
志望動機の正しい考え方やコツ~「志望動機がない…」と悩んでいる人必見~
「志望動機で何を書いたらいいかわからない」「何にも書くことが浮かばない…」と悩んでいる就活生も少なくないと思います。
特にそこまで志望度が高くない企業の場合、そういった悩みに直面しやすくなります。
そこで本記事では志望動機の考え方に悩んでいる就活生に向けて、企業がなぜ志望動機を聞くのか、志望動機が浮かばない時はどのように考えたらいいのか、どのような志望動機が多くアピールされているのかについて紹介していきます。
企業が志望動機を聞く理由
企業が志望動機を聞く理由は「志望度の高さを知りたい」「社風・ビジョンとマッチするかを知りたい」という2つの理由が挙げられます。
企業が採用を行う目的は学生に入社してもらうためです。そのためいくら内定を出しても入社してくれなければ意味がなくなってしまいます。企業は採用の段階で内定を出したら本当に入社してくれる志望度の高い学生を探すために、志望動機を聞いています。
また、入社の時点で志望度が高くても社風やビジョンがその学生と合っていなければ入社後のミスマッチに繋がり、離職してまう可能性が高まってしまいます。
そのような事態を防ぐためにも、企業は学生に志望動機を聞いているということになります。
▶企業が志望動機を聞く理由についてもっと詳しく知りたいという方は以下の記事を参考にしてみてください。
参考:志望動機とは?選考通過に必要な3つの就活基礎知識志望動機を考える際のポイント
志望動機を考える際は、自己分析・企業研究を行った後に、自己分析で見つけた自分の強みを志望企業でどう活かすことができるか考えてみましょう。
以下でそれぞれの詳しいやり方について、解説していきます。
自己分析
自己分析は以下の手順に沿って行うと、簡単に自分について振り返ることができます。
(1)モチベーショングラフを作成する
モチベーショングラフとは過去の出来事の中で、自分はどんな時にモチベーションが上がり、どんな時に下がるかをグラフに表したものです。
グラフ化することで、自分の価値観やモチベーションの源泉を知ることができるため、企業を選ぶ際に、役立てることができます。
■モチベーショングラフのイメージ

(2)エピソードを深堀りする
モチベーショングラフに書いた出来事の中からエピソードをピックアップし、深堀りしていきます。深堀りする際は、そのピックアップしたエピソードに対して「なぜ?→なぜ?→なぜ?」と自分に何度も問いかけてみましょう。
例えば、”選抜メンバーに選ばれなかった”というエピソードを選んだ場合は、「選ばれずなぜ悲しいと思ったのか?」→”大会に出て優勝したかったから”→「なぜ大会に出て優勝したかったのか?」→”すごいと思われたい”→「なぜすごいと思われたい?」→”承認欲求が満たされるから”のように深堀りしていくと、この学生は承認欲求がモチベーションの源泉だということがわかります。
以下に質問例を記載しておくので、参考にしてみてください。
●一番誇れる経験は?
●一番感動した経験は?
●一番影響を受けたことは?
●一番影響を受けた人は?
●一番悲しかった経験は?
●一番の挫折経験は?
●家族の中でどのような役割だったか
●家族との間での一番の思い出は?
●どんなアルバイトをしていた?
