「DIY」等が流行ったことから、グッズを購入するためにホームセンターを利用しているという人も多いのではないかと思います。利用者の立場だとホームセンターに行けば多様な商品に出会えるというポジティブなイメージを持ちやすいですが、就職では「将来的に不安」と考えてしまう人もいるかも知れません。
しかし現在、事業展開で新たな挑戦を行ったり、デジタル化で顧客接点を最大化させる取り組みが行われています。他にも、頑張り次第で管理職やバイヤー等、キャリアの幅も広い業界です。
本記事ではホームセンター業界の動向や仕組みだけでなく、「企業研究をする時に確認した方が良いことはある?」「どんなキャリアを歩める?」という人に向けて、業態の種類、仕組み、志望動機・自己PRの書き方などについてわかりやすく解説していきます。
またホームセンター業界の売上や利益、年収、従業員数、勤続年数をランキングで紹介しています。ビジネス規模や働きやすさ等がわかるので、志望企業が決まっていない人は参考にしてみてください。
ホームセンター業界の仕組み
まずホームセンターが扱っている商品は、日用品、車用品、食品、家具、ペット用品、園芸用品、木材など多岐に渡ります。このような商品を消費者のもとに届けるには「メーカー」「卸売業」「ホームセンター」の業態が絡んできます。
流れとしては、ホームセンターに並ぶ商品を取り扱う「メーカー」から「卸売業」に出荷されます。次に「ホームセンター」側が消費者ニーズを見極めながら「卸売業」から商品の買い付けを行います。
そして買い付けた商品を店舗レイアウトを考えながら陳列し、「消費者」に販売するという流れになります。
ホームセンター業界の動向
ここでは「ホームセンター業界の売上」「事業展開」「広がるデジタル化」の観点から動向を紹介していきます。それぞれ以下のトピックスについて紹介しているので、動向を把握しておきましょう。
・売上推移
・伸びている商材
■事業展開
・M&A
・海外展開
・新規事業の展開
■広がるデジタル化
まず動向を学ぶ前にホームセンター業界について数字で見てみましょう。
ホームセンター業界は「DIY」需要やコロナの影響もあり、それらに関する商品の売上が伸びています。そのため、伸び率や利益率が伸びたと考えられます。

ホームセンター業界の売上
ここではホームセンター業界の売上について、売上推移と伸びている商品の2つに分けて紹介していきます。
売上推移
一般社団法人日本DIY・ホームセンター協会によると、ホームセンター業界の売上は1970年頃から2012年まで右肩上がりに成長していましたが、その後2019年までは大きな成長が見られず横ばいで推移しています。
ただ経済産業省の「商業動態統計」によると、2020年以降の売上を見るとコロナの影響で一時的に増加し、ホームセンターの販売額は前年比+6.8%の3兆4,963億円となりました。
上記したようにコロナ禍においては、業界全体の売上が増加した場面もありましたが、コロナ前までの売上は頭打ち状態だったため、コロナの収束後は改めて横ばい、もしくは減少してしまう可能性が出てきています。
伸びている商材
現状、コロナの影響もあり業界全体の売上は増減を繰り返していますが、売上が伸びている商品もあります。伸びている商品の増加率は経済産業省の商業動態統計によると、2020年4月の売上は前年同月比と比べて、DIY用具・素材が+9.8%、電気+6.7%、インテリア+0.3%、家庭用品・日用品+8.0%、園芸・エクステリア+6.3%、ペット・ペット用品+8.1%となっています。
2019年はDIY用具・素材は2018年4月と比べ0.2%の増加は見られていましたが、それ以外の商品は全て減少傾向にあったため、上記の商品ラインナップの増加状況を見ると巣ごもり需要に対応したお家時間を楽しむアイテムや感染症対策に関する商品が増加していることがわかります。
事業展開
ホームセンター市場は売上が頭打ちの中、店舗数が増えているため飽和状態になりつつあります。その状況から脱却すべく事業展開を行う企業が増えてきています。ここでは各企業が行っている事業展開について事例とともに紹介します。
M&A
