助産師は、出産という生命に関わる仕事だけに「体力的にきつい仕事」というイメージがクローズアップされることが少なくありません。
確かに体力を使うという一面はありますが、現在は出産時のケア体制は充分に確立されているので、経験を積めば余裕を持ってこなせる仕事です。
助産師は社会の発展に欠かせない新しい生命の誕生をサポートするという社会的意義が深い仕事です。
そして妊産婦と新生児のケアをすることで、多くの人々から感謝されるやりがいのある仕事なのです。
助産師の最新情報
この章では助産師の最新の動きを紹介します。
「ハイリスク妊婦」の増加
出産に関わる医療現場では近年、高齢出産その他の要因による「ハイリスク妊婦」の増加が問題となっています。
これは、母児両者に出産後に重篤な事態が起きることが予想されるケースのことで、助産師にも、それ相応の対応能力が要求されることを意味しています。
医療現場においても「ハイリスク妊婦」をどうケアしていくかという問題をクリアするために、助産師にかかる期待も大きくなっているのです。
周産期医療の改革
出産といえば、以前は新生児を取り上げることだけに重点が置かれていました。
しかし、近年は出産前後の数ヶ月間(時には1年以上)にわたる「周産期医療」の必要性が重要視されてきています。
厚生労働省においても、2015年から検討会を開催し、周産期医療体制における助産師の活用についての提言がなされています。
これは「産後うつ」など、妊産婦に起きる深刻な事態を減少させるには、妊婦に寄り添い、妊婦の不安を払拭させるために、産科医師や看護師だけでは足りない部分を助産師の力を借りようという提言となっています。
同時に、院内助産や助産師外来の導入推進なども盛り込まれており、今後一層、助産師の活躍の場が広がっていくものと思われます。
助産師で必要な資格
「女性だけの仕事」という特徴を有する助産師には、助産師の仕事に就くために取得しておかねばならない資格があります。それが以下の2資格です。
看護師国家試験
厚生労働省認可の国家資格です。有資格者は、医師の指示に基づき診療補助や患者の看護・サポート業務の仕事に就けます。
受験資格は「文部科学省認可の大学・専門学校・養成所を卒業した者」または「免許取得後3年以上医療業務に従事している准看護婦」その他となっています。
助産師国家試験
厚生労働省認可の国家資格です。有資格者は、出産時における産科医師のサポート・産後のケア・新生児の対応などの仕事に就けます。
受験資格は「指定校にて1年以上、助産による学科を終了した者」または「助産師養成所を卒業いた者」その他となっています。
助産師の仕事内容
実際に、助産師は現場でどのような仕事をしているのでしょうか?以下に、その内容を紹介しましょう。
産前の指導
産科医師による妊婦健診に立ち会い、妊婦の健康状態をチェックし、同時に胎児が順調に育っているか、心音やエコーの状態を見て母子の健康状態を管理します。
産科医師と同等の知識が要求される重要な仕事です。並行して、妊婦に対して出産までの生活指導を行います。
特に初産の妊婦は不安感や出産に対する恐怖心が芽生えやすいので、妊婦に寄り添い、ネガティブな感情を払拭するための精神的サポートを行います。
この時期は、心理コンサルティング的な活動が助産師に求められます。
分娩の介助
助産婦にとって「本番」ともいえる大仕事が分娩の介助です。出産の現場に立ち会い、産科医師が行う分娩作業をサポートします。
妊婦の緊張感を和らげ、スムーズな出産に導くため、呼吸法やいきみ方を指導し、妊婦と気持ちを一つにして、自分と一緒に出産するかのように絆を強くすることが大切です。
産前での妊婦とのコミュニケーションが活きる場面です。
産後のケア
「助産師の最新情報」でも述べたように、近年は出産後のケアの重要性が注目されており、その役割を担うのが助産師と言われています。
新生児の健康状態を保つための「オムツの替え方」「沐浴のやり方」「離乳食の時期・内容」などが大事な指導内容です。
そしてそれ以外にも、出産を終えた母親の「産後うつ」「育児ノイローゼ」を防ぐために、出産後の1ヶ月検診で、新生児だけでなく母親の精神状態などもよく観察し、異常がないかどうかを判断します。
産前から出産まで二人三脚で歩んできたことが、この時期に活かせるよう母親の育児の悩みや身体の状態など、話し相手になり親身になって悩みごとを解決することが、助産師が担当する仕事のクライマックスといえるでしょう。
出産・育児に関する教育
出産と育児に関する指導・教育も助産師に課せられた重要な仕事の一部です。
妊婦に対する直接指導はもちろんですが、大学や専門学校などで、未来の母親となる女性に出産・育児についての現場を伝える教育の場が設けられています。
また、ベテランになると、助産師を養成する専門学校に赴いて指導する教育者的立場となります。
助産師の志望動機の書き方とポイント
