●企業は困難の大きさではなく、解決に向けた[思考プロセス]と[行動力]を見ている。
●困難とは『目標(理想)と現状(現実)の間にギャップがある状態のこと』で、「こうなりたいのに、うまくいかない」という状況は、すべて立派な困難となる。
●どうしてもエピソードが思いつかない時は、過去に[一生懸命努力したこと][失敗や挫折やしたこと]などを思い出すと良い。
企業が「困難を乗り越えた経験」を聞く理由

[ガクチカ(学生時代に最も力を入れたこと)]と並んで、ESや面接で必ずと言っていいほど聞かれるのがこの質問です。なぜ企業は、わざわざネガティブな『困難だったこと』に焦点を当てるのでしょうか。
企業が「困難を乗り越えた経験」を質問をする理由は、仕事における「再現性」と「ストレス耐性」を確認するためです。
決して意地悪や弱点探しをしているわけではありません。企業は「入社後に壁にぶつかった時、この学生ならどう乗り越えるか?」という未来の行動をシミュレーションしようとしています。
具体的には、以下の3点を確認しています。
目標に向かって努力できるかを見るため
ビジネスの現場では、容易には達成できない高い目標を追うことが日常です。
企業は、困難な壁にぶつかったとき、[気合いや根性]だけで乗り切ろうとする姿勢を求めているわけではありません。困難な壁にぶつかったとき、「なぜ壁にぶつかったのか(原因)」を冷静に分析し、「どうすれば乗り越えられるか(解決策)」を論理的に考えて動く力があるかを確認しています。
この質問で評価されるのは、「気合いで頑張りました」という精神論ではありません。具体的には、エピソードの中に以下の2つのプロセスが含まれているかが見られています。
- 現状分析
目標と現状のギャップ(何が足りないか)を正確に把握しているか
- 改善行動
分析に基づき、どのような工夫をして行動を変えたか
上記2つのプロセスを、具体的かつ論理的に語ることで、「入社後も課題に対して逃げずに、成果を出せる人材だ」という信頼を得ることができます。
困難にどう向き合うかを知るため
順調な時ではなく、トラブルや予期せぬ事態が起きた時にこそ、その人の本質が現れます。企業はエピソードを通じて、あなたの[思考の癖]や[行動パターン]を見ています。
困難に直面した際の行動として、具体的には以下の3点を確認しています。
- 他責にするのか、自責で捉えるのか
- 感情的になるのか、冷静に解決策を探るのか
- 1人で抱え込むのか、周囲を巻き込んで突破するのか
これらの問題解決のアプローチが、自社の社風や働き方に合っているか、そして「入社後も同じように活躍できる再現性があるか」を判断しているのです。
ストレス耐性があるかどうかを確認するため
社会人になると、理不尽な要求や成果へのプレッシャーや厳しい納期にさらされる場面も少なくありません。
もし過去に強いストレスがかかる状況を乗り越えた実績があれば、企業によって「入社後もすぐに折れずに、タフに向き合ってくれそうだ!」という大きな安心材料になります。
ただし、ここで求められるのは[エピソードの悲惨さ]を競うことではありません。
企業が知りたいのは「あなたが苦しい状況下でどのように自分をコントロールしたか」です。そのためエピソードでは、具体的には以下の2点を確認しています。
- 自己理解
自分が何に対してストレスを感じるのか
- セルフマネジメント
どうやってメンタルを回復・維持させたか
このように、単に「折れない心」だけでなく『しなやかに回復する力』を持っているかどうかも、重要なチェックポイントとなります。
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「困難を乗り越えた経験」はどんなものが当てはまる?
ここまで読んで、「自分には語れるような壮絶な困難なんてない…」と不安になった人もいるかもしれません。「留学先で強盗に遭った」「部活で全国大会優勝を逃した」といった、ドラマチックな経験が必要なのでしょうか?