今後の売上のことも考え、同業界から異業界まで様々な企業をM&Aしながら事業拡大に向けた動きが取られています。
例えば2006年9月にカーマ、ダイキ、ホーマックの3社が経営統合し、DCMホールディングスが設立されました。他にもホームセンター業界で売上11位のア―クランドサカモトが同業で売上6位のLIXILビバを完全子会社化しました。
アークランドサカモトが買収をした狙いの1つには、他店舗との差別化がしやすいプライベートブランドを強化するためでもあります。各社が独自で開発して販売するプライベート商品は、日用雑貨から資材、園芸用品、ペット用品、作業着など多岐にわたっています。
また、記憶に新しい出来事と言えば2020年11月に「島忠」の買収を巡って、DCMホールディングスとニトリホールディングスが競争を繰り広げたことです。結果、ニトリホールディングスが買収することとなり、DCMホールディングスはM&Aを行うことはできませんでした。
上記で挙げたように、ホームセンター業界内の再編に向けた動きが高まってきていることを示していると言えるでしょう。
海外展開
国内の買収や事業強化だけでなく、海外に事業を広げることで売上を伸ばそうと考えている企業もあります。
例えば2016年7月にコーナン商事は、ホームセンターのような業態が無かったベトナムへ進出し、2019年12月時点では、5店舗出店しています。
他にもコメリは、東南アジア進出を見据えた足がかりとして2017年にタイに進出し、2018年には店舗運営を始めました。今後もアジアを中心に海外展開をしながら、事業の拡大や売上向上に向けた動きを取る企業が増えてくるでしょう。
新規事業の展開
様々な事業展開が各社で行われていますが、多様な商品を総合的に扱うだけでなく専門店や店舗内で新しい取り組みを展開する企業も出てきています。
コーナン商事は、ホームセンターとしては始めてのアウトドア専門店「キャンプデポ」を2020年9月にオープンしました。キャンプ初心者から中級者までをターゲットにし、キャンプ専用の商品を取り揃えています。2021年8月段階では、5店舗まで拡大しています。
他にも「ただ商品を売る」だけでなく、付加価値を加えようとおしゃれなカフェを店内に展開したり、電動工具や3Dプリンターを無料で貸し出すコーナーを設けたり、イベントを開催する企業も出てきています。今後も各社で新たな事業展開や取り組みが導入されていくでしょう。
広がるデジタル化
IT化が進む中、ホームセンター業界でも買い物をしやすくするためのデジタル商材を取り入れ始めています。例えば、キャッシュレス決済で購買をしやすくしたり、ECサイトや自社HPでの販売を行ったりしている企業もあります。
DCMグループでは、グループの共通会員サービス「マイボ」を皮切りに、2020年以降キャッシュレス決済を拡充してます。具体的には、電子マネーや交通系電子マネー等で買い物ができるように対応しています。
他にも、ECサイトで商品の取り置きをして店舗で受け取れるサービスや、アプリに登録した決済情報をそのまま利用し、店頭で会員証を見せるだけで決済が行えるサービスを提供している企業も出てきました。
ホームセンター業界では、買い物をしやすくするためのデジタル化が取られてきていることがわかります。
ホームセンター業界の動向を知ることは選考を突破するために必要です。
そのため「志望業界についてもっと知りたい」「選考の通過率を上げたい」という方は、ぜひ就職エージェントneoを利用してみてください。
ホームセンター業界のキャリアアップ・キャリアチェンジ
ホームセンター業界で働く場合、「どんなキャリアを描くことができるのだろうか?」と不安になる方もいるかと思います。ここでは、ホームセンター業界でのキャリアアップの一例を紹介しますので、どのようなキャリアを目指せるのか確認してみましょう。
始めは新入社員として店舗に務めることがほとんどです。そのあと、店長まで経験を積んだら、販売員としてプロを目指すか本社勤務として人事やバイヤー、商品企画、店舗開発等の業務のどちらかを目指すことができます。
