●転勤を命じられたら[親の介護が必要]や[雇用契約と異なる]など、正当な理由がない限り断ることはできない。
●就活の面接で転勤について答える際は、可否に限らずポジティブな理由を伝える。
- 「就活の面接で転勤について聞かれたらどう答えればいいの…?」
- 「正直に転勤したくないって伝えてもいいのかな?」
このような疑問を感じている就活生も多いのではないでしょうか?
そんな就活生に向けて本記事では、就活の面接で転職について聞く意図や答え方、回答例文などを紹介しています。
また、転勤したくない場合の答え方や回答例文も紹介していますので、これから面接を受ける就活生は是非参考にしてみてください。
「転勤はできますか?」と就活の面接で聞く意図
まずは、就活の面接で「転勤はできますか?」と聞く意図を2つ紹介します。
面接対策をする際は、まず質問の意図を把握するところから始めましょう。
勤務地が志望の理由になっていないかを確認するため
就活の面接で「転勤はできますか?」と質問する1つ目の意図は『勤務地が志望する理由になっていないかを確認するため』です。
前提として、転勤の可能性がない企業の面接ではこのような質問をされることはありません。
つまり「転勤はできますか?」と面接で聞かれた場合は、将来転勤する可能性があるということになります。
中には「勤務地が自宅から近いから」「通勤のアクセスが便利だから」という理由で志望企業を決めている就活生もいるでしょう。
転勤の可能性がある企業において、上記のような人は、入社後に転勤の辞令が出た際に早期退職になってしまう可能性があります。
そのため企業は「転勤はできますか?」という質問を通して、あなたの勤務地に対しての考え方を聞き採用するかどうかを判断しようとしています。
転勤することに抵抗がないかを確認するため
就活の面接で「転勤ができますか?」と質問する2つ目の意図は『転勤することに抵抗がないかを確認するため』です。
全国やグローバルに展開している・今後拡大予定の企業であれば、日本国内のみならず海外赴任を命じられる可能性があります。
しかしあなたがもし転勤に抵抗があった場合、企業が目指す方向性とあなたが望んでいる働き方が異なり、せっかく入社してもミスマッチが発生してしまいます。
企業は就活の面接を通して、入社後に長く働いてくれる人を探しているため、転勤がある企業の選考で転勤に抵抗があると判断されてしまうと「この学生は転勤のない企業を選ぶべきだろう」と思われ、選考を通過するのは難しくなってしまうでしょう。
「転勤はできますか?」と就活の面接で聞かれた時の答え方
就活の面接で転勤について答える際は『結論⇒エピソード⇒入社後』のフレームワークに沿って答えましょう。
まず最初の結論部分では、転勤ができるかどうか簡潔に伝えます。
最初に結論を伝えることで、面接官はその後にどういった内容が続くのかを想定できるため、エピソードの内容を理解しやすくなるでしょう。
結論で転勤の可否について伝えたら、次はその理由を伝えます。
転勤を問題としない場合は自分の夢と企業の発展を交え、勤務地にこだわりがないことをアピールします。
また、転勤を希望しない場合も同様にその理由をしっかりと伝えてください。どちらの場合も、前向きな内容を選ぶようにしましょう。
例えば「大学で得た専門知識を活かして地域社会に貢献したいと考えているため、転勤がないことを希望します」のように、転勤を希望しない理由を伝えます。
そして最後に、入社後自分はどのように志望企業に貢献するかを伝えます。企業は自社に貢献してくれる人材を採用したいと思っているため、入社後の意気込みを伝えることは非常に効果的です。
[面接の質問]への答え方の詳細、注意点、面接官のタイプ別対策方法を知りたいという就活生は下記の記事をご覧ください。
【パターン別】「転勤はできますか?」と就活の面接で聞かれた時の回答例
ここでは就活の面接で「転勤はできますか?」と聞かれた場合の回答例を[転勤に問題がない場合]と[転勤をしたくない場合]に分けて紹介します。
どちらの回答にしても重要なのは理由を明確に伝えることです。
また、あなたの回答に対して面接官から想定される質問も併せて紹介しているので、是非チェックしてみてください。
転勤に問題がない場合
■事業発展に関するエピソード
もし採用いただけた場合は転勤の経験を踏まえ、御社の発展に貢献できると考えます。事業全体を把握するためにも、様々な場所で経験を積み、仕事の幅を広げたいと思っています。
グローバルに展開する御社において転勤はチャンスだと考えており、海外での新規事業開発などのチャンスがあれば、私に真っ先に声が掛かるような人材となり、御社に貢献する覚悟があります。
【想定追加質問】
⇨弊社がさらに発展するためには、何が足りないと考えますか?