結論から言うと、エピソードの大小は全く関係ありません。
なぜなら、企業が知りたいのは、あなたの[人生のドラマ性]ではなく、[仕事への取り組み方]だからです。そう考えると、この質問への回答で評価される[困難]の定義は、以下の通り非常にシンプルになります。
【就活における[困難]の定義】
困難 = 「目標(理想)」と「現状(現実)」の間にギャップがある状態
つまり、「こうなりたいのに、うまくいかない」という状況は、すべて立派な困難です。
大切なのは[起きた出来事の大きさ]ではありません。そのギャップを埋めるために、『あなたがどう感じ、どう考え、どう動いたか』こそが最重要ポイントです。
この視点で考えれば、以下のような身近なエピソードも、あなたの「工夫」次第で、採用担当者の心を掴む魅力的なアピール材料に変わります。
■アルバイトのミス
・困難:早く仕事を覚えたいのに、ミスを連発して怒られ続けた
・行動:指摘された内容をメモし、新人用の業務マニュアルを自作して克服した
■ゼミ・研究の対立
・困難:チーム全員で納得のいく最高の成果物を作りたいのに、こだわりがぶつかり合って議論が平行線をたどり、一歩も進まなくなってしまった
・行動:全員の前で議論するのをやめ、個別に本音を聞き出し、妥協点を見つけた
■資格・語学学習の停滞
・困難:留学に間に合うよう最短でスコアを上げたいのに、毎日机に向かっても点数が3ヶ月間ピクリとも上がらず、努力が空回りしていた
・行動:単語力不足という課題を特定し、通学時間を全て単語学習に充てるよう習慣を変えた
■サークルの集客苦戦
・困難:サークルの魅力を伝えて例年以上の新入生を迎えたいのに、ビラを配っても受け取ってすらもらえず、誰にも見向きもされなかった
・行動:新入生が検索しそうなハッシュタグを分析し、SNS運用に切り替えて例年以上の人数を集めた
いかがでしょうか?
きっと「これなら自分にも書けそう!」「あの時の経験が使えるかも!」と思えるヒントが見つかったのではないでしょうか。
繰り返しますが、あなた自身が「壁だ」と感じ、それを乗り越えるために努力した経験は、日常の些細な出来事でも十分なアピール材料になります。
さて、エピソードが決まったら、次はいよいよ文章作成です。次項で解説している[構成テンプレート]を使って、あなたの経験を[採用担当者に響く文章]へと磨き上げましょう。
面接官に刺さる!「困難を乗り越えた経験」を伝える構成テンプレート
せっかくあなたらしい良いエピソードが見つかっても、ただ時系列に並べるだけの伝え方(構成)をしてしまうと、あなたの魅力は伝わりません。
面接官が知りたいのは、困難そのものではなく『その困難に対して、あなたがどう動き、何を学んだか』です。
以下の5つのステップに沿って書くだけで、あなたの行動が際立つ「論理的で説得力のある文章」が誰でも簡単に完成します。早速、この型に当てはめてみましょう。
【結論】強みを一言で伝える
まず冒頭で、「私はこういう人間です」と言い切ります。最後まで読まないと何の話か分からない文章は、採用担当者の読む気を失せてしまう可能性があります。
「困難を乗り越えた」という事実だけでなく、その経験を通じてあなたのどんな長所(強み)が発揮されたのかを最初に言い切りましょう。
- 「私の強みは、困難な状況でも粘り強く改善策を実行できる点です。」
- 「予期せぬトラブルに対し、冷静かつ論理的に対処した経験があります。」
【具体例(エピソード)】実際に体験した経験を語る
次に、その強みを発揮した場面(いつ・どこで・何をしていた時か)を簡潔に説明します。ここはあくまで[状況説明]ですので、全体の1割程度の文字数に抑えるのがコツです。ダラダラと長く書きすぎないように注意しましょう。
- 「大学2年次、カフェのアルバイトで時間帯責任者を務めていた際のことです。」
【課題】どんな困難・課題に直面したか
ここでは[壁]の存在を提示します。ポイントは、[理想(目標)]と[現実]のギャップを明確にすることです。
ただ「大変だった」という感情ではなく、「目標に対して〇〇が不足している状態だった」と客観的な事実(数字など)を交えると、困難のレベルが伝わりやすくなります。
- 「当初、売り出し中のキャンペーン商品の注文率はわずか1割で、大量の在庫廃棄が出る危機にありました。」
