
海運業界の志望動機の例文・書き方~商船三井や川崎汽船の内定者ESを公開~
海運業界は、業界規模は大きいですが、業界全体の労働者が5000人弱とも言われ、必然的に採用人数は限られてくるため内定を勝ち取るは難しいです。
そのため、志望動機の質を上げなければ内定を勝ち取ることはできません。海運業界のデータや特徴を今一度把握し、例文を参考に書き方のコツを掴みましょう。
海運業界の特徴
ここでは、海運業界の動向や仕事内容について話していきます。
海運業界の動向
海運業界は世界経済、荷主、原油動向に左右されやすいため比較的に不安定な業界と言えます。
実際、2008年のリーマンショックによる原油価格の高騰を背景に業績が悪化しました。
2012年頃は原油価格が下落し、液化天然ガス(LNG)の需要が拡大、2014年までは業績が回復傾向にありました。
しかし近年、米中貿易摩擦の影響でまた業績が悪化するのではないかと言われています。このように海運業界は動向として下降傾向ばかりに目がいきますが、前向きなトピックスも抑えておきましょう。
国内物流を鉄道や海運を利用して効率的な輸送を実現しようとする動き(モーダルシフト)が出てきており、海運業界に新たな風が吹きこまれそうです。
国土交通省の調べでは、貨物輸送の方法を転換することで鉄道利用では91%、船舶利用なら84%もCO2排出量も削減することができるとされています。
そのため地球温暖化対策に有効とされています。現在、国がモーダルシフトの計画を進めており、計画が実行されれば海運業界の業績安定に繋がると考えられます。
■数字で見る海運業界の現状
参照元:業界動向サーチ/全136業界の業界ごとの合計、または平均を項目ごとにランキング。海運業界16社が対象(2018年-2019年)
海運業界の業種
内航海運
国内の海上輸送を行います。国内の港と港をつなぎ、石油などの産業基礎資材、食料品や日用品などの貨物を輸送します。内航海運の輸送シェアはトラックに次いで2番目に多く、全体の4割を占めています。
外航海運
日本と海外との間で船で物や人を輸送しています。日本は石油などの資源エネルギー、小麦などの食料を海外からの輸入に依存しています。
また、日本は自動車などの工業製品を生産し。海外に輸出することで発展しています。外航海運は、こうした海外貿易のの99%を担っているため、日本にとって欠かせない存在であると言えます。
海運業界の主要職種
陸上職(事務系)
陸上職の事務系は航路運営、運航管理、港湾管理などが主な業務としてあります。
航路運営とは、船の航路の選定と確認を行う業務です。
運航管理とは、貨物を安全に円滑に運ぶとともに船と乗組員の安全を守る業務です。
港湾管理とは、港湾区域および港湾施設の維持管理や船の着岸地点の調整業務などを行う業務です。
陸上職(技術系)
陸上職の技術系は造船計画、船舶試設計、工務監督、船舶保守、管理・新技術の開発などが主な業務です。
造船計画、船舶試設計では新たに生産される船舶の生産計画とその設計を行われます。
工務監督とは、船舶の工務関係の指導を行う業務です。
船舶保守とは、船舶が安全かつ定時に航行するために船内機器の状態把握や船舶本体の確認を行う業務です。
陸上職(営業)
陸上職の営業では主に、荷主を訪ね、営業を行い、より多くの貨物を集めるのが主な業務です。また、荷主に対して最適な輸送プランの提案やサポートも行います。
海上職(航海士、機関士)
海上職には2種類の職種があります。1つ目は、航海士です。航海士とは主に船の甲板で操縦や指揮をとる仕事です。航海士になるには、国家資格である海技士の免許を取得する必要があります。
2つ目は機関士です。機関士とは主に船舶の機械を整備する仕事です。
志望動機を作るためのポイント
海運業界に入社するには、徹底的な業界研究、企業分析、そして自己分析が不可欠です。一貫性と論理性のある志望動機を書くために、最低限2つの「なぜ」を言語化した上で作成しましょう。
「なぜ」その業界を志望するのか
海運業界はグローバルな仕事が求められる業界です。というのも、貿易のにも小売業界はモノを仕入れて売るまで商品の流れの全ての工程に関わります。また海運業界は海外とのやりとりが多いことから商社業界とよく比較されます。海運業界でないといけない理由を明記しましょう。
「なぜ」その企業を志望するのか
海運業界はグローバルな仕事が求められる業界です。というのも、貿易のにも小売業界はモノを仕入れて売るまで商品の流れの全ての工程に関わります。
また海運業界は海外とのやりとりが多いことから商社業界とよく比較されます。海運業界でないといけない理由を明記しましょう。
求められる人物像
営業職に限らず、全ての職種で海外との交渉が求められるのでコミュニケーション力は必須となります。
また、気候変動や船、港でのトラブルが多いため、様々な困難を乗り越えらえる忍耐力も求められます。
志望動機の書き方