⇨企業にとって貢献度の高い社員とは、どのような人物だと思いますか?
⇨海外での仕事に携わりたいと思っている理由は何ですか?
■部活動やサークルに関するエピソード
自らが主体となって人と関わることで、誰とでも仲良くなれる強みが私にはあります。もし入社後に転勤となったとしても、この強みを活かし新たな場所ですぐに活躍をする自信があります。
【想定追加質問】
⇨良好な人間関係を築くために、最も大切なことは何だと思いますか?
⇨スポーツから得たことは何ですか?
■アルバイトに関するエピソード
新人教育をする中で、自ら挑戦する人はその分だけ成長する姿を目の当たりにしました。その経験からも、私は目の前のチャンスは必ず掴むと決めています。
もし私が転勤をすることになれば、それを成長のチャンスとして捉え前向きに挑戦していきたいです。私の強みである[チャレンジ精神]を活かし、貴社の一員として貢献したいと考えます。
【想定追加質問】
⇨挑戦する人としない人の違いは何だと考えますか?
⇨弊社の仕事における挑戦には、何があると思いますか?
⇨何か過去にチャンスを掴んだ経験はありますか?
■理念への共感に関するエピソード
私は御社のサービスをずっと使い続けており「このような素晴らしいサービスは誰が作っているのだろう」といつも気になっていました。合同説明会では若い社員の方がサービスだけでなく、理念について熱く語っておられる姿を拝見し、とても胸が熱くなったのを今でも覚えています。私もその方のように、貴社で質の高い接客やサービスを学び、誰かの感動を生み出したいと考えます。
またその他の素晴らしい先輩方と多く出会えるであろう転勤は私にとってチャンスです。採用いただけたならば、貴社の理念に沿うサービスや商品をたくさん世の中に生み出すよう尽力します。
【想定追加質問】
⇨弊社の理念で、最も共感できる部分はどこですか?
⇨お客様はどのようなときに感動するものだと考えますか?
■ゼミに関するエピソード
私は大学のゼミで、国内外の経営について学んできました。そこで感じたのは日本と世界の差です。
世界では、私達と同年代の人たちがたくさん起業にチャレンジしていることを知りました。しかし、その分、多くの失敗も重ねていることも知り、挑戦しないことが1番の損失であると気づいたのです。
もし転勤となった場合も、この機会を前向きに捉え、自分の人生や貴社の業績向上に活かしていきたいです。
【想定追加質問】
⇨日本と世界の距離を縮めるには何が必要ですか?
■ボランティア活動に関するエピソード
私は、東北の大地震の際にボランティアとして参加しました。そこで学んだのは「当たり前のことなど何一つない」ということです。昨日まで当たり前だったことが、たった1日にして無くなった光景は今でも目に焼き付いています。その時私は「すべてのことに感謝して生きよう」と決心しました。
貴社に入社できたならば、転勤だけでなく、すべての出来事に感謝しながら働く所存です。
【想定追加質問】
⇨感謝を表すために、何か具体的に行動していることはありますか?
⇨東北大地震のボランティアに参加しようと思ったきっかけは何ですか?
■尊敬する人に関するエピソード
私の父は、地元で会社を経営していました。父はいつも私に「自分を信じなさい」と言い続けており、小さな頃は理解できなかったのですが、今となっては少しだけ理解することができます。
そんな父は昨年、この世を去りました。仕事一筋で物静かな父でしたが、心から尊敬できる最高の父親です。
自分が「ここだ」と信じた御社のお力になれるのであれば、勤務地がどこでも問題ありません。私に残してくれた大切な言葉を胸に、貴社でもぜひ貢献したいと考えます。転勤となった場合も、自分の可能性を信じて働く覚悟があります。
【想定追加質問】
⇨お父様はなぜ「自分を信じなさい」と言ったと考えますか?
⇨お父様が経営していた会社の相続問題に関してはご家族で話していますか?