(3)エピソードに対するアプローチ方法を考える
深堀りした出来事に対して、自分がどのような行動をとったか考えてみましょう。
そうすることで「挫折した時はどのように乗り越えましたか?」という質問に論理的に答えることができるだけでなく、新たな自分の強みを見つけることもできます。
(4)過去のエピソードに共通点を探す
先程作成したモチベーショングラフを見て、モチベーションが高くなる時に何か共通点がないか探してみましょう。同様に低くなる時も探してみてください。
(5)企業選びの軸を考える
ここまでは自分の過去について振り返ってきましたが、ここからは企業を選ぶ際の軸を考えてみましょう。その際は以下の手順に沿って、考えてみてください。
1.楽しかったこと・嬉しかったことの共通点を書き出す
2.辛かったこと・苦しかったことの共通点を書き出す
3.それらの共通点を「企業に求めること」に置き換える
4.企業に求めるものの中で「絶対必要」「なくても大丈夫」、求めていないものの中で「絶対に無理」「まだ我慢できる」の4つに分類する
5.で分類したものに優先順位をつける
以下で例を用いて解説しているので、参考にしてみてください。
●部活チームのみんなで毎日必死で練習したこと
●アルバイトででバイトリーダーに選ばれたこと
●サークルで自分がした企画が盛り上がった
⬇
(共通点)
●チームで動くことが好き
●人を引っ張ることが好き
●誰かのために動くことができる
⬇
(働く際に求めるもの)
●仲間と協力しながら働く環境
●実力主義
「つらかったこと・苦しかったこと」も同様に行ってみてください。
6.優先順位を決める
5.で出した働く際に求めるものと求めないものの中で、優先順位をつけていきます。つまり妥協できるものかできないものかを考えていくということです。ここで妥協できないと思ったものが、企業を選ぶ際の軸となります。
企業研究をする
企業研究を行う際は、まず業界研究から始めましょう。業界研究は以下の流れに沿って行ってみてください。
(2)選んだ業界のビジネスモデルを理解する
(3)職種ごとに求められる素養を考える
(4)類似している業界と業界比較をする
(5)企業ごとの対策を行う
(1)網羅的に調べた上で気になる業界を選ぶ
今回は業界を「ものをつくる」「ものを売る・届ける」「サービス・情報」「社会基盤を整備」「資金を動かす」のに分類したので、以下の画像を参考に自分の気になる業界を選んでみてください。

気になる業界を選んだら、その業界のビジネスモデルについて調べましょう。
その際は以下の項目について調べてみてください。
●誰に対して(who)
●どのように(how)
(2)職種ごとに求められる素養を考える
いくら自分の強みをアピールしても、企業が求めている強みでなければ意味がありません。そのため、事前に志望企業がどのような強みを求めているのか把握しておくようにしましょう。その際はSWOT分析がオススメです。
Wakness:弱み
Opportunity:機会
Threat:脅威
また、企業ごとに強みを把握するだけでなく、職種ごとに求められる素養を考えましょう。
(3)類似している業界と比較する
業界は異なっていても類似している仕事は少なくありません。例えば、食品原料メーカーと総合商社は業界としては他業界となりますが、食に関わるビジネスという面でみると類似している仕事と言うことができます。
業界比較がしにくい場合は4Pのフレームワークを使ってみても良いでしょう。
●Price(価格・割引)
●Place(立地・流通・販路)
●Promotion(広告宣伝)
(4)企業ごとの対策を行う
企業によって求める人材などは異なります。そのため企業ごとに志望動機や自己PRを考えるようにしましょう。
企業研究をする際は、以下の項目をチェックするようにしてください。
●事業内容
●業界内の立ち位置(同業他社との違い)
●企業の動向(最新ニュース・将来の展望)
●どんな人材を求めているか
●働き方・CSR(社会課題に対する取り組み)
ここまでで自分の強みや、企業が求めている人材について知ることができたと思います。この後は、自己分析で得た自分の強みをどのように志望企業で活かせるかを考え、実際に志望動機を作成していきましょう。
志望動機で就活生に1番よく使われている志望理由とは
ESや面接などで志望動機を聞かれた際に、就活生のみなさんはどのような理由をアピールしているのでしょうか。
今回は大手企業に内定した就活生のESから、どのような志望動機がよく使われているのか集計してみました。

※社風:会社の雰囲気、社員さんの人柄
会社の事業方針:事業内容、会社の強み
※データ元/就活サイト「unistyle」選考通過ES
就活生によく使われている志望動機は基本は「社風」か「会社の事業方針」に分けることができます。