情報収集や自己分析を基に、伝えることが決まれば、あとは書くだけです。必ずしもオリジナルの構成にする必要はありません。シンプルでわかりやすい文章構成が、相手を意識した書き方であり、読んでもらうコツです。
文章力に課題がある人は第三者にチェックしてもらうことで、「て・に・を・は」、接続語、「です・ます」調など細部まで整えましょう。
(1)志望動機をひと言で
(2)具体的に言うと
(3)理由(過去の経験と業界・その会社の関連性)
(4)入社後にどうなりたいか
▶志望動機の書き方、考え方を詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
「志望動機の書き方~選考通過率をUPさせる方法~」「志望動機の正しい考え方やコツ~「志望動機がない…」と悩んでいる人必見~」

志望動機の例文
実際に選考を通過したESの志望動機の例文および考察から、書き方を学び自身のESや面接に活かしてください。

商船三井 内定者の志望動機
受験においては、部活動により勉強時間が圧倒的に足りない中、日ごろの積み重ねをベースに「効率性と質」を高め、成績を向上させた。 「東大合格」を本気で目指していたが、結果的に叶わなかった。しかし常に上を目指し本気で取り組んだその「過程」が何よりも楽しく、自身は大きく成長できた。
私は、世界を舞台に働きたい。そして、世界中にモノを届け、想いを届けたい。 地球儀で見ると日本のほぼ真裏にあるブラジルからコーヒー豆が届けられるというのは、「人の喜びに貢献したい」という気持ちの結晶であり、貴社が担う役割の「責任の重さ」が私自身を強く刺激している。そして、世界を牽引する総合海運企業だからこそ、「私らしさ」を出すことでどのポジションであろうと世界に貢献できると信じている。 少人数のチームを組むことで個々人の行動力が求められる。そしてバトンを受け渡し、会社全体が一つのチームとして「新しいことに挑戦し、成し遂げる」貴社が培ってきた伝統があるからこそ、高い意識を持ち、主体的に取り組む「私らしさ」が最大限活かせると考えている。
→業界を志望する理由、商船三井を志望する理由が明確に書かれています。
さらに強調したいキーワードにカギ括弧をつけているのは企業側の人事の方にとってもわかりやすいと思います。海運業界を志望する就活生はぜひ参考にしていただきたい志望動機です。
商船三井 内定者の志望動機
【2】海上社員を志望する理由は、7つの海を股にかけ、現場で働けることに魅力を感じたからだ。スキューバダイビングが趣味で、今夏に2級小型船舶操縦免許を取得予定と、海が大好きで、海を現場に働きたいと予てから考えていた。 また、チームワークが求められることにも魅力を感じている。私は部活やサークルなどで、チームで切磋琢磨しながら全力で取り組んだ結果、成功を収めた際に人生で一番の喜びを感じる。狭い船内の中で、様々な国籍と価値観を持った人々と一丸となって、困難な状況も乗り越えていきたいと考えている。
【3】海上社員には、周囲とより良い信頼関係を築き、協調して最大限力を発揮することが求められると考える。そうした際に、強みである協調性や、異なる価値観・考え方に対する需要力を活かせると考えている。こうした強みは、全力で取り組んだ小中高の部活での経験や、留学生寮のレジデントアシスタントとして、異なる価値観を持つ人々との共同生活によって培われたものである。
→非常にわかりやすい志望動機になっています。みなさんもこの設問の流れで志望動機を書くと良いでしょう。
川崎汽船 内定者の志望動機
その中でも貴社は環境問題や海外展開への取り組みが強く、地球規模で人々の生活を支えることができると思ったため、志望しています。
→シンプルで非常にわかりやすい志望動機になっています。最初にやりたいことを述べた後、造船業ではなくなぜ海運業を志望するのかについて言及されています。
そして最後には海外展開への取り組みが強いという川崎汽船を志望した理由が書かれています。商船三井の志望動機と同様にこちらの志望動機もぜひ参考にしてみてください。
▶レベルの高い例文集を見たい方は下記記事をご覧ください。
「志望動機のおすすめ例文10選!」まとめ
海運業界は例年どの企業も20名程度しか入社できないため非常に難しい業界です。しっかりと対策をして、志望動機の質を高めていきましょう。
▶志望動機の基礎から応用まで網羅的にノウハウを知りたい方は下記をご覧ください。
「志望動機の書き方・例文」志望動機の作成は順調ですか?
ここまでは、志望動機を書くために必要な情報をお伝えしてきました。
それでも、「自分の場合はどうすればいいの?」と不安な方も多いのはではないでしょうか。
そんな時は、自分ひとりで抱え込まず、客観的な視点からフィードバックをもらうべきです。就職エージェントneoでは、企業人事の要望を把握したプロのアドバイザーが年間2万件以上の就活生の悩みにお応えしています。
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