- 「本番1ヶ月前になってもチームの振付が揃わず、メンバーの士気も下がってしまいました。」
【行動】その課題を解決するために、どう考え、行動したか
ここが最も重要なパートです。「頑張りました」「話し合いました」という抽象的な言葉はNGです。「なぜその施策をおこなったのか(思考)」と「具体的に何をしたのか(行動)」をセットで書くことで、あなたの問題解決能力をアピールします。
「チームで努力した」ではなく、主語を[私]にして、あなた自身が果たした役割を書くことを意識してください。
- 思考(Why)
「マニュアル通りの指導ばかりで、『仕事の楽しさ』が伝わっていないことがモチベーション低下の原因だと考え~」
- 行動(What)
「業務中にあえて雑談を交えて後輩の得意分野を探り、性格に合った役割を任せるようにした。」
【結果・評価】成果や周囲の反応
最後に、あなたの行動によって状況がどう変わったかで締めくくります。数字で成果が出せる場合は数字で、そうでない場合は[周囲からの評価]や[チームの変化]を書きます。
また、単なる自慢話で終わらないよう『その経験から何を学び、入社後にどう活かそうと考えているか』まで触れられると満点です。
- 「その結果、チームの結束力が強まり、本番では観客投票1位を獲得できました。」
- 「この経験から、困難な状況こそコミュニケーションを重ね、チームの方向性を合わせる重要性を学んだ。御社においても、課題に対して当事者意識を持って取り組みたい。」
「構成は理解できたけれど、自分の経験をうまく言語化できない」「書き上げたものが本当に評価されるか不安」という人は、1人で悩まずプロの添削を受けてみませんか?就活のプロがあなたのエピソードを客観的に分析し、説得力のあるESに仕上げます。まずは気軽に無料相談をご利用ください。
「困難を乗り越えた経験」を伝えた例文
構成や伝え方は理解できても、いざ文章を書こうとすると、なかなか筆が進まない人も多いでしょう。ここでは、アルバイトや部活動、日常生活など、カテゴリー別に例文を紹介します。
自分のエピソードに近いものを探し、あなたらしいESを作るヒントにしてください。
①アルバイト
私の強みは、課題の本質を見抜き改善する力です。カフェのアルバイトで、教育係として新人の早期戦力化に取り組みました。
当初、マニュアルが古く、新人スタッフが業務を覚えるのに3ヶ月かかってしまうという課題がありました。そこで私は、文字ばかりのマニュアルを廃止し、動画を取り入れた「スマホで見られる業務リスト」を自作しました。また、出勤ごとの振り返りシートを導入し、成長を可視化しました。
その結果、習熟期間が1ヶ月に短縮され、店舗の回転効率向上にも貢献できました。この経験から、既存のやり方を疑い、より良い方法を模索する重要性を学びました。
アルバイトは売上や効率など、数字で成果を示しやすいテーマです。課題に対する[自分なりの工夫]を強調しましょう。
②サークル・部活動
私は組織の接着剤として、チームの結束力を高めることができます。テニスサークルの副幹事として、退部者を減らすことに尽力しました。
コロナ禍で活動が制限され、メンバーの士気が下がり、退部希望者が続出する危機に直面しました。そこで私は「希薄になったコミュニケーション」が原因だと考え、オンラインでの交流会や、少人数制の練習会を企画・実行しました。また、1人ひとりの不安を聞き出す時間も設けました。
その結果、退部希望者の半数が残留を決め、「このサークルで良かった」と言ってもらえました。この経験から、困難な時こそ、対話を重ねて信頼関係を築く大切さを学びました。
チーム内の人間関係のトラブルやモチベーションの温度差は、組織で働く上での[調整力]のアピールに最適です。
③学業・ゼミ・授業
私には、目標に向かって泥臭く努力を継続する力があります。マーケティングのゼミ活動で、企業への提案発表に取り組んだ際のことです。
発表の1週間前、集めていたアンケートデータの信憑性が低いことが判明しました。諦めかけるメンバーもいましたが、私は「絶対に納得いく提案をしたい」と考え、追加で街頭調査をおこなうことを提案しました。3日間で300人に声をかけ、質の高いデータを集め直しました。