こちらはあくまでで参考例になるので、希望する企業がどのようなキャリアの道を設けているのかを確認しておきましょう。
ホームセンター業界の志望動機の書き方
ホームセンター業界の志望動機を書く際は「なぜホームセンター業界なのか」「なぜその会社なのか」をしっかりと深堀りしておくことが必要です。
具体的には自分が将来何を成し遂げたいのか、例えば「日用品から園芸用品まで消費者ニーズに合わせて幅広い商品を取り揃え、日々の生活を特別なものにしてもらいたい」などといったホームセンター業界ならではの理由を述べるようにしましょう。
“なぜその会社なのか”については、他の企業ではなくその企業でなければいけない理由を伝えます。例えばコメリであれば、「社会の変化をとらえ進化を続け、イノベーションに挑戦する」という目標のもと、時代の変化にあわせて事業展開や幅広い商品展開を行っています。
企業ごとの特徴や強みを把握した上で、志望企業を決めるようにしましょう。小売業界の志望動機の例文を見てレベル感を掴みたい方は以下の記事を参考にしてみてください。
▶参考:小売業界の志望動機の書き方と例文~選考通過ESを公開~
ホームセンター業界でうける自己PRの書き方
自己PRの書き方について学ぶ前に、まずはホームセンター業界の求める人物像を把握しておきましょう。
企業に評価される自己PRをするためには、その業界ではどのような人が求められているのか知っておくことが重要です。
ホームセンター業界の求める人物像
棚卸・検品・接客をおこなうため、コミュニケーション能力や整理整頓ができる几帳面さが求められます。また、商品管理をしながらお客様の行動を見た上でレジ対応をする等、複数のことを同時に行うケースもでてきます。そのため、臨機応変に対応できる応用力や気配りができると良いでしょう。
また店舗レイアウトをする際は、売り場を良く見せるための企画力、家具や園芸用品を移動させる体力も必要になってきます。発注作業をする際は、今売れている商品のトレンドを把握した上で発注をしていく必要があり、情報収集力やトレンド力も必要になってきます。
他にもDIYやキャンプが流行するなど時代のニーズやライフスタイルによって、求められる商品が変化します。そのため従来の考えにとらわれることなく、新しい視点で物事を考え、情報をキャッチアップしていけると更に良いでしょう。
ホームセンター業界の求める人物像について学んだら次は自己PRの書き方を学んでいきましょう。
自己PRの基本的な書き方
自己PRを書く際は基本的に「強み⇨エピソード⇨結果・学んだこと⇨入社後どう活躍できるか」の順番で書きます。

(1)結論
自己PRを書く際は最初に「私は○○することができます」といったように自分の長所を端的に述べます。
最初に結論を述べ面接官に今から何の話をするのか伝えることで、聞き手側も話が入りやすくなります。
そのため、自己PRをする際は結論として、まず長所を伝えるようにしましょう。
(2)エピソード
長所を伝えたら、実際にその長所があることを証明できるエピソードを交えます。
ここではできるだけ具体的なエピソードを伝えるために、その出来事の中で生じた課題・目標や、その課題・目標に対してどのような行動をとったのかについてまで書くようにしましょう。
また企業は、課題・目標やそれ対する行動を通してその人の人柄や価値観を判断しているため、なぜその課題・目標に取り組もうと思ったのか、なぜそのような行動をとったのかについて、しっかりと見つめ直しておいてください。
(3)結果・学んだこと
エピソードの次は、自分がとった行動によってどのような結果になったかについても書きましょう。
結果を書く際は、定量的に表すことを意識してください。
例えば「〇〇というアイディアを出し実践したところ、売上を40%上げることができた」など数字を用いてアピールした方が相手に伝わりやすいです。
また、この経験を通して何を学んだのかについても書きます。
面接官はその人の学びからも価値観や人柄を判断しています。価値観や人柄はその学生を採用するかどうかの大きなポイントとなるため、自分がどういった人なのか、いかにその企業に必要なホームセンターであるのかをアピールするようにしましょう。
