴社ではICTソリューションに関して取り扱う事業領域が広く、様々な業界のお客様に価値提供が可能である。また富士通のグループ力を結集し、長年培ってきた技術を生かすことが出来る。
以上より、企業のICT化を促進し、働く環境を効率化することで生まれる余剰時間を新たな生活様式に活用できると考えた。
貴社で企業のICT環境を整備することで、企業の発展や従業員の新たな時間の使い方を提案したい。
■NEC/21卒内定者
私は◯◯でのアルバイト経験から顧客の固有事情に沿ったニーズに応えることにやりがいを感じています。また、これから社会や企業を変革していくためにはITを活かしたソリューションが不可欠であると感じると同時に、私自身がITスキルを身につける必要性を感じました。この2点から、SE職を志望します。そしてエンタープライズ事業の中でも、金融業に携わりたいと考えています。昨今、デジタル技術の浸透により、様々なビジネスの形態が変化しニーズの多様化が進行しています。その中の1つに私たちの生活を支えている金融ビジネスも含まれています。
そこで今後も、金融機関が常に世の中のニーズに沿ったビジネス形態であることを維持するために、多様化するニーズに対応していき、サービスの向上に貢献していき、冒頭の将来像を実現するための経験を積んでいきたいです。
IT業界を志望する文系学生の志望動機
ここではunistyleにて公開されている、IT業界の選考を通過した文系学生のESの志望動機の例文を紹介します。特にIT業界を志望している文系の就活生は、是非参考にして熱意が伝わる志望動機を作成していきましょう。
■KDDI/23卒インターン合格者
その中で技術を直接的に造り出すことができない文系職種は、どのような働き方で社会に貢献できるのかを知りたい。
貴社がお客様へどのように価値提供をし、世の中を変えていくのか、そして自分はどのように働くことができるのかを学びたい。
■NTTデータファイナンステクノロジー(SE)/21卒内定
システムエンジニアという職が、社会を皆の目に見えないところから陰ながら支える縁の下の力持ちのような仕事だと考えたからです。私は中学校と高校の部活動どちらともで副キャプテンを務めてきた経験もあり、先頭に立って人を引っ張っていくことよりも、組織のメンバーを支えていくことにやりがいを感じます。そして、SEの仕事がそれに当てはまると考え、志望しました。
「貴社を志望する理由」
教育制度が整っているところに惹かれました。私は好奇心が旺盛で、今までやったことがないことにチャレンジするのが好きで、今までも多くのことに挑戦してきました。そのたびにそこでの知識やノウハウを自分のものにすることが最も大変でした。SEという職も文系の私にとって新しい挑戦です。なので、その挑戦を支えてくれる制度が整っている貴社を志望しました。また、社員の方々のお話を聞く中で、皆さんが社会を陰から支えるSEという職にやりがいを持っていることも印象的でした。
■日立製作所/18卒内定者
貴社は幅広い事業領域において人々の生活を支える商品を提供し続けており、技術でより世の中を良くしていく先陣を切っている。
社会を支えるソリューションを持つ貴社で、私も顧客の機会拡大に貢献したい。
まとめ
本記事ではIT業界の志望動機の書き方や例文を紹介してきました。
記事の中で紹介しているIT業界の選考通過者の志望動機を読み感じた方もいると思いますが、「なぜIT業界なのか」「IT業界の中でもなぜその企業なのか」が含まれていれば、文系・理系といった専攻は選考結果にさほど関係ありません。
とはいえIT業界は入社を目指す就活生は多いため、IT業界の選考を通過するためには他の就活生と差別化できる志望動機を作成することが大切です。
あらためて「どうして数ある業界の中でIT業界を志望しているのか」「IT業界の中でもなぜその企業なのか」を考えてみると良いでしょう。
そうすることであなたの志望動機に説得力を持たせることができるはずです。
就職エージェントneoを活用して就活をしよう!
- 「IT業界で評価される志望動機を書くにはどうしたらいい…?」
- 「IT業界の書類選考を突破したい!」
- 「IT業界で自分にあった企業や仕事が知りたい!」
このようにIT業界を志望する就活生の中でも、就活に関する悩みは人それぞれでしょう。
そのため就職エージェントneoでは、専任のアドバイザーが個別面談を実施し、就活生1人ひとりの就活状況をお伺いした後に、状況にあったアドバイスの実施や希望や適性に合った企業の求人情報を紹介しています。
「就活って何から始めたらいいのかわからない」「選考通過率を改善してはやく内定が欲しい」と考えている人は、是非就職エージェントneoをご利用ください。