●日本国内では次世代半導体の技術を活用するプロジェクトが進行しており、半導体業界はさらなる発展が見込まれる。
●半導体業界でのやりがいは[最先端の技術を生み出せること][グローバルスケールでの仕事ができること][部門を超えた共同作業で製品を生み出せること]などが挙げられる。
●半導体業界で求められる人物像は[常に向上心を持って仕事ができる人][情報収集を欠かさない人][物事を多角的に見れる人」である
成長産業の1つでもある半導体業界。これまでのパソコン、スマホの普及による成長に加え、今後はビッグデータ活用が拡大することから、さらに発展することが予想されています。
半導体業界は将来性がある業界だからこそ、安定志向で堅実な志望動機よりも主体的でチャレンジングな要素が盛り込まれた志望動機の方が評価される傾向にあります。
本記事では半導体業界の特徴や職種について解説するとともに、実際にキオクシアや東京エレクトロンといった大手企業の選考を通過した志望動機を例文として紹介しています。
半導体業界を志望している就活生は是非参考にしてください。
半導体とは?
半導体とは、電気を通す[導体]と電気をほとんど通さないゴムなどの[絶縁体]との、中間の性質を持つ物質や材料のことを言います。
その他にも、電気の流れをコントロールする[トランジスタ]と呼ばれる部品や、電気の流れを一方通行にする装置[ダイオード]、トランジスタを配線接続した回路である[集積回路]なども半導体と呼ばれています。
集積回路は、情報の記憶、計算、処理などをおこなう機能を担っており、スマホや電子レンジのような身近な電子機器から、工場の製造装置まで様々な機械の頭脳部分として使われており、私たちの生活に必要不可欠な製品です。
さらに半導体業界のビジネスモデルや業界動向についてさらに詳しく知りたい就活生は、以下の記事を参考にしてみてください。
半導体業界の主な職種
ここでは半導体業界に関わる3つの職種、[設計・研究開発][営業][資材調達]について紹介します。
半導体業界においては製品開発を担当する職種だけでなく、製品の質を高めるための資材調達や顧客と接点を持つ営業も企業活動においてなくてはならない職種です。
それぞれの職種を理解した上で自分がどの仕事に興味があるか考えてみましょう。
設計・研究開発
設計・研究開発部門では、CPU・MPU・メモリといったコンピュータの[脳]として機能する製品の開発を担当しています。
これらの製品は、コンピュータ内でデータの処理や保存を担当し、その性能や機能はコンピュータのパフォーマンスに直結します。
主な仕事内容は、これらの製品の処理ロジックを設計し、実際のチップに実装することです。
そのためには、まずどのような処理をおこなう製品が必要なのかを検討します。一般的な用途に使える汎用的な製品を開発する場合もありますが、時には特定の顧客や用途に合わせて製品をカスタマイズする必要があります。
仕事は主に社内でおこなわれますが、営業や社外のクライアントとのコミュニケーションも発生することがあります。
クライアントのニーズや要求を理解し、それを製品の設計に反映させることが重要です。
営業
半導体企業の営業では[電子製品を作る企業]を主な顧客としています。営業部門の役割は、顧客の新製品に合った半導体設計を提案することです。
同時に、新しい顧客を獲得するための営業活動もおこないます。
営業活動はまだ自社の半導体製品を利用していない企業にアプローチをして、彼らのニーズに合った製品を提供して売上拡大をしていくためにおこなっています。
そのため営業職では、顧客企業や業界動向に関する最新情報を常に把握するための[情報収集能力]とその情報をもとに最適な製品を提案することができる[提案力]が必要になります。
資材調達
資材調達部門は、半導体製造に必要な原材料を調達するチームです。主に海外から、品質の高い材料をリーズナブルな価格で入手するための交渉を担当します。
時には、新しい供給先を見つけるための開拓活動もおこないます。この職種では英語や中国語などの[語学力]と、取引先との交渉を粘り強くおこなう[コミュニケーション能力]が求められます。
半導体業界の現状・将来性
