●面接で答える短所を考える際は「自己分析をする」「周りに聞く」「長所を短所に言い換える」と良い。
●面接で短所を伝える際は、短所を1つに絞り、努力や工夫でカバーできる短所を選ぶ。
●面接で伝えるべきではない短所は「遅刻癖がある等の非常識な短所」「身体的な特徴に関する短所」「仕事と関係ない短所」「志望職種に支障が出る短所」。
面接でよく聞かれる短所ですが、短所は言い換えると自分の欠点と言えるため「短所って正直に言っていいの?」「伝えて不利になる短所ってある?」このような疑問を抱いている就活生も少なくないと思います。
そのような疑問を感じている就活生に向けて、本記事では短所の考え方や面接で短所を聞かれた時の答え方、ポイント、回答例等を紹介します。
マイナスな印象を与えないように短所を伝えたいという人は、回答例を参考にして答え方をマスターしていきましょう。
企業が面接で「短所」を聞く意図
なぜ企業は面接で短所について聞くのでしょうか。理由としては、以下の3点が挙げられます。
●弱みへの向き合い方を知るため
●適性を判断するため
それぞれについて簡単に説明していきます。
自己分析ができているかを知るため
ビジネスにおいて、自らを冷静に客観視できる力は非常に重要な能力です。
また、能力を把握した上で、自分の欠点や課題を解決するために何をすべきか考えられる人は、入社後に活躍できる可能性が高いと考えられています。
そのため企業は学生に短所を聞くことで、将来自社で活躍できそうな素質があるかどうかを判断しようとしています。
また、面接ではネガティブな面を探しているわけではありません。
自分自身のことを客観的に分析ができる人材であるかどうか、自分の欠点に対してどのように考え行動するのかという人間性を知るために、短所を聞いていると言えます。
弱みへの向き合い方を知るため
面接官は短所を聞くことによって、その学生が自分の欠点を把握した上で、改善するためにどのような行動を取っているのかを知ろうとしています。
短所があること自体は何の問題もありません。大切なのは短所を改善するためにどのようなプロセスを踏んでいるのかという点です。
面接で短所について質問されたとしても、それは決してマイナス評価をつけるための質問ではないため、ごまかさずに、自分の短所に対する考えを具体的に述べられるようにしましょう。
適性を判断するため
企業は活躍してくれる人材、かつ長く働き続けてくれる人材を採用したいと思っているため、採用する前にその人の適性を判断することができる短所を質問します。
短所を伝える際は、その企業での職種で不利にならない短所かどうかを確認してから答えるようにしましょう。
例えば銀行業界を志望している就活生が「細かい作業が苦手」という短所を述べてしまうと、銀行員の適性がないと判断され、選考通過が難しくなってしまう可能性もあります。
そのため、まずはその志望職種にはどのような適性が必要なのかを調べ、その上でどのような短所を伝えるか決めましょう。
また、「時間を守れない」「責任感がない」などといった社会人としての当たり前のことができないと思われてしまうような短所は避けるようにしてください。
面接で聞かれる「短所」の考え方
自分の短所がわからないという人に向けて、以下で短所の考え方を3つ紹介していきます。
3つの中で自分に合うものを選び、試してみてください。
自己分析をする
短所の考え方1つ目は「自己分析をする」です。
自己分析を通して生まれた時から今までの人生を振り返り、過去の出来事に対してどのような行動を取ったか、何を感じたかを思い出してみましょう。
そうすることで、あなたの苦手なことや、嫌だと思うことが見つかるはずです。
例えば「高校の部活動で、みんなの前で話すのが苦手だった」と感じる人の短所としては「緊張しやすい」「控えめ」などのような短所が考えられるでしょう。
自己分析にはたくさんの進め方が存在するため、自分に合ったものを行ってみてください。
本サイトでは以下5つのやり方をオススメしています。気になる方は以下の記事をチェックしてみてください。
周りの人に聞く
短所の考え方2つ目は「周りの人に聞くこと」です。
家族や友達など、周りの人に聞いてみることによって、自分では気づけなかった短所が見つかるかもしれません。
周りの人に短所を聞く場合は、「どんなところが短所だと感じるのか?どうしてそれが短所だと感じたのか?」と理由まで深掘りするようにしましょう。
短所だけ聞いても具体的な理由までわかっていなければ面接などで深掘りされた際に答えることができないため、どのような行動を見て、そう思ったのかまで聞くようにしてください。
長所を短所に言い換える
短所の考え方3つ目は「長所を短所に言い換える」です。
