コンサルティング業界は、事業規模が大きく海外に展開している企業が多いことから、グローバルに働くことができる点や年収が高いという印象が強く、特に高学歴層の就活生から人気が毎年高い業界です。
ライバルが多いからこそ、志望動機の質を上げなければ内定を勝ち取ることはできません。
コンサルティング業界のデータや特徴を今一度把握し、例文を参考に書き方のコツを掴みましょう。
コンサルティング業界の特徴
ここではコンサルティング業界の動向・業種・職種についてを解説してきます。
コンサルティング業界の動向
新型コロナウイルス感染拡大を防ぐために、飲食店への時短営業要請や外出自粛要請などが出され、それにより多くの業界・企業が減収しました。
それに伴い、企業が経費削減に向け、コンサルティング費用を削減したり、依頼をしなくなったりと、コンサルファームの案件が減少すると考えられていました。
しかし実際のところ、リモートワークへの対応や、サプライチェーンの見直し、DX、M&Aニーズなどにより、コンサルティング業界の需要は拡大し、好調な業績となりました。
このように顧客である企業の業績や動向に大きな影響を受けるコンサル業界では、ファームが得意としている業界・分野によって依頼件数や企業側の予算に大きな差が生じる可能性があると言えるでしょう。
コンサルティング業界の動向について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

コンサルティング業界の分類
様々な分類の中でどの業種を選ぶべきか、特徴と差別化ポイントを勉強しておきましょう。
❏戦略系コンサルティングファーム
戦略系コンサルティングファームは、企業の経営課題を発見し、その解決のためのプランを立てて、実行までを担う仕事です。
特に企業戦略・事業戦略を得意とし、大手貴重や外資系の顧客を中心としています。
企業全体に関わる課題を依頼されることが多いため、経営層との接点が多いようです。
戦略系コンサルティングファームは、外資系が中心でグローバルに展開してる企業が多くあります。
また特徴の1つとして、上流(いわゆる、戦略を考え提案すること)にのみ携わることが多かったのですが、最近では戦略を示すだけでなく企業に入り込んで戦略立案から実行まで行う企業が増加しているようです。
❏総合系コンサルティングファーム
総合系コンサルティングファームは、戦略系コンサルティングファームと同様、企業が抱える課題に対する戦略立案を行うと同時に、戦略の実行や業務の改善、ITのシステムの導入、業務の代行など幅広く顧客の課題解決をサポートします。
❏IT系コンサルティングファーム
IT系コンサルティングファームは、その名の通りITの活用を主軸に企業の経営課題を解決していくコンサルティングを行います。
ITの活用というのは主にEPR(Enterprise Resource Planning)と呼ばれる基幹システムの導入のことを指します。
これはマーケティングのためのツールとして利用されたり、店舗ごとの売上、原価計算といった経理・会計など様々な場面で使われるシステムです。
業務効率化や人手不足の解消が叫ばれる今、こういったシステムを導入する企業は増えているため需要は日々増しているファームでもあります。
❏シンクタンク系コンサルティングファーム
シンクタンク系コンサルティングファームは、企業や官公庁などに対して、経済情勢や社会情勢、政策などのリサーチを行い、顧客の課題解決や、将来の予測を行うファームです。
最近では、リサーチだけに留まらず、そのノウハウを活かした経営コンサルティングやマネジメントを行う企業も増えています。
❏業界・業務特化型コンサルティングファーム
これまで紹介してきた分類以外の、人事や財務などの業務分野に特化したコンサルティングファームです。
医療や金融などの業界特化型から赤字企業に対する事業再生特化型など多種多様なコンサルティングファームが存在しています。
コンサルティング業界の職種
職種によって業務内容も異なってくるため、自分がやりたいことは何なのかや、キャリア形成のイメージをある程度もって入社する必要があります。
❏パートナー
パートナーは、コンサルティングファーム自体の経営をする役職を指す場合もありますが、通常は一般企業で言う営業のように案件の獲得を行います。
❏コンサルタント(シニアアソシエイト、アソシエイトなど)
コンサルタントは、実作業とマネジメントスキルが重視される職種です。主に、仮説・検証を行っていきます。
一般的に、未経験からコンサルティング業界に入った場合、この職種からスタートすることが多いようです。
❏アナリスト
アナリストの仕事は主に情報収集・分析・資料作成です。
具体的には、会議の議事録の作成や、先輩コンサルタントに同行してクライアントにインタビュー、また各種情報の収集・分析、などが挙げられます。
コンサルティング業界で評価される志望動機を作る3つのステップ
ここではコンサルティング業界の志望動機を書く際に意識してほしいポイントを3つ紹介します。
これから志望動機を作成するという人は、以下のポイントを参考に作成してみてください。
(1)志望動機に必要な要素を把握する
志望動機を作成する際は「なぜコンサルティング業界か」「なぜその企業なのか」をしっかりと深掘りしましょう。
