●留年理由を回答する際は「留年期間にどんな取り組みをしたか」を具体的に伝える。
●面接官が留年理由を質問する意図は、「病気や事故など体の状態を知るため」「留年をして得たものを知るため」「人柄を知るため」の3つ。
「面接で留年理由について聞かれたらどうしよう……」このような不安をお持ちではありませんか?
留年が就活において大きなマイナス要因になってしまうと考える就活生も少なくないと思います。しかし実際には留年が原因で不採用になることはありません。
そこで本記事では、これから重要な面接があるという就活生に向け、留年した理由は不利になるのか、留年理由の正しい答え方、絶対にやってはいけないNG例などを紹介していきます。
本記事を読むことで、答えづらい留年理由を問題なく回答できるようになり、かつ内定にも大きく近づくでしょう。面接で失敗したくないという人はぜひ参考にしてみてください。
就活において「留年」は不利?
就活生の多くが、就活において「留年が不利になってしまうのか」という点だと思います。
特に、単位や出席が足りずに留年してしまった場合、面接で留年理由をどう伝えたらいいのか頭を抱えてしまう人が多いのではないでしょうか?
しかし、実際のところ、留年自体が就活で不利になる可能性は低いと言えます。
それどころか、留年を挽回する姿勢をしっかりとアピールすることができれば、好印象を残すことも可能です。
つまり、「留年期間にどんな取り組みをするか」が選考においてとても重要な意味を持つことになります。
面接で「留年した理由」を聞かれる確率は?
留年した経験が就活において不利になることは無いとしても、「どのくらいの割合で聞かれるのか」と気になる人がいるのではないでしょうか。
以下は、ツイッターで聞いた「面接で留年した理由を聞かれたか」というアンケートの結果になります。
このアンケートによると、「聞かれた」43%、「聞かれなかった」57%と、「聞かれなかった」が若干上回る結果となりました。
しかし、約4割は面接において「留年に関する質問」をされているため、聞かれた場合の対策をしっかりと準備しておいた方が良いでしょう。
面接で「留年した理由」について質問する意図
企業が面接で留年した理由を聞く意図は下記の通りです。
■留年をして得たものを知るため
■人柄を知るため
それぞれの意図について詳しく解説していきます。
病気や事故など体の状態を知るため
面接官が留年理由を聞く1つ目の意図は、病気や事故などがあり、体の状態を悪くして留年したかどうかを確認するためです。
入社して長い付き合いをしていく中で、体の状態が悪いとお互いにとって良いことはありません。
無理をすれば体調の悪化につながりますし、会社側も社員になる人の健康状態を正しく把握しておきたいためです。
そのため、もし病気や事故などで体の状態が悪い場合は正直に伝えるようにしましょう。
留年をして得たものを知るため
面接官が留年理由を聞く2つ目の意図は、あなたが留年をして何を得たのかを知るためです。
どのような理由であれ、留年することで何かを学んだり気づいたりすることは多いです。
留年して気づいたことや、学んだことなんてないかもしれない」という人は、留年する前の自分と留年後に過ごした自分の考え方を比較してみましょう。深堀することで、何か面接官にアピールできる要素が見つかることもあります。
人柄を知るため
面接官が留年理由を聞く3つ目の意図は、人柄を知るためです。
例えば、求職者が留年したことをどのように捉えているかによって、面接官はあなたの人柄を想像します。
留年を楽観的に捉えている人だと、面接官は「良い意味で捉えればポジティブだけど、考え方が短絡的であるともいえるな」という印象を抱く可能性もあるでしょう。
また、自分の留年理由を他者に話してみるなどして、あらかじめ客観的な意見をもらっておくとよいです。客観的な意見をもらっておくことで、自分の留年理由が面接官にどのような印象を与えるのかを、前もって知ることができます。
面接で「留年した理由」について質問されたときの答え方
面接で留年理由を聞かれた際は、以下のフレームワークに従って答えましょう。
まずは、結論部分で留年した理由を簡潔に述べます。
次に、エピソード部分で「留年して気づいたことや学んだこと」「どうして留年することになったのか」などについて詳しく説明しましょう。
続いての改善方法では、「今後このようなことが起きないためにどうするべきか」を述べます。
最後にエピソードの話をまとめつつ、今後会社でどう活かしていきたいのかを述べるとよいでしょう。
「面接の質問」への答え方の詳細、注意点、面接官のタイプ別対策方法を知りたい方は下記の記事をご覧ください。
どう答えればいいかわからない、または面接になかなか受からないから通過率を上げたいという方はぜひ就職エージェントneoを利用してください。
面接で「留年した理由」について質問されたときの回答例
以下では、面接で留年理由を聞かれた際の回答例を15個紹介していきます。
留年理由については、面接の合否を分ける重要な質問です。面接で間違った回答しないためにも、ぜひ以下の例文を参考にしてみてください。
また、例文に加え、想定質問についても紹介していきます。
遊んでいた・就活をしていた
■例文1
高校時代に留年をしたことがなかったということもあり「どんなに遊んでも留年はさすがにしないだろう」とタカをくくっていました。しかし、結果的に留年することになってしまい、親にも学費面で迷惑をかけ、自分の不甲斐なさを痛感しました。しかし、3年生になってからは、もう二度とこんな失敗はしないということを心に決め、大学の講義は1日たりとも休みませんでした。このような経験から、計画的な行動を行うことの大切さを学ぶことができたため、今となってはプラスの経験だと思っています。
これから社会人として働く際も、計画性を大事にして、たくさんの仕事をこなしていきたいと考えています。
【想定追加質問】
⇨留年後、変化した環境から何か学んだことはありますか?