これは自己PRでアピールしようと思っている長所の裏返しを、短所として伝えるという方法になります。自分の短所はわからないけど、長所ならわかるという人に特にオススメの考え方です。
さらに、この方法で短所を考えることで、長所と短所に一貫性が生まれるため、より信憑性のあるアピールをすることができます。
就活生の中には面接で伝えている長所と短所が矛盾してしまっている人も少なくありません。
例えば、長所では「行動力がある」と伝え、短所では「フットワークが重い」と伝えてしまう等、このような矛盾が気づかぬうちに生じている可能性があります。
一貫性がないアピールをしてしまうと「この学生は自己分析を十分に行っていないんだな」「選考対策が不十分だ」とマイナスな印象を持たれてしまうため、長所と短所には一貫性を持たせることが大切です。
「自分の長所は裏返すと何になるんだろう…?」という人は、以下画像を参考に短所を見つけてみてください。
面接で「短所」を聞かれた際の答え方
短所を答える際は上記のフレームワークに沿って答えるようにしてみてください。
最初の結論の部分では「短所は周りに頼ることが下手なところ」といったように、まずは自分の短所が何なのかを簡潔に述べます。
そしてそれがなぜ自分の短所だと思うのかを過去の経験等のエピソードを交え、具体的に話します。
次は自分の短所に対して、改善するためにどのような行動を起こした(起こしている)のかについて話しましょう。
改善方法まで伝えることができたら、最後のまとめとして、短所を改善するために行ってきた努力や経験を通して、入社後どのように活躍できるのかを具体的に伝えます。
この流れに沿って短所を伝えることができれば、面接官は短所を通してあなたの人柄をイメージすることができ、印象に残りやすくなると言えるでしょう。
また、改善方法のエピソードを語る際のポイントとして、数字などを用いてアピールすると、具体性が出て説得力が増すため、オススメです。
「面接の質問」への答え方の詳細、注意点、面接官のタイプ別対策方法を知りたい方は下記の記事をご覧ください。
面接で「短所」を伝える際のポイント
ここでは面接で短所を伝える際のポイントを3つ紹介します。これから面接を受ける就活生はぜひ参考にしてみてください。
努力や工夫でカバーできる短所を伝える
面接で伝える短所を選ぶ際は、努力や工夫でカバーできる短所を選ぶようにしましょう。
上述していますが、企業はただ就活生の短所を知りたいわけではなく「短所を改善するためにどのような行動を取っているのか」を知りたいと思っています。
そのため、努力や工夫でカバーできない短所では、面接官の質問の意図に沿った回答にならないため、避けた方が良いでしょう。
短所もアピールの1つとして捉え、あなたが自分の短所に対してどのように向き合っているのかを具体的に伝えてください。
ポジティブな印象を与える伝え方をする
短所について伝えようとすると「○○ができない」のような、ネガティブな言い回しになりがちです。しかし短所だからこそポジティブな言い回しで伝えることが大切です。
例えば「協調性がないのが短所です」と伝えるよりも「こだわりが強く妥協できない性格なので、周りの人と意見が衝突することがあります」と伝えた方が、面接官もポジティブな印象を受けるはずです。
また「苦手」は「得意ではない」、「難しい」は「努力が必要」など、ポジティブな言い方にするだけでも面接官が受ける印象も変わるでしょう。
このように、短所を伝える際は少しでも前向きに捉えられるような言い回しをするように心がけてみてください。
短所は1つに絞る
面接で伝える短所は1つに絞るようにしましょう。再三お伝えしていますが、面接官が知りたいのは短所そのものよりも、短所への向き合い方です。
複数の短所をアピールしてしまうとその分1つの短所にかけられる時間が少なくなり、最も重要な向き合い方の部分が薄くなってしまうでしょう。
それでは、ただ短所を伝え印象を下げているだけになってしまうため、短所は1つに絞り、エピソードや改善方法を丁寧に伝えるようにしてみてください。
面接で「短所」を聞かれた際の回答例
ここまでで短所を述べる際の流れについて理解できたと思います。
続いては、大手企業内定者が実際に短所をどのようにアピールしていたのか、例文を見て学んでいきましょう。
以下ではよくある短所の回答例を18個紹介します。また回答に対して想定される質問も併せて紹介しているので、チェックしてみてください。
心配性
■例文1
私には少しの勇気と自信が足りていないことに気付かされたので、日々様々なことに挑戦して自分に自信をつけていく努力をしております。
【想定追加質問】
⇨どのようなことに挑戦してますか?