ここからは、半導体業界の現状と将来性について以下に紹介します。
半導体業界は、現代のテクノロジーの中核を担っています。スマートフォンや自動車、クラウドサービスなど、私たちの生活やビジネスに欠かせない製品やサービスの多くは、半導体技術に支えられています。
この業界の構造を理解することで、自分の興味や適性に合ったキャリアパスを見つけることができ、より良い志望動機を書けるようになるでしょう。
半導体市場の現状
総務省によると、世界全体の半導体市場の出荷額は2015年以降、増加しています。一方で、日本の半導体市場は2018年から減少していましたが、2021年になって増加傾向に転じました。
市場で大きな部分を占めるのは、[ディスクリート半導体]と呼ばれる種類です。これは、CPUの頭脳を担う[ロジック半導体]や高電力、高電圧を制御する[パワー半導体]とは違い、1つだけの機能を持つ半導体のことです。例えば電流を一方向に流す[ダイオード]や、電流を制御する[トランジスタ]などが該当します。
参考:総務省/半導体市場の動向
国内の半導体戦略
日本では、次世代の半導体技術を活用したプロジェクトが進行中です。
日本は先端ロジックの半導体分野においては、他国から遅れをとっているのが現状であり、国内半導体産業を活性化させ、次世代半導体産業において日本もその市場に参入するためにプロジェクトの策定がおこなわれました。
経済産業省によると、このプロジェクトでは、国家主導のもと国内の優れた技術者を集めて、研究開発拠点と量産拠点となる新規事業会社を立ち上げます。
さらに、日本と米国が連携し、両国間で協力してサプライチェーンを構築することも発表されました。
この連携により、より効率的な生産体制や技術の共有が可能になり、半導体産業の発展が期待されています。
半導体業界で働くやりがいとは?
次に半導体業界で働く上で得られるやりがいを、半導体企業の新卒採用サイトに記載されている[実際の社員の声や体験談]の内容を参考に紹介していきます。
技術の革新に貢献できる
まず、半導体産業に関わることで世界的な技術の革新に貢献できることが挙げられます。
先ほども紹介したように、半導体はスマートフォンから自動車まで、ありとあらゆる製品の根幹を支える非常に重要な部品の1つです。
常に新しい課題に挑戦し、技術的なスキルや知識を高めることができます。
グローバルスケールでの働き方ができる
半導体メーカーの市場は国内だけではなく、世界中にあります。
つまり、世界中に競合となるライバルがいることになり、非常に競争の激しい業界です。
そのような市場環境の中で企業活動をしていくことになるため、スケールの大きな仕事に取り組むことができるでしょう。
部門を超えたチームワーク
半導体製品の開発には、様々な専門家やチームが関わります。
設計エンジニア、製造技術者、マーケティング担当者など、異なるバックグラウンドを持つ人々が協力して、製品の開発や市場投入を成功させることが求められます。
このチームワークと共同作業のプロセスは、やりがいを感じる要因の1つに挙げられます。
半導体業界で評価される志望動機を作る3つのステップ
ここでは半導体業界の志望動機を書く際に意識してほしいポイントを3つ紹介します。
これから志望動機を作成するという人は、以下のポイントを参考に作成してみてください。
(1)志望動機に必要な要素を把握する
志望動機を作成する際は[なぜ半導体業界か][なぜその企業なのか]をしっかりと深掘りしましょう。
『なぜ半導体業界なのか』については、数ある業界の中でもなぜ半導体業界を選んだのかについてしっかりとした理由を準備しておく必要があります。
「製品の製造に欠かせない半導体を向上させることで、より便利な生活を作っていきたい」のような半導体業界ならではの理由を入れると良いでしょう。
『なぜその企業なのか』については、志望企業の強みや事業形態などの特徴を調べて、競合他社と差別化しながら伝えることが大切です。
例えば、東京エレクトロンであれば、半導体の製造装置を開発している企業であり、[顧客第一主義]を掲げ顧客との関係構築も重要視しています。
キオクシア(旧東芝メモリ)であれば、半導体の記憶装置[メモリ]を中心とした半導体を製造しており、社風は自由と言われています。