⇨留年している間は具体的にどのように過ごしましたか?
■例文2
アルバイトで稼いだお金を使い、サークルの仲間たちと遊んでばかりの毎日でした。しかし、留年をして自分の生活スタイルが間違いだったことに気づき、それ以降は学業を優先するようになりました。まずは単位の取得が一番だと考えたため、優先順位を明確にし、遊びやアルバイトなど学業以外のことに使う時間を減らしました。大学の講義に出るようになってからは、勉強も面白くなり、大学での時間がより有意義なものになりました。
今後は、このような失敗をしないために、計画性をもち、社会人としてふさわしい行動を取り続けたいと思っています。
【想定追加質問】
⇨大学の講義のどういった部分が面白かったですか?
■例文3
遅れた一年を取り返そうと決意し、去年から始めた新規開拓営業インターンにおいて「商談の1人立ちを認めてもらう」という大きな目標を立てて取り組みました。最初の3か月はテレアポしか任せてもらえませんでしたが、責任が大きい商談を任されるためには、まず目の前の仕事の成果を出す必要があると考え、作業効率や目標設定を徹底的に見直しました。
その結果、社員の方よりも成果を出すことができ、昨年の9月、初めて商談の1人立ちの許可を得ることができました。
今後は、自分の仕事に誠心誠意取り組むことで、会社の仲間やお客様と信頼関係を築いていきたいと考えております。
【想定追加質問】
⇨就活と学業の両立ができなかったとのことですが、2つのことを両立させるために気を付けていること(改善策)などはありますか?
部活動
■例文1
私は3年生の時に部活動の部長を任され、土日は朝から晩まで練習し、平日も朝練を行っていました。練習の甲斐あって、全国大会に出場することもできたのですが、私は3年生での単位が足らず、留年することになってしまいました。 留年した原因は、私が野球のことばかりを考えてしまい、全体を俯瞰して見えなくなってしまったからであると思っています。そのため、私は視野を広げ物事の優先順位を意識して行動するようなりました。
入社した後は、これらの失敗経験を活かし、2手3手先を見ながら仕事に取り組みたいと考えています。
【想定追加質問】
⇨大学1年生や2年生の時の単位を取れていましたか?
⇨どのような基準で優先順位をつけましたか?
■例文2
私は大学の4年間、ラグビー部に所属していました。私の所属していたラグビー部は、毎年全国大会を狙うようなチームであったため、毎日のように熾烈なレギュラー争いが行われていました。私も全国大会の出場メンバーを狙って、過酷な練習を続けていました。その結果、大学での勉強がおろそかになってしまい、留年することになってしまいました。今後はこのようなことがないように、自己管理を徹底しやるべきことをきちんとやれる人間になろうと思っています。
入社した後は、これまでラグビー部で培ってきた体力や精神力を活かし、どんなタフな仕事にも臨んでいきたいと思っています。
【想定追加質問】
⇨今後自己管理をする際にはどのようなことを意識して管理していこうと思っていますか?
■例文3
部活動での最後の年と就職活動の時期が被ってしまい、私は中途半端な気持ちで最後の年を過ごしたくないと考え、留年し部活動に専念することを決意しました。
この年、私たちのチームでは「○○」というスローガンのもと、○○という目標を立て、日々の練習に精一杯取り組みました。最終的に目標は達成できませんでしたが、留年するという大きな決断をして、アメリカンフットボールを最後までやり切れたことで、人生で最も納得のできる4年間を過ごすことができました。
この経験から「やりきることの大切さ」を学んだため、御社に入社後は、困難なことがあっても粘り強く取り組み解決していくことで、御社に貢献したいと考えております。
【想定追加質問】
⇨あなたが経験から得た「やりきることの大切さ」は御社で働くうえで具体的にどのような場面で活かせると思いますか?
