ゲーム業界を志望する方の根底には必ず、ゲームが好き、という思いがあるのではないでしょうか。
ただ、一口にゲーム業界と言っても、プラットフォームによって提供するサービス、ターゲット層が異なるため、志望企業を選ぶ際は、各企業がどのようなサービスを提供しているのか把握することが大切です。
それだけでなく、選考では「志望企業で、どのようなキャリアを積んでいきたいのか、なぜその企業でないとダメなのか」を伝える必要があるため、企業研究に加えて自己分析も徹底して行っておきましょう。
本記事では、ゲーム業界の動向や主要職種、ゲーム業界に特化した志望動機の作り方を紹介していきます。
また例文を紹介しているので、志望動機を書く際に参考にしてみてください。
ゲーム業界の特徴
ここではゲーム業界の動向や具体的な仕事内容について紹介していきます。
企業研究を行うにあたって、志望企業の動向を把握するのは必須であるため、今のゲーム業界がどのような状況なのか、しっかりと目を通しておきましょう。
仕事内容についても同様です。もちろん仕事内容の全てを把握するのは不可能ですが、入社後のミスマッチを出来るだけ減らすためにも、基本的な仕事内容程度は理解しておくようにしてください。
ゲーム業界の動向
ここでは、ゲーム業界の動向として「市場規模」「新技術の開発」の2点についてお伝えしていきます。
■市場規模
家庭用ゲーム機の売上やゲームプレイヤー人口の減少から一時は「ゲーム離れ」という言葉が取り沙汰された時期もありました。
しかしスマートフォンの普及によって、今までゲームで遊んでいなかった層もプレイヤーとして取り込むことに成功し、国内ゲーム市場は10年連続で成長を続けています。
そんなゲーム業界の市場規模を見てみると、国内ゲーム市場はゲーム機とソフト(オンラインを含む)の合計が4368億円、世界全体のゲームコンテンツ市場は15兆6898億円となっています。
このことからゲームはただの娯楽に留まらず、世界経済において重要な産業の一つとなっていることがわかるでしょう。
■新技術の開発
ゲーム業界では新たな技術の開発が積極的に行われており、誕生したサービスの一例として、クラウドゲーミングサービスが挙げられます。
クラウドゲーミングサービスとは、最新のゲーム機を購入しなくても、手元にあるスマートフォンやPCなどの端末からインターネットにアクセスすることで常に最新タイトルのゲームで遊ぶことが可能となる仕組みです。
一般的には新作のゲームで遊ぶ際は、ゲーム機を購入後、ソフトも購入しインストールする、などというような作業が発生します。
しかしクラウドゲーミングサービスの場合は、ゲーム機やゲームソフトの機能や情報をサーバーに持たせているため、サーバーで作り出されたゲームの映像をストリーミング方式で自身の端末で受信・表示するだけで、最新のゲームタイトルで遊ぶことが可能です。
そんなクラウドゲーミングサービスは、ソニー、マイクロソフト、google、ソフトバンク、NTTdocomoなどの大手企業が参入していることからも分かるように、今最も注目されているゲーム環境と言えます。
その他、VR(Virtual Reality:仮想現実)ゲームへの取り組みも盛んになりつつあるゲーム業界。
ゲーム産業はテクノロジーの進化と共により領域を拡大していき、その未来は明るいと言えるでしょう。
ゲーム業界の主要職種
続いてはゲーム業界の職種を紹介します。今回は主要職種の5つに絞って紹介していきますので、ゲーム業界の大枠の職種について学んでいきましょう。
■制作企画系
制作企画系には、ゲーム制作における企画や構成を担うゲームプランナー、開発スタッフへの助言や開発における各工程のスケジュール管理などを行うゲームディレクター、全体的なゲームの方向性を決める「統括マネージャー」であるゲームプロデューサーという3つの職種があります
アイデアを提案して終わりではなく、プログラマーやデザイナーにアイデアを正しく理解してもらうために、情報を論理的に整理して仕様書やデータに置き換える仕事もします。
発想力だけではなく、周囲を巻き込むコミュニケーション力、ゲームリリースまでの進行管理やメンバーのマネジメントも必要となるためバランス感覚が必要です。
■エンジニア
エンジニア系はさらに「クライアントサイドエンジニア」「サーバーサイドエンジニア」「フロントエンドエンジニア」などに分類されます。
実際にゲームを動かすためのプログラミング作業や、ユーザーがストレスなく快適にゲームをプレイできるようインフラ構築などを行っています。
制作だけでなく、サービスをリリースした後の莫大なアクセスを処理するのもエンジニアの大切なお仕事の一つです。
■デザイン系