このように同じ半導体業界に属する企業とはいえ、企業ごとに強みや注力している事業は異なるため、企業ごとの特徴を把握した上で、[自分がその企業を志望する理由]を考えるようにしてください。
(2)半導体業界の求める人物像を把握する
半導体業界はITの進化に伴い、常に変化を求められる業界であるため、どの企業も進化する姿勢、モノづくりへのこだわりは必要です。
そのため失敗を恐れず何事にも挑戦することができる、積極性やチャレンジ精神、上を目指し続ける向上心が求められます。
また、上述したように半導体は常に変化を求められる業界であることから非常に速いスピードで技術や情報が更新されます。
そのため情報収集を欠かさずおこない、得た情報をもとに今後どのように市場が動くのか、その情報に関連して他の業界はどう動くのかなど様々な角度から情報を精査する必要があります。
つまり、情報収集力や物事を多角的に見ることができるという能力も求められると言えるでしょう。
まとめると、以下のような人物が半導体業界には求められていると言えます。
(3)志望動機のフレームワークを知る
情報収集や自己分析をもとに、伝えることが決まれば、あとは書くだけです。必ずしもオリジナルの構成にする必要はありません。
シンプルでわかりやすい文章構成が、相手を意識した書き方であり、読んでもらうコツです。
文章力に課題がある人は第三者にチェックしてもらうことで、「て・に・を・は」、接続語、「です・ます」調など細部まで整えましょう。
(1)志望動機をひと言で
(2)具体的に言うと
(3)理由(過去の経験と業界・その会社の関連性)
(4)入社後にどうなりたいか
志望動機の考え方、書き方を詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
半導体業界の志望動機の例文
ここからは半導体業界で評価される志望動機の例文を紹介します。
企業の選考を通過した先輩たちの志望動機を参考にして、オリジナリティのある志望動機を書きましょう。
キオクシアの志望動機例文
▼技術系職種
1つ目の軸、世の中にインパクトを生み出したいのは、子供の頃に感じた最先端技術への感動があります。今では当たり前のように使えるスマートフォンですが、中学1年生の頃に初めて、Ipodを買い、タッチで操作でき、鮮やかな画質、そして薄さに感動したという経験があります。今度は私自身が、人の心に刺さるようなインパクトをモノづくりを通じて生み出したいと考えています。
2つ目の軸、新たなことにチャレンジできる環境であるという点です。私は現在、薄膜についての研究をしており、その中で、新しい固溶体の作製や研究室で初めて行う測定など、これまでやったことのない研究を行うことに面白さを感じています。メモリの高機能化に向けて、新たなことにチャレンジする瞬間は避けては通れない部分であると考えています。現在、研究している材料においては、数nmという微細材料の研究が盛んであり、御社であれば、そういった新たなことにチャレンジできる環境であると考えています。
⇒自身の経験に基づいたオリジナリティ溢れる志望動機です。この会社に入ってからチャレンジしたい内容も具体的に書かれており、熱意が採用担当者に伝わる内容となっています。
引用元:Unistyle/選考通過者本選考ES(キオクシア22卒)
▼事務系職種
○○部でオンライン文化祭に参加したことで、その後オファーをいただいた経験が挙げられます。始め、オンライン文化祭の参加は今まで経験がなく練習が面倒という理由で、部員全員にやる気がなく意気込みがありませんでした。
そこで、私が参加の意義として、発表の機会を増やす目的と部の結束を固める目的があることを明確にし、自分の熱意を示したことで、部員全員が気持ちを変え、参加が決定しました。○○を発表したため、息を合わせる練習が大変でした。
結果的に、部の過去最高の視聴者数を獲得できたのに加え、部の一体感を高めることができました。そして、○○出演依頼や、○○、○○等への参加など、様々な外部からのオファーに至りました。御社の法務として、新しい道を切り開き挑戦することを忘れずに、会社づくりに携わっていきたい。