転学
■例文1
当時所属していた学科の講義や実習の内容と、私が興味を持つ分野にずれが生じていることを感じ、当時の学科にそのまま残るか、留年し、新たな学科へ転学するかを、数か月間検討しました。家族や友人、先生方などとも相談しながらそれぞれの選択肢について検討する中で、私が最も重要であると考えたことは、物事に主体的・積極的に挑戦していくことです。自分の意志で決断し、新たな環境に一から身を置くという挑戦は、留年する一年という時間以上に価値があるものであると考え、転学を決意しました。
転学後は、新しい環境に一から身を置き、挑戦すること、そして、留年しながらも転学を決めたという自身の決断に誇りを持てるよう、講義や研究により一層主体的に取り組むことで、得られる知識も大きく広がり、成長を感じることができました。
御社に入社後は、自分の強みである「チャレンジ精神」を活かして、様々なプロジェクトに携わりたいと考えております。
【想定追加質問】
⇨転学するにあたって、何か大変だったことはありますか?
■例文1
当時所属していた学科の内容と私自身が興味を持つ分野にずれを感じたことがきっかけでした。その上で、転学という決断に至った理由は、自分が主体的になって勉強や研究に打ち込むということが、1年という時間以上に価値あるものであると考えたためです。
転学先では、それまで以上に積極的に講義や研究に取り組むことができ、意思を持って積極的に行動することで、得られるものも変化するということを改めて感じました。
御社に入社後は、転学先で得た知識や経験、そして私自身の強みである「決断力」と「行動力」を生かして、御社に貢献したいと考えたいです。
【想定追加質問】
⇨転学するにあたって、何か大変だったことはありますか?
⇨あなたの強みである「決断力」や「行動力」が活かされた経験は他にありますか?
留学
■例文1
私は大学でどうしても留学経験をしたいと思っていたため、少し無理なスケジュールであることは承知の上で留学しました。留学をして素晴らしい体験や学びをたくさん得ることができたのですが、結果的に留年することになってしまいました。今後は他のスケジュールを調整する前にやるべきことのリストを作成し、優先順位を決めるなどして、やるべきことをおろそかにしないように気をつけていきたいと思っています。
社会で仕事をしていく際も、スケジューリングはとても大切なことだと思っています。そのため、先輩方からスケジュールのやり方を学ぶなどして、同じ失敗をしないようにしていきたいです。
【想定追加質問】
⇨留学をして得られたことは何ですか?
⇨今後スケジュール調整をする際に気をつけたいことは何ですか?
■例文2
私は大学2年生の時に、半年の留学や海外でのボランティアなどを経験してきました。海外のボランティアは、全国の大学から集まった学生同士でチームを作り、海外に住んでいる子どもたちの手助けをするというものでした。しかし、それに伴うミーティングや勉強などの時間が多くなり、大学の講義をおろそかにしてしまいました。今後は、このようなことがないように、やるべきことの棚卸と優先順位を決めたうえで、他のスケジュールと調整するなど、計画性をもって行動していきたいと思っています。
入社後は、留学や海外でのボランティア経験などで得たコミュニケーション力や語学力を活かし、御社の力になれればと考えています。
【想定追加質問】
⇨計画性を持って行動するために必要なことは何だと思いますか?
事故・病気
■例文1
退院後はリハビリに励んだことにより経過もよく、現在は患っていた病気も完治しています。病気になった経験を経て、健康管理には気をつけるようになりました。その甲斐もあり、退院してからは風邪を引いたこともありません。
入社した後も、健康管理を徹底し、毎日100%の力で仕事に取り組めるようにしていきたいと思っています。
【想定追加質問】
⇨体調管理で大切だと思うことは何ですか?
⇨入院中大変だったことは何ですか?
■例文2
仕方のない事故だったとはいえ、自分の至らなさが招いたことだと思っているため、とても反省しています。今はリハビリの甲斐もあり完治し、後遺症も一切ありません。むしろ辛いリハビリ経験を乗り越えたことで、「自分ならできる」という自信がつきました。
入社した後は、部活動やリハビリで得たタフな精神力を活かし、 主体的な姿勢で仕事に取り組んでいきたいと思います。
【想定追加質問】
⇨リハビリ経験ではどのようなことがつらかったですか?