その結果、発表では「根拠が明確である」と企業から最高評価をいただきました。この経験から、予期せぬトラブルでも、冷静にリカバリーする行動力が身につきました。
専門的な内容になりすぎないよう注意が必要です。研究の難しさよりも、[粘り強さ(泥臭い努力)]に焦点を当てましょう。
④インターン・ボランティア
私の武器は、失敗を恐れずに挑戦し続けるタフな精神力です。IT企業の長期インターンで、新規開拓営業に挑戦しました。
開始当初は1日100件電話をかけてもアポイントが取れず、精神的に追い詰められる日々が続きました。しかし、私は断られる理由を分析し、トークスクリプトの冒頭を「売り込み」から「課題ヒアリング」へ変更しました。さらに、先輩社員のロープレ音声を毎日聞き込み、話し方を改善しました。
その結果、翌月にはチームトップの月間10件のアポイントを獲得できました。困難な壁も、PDCAを回し続けることで突破できると実感しています。
ビジネスに近い環境での経験は、それだけで評価されやすいです。[社員と同様の視座で動いた]ことをアピールすると効果的です。
⑤受験・日常生活
私は挫折を糧に、より高く成長できる人間です。大学受験の際、模試でA判定だった第1志望校に不合格となり、大きな挫折を味わいました。
当初は無気力になりましたが、気持ちを切り替え、『この悔しさを大学生活で晴らす』と決意しました。苦手だった英語を克服するため、大学ではTOEIC800点を目標に設定しました。通学時間の単語学習を徹底し、留学生との交流にも積極的に参加しました。
2年間の継続の結果、850点を取得し、自信を取り戻すことができました。この経験から、思うような結果が出ない時でも、次の目標を見定めて行動する強さを得ました。
浪人や受験の失敗など、個人的な挫折も立派な困難です。「失敗からどう立ち直ったか」を語りましょう。
⑥趣味・自主活動
私には、未知の領域でも、自ら学び習得する力があります。趣味でWebサイト制作を始めましたが、プログラミングのエラーが解消できず、挫折しかけた経験があります。
周囲に聞ける人がいない中、私は「1週間以内に解決する」と期限を決め、海外の技術サイトを翻訳しながら読み込み、コードを書き直す作業を繰り返しました。食事の時間も惜しんで没頭し、最終的にエラーの原因を特定してサイトを完成させました。
この経験を通じて、困難な課題に対しても、自ら情報を集めて解決まで導く「自走力」が身についたと考えています。
資格取得やダイエット、趣味の活動など、自分との戦いは[自律性(セルフマネジメント)]のアピールになります。
内定した先輩たちのリアルなESを見てみよう!
「構成の型はわかったけれど、実際にどんなエピソードが評価されるのか不安…」と思っている就活生のために、難関企業に見事内定した先輩たちの[困難を乗り越えた経験]の例文をいくつか紹介します。
注目してほしいのは、トラブルの描写ではなく『どう考え、どう行動して乗り越えたか』という思考プロセスの具体性です。
<丸紅(26卒)>
Q. その原動力をもって、学生時代に最も力を入れたことについて教えてください。(200文字以下)
A. 学生時代に最も力を入れたことは、塾講師のアルバイトで生徒の成績向上を目指して取り組んだことです。生徒が理解できるよう、教え方を工夫し、個々のペースに合わせて指導しました。その結果、生徒の成績が向上し、志望校に合格することができたとき、努力が実を結んだことに大きな達成感を感じました。この経験を通じて、困難を乗り越える力と成長を実感し、次の挑戦に向けての原動力になっています。
引用:Unistyle/エントリーシート(総合職)
<アクセンチュア(26卒)>
Q. アクセンチュアを「社員一人ひとりの自己実現のプラットフォーム」と考えたとき、選択したDNAに沿ってアクセンチュアを志望する理由と、アクセンチュアで実現したいことを教えてください。※改行せず文章は続けて入力してください。(300文字以上400文字以下)