⇒働く上で大事にしたい価値観とその経緯はわかりやすく説明されていますが、それらと志望理由を論理的に結びつけて伝えることでより良い志望動機になると考えられます。
東京エレクトロンの志望動機例文
▼技術系職種
また様々なメーカーを拝見させていただく中で、今後の社会の発展を目指す上で半導体があらゆる事業の核となると感じました。貴社は当該事業のリーディングカンパニーであり、また貴社の掲げられている企業理念や人材像などに深く共感したため、志望させていただきたく存じます。
貴社に入社した暁には、メカエンジニアとして半導体製造を基盤から向上させるという形で社会貢献するとともに、貴社の更なる成長に資する所存です。さらには自身のリーダーシップや主体性を活かし、チーム全体の結束力ならびに生産性の向上を図るとともに、向上心と誇りをもって日々就業することで、個人としての人材価値を高め、1年目から様々なことに挑戦して一社会人として成長していくことを目指します。
⇒志望動機と企業に入ってから取り組みたいことが一貫していて、熱意の伝わる文章となっています。
引用元:Unistyle/選考通過者本選考ES(東京エレクトロン24卒)
▼事務系職種
1つ目はものづくりに携わること、2つ目は様々な業務のサポートができることです。サポート業務に取り組みたいと思ったきっかけは、学習塾の事務アルバイトで講師の方のサポートを担った経験です。講師の方は授業の事前準備や生徒や保護者の対応で常に忙しくしていました。そのため、講師の方の手が回らない授業の資料の印刷や作成などの事務作業を先回りして行い、講師の方が何を求めているのか、自分がどう動けば講師の方は動きやすくなるのかを自ら考えサポートしました。
貴社の強みである半導体製造装置の製造を通して世の中に最先端技術を提供し続けている点が魅力的だと思い、自分の強みを生かして携わりたいと思いました。貴社に入社したら営業部門の一員として、チームに対してどう動くべきなのかを自ら考え、細かい部分まで主体的にサポートして活躍したいです。
⇒自身の経験を用いて、社会人としてどのように働きたいかが論理的に書かれています。さらに、東京エレクトロンの強みについても述べられていてこの企業で働きたい思いが伝わってくる志望動機です。
ロームの志望動機例文
▼技術系職種
貴社は当該事業のリーディングカンパニーであり、また貴社の掲げられている企業目的や人材像などに深く共感したため、志望させていただきたく存じます。
⇒200文字という制限の中で半導体業界を志望する理由と、この企業の魅力に感じた点について簡潔にまとめられています。
引用元:unistyle/選考通過者本選考ES(ローム24卒)
▼事務系職種
今や私たちの生活向上に直結している半導体を通してこの想いを実現することができると考えています。その中でも40以上の国と地域に事業を展開し、高い技術を活かした製品を通して常に社会課題や人々の暮らしと向き合う貴社に魅力を感じました。将来は貴社の海外営業として世界中の人々の生活に豊かさを届けたいです。
⇒こちらも200文字という文字数制限の中で、この企業を志望する理由と、入社後の意気込みが書かれています。そしてその2つの要素がうまくまとめられているため、入社への強い意欲を感じます。
引用元:unistyle/選考通過者本選考ES(ローム23卒)
上記例文の他にも就活支援サイトunistyleでは選考通過者のESを7万件以上掲載しています。
下記画像からサイトに移動できるので、ぜひES作成の参考にしてください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。本記事では、半導体業界の概要から現状、そして志望動機の書き方について紹介してきました。
本記事の情報を活用して、半導体業界への選考に是非チャレンジしてみてください。
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- 「半導体業界で評価される志望動機を書くにはどうしたら良い…?」
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