転勤に問題がある場合
■家族に関するエピソード
今回、貴社で面接をしていただけることを父は大変喜んでくれました。そして、御社商品のサポート対応のすばらしさについて話してくれたのです。
父の話を聞いて私は御社にさらに興味を持ち、取り扱っている商品はもちろん、アフターサービスの内容やECサイトの口コミなども拝見させていただき、顧客目線で寄り添う企業姿勢に感銘を受けました。
特に驚いたのは、ECサイトの顧客レビューに対してすべて回答されている点と、その内容を商品やサービスに還元している点です。顧客の意見に真摯に耳をかたむけ即行動へ移す企業文化が、御社へのエンゲージメントを高めているのだと思いました。
私は高校時代に生徒会長をしていたのですが、生徒の意見をできるだけたくさん聞いて、実施や改善ができるものに関しては実行に移してきました。また、採用しなかった意見についても、その理由を説明し納得してもらうように心がけていました。その結果、多くの生徒に喜んでもらえた環境が作れたことは、今でも忘れられない思い出です。
もし御社に採用いただけましたら、持前のホスピタリティ能力を活かし御社の顧客満足度をさらに上げるために尽力させていただきたいと思っています。転勤は難しいですが、貴社の発展を実現するために、入社を志望致します。
【想定追加質問】
⇨あなたが最も強みだと感じていることは何ですか?
■面接官への共感に関するエピソード
しかし面接を通して、〇〇さんの部下として働きたいという思いが強くなっているため希望が通るのであれば本社勤務を希望しています。
【想定追加質問】
⇨3年以降なら大丈夫な理由は何ですか?
⇨なぜ私と一緒に働きたいと思われましたか?
「転勤はできますか?」と就活の面接で聞かれた時の注意点
ここでは就活の面接で「転勤はできますか?」と聞かれた時の注意点を2つ紹介します。
これから回答を考える就活生は、以下の注意点を意識した上で考えてみてください。
曖昧な回答はしない
転勤に関して曖昧な回答をしてしまうと、面接官は「ミスマッチが起こりそうだな…」と感じてしまうでしょう。
曖昧な回答とは、例えば「転勤できなくはない」や「その時になってみないとわからない」などが挙げられます。
就活の面接では、どの質問にしても曖昧な回答は不誠実な印象を与える恐れがあるため注意が必要です。嘘をつくのももちろんNGです。
転勤に関して質問を受けた際は、面接官に[転勤は問題ないのか・問題あるのか]本当の気持ちをはっきりと理由を添えて伝えるようにしましょう。
ネガティブなエピソードは避ける
転勤の可否に限らずエピソードがネガティブだとマイナスな印象を与えてしまう可能性があります。
一見ポジティブな印象に感じる[起業]や[独立]といったエピソードが該当します。
起業や独立は企業によってはポジティブに捉える場合もありますが、将来的に退職の可能性がある人材を採用したいと思う企業は多くないでしょう。
繰り返しになりますが企業は自社に貢献し、長く働いてくれる人材を採用したいと思い選考をおこなっているため、上記の理由は避けた方が無難と言えます。
「転勤したくない…」という人に知ってほしい転勤するメリット
「家族や友達から離れたくない」「慣れた土地から離れたくない」といった理由から転勤を希望しない就活生は少なくないと思います。
そのような就活生は、まず転職することで得られるメリットを把握しましょう。
転勤するとなると、今までと異なる仕事をおこなうことになるため新たなスキルや知識を得ることができます。また、新しい仕事環境で働くことになるため、人脈を広げることもできるでしょう。
変化は人間にとって成長するチャンスです。そのため変化を怖がるのではなく、自己成長のチャンスと前向きに捉えてみても良いでしょう。
転勤の辞令を断ることはできるのか?
正当な理由がある場合、転勤の辞令拒否が認められるケースもあるようですが、原則、転勤を言い渡されたら断ることはできません。
正当な理由としては以下のような理由が挙げられます。
・雇用契約と異なる
・上司のパワハラなど不当な理由による転勤 など
一般的に正式な転勤の辞令は対象者へのヒアリングをおこなった後に出されます。そのためヒアリング段階であれば「○○のため転勤はしたくない」と伝えることはできます。
「転勤したくない」と伝えたところで転勤自体が必ずなくなるわけではありませんが、勤務地や期間などの条件を交渉できる可能性はあるようです。
「なんとなく転勤は嫌」「地元から離れたくない」のような曖昧な理由ではなく、明確な理由を準備した上で、一度伝えてみるのも良いでしょう。
まとめ
本記事では就活の面接で「転職はできますか?」と聞かれた際の答え方や注意点、回答例文などについて紹介してきました。
転勤について伝える際は、転勤の可否のみを伝えるのではなく、理由まで明確に伝えるようにしてください。そうすることで面接官にポジティブな印象を与えることができるでしょう。
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- 「転勤について聞かれたらどう答えればいいの?」
- 「転勤って断ってもいいのかな…?」
- 「転勤はできませんって伝えたら選考受からないかな…?」
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