A. 貴社を志望する理由は、「チャレンジに、手加減をしない」という姿勢を実現できると考えたためです。○○のファッションショー部門でリーダーとして、ゼロから一つのチームを立ち上げました。そして、新たなコンセプトを具体化する中で、挑戦を恐れずにアイデアを形にしていく喜びと達成感を感じました。この経験から、未知の分野に果敢に挑み、困難を乗り越えることで新たな価値を生み出す経験を、さらに大きなスケールで実現したいと考えています。そのため、貴社のように、多様な業界のクライアントと直接向き合い、独創的なソリューションを提供する環境は、私のこのような姿勢を実現するには最適であるため志望しています。また、貴社で実現したいことは、自身の発想を形にし、業務の効率化やビジネスモデルの進化を支援し、クライアントに新たな成功を通じて、社会全体にも新しい価値を創出したいと考えています。
引用:Unistyle/エントリーシート(デジタルコンサルタント)
「もっと自分の志望業界に近い例文が見たい」「同じ大学の先輩はどんな困難をアピールしたの?」と思った人は、7万枚以上の通過ESが無料で見放題のサイトで、自分にぴったりのお手本を探してみましょう。
文末の使い方はもちろん、あなたのエピソードを輝かせる構成のヒントが必ず見つかるでしょう。
誰でも見つかる!「困難を乗り越えた経験」がないときの対処法

「留学もしていないし、リーダー経験もない。自分には語れるような困難なんてない…」と思い込んでいる人も少なくないでしょう。
就活における困難とは、『自分の思い通りにいかなかったこと』すべてを指します。特別な経験や実績は必要ありません。
ここでは、どうしてもエピソードが思いつかない時の具体的な対処法を紹介します。
一生懸命努力した経験を深掘りする
まず、[あなたがこれまでの人生で一番時間をかけたこと]や[一番エネルギーを使ったこと]を思い出してください。頑張ったことや努力したことの裏には、必ず[すんなりとはいかない壁]や[辞めたくなる瞬間]があったはずです。
その壁こそが、あなたが乗り越えた[困難]です。
<部活を3年間続けた>
Q:活動の中で、一番つらかった時期はいつですか?
A:「2年生でレギュラー落ちして、練習に行くのが嫌になった時期です」
⇒【困難】挫折によるモチベーションの低下
<試験勉強を頑張った>
Q:何が一番の「壁」でしたか?
A:「苦手な科目から逃げたくなる、自分自身の弱さです」
⇒【困難】苦手意識や誘惑(自分との戦い)
このように、[継続したこと]や[没頭したこと]の裏側にある『しんどかった瞬間』にスポットライトを当てれば、それは立派な困難のエピソードになります。
失敗や挫折した経験を振り返る
成功体験よりも、実は[失敗]や[挫折]といったネガティブな経験の方が見つかりやすい場合があります。過去に、以下のような、悔しい思い、恥ずかしい思い、悲しい思いをしたことはありませんか?
- 第一志望の大学に落ちた
- 怪我をして選手生命を絶たれた
- バイトでお客様を怒らせてしまった
- チームの人間関係を悪化させてしまった
企業が聞きたいのは、失敗や挫折そのものではなく、そのマイナス状態から、どうやって前を向いたか(リカバーしたか)です。
「あの失敗があったから、今の自分がある」と言えるエピソードがあれば、それは最強のアピール材料になります。カッコ悪い経験こそ、隠さずに武器にしましょう。
改めて自己分析をして過去を振り返る
記憶だけで探そうとすると、どうしても直近の出来事や、大きなイベントばかりに目が行きがちです。そんな時は、紙とペンを用意して[モチベーショングラフ]を書いてみましょう。
縦軸に[モチベーション(心の充実度)]、横軸に[時間(幼少期~現在)]を取り、自分の気分の浮き沈みを線で描いてみてください。
注目すべきは、グラフが『谷(底)』になっている部分です。そこが、あなたが何らかの壁にぶつかり、苦しんでいた時期です。そして、その谷からグラフが上向きになり始めたタイミングで、あなたは何らかの行動を起こしているはずです。
その時のことを思い出しながら、以下の2点を深掘りしてみましょう。
- なぜそこで落ち込んだのか?(困難の特定)
- なぜそこから這い上がれたのか?(乗り越えた方法)
この[谷底からの回復]を言語化するだけで、説得力のある[困難を乗り越えた経験]が完成します。
対処法を試しても「やっぱりアピールできる経験が見つからない」「自分の過去をうまく言語化できない」と悩んでいませんか?
そんな時は1人で抱え込まず、プロのアドバイザーを頼ってください。私たちと一緒にあなたの[隠れた努力]を見つけ出し、面接官に響く強みに変換しましょう!