どの職業にも言えることではありますが、生命の誕生に関わる仕事である助産師は、特に生半可な考えでは務まりません。
企業の採用担当者は「すぐに辞めたりせずに、辛抱強く長く働ける人材かどうか」を、採用の第一条件として判断します。
したがって、採用担当者に「この人なら大丈夫」と思わせるような志望動機の書き方が大きなポイントとなります。以下に、各項目のポイントを挙げてみましょう。
なぜその職種か
助産師を志望する理由を例として端的に書き、したがって助産師を志望しているという風に繋げましょう。
たとえば「知人の出産祝いに産院を訪れた際、ガラス越しにですが、助産師さんが新生児の世話をする様子や、廊下やナースステーションでの妊産婦さんを献身的にケアする様子を見て、生命の誕生に関わる仕事の尊さを感じ、自分もこの仕事をやってみたいと思うようになりました。」というような読む人が明確にイメージできるような具体的な書き方が好ましいでしょう。
助産師でアピールすべき強み
企業に自分をアピールするには、自分が、助産師に必要とされる人物像であることを強くアピールすることが大事です。以下に、助産師に求められる人物像を挙げてみました。
・他人との協調性に優れ、誰とでも仲良く会話できる人
・清潔好きで、自分から率先して掃除や整理整頓などができる人
なぜその企業か
助産師が勤務する場は、産婦人科医院、レディースクリニック、医療業務のアウトソーシング企業などいくつかあります。
各企業ごとの特徴を踏まえて自分に適した職場を選択した理由を具体的に書きましょう。
実際に書く際は以下のフレームワークに沿って書いてみてください。
(1)志望動機をひと言で
(2)具体的に言うと
(3)理由(過去の経験と業界・その会社の関連性)
(4)入社後にどうなりたいか
志望動機の書き方、考え方を詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
関連記事:
・志望動機の書き方~選考通過率をUPさせる方法~
・志望動機の正しい考え方やコツ~「志望動機がない…」と悩んでいる人必見~
助産師の志望動機のNG例
以下に「こんな風に書いてはいけない」という志望動機のNG例を紹介します。NG例文と「なぜNGなのか」を解説した文をよく読んで、このような失敗がないようにしてください。
助産師の仕事の内容は一通り勉強し、実地体験もしたので、御社に入社してそのスキルを活かしたいと思います。私は子ども好きで一時は保育士になろうかと思っていたくらいなので、助産師の仕事もそつなくこなせると思います。
→「助産師になりたい」という強い思いが伝わってこない文章です。友人から勧められ国家資格も取得したので、とりあえず就職しようという安易な姿勢が露呈しています。
それと「子ども好き」というだけでは助産師の仕事を「そつなくこなせる」ことはありません。
助産師という人の生命を預かる重要な仕事に就く、という心構えを示す必要があります。
助産師の志望動機の例文
前項のポイントをよく読み、採用担当者の心に響く志望動機の文章を書きましょう。以下の例文を参考にしてください。
もちろん、資格を取っただけですぐ務まるような簡単な仕事ではないことは充分承知しています。就活にあたっては、総合病院や産婦人科専門医院、アウトソーシング企業など助産師が勤務するいくつかの職場を調べました。
その結果、隅々に目が行き届く細心の妊産婦ケアを理念とされておられる御社こそ、自分が理想とする職場だと考え、志望したいと考えました。入社後は、じっくりと経験を積み、より高度なスキルを身につけたいと思っています。
→「助産師を一生の仕事にする」という強い意志が伝わってくる文章です。
仕事の大変さもよく理解しており、企業調べもきちんとしていることから、就職に対する真摯な姿勢が感じられます。
辛抱強く下積みして「将来こうなりたい」という明確なビジョンを持っている点で良い印象を受けます。企業の採用担当者が欲しがる人材だといえるでしょう。
レベルの高い例文集を見たい方は下記記事をご覧ください。
関連記事:
志望動機のおすすめ例文10選!
まとめ
助産師は、生命の誕生に関わる社会的に有意義な仕事です。
そのような助産師になるためには、「助産師を一生の仕事にする」という強い使命感と「自分はこういう理由で助産師になりたい」「就職後はこんな未来図を描いている」という明確なビジョンを持っていなければならないでしょう。
そのうえで、企業・団体によって異なる部分やそれぞれの企業の特徴を踏まえて志望動機を作成するようにしましょう。
志望動機の基礎から応用まで網羅的にノウハウを知りたい方は下記をご覧ください。
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志望動機の書き方・例文
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