ゲームデザインの管理と制作に携わる仕事です。
主に各種ゲームの登場キャラクターアイテム・背景など、作品中に登場する図柄をデザインするのが仕事ですが、場合によってはゲームの世界観やストーリー 、ゲームシステムなどを決める役割を担うこともあります。
ゲームデザインはCGを用いて行われるため、デッサン力だけではなくプログラミングスキルを身に着ける必要があります。
■サウンド系
ゲームの魅力を引き立てる音楽や効果音を制作する仕事です。作曲スキルに加えて、プログラミング言語を用いて音をデータ化する技術も必要とされることがあります。
ゲーム音楽はゲームの世界観に大きく関わる要素です。
そのため、音響だけでなくコンテンツ制作に関与することもあり、他職種と連携しながら作曲という業務に携われることが、ゲームサウンドクリエイターの特色です。
専門的な知識や技術がないと応募ができない職種のように思えますが、新卒採用でサウンドクリエイターを募集しているゲーム会社もあります。
■営業・バックオフィス系
営業は自社の新作ゲームタイトルを置いてもらえるよう実際に店舗に足を運んだり、ユーザーに向けて発売前のプロモーションを行ったりすることで、自社ゲームの認知度を上げ、売上に貢献します。
また、ゲームやキャラクターを、著作権や特許権などの面から保護する法務・知財知的財産管理や海外展開している企業では、翻訳・海外販売管理など、ゲーム開発・運営以外にも、制作を支える多くの業務があります。
志望動機の作り方のポイント
ゲームが好きであること、それはもちろんゲーム業界で活躍するために必要な要素です。
ただ、採用する側は、変化の激しいゲーム業界において、新たな価値を生み出し、流行を作り、会社に貢献してくれる人物を求めています
そのため、ビジネスの道具としてゲームをどう見ているか、自分なりに考え、語れるようにしておくことが大切です。
ゲームへの熱い思いは胸に持ちつつも、なぜファーストキャリを築く場所がゲーム会社でないとダメなのか、面接官を納得させることができる理由を突き詰めて、志望動機に反映させましょう。
なぜゲーム業界か
エンターテイメント業界を志すうえで「人を楽しませたい」「人を笑顔にしたい」という理由は前提にくると思いますが、なぜそれがゲームでないとダメなのか、ゲームを通じて実現していきたいことをロジカルに語れるようにしましょう。
また、プランナーを志す人は、企画書を書く練習をすることをおすすめします。プランナーの採用試験では書類選考や、面接時に企画を出すことを求められるケースが多いです。
企画書をゼロから考えて形にすることは容易ではありません。就活解禁前に準備をしておくことで、自信を持って採用試験に臨むことができるでしょう。
なぜその企業か
コンテンツを制作する会社には少なからず、その会社のカラーというものが存在します。
例えば、大人向けのゲームをメインに制作している会社で、子供向けゲームを制作したいと語った場合、なぜ自分たちの会社を志望したのかと面接官は疑問に思うでしょう。
また、大手企業であれば、ゲーム開発以外の事業を行っている場合も往々にしてあるため、志望職種以外の事業も把握しておいた方が良いです。
例えば、スクエアエニックスは出版事業も行っており、ゲーム開発者と書籍の担当者がチームを組み、業務を行っています。
その企業のカラーや全ての事業内容を把握した上で、自分がなぜこの企業でなけれないけないのかを伝えるようにしてください。
必ずすべきというわけではないですが、もっと良い印象を残したいという人は、選考を受ける前に志望企業のゲームをプレイし、意見を求められた際に応えられるようにしておくと、なお良いでしょう。
なぜ自分が向いているのか
採用HPの社員インタビューなどを通じてゲーム業界で活躍する方の人柄や仕事内容を知り、自分なりにどういう人物像が求められるのか考え、自身の経験や強みと絡めてアピールできると良いでしょう。
例えばゲームプランナーという仕事で「人と関わることが多い仕事だ」という印象を受けた場合、学生時代に仲間と何かを作りあげた経験がアピールになるかもしれません。
他にもプログラマーやデザイナーを目指す方は、変化を楽しめる性格であることを伝えられると、新たなプラットフォームが続々と開発されるゲーム業界において「この学生は自社で活躍できそうだ」と思ってもらえるでしょう。
ゲームに詳しいことは大前提とされますが、そのうえで自身の性格がどうゲーム業界の力になれるのか、具体的なエピソードと共に面接官に伝えるようにしてください。
志望動機の書き方
情報収集や自己分析を基に、伝えることが決まれば、あとは書くだけです。必ずしもオリジナルの構成にする必要はありません。