■例文3
友人と同じタイミングで卒業できないと分かった時は悲しさもありましたが、それ以上に、私は今まで様々な人に支えられてきたのだと改めて痛感し、これからは「人のために生きたい」と感じるようになりました。
また、休学中に始めた介護のアルバイトでは「相手の目線に立って考えることの大切さ」を学びました。相手の目線に立つことで、気遣いや第三者目線を得ることができ、今まで気づけなかった新しい発見をすることもできたからです。
休学したことによって得られた経験から、御社に入社後は、同僚に対しても、お客様に対しても、「相手目線」に立つことを大切にしていきたいです。
【想定追加質問】
⇨介護のアルバイトで壁にぶつかった経験はありますか?
就活のやり直し
■例文1
会社選びは、これからの人生においてとても大事な選択だと思っています。去年は自分にとって納得できる選択ができなかったため、一度留年をして就職活動をやり直しました。留年をしてからは社会で役立つスキルや業界について学び、今年こそ自分にとって納得できる選択ができるようにと、懸命に取り組んできました。そのため、今年の就職活動にはとても自信があります。
入社した後は留年で失った1年間を取り戻すために、全力で働きたいと思っています。誰よりも結果を残し、先に社会人になった同期を越えて行くと決めています。
【想定追加質問】
⇨あなたが会社選びで大切にしていることは何ですか?
⇨去年はどうして納得のできる選択ができなかったのだと思いますか?
■例文2
会社はこれから何十年とお世話になるので、どうしても自分の中で納得できる選択をしたいという思いがありました。また、去年は自己分析や企業分析が足りないと感じたことも理由の一つです。そのため、今年はしっかりとした自己分析と企業分析を行いました。今年は必ず自分にとって納得のできる選択をしたいと思っています。
入社した後は、誰よりも真剣に選んで入った会社であることに自信を持って、仕事をしていきたいと思っています。
【想定追加質問】
⇨自己分析の結果自分はどのような人間だと分かりましたか?
⇨企業分析で大切だと思ったことは何ですか?
⇨なぜ去年は十分な自己分析や企業研究ができなかったと思いますか?
面接でよく聞かれる質問集と回答例は下記の記事を参考にしてください。
このような面接に関する不安は誰しもあると思います。そこで今回は面接でよく聞かれる質問とその回答方法をフレームワークを用いてわかりやすく解説していきます。
面接で「留年した理由」について質問されたときの注意点
面接で留年理由を聞かれた際の注意点は下記の通りです。
■留年理由でウソをつく
留年理由に関する回答を間違ってしまうと、面接官にとても悪い印象を与えてしまいます。
確実に内定を取るためにも、以下で紹介していく注意点は必ず抑えておきましょう。
留年したことを他責にする
留年したことを他責にするのはよくありません。他責とは、自分以外の人や環境のせいにしてしまうことです。
他責にしてしまうことで面接官は「この人は失敗を人のせいにするから、これからの成長はあまり望めないだろうな」という風に考えます。
そのため、留年理由を与える際は、どのような内容であっても、あくまで自分の行動が招いた結果であることを述べるようにしましょう。
留年した理由でウソをつく
留年理由でウソをつくのも NG です。面接官は、百戦錬磨と言っても過言ではありませんから、求職者のウソも簡単に見破ってしまいます。
また、ウソが通ったとしても、入社後、自分にとって居づらい環境を作ってしまうことになるかもしれません。
そのため、たとえ留年理由がネガティブなものであったとしても、潔くよく自分のせいだと述べるようにしましょう。
まとめ
本記事では、面接で留年理由について聞かれた際の回答例を紹介してきました。
「留年理由はちょっと答えづらい」という人もいるでしょう。しかし、前述の通り、以下のポイントを押さえておけば、面接官に悪い印象を与えることはありません。
そのポイントとは、
✓他人や環境のせいにしない
この2つだけです。
ポイントを押さえて留年理由をわかりやすく伝えることができれば、内定にもグッと近づきます。
面接を通過するためには想定質問への対策として、答え方を知るだけではなく、マナーの習得や事前の練習も必要です。
下記ページに面接突破のためのノウハウ記事をまとめているので、面接に少しでも不安がある方は参考にしてください。
以下の記事にて、面接でよく聞かれる質問と計500本以上の回答例や社会人マナーや逆質問例など面接時のノウハウなども紹介していますので、合わせて参考にしてください。
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