「困難を乗り越えた経験」に関するよくある質問
ここでは、学生の皆さんから[困難を乗り越えた経験]に関して寄せられる疑問に対し、採用担当者の視点から具体的にお答えします。
Q1. 困難を乗り越えた経験で避けるべきエピソードはありますか?
第三者からみて、信用を損なう内容は避けましょう。具体的には、以下のようなものが挙げられます。
- あまりにレベルの低い生活習慣の改善
⇒社会人としての当たり前の基準が低いとみなされ、自己管理能力や成長性への懸念を抱かれます。
- ギャンブル・パチンコ関連
⇒金銭感覚や自制心を疑われる可能性があります。
- 犯罪や法令違反(未成年の飲酒・喫煙など)
⇒コンプライアンス意識の欠如とみなされ、即不合格になるリスクがあります。
Q2. 困難を乗り越えた経験がない場合はどうしたらいいですか?
「困難」のハードルを下げて、日常の些細なモヤモヤを探してみてください。ドラマのような大事件である必要はありません。具体的には、以下のような感情も立派な[困難の種]になります。
- なんとなく上手くいかなかったこと
- 自分には苦手だと感じたこと
- やるのが面倒くさいと思ったこと
もし自分で思いつかない場合は、家族や友人に「私が苦労してそうに見えた時期ってある?」と聞いてみるのも有効です。意外と自分では気づかない頑張りが見つかるものです。
Q3. 高校時代に経験した困難を乗り越えた話でも大丈夫ですか?
基本的には、大学時代のエピソードが推奨されます。なぜなら、企業は[過去]ではなく、[今のあなたの能力]を知りたいからです。
高校時代(3年以上前)の話だと、「大学では何もしていなかったのかな?」と思われてしまうリスクがあります。
ただし、「高校時代の経験が、今の自分の価値観の根源になっている」という深い繋がりがある場合や、大学時代の経験と合わせて語れる場合は問題ありません。
もし選べるなら、直近の経験を優先しましょう。
Q4. そもそも“困難”ってどのくらいのレベルのことを指しますか?
客観的なすごさではなく、主観的なつらさでOKです。
[全国大会出場を逃した(ハイレベルな挫折)]と[未経験のバイトで初日に怒られた(日常的な挫折)]、どちらが優れているという基準はありません。
企業が見ているのは事象の大きさではなく、『その状況であなたがどう頭を使い、どう動いたか』というプロセスです。自信を持って、あなたにとっての壁を語ってください。
Q5. 乗り越えたというより「時間が解決した」経験でも問題ないですか?
結論、そのまま書くのは避けましょう。なぜなら、そこにあなたの[自発的な行動]がなく、評価の対象にならないからです。
「耐えていたら状況が良くなった」「先輩が解決してくれた」というエピソードでは、あなたの問題解決能力や主体性が見えません。
もし結果的に時間が解決したとしても、「待っている間にモチベーションを保つために何をしたか」「自分なりにどう工夫して過ごしたか」という自発的なアクションに焦点を当てて書き直す必要があります。
【まとめ】困難は「あなたがどう動き、何を学んだか」を伝えることが大切
ここまで、困難を乗り越えた経験の書き方や考え方について解説してきました。
多くの就活生は「自分には大した経験がないし…」と悩んでしまいがちです。しかし、ビジネスの現場で求められているのは、『壁にぶつかった時、逃げずに誠実に向き合える人」や「失敗から学び、次はもっと良くしようと工夫できる人』です。
とはいえ、頭では分かっていても、いざ自分の文章となると[客観的にどう見えるか]は判断が難しいものです。
- 「エピソードの選び方はこれで合っている?」
- 「困難の描写が、ただの愚痴っぽくなっていない?」
- 「400字に収めるために削りすぎて、意味が通じていないかも…」
このような不安を抱えたままエントリーするのは、非常にもったいないと筆者の私は思います。
『就職エージェントneo』では、数多くの学生を内定に導いてきたキャリアアドバイザーが、あなたのESをマンツーマンで添削します。構成のチェックから刺さる言葉選びまで、あなたの経験が、採用担当者の目に『採用したい人材』として映るよう、徹底的にサポートします。
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