(4)入社後どう活躍できるか
企業は採用活動を通して、自社に貢献してくれるホームセンターを求めています。つまり、面接官にこの学生は「自社で活躍する素養がある」と思わせるのが大事です。
そこで自己PRをする際は、最後に今伝えてきた長所をどのように志望企業の業務に活かしていくかまで伝えるようにしてください。
そのためには企業が求めている人物像を把握する必要があります。業界研究・企業研究を通してどのような強みをアピールするのか考えておきましょう。
より詳しい自己PRの書き方について知りたいという方は以下の記事を参考にしてください。
▶参考:企業から評価される自己PRの書き方とは?ポイントや注意点をわかりやすく解説
また「志望企業に評価される志望動機・自己PRの書き方が知りたい」「選考通過率を上げたい」という方は、就職エージェントneoを利用してみてください。
ホームセンター業界ランキング
ここではホームセンター業界のランキングを「業績」と「社内環境」に分けて紹介します。
ホームセンター業界の業績ランキング

売上については1位がカインズ、2位がDCMホールディングス、3位がコーナン商事、経常利益は1位がニトリHD、2位がDCMホールディングス、3位がコメリです。
売上や利益、利益率をチェックした方が良い理由は、以下の2点です。
・売上は企業の財務力を表しているから
・利益、利益率は企業が行っているビジネスの成否を示しているから
売上は企業の財務力、ビジネスの規模を表しています。つまり売上が高い企業の方が行っているビジネスの規模が大きいということです。
またA社とB社が同じ利益の場合、売上が大きい企業の方が金融機関からの融資を受けやすいとされているため、売上を見ることで企業の資金調達力もチェックすることができます。
次に利益、利益率は企業が行っているビジネスの成否を示しています。そのビジネスによる付加価値がどれくらいあるかを測る指標です。
つまり利益がほとんど出ていなかったり、赤字だとビジネスに何らかの問題があるということになります。
ただし、このランキングだけでなく、成長率も大事であるため各企業の過去についても振り返っていきましょう。
ホームセンター業界の社内環境ランキング

年収は1位がニトリHD、2位がワークマン、3位がバローHD、勤続年数は1位がケーヨー 、2位がカンセキ、3位がジュンテンドーとなります。
勤続年数が長いということは定着率が高いということになります。一概には言えませんが、定着率が高い会社は良い会社である可能性が高いです。
また従業員数が多い会社は多様な人と関わり合うことができるというメリットがあります。しかし多いと自分の意見が通りにくい場合もあるというデメリットもあるため、自分にとってどの環境が合っているのか考えてみましょう。
まとめ
本記事ではホームセンター業界について紹介してきました。世の中の動きによって売上が変化しやすい業界であるため、最近ではコロナの影響を受け売上の増減が起きています。そのため業界内では売上を安定的に伸ばす取り組みとして、デジタル化や海外展開、新規事業の展開等、様々な事業展開が行われています。
ホームセンター業界の動向について理解できた方は「それで終わり」ではなく、将来のキャリアはどう描きたいのかにも目を向けてみましょう。自身のキャリアについても理解することで、面接等での説得力が増し、他の学生との差別化にも繋がります。
「業界研究って他に何をしたらいいの?」と思っている人は下記の参考記事を見ておくことをオススメします。
▶参考:たった4ステップで業界研究を完璧に!誰でも簡単にできるやり方を紹介
●”ホームセンター業界”の動向
動向(1):ホームセンター業界の売上
・売上は横ばいで推移
・伸びている商材→お家時間を楽しむアイテムや感染症対策に関する商品
動向(2):事業展開
・M&A
・海外展開
・新規事業の展開
動向(3):広がるデジタル化
●”ホームセンター業界”の求める人物像
・コミュニケーション能力のある人
・企画力のある人
・情報集龍力のある人
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