この2つの志望動機では、どちらの方が多く使われているのかを調べてみたところ、「社風:38%」「会社の事業方針:62%」と事業方針の方が多いことがわかりました。
ここまででどのような理由が多く使われているかについてはわかったと思います。以下では大手企業内定者はこのような理由をどのように志望動機として、アピールしているのかを、実際のESを見て学んでいきましょう。
大手企業内定者の志望動機の例文
ここでは「社風をアピールしている志望動機」「会社の事業方針をアピールしている志望動機」「会社の事業方針と社風の両方をアピールしている志望動機」の3つに分けて、大手企業内定者の志望動機の例文を紹介します。
私の夢は「自信をもって幸せだと言える人が一人でも多く住む世界を創る」ことである。その夢を実現できる場所こそが、多様なフィールドで既存の枠組みに囚われずにビジネスモデルを変化させ、価値を創造し続けている総合商社であると考えている。
その中でも貴社を志望する理由は、インターンシップに参加し、貴社の理念を肌で感じ、大変魅了されたためである。現地の情報やニーズを徹底的に探る社員の方の姿、最後まで諦めない姿、誠実さなど、利益を出すだけではなく世の中の発展のために真摯に行動する姿勢に強く惹かれた。貴社であれば、私の「やり遂げる力」と「謙虚かつ主体的な行動力」を活かすことができると確信しているため、志望する。
私は、当事者意識をもって多岐にわたる仕事の課題解決にあたり、強い使命感をもって貴社のビジネスに携わり、夢の実現・貴社の発展に貢献したいと考えます。
共に「世界が求める現実」を作り、人々の選択肢を増やしていきたい。
面接官が嫌う志望動機の特徴
ここでは面接官に評価されにくい志望動機の特徴を紹介していきます。
他の企業でも通じるような志望動機になってしまっている
当然ですが、他の企業でも通じるような志望動機をアピールしてしまうと、面接官は「この学生はあまり志望度が高くないな」というイメージを持ってしまいます。
本記事でも伝えていますが、企業が志望動機を聞く理由はその学生の志望度を確かめるためです。そのため、志望度が高くないと判断されてしまえば、選考に通過するのは難しいと言えるでしょう。
「この企業でなければだめだ」という強い意志をアピールできるような志望動機を作成しましょう。
抽象的な内容になっている
例えば「将来性があるから~~」といったような志望動機をよく見かけますが、”将来性がある”という言葉が決していけないわけではありません。
ただ「将来性があるから、なぜ志望しているのか」を書かないと、「この人は将来性があるから志望しているだけ?」と思われてしまう可能性もあるため、志望動機はできるだけ具体的に書くようにしましょう。
企業視点に立てていない
学生の志望動機を見ていると「成長したいから」という志望動機もよく見かけます。
これもこの言葉自体がいけないわけではありませんが、”成長したい”という言葉だけだと自分本位になってしまっているため、企業視点に立ち、企業の成長まで触れられると良いでしょう。
また「安定」や「福利厚生」などは志望動機でアピールしない方が良いです。
確かにこれらは企業の強みではありますが、企業側からしたら「そんな理由でうちの会社を志望しているのか」と悪いイメージを持たれてしまう可能性もあるため、避けるようにしましょう。
具体的且つロジカルに伝えられていない
どんなに良い志望動機でも、伝え方が悪いと面接官に与える印象も全く異なってしまいます。「この学生は何を言ってるんだ?」となってしまったらすごくもったいないですよね。
そのため志望動機に限らず、面接やESで何かをアピールする際はロジカルに伝えるように心がけましょう。
ロジカルに伝えるのが苦手という人は、以下のフレームワークに沿って話してみてください。

どうしても志望動機が書けない時
本記事では志望動機を考えるための自己分析・企業研究のやり方、面接官に嫌われる志望動機の特徴、大手企業内定者の志望動機の例文を紹介してきました。
本記事を読んで自己分析や企業研究を行ってみたけど、それでも志望動機が書けないという学生はOB訪問や就活エージェントを利用するのも1つの手です。
OB訪問ではその企業の社員さんと実際にお話することでネットよりも詳しい企業に関する情報や、志望企業の雰囲気をなんとなく感じることができると思います。
エージェントでは面接やESのアドバイスをしてくれるため、自分一人では自己分析ができないという学生にはオススメです。
またアドバイスだけでなく、学生一人ひとりに合った業界や企業も紹介してくれるため、効率的な就活を行うことができます。
就活に対して不安や悩みがある方は、少しでも早く悩みを解決し、自信を持って本番に臨めるようにしましょう。