“なぜコンサルティング業界なのか”については、数ある業界の中でも”なぜコンサルティング業界を選んだのか”についてしっかりとした理由を準備しておく必要があります。
コンサルティング業界は、分類にもよりますが、戦略立案から実行までを行い、企業の抱える課題を解決する仕事です。
そのため「企業が抱える課題を解決することで多くの人に影響を与えられる仕事がしたい」といったコンサルティング業界ならではの理由を入れると良いでしょう。
また、“なぜその企業なのか”については、志望企業の強みや事業形態などの特徴を調べて、競合他社と差別化しながら伝えることが大切です。
企業によってIT分野に強いなど、特徴が得意分野が異なります。
例えば、野村総合研究所では、トータルソリューションを提供できる総合力を強みとしており、中でも企業の合従連衡・提携・買収や異分野へのビジネス参入など、業種横断的なプロジェクトを得意としています。
このように企業ごとの特徴や強みを把握した上で、志望動機を作成してください。
(2)コンサルティング業界の求める人物像を把握する
コンサルティング業務には答えがありません。答えがない中で、現状分析を行い課題を見つけ、戦略を立案するという役割を担っています。
そのため、課題を見つけるための情報収集力や分析力、論理的思考力が求められます。
また、コンサルティング業務は人が資本となるため、顧客や社内の人間と円滑なコミュニケーションを取れるという素質は必須です。
さらに、自分の意見や戦略を相手にわかりやすく伝えられる能力も求められます。
最後に、コンサルティング業界では海外のクライアントとやりとりする機会も多いため、語学力があるとチャンスが広がるでしょう。
(3)志望動機のフレームワークを知る
情報収集や自己分析を基に、伝えることが決まれば、あとは書くだけです。必ずしもオリジナルの構成にする必要はありません。
シンプルでわかりやすい文章構成が、相手を意識した書き方であり、読んでもらうコツです。
文章力に課題がある人は第三者にチェックしてもらうことで、「て・に・を・は」、接続語、「です・ます」調など細部まで整えましょう。
(1)志望動機をひと言で
(2)具体的に言うと
(3)理由(過去の経験と業界・その会社の関連性)
(4)入社後にどうなりたいか
志望動機の考え方、書き方を詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
コンサルティング業界の志望動機例文
実際に選考を通過したESの志望動機の例文から、クオリティと書き方を学び、自身の書類に活かしてください。
戦略系コンサルティングファームの志望動機の例文
私はコンサルタントとしての使命の一つに日本企業のプレゼンスを高めることが大きなものとしてあると考えている。
その難題に対してアプローチするうえで、貴社の持つ人材の力及び成長環境はそれを可能とするに適したものであると考えている。
企業が日本を牽引し、世界で活躍する姿の手助けができる力を貴社のフィールドで身につけていきたい。
→字数が200字と限られている中で、「志望理由・その理由・○○社を選んだ理由」を明確に述べられています。
また最後の一文で『企業が日本を牽引し、世界で活躍する姿の手助けができる力を貴社のフィールドで身につけていきたい。』と目標を述べられている点も評価されるポイントです。
ただ、具体性に欠けておりイメージがしにくい部分があります。
例えば『世界で活躍する姿の手助けができる力』とは具体的にどんな力なのか、『その難題に対してアプローチするうえで、』とあるがどんなアプローチをするのか、を書くことができるとより良い志望動機になるでしょう。
参照元:unistyle/選考通過者本選考ES(マッキンゼー・アンド・カンパニー20卒)
総合系コンサルティングファームの志望動機の例文
私は将来、日本企業のサプライチェーン次世代化や新たな市場として新興著しいアジアへの海外展開によって優れた製品・技術を有しながらも長期停滞期にある日本の産業発展に貢献したい。
就職活動をする上で①自分の考えや行動をもって企業や社会の役に立ち、大きな影響を与えられること②社会の幅広い分野について学び、常に成長し続けられること、という2点を重視している。
そして、コンサルタントこそが社会の流れを捉えながら課題を考え抜き、最適なソリューションを提案する影響力と勉強しがいがある、私の軸を体現した仕事だと考える。
グローバルファームの数ある拠点の一つではなく日本発のファームとして、日本企業の意思を組みながら他国の地域特性に合ったサービスを提供できるコンサルタントになりたい。
→業界・企業について、よく調べられており、熱意が伝わる文章です。
志望動機や将来の目標も丁寧に記載されています。ただ、自分自身の経験がほとんど書かれていません。
自身の過去の経験と志望理由を結びつけて書くと、人事がイメージしやすくなり、納得感が生まれるでしょう。
参照元:unistyle/内定者本選考ES(アビームコンサルティング21卒)
IT系コンサルティングファームの志望動機の例文
近年ではIT技術の発展に伴い、業務のAI化やデジタル化による業務効率化、オンライン事業や海外展開などの新ビジネス創造といった、社会全体のさらなる生産性向上が見込まれています。