シンプルでわかりやすい文章構成が、相手を意識した書き方であり、読んでもらうコツです。
文章力に課題がある人は第三者にチェックしてもらうことで、「て・に・を・は」、接続語、「です・ます」調など細部まで整えましょう。
(1)志望動機をひと言で
(2)具体的に言うと
(3)理由(過去の経験と業界・その会社の関連性)
(4)入社後にどうなりたいか
志望動機の書き方、考え方を詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
関連記事:
・「志望動機の書き方~選考通過率をUPさせる方法~」
・「志望動機の正しい考え方やコツ~「志望動機がない…」と悩んでいる人必見~」
ゲーム業界3社の志望動機の例文
実際に選考を通過したESの志望動機の例文および考察から、書き方を学び自身のESや面接に活かしてください。
任天堂
2点目はインターンシップを通じて知った「積極的に最新技術を導入する風土がある」という点で、貴社は技術者として成長できる環境であると感じています。
⇨自分の夢やインターンシップを経験して実際に感じたことを交えて書けているのはとても素晴らしいですが、文字数が少ない場合はできるだけアピールする内容は1つに絞った方が良いでしょう。
何個も伝えようとしてしまうと、どうしても内容が薄くなってしまうため、1つに絞り、より詳細にアピールするということを意識した方が良い志望動機になるはずです。
バンダイナムコエンターテインメント
1つは「人々の心を動かし、行動させ、社会に影響を与えたい」からだ。このような夢を持ったのは、私が学生時代に企画・実行した「アイドルを学園祭に呼び、フリーライブを行う」という活動がきっかけだ。
もう1つは業界の垣根を越えてビジネスが展開されていくであろう社会をもっと楽しくさせたいと思っているからだ。Amazonのように今後、様々な企業が業界の垣根を越えてビジネスを展開すると考えている。私はそこにエンターテインメント性という付加価値を付けて、社会全体を楽しく、ワクワクさせたいという想いを持っている。
その中で貴社を志望する理由は、可能性が無限大な点である。貴社は世界的に有名なIPを所有し、そのIPの世界観を現実世界でも展開している。入社後はその貴社の強みを活かして、様々なビジネスに付随しながらシナジーを起こし、人々の心を動かしたい。
⇨志望理由を伝える際に過去の経験を交えてアピール出来ている点や、今後の業界のあり方を自分なりに考え、それに基づいて夢を伝えられている点はとても良いです。
ただ、貴社を選んだ理由の部分が「IPを所有しているから」のみだと、少し薄い印象を受けるため、もう少しその企業でなければいけない理由を書けるとさらに良い志望動機になるでしょう。
スクウェア・エニックス
この経験から、「日本のエンターテイメント・コンテンツを更に世界へ広げていく仕事がしたい」と考えるようになりました。貴社はデジタルエンタテインメント、アミューズメント、出版、ライツ・プロパティ等事業の4領域をグローバルに展開しており、様々なアプローチで人々に幸せを届けられることに大変魅力を感じ、貴社を志望させていただきました。
⇨志望企業の魅力として挙げている「複数の事業がグローバルに展開していて、様々なアプローチで人々に幸せを届けられる」という点が、過去の経験で「日本のエンターテイメント・コンテンツを更に世界へ広げたい」という夢と一貫性があり、説得力がある且つ熱意の感じる志望動機になっています。
もっと良い志望動機にするためには「日本のエンターテイメント・コンテンツを更に世界へ広げたい」という夢を一番始めに伝えるようにすると、相手が話の内容を理解しやすい構成になります。
レベルの高い例文集を見たい方は下記記事をご覧ください。
関連記事:
志望動機のおすすめ例文10選!
まとめ
ここ近年で新たなゲームジャンルが開拓され、その影響でゲーム制作会社も増えています。
また5G時代が来ることで、今まで出来なかったことがゲームで出来るようになり、ゲーム業界においての人材確保は今後、ますます求められるでしょう。
とはいえ、市場のトップに立つ「ソニー」「任天堂」「バンダイナムコHD」のような大手ゲーム会社は新卒採用市場において非常に人気のある企業であり、募集人数も多いとは言えないため、就職難易度は高いです。
ぜひ、ゲーム業界への就職を目指される方は大手企業だけでなく、中小企業も視野に入れてみてはいかがでしょうか。
志望動機の基礎から応用まで網羅的にノウハウを知りたい方は下記をご覧ください。
関連記事:
志望動機の書き方・例文
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