しかし、企業によっては、IT導入によるメリットは理解していても、実際の導入に対しては慎重です。例えば、従来の慣習を変えて新しく仕事を覚えなければならないですし、そもそもどこから手を付けるべきか分からないという企業も多く存在します。
私は、塾講師のアルバイトを通して「相手が分からないことへの理解を怠らない姿勢」と「人の行動を変えることに対するやりがい」を得ました。この経験を活かして、IT技術導入と顧客とのギャップを埋めることに尽力し、共にビジネスを変えていけるITスペシャリストを目指していきたいです。
そして、顧客が、提案したソリューションについてどこまで理解し、どこに不安要素を感じているかを的確に捉え取り除き、抵抗なくIT技術を活用できるよう支援したいです。
→志望理由や入社してやりたいことを自身の経験と結びつけて書くことができています。
業界についての理解もできており、『近年ではIT技術の~企業も多く存在します。』を見ると時間を掛けて勉強したことが伝わる文章です。
業界を志望した理由はよくわかりますが、その中でもこの企業でできることについての記載があるとより良くなります。
参照元:unistyle/選考通過者本選考ES(日本IBM19卒)
シンクタンク系コンサルティングファームの志望動機の例文
現在は変革の時代と言われ、先行きを予測することが非常に困難な時代であるとされていますが、その中でも顧客のニーズを正確に把握するだけでなく、その企業に本当に必要なものが何かを常に考えることで顧客の期待以上の仕事をすることができる人間になりたいです。
私がそれを実現する場として貴社を志望する理由は、貴社の掲げる「未来創発」という姿勢です。
私は経営コンサルタントの最も大きな価値は、自分たちでなければ考えつかないような新しいビジネスモデルを創出することであると考えており、この「未来創発」の姿勢は経営コンサルタントの第一人者となるには不可欠な風土であると考えています。
また、貴社が世界に選ばれる企業であるというのもまさにその結果であると思い魅力に感じました。
→コンサルティング業界を志望した理由、将来どういった力を身につけたいのかを丁寧に伝えることができています。ただ自身の過去の経験についての記載ありません。
コンサルティング業界を選んだ理由を、過去自身の軽経緯の中にあるキッカケを基に書くことができると、選考感になぜこの業界・企業を選んでいるのかをよりイメージしてもらいやすくなるでしょう。
参照元:unistyle/選考通過者本選考ES(野村総合研究所(NRI)19卒)
業界・業務特化型コンサルティングファームの志望動機の例文
そのために『様々な事業を経営という上流の視点からたくさん見ることでビジネスマンとしての能力を高められるか』という点を就職活動の軸としている。
御社はコンサルティング領域でかなり質高く事業展開をされており、また企業理念も自分の軸とかなりマッチしているため御社を志望した。
→自身の企業選びの軸を中心に、志望動機を伝えることができています。
ただ、『御社はコンサルティング領域でかなり質高く事業展開をされており』というのは、コンサルティング業界のどの企業にも言えることなので、企業特有の事業の名前を出すと、より本気度が伝わる様になるはずです。
参照元:unistyle/選考通過者本選考ES(経営共創基盤(IGPI)20卒)
上記例文の他にも就活支援サイトunistyleでは選考通過者のESを7万件以上掲載しています。
下記画像からサイトに移動できるので、ぜひES作成の参考にしてください。
コンサルティング業界の志望動機に向かないアピール内容
コンサルティング業界を志望している学生の中には「給料が高いから」という理由で志望している人も多いでしょう。
企業を選ぶ際に指標の1つとして給料や福利厚生を見るのはもちろん良いですが、志望動機で”労働条件が良いから志望した”と伝えてしまうのは避けた方が良いでしょう。
企業は採用活動を通して、自社に貢献してくれる人材を探しているため、より熱意を持って働いてくれる就活生を採用したいと思っています。
志望動機を伝える際は、その企業で成し遂げたいことを具体的に伝えるようにしましょう。
まとめ
コンサルティング業界は人気が高いため志望動機のレベルも高くなります。志望理由をなぜなぜと掘り下げて、自身の経験と結びつけつつ、ロジカルな構成で制作しましょう。
そのため、各企業がどのような施策や事業を展開しているのかを把握し、具体的且つ説得力のある志望動機を作成しましょう。
志望動機の書き方・例文
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本記事に関するその他の記事
ここでは、本記事に関連するよく読まれている記事をご紹介します。合わせて確認してみてください。
⇒【業界研究】コンサルティング業界の動向3選!仕事内容や志望動機・自己PRのポイントも紹介
⇒コンサルティング業界 年収ランキング~戦略・総合・シンクタンク~
⇒コンサルタントの志望動機の書き方と例文
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