■例文2
それまでの努力が徒労に終わってしまうこともあるため、「自信を持つこと」と「1日1日を充実した取り組みをする」という2点を常に念頭に置き、自分の短所をなるべく軽減させるようにしています。
【想定追加質問】
⇨充実した取り組みにするために、具体的にはどのようなことをしていましたか?
⇨自信を持つために、何か意識していたことはありますか?
優柔不断
■例文1
【想定追加質問】
⇨どのような判断基準や判断根拠を持っていたのですか?
⇨判断基準や判断根拠はどのように決めましたか?
■例文2
自分だけで判断するのではなく、周囲の人からの意見も柔軟に取り入れた最適な決断をしようと意気込んでしまうことが原因だと思います。迷う際には、優先すべきポイントや軸を明確に定めること、決断力を磨く書籍を読むなどし、克服を目指しています。
【想定追加質問】
⇨優先すべきポイントや軸はどのようにして定めましたか?
⇨決断力を磨くためにどのような本を読みましたか?
せっかち
■例文1
改善するために、常に周囲をよく見て他の人のペースに合わせることを心掛けています。自分だけが先行せず、全体の様子を見ながら物事を進めるように気をつけています。
【想定追加質問】
⇨他の人のペースに合わせる際に意識してることはありますか?
■例文2
この短所を克服するために、行動の前に何をするべきか予定や計画を立てた上で行動するようにしています。
【想定追加質問】
⇨具体的にどのように予定や計画を立てていますか?
緊張しやすい
■例文1
【想定追加質問】
⇨本番をイメージして準備をするとは具体的にどのようなことをしていますか?
⇨プレゼンなどに挑戦する際に意識していることはありますか?
■例文2
これからは、多くの人の前で話す場など、今まで避けてきたような場面に身を置くなどして、様々な場面で経験を積んでいくことで、克服していきたいと考えます。
【想定追加質問】
⇨本番に自信を持って臨める状態にするために、どのようなことを行っていましたか?
人見知り
■例文1
【想定追加質問】
⇨アルバイトでは具体的にどのようなことにチャレンジしていましたか?
■例文2
この経験から現在は、自分で頑張って分からないことがあったらすぐにメンバーに聞くようにしています。また、人見知りを改善するためにアルバイトの新人や、サークルの新入生たちに自分から声をかけるように心がけています。このような取り組みの結果、以前よりも打ち解けるスピードが早くなったと感じています。貴社に入社しても、プロジェクトをチームのメンバーと円滑に進めるために自分からコミュニケーションをとっていきたいです。
【想定追加質問】
⇨元々人に質問するのが苦手だった中、聞けるようにするためにどのような行動を取りましたか?
マイペース
■例文1
私はこの経験から、自分が自分のペースに納得していても、チーム内でコミュニケーションをとらなければ迷惑をかけてしまうことを学びました。ですがそれでも、自分のこだわりは常に大切にしていきたいと感じることもできました。今では、チームにも自分の計画などを共有し、意見などをまとめてから作業を始めようと心がけています。
【想定追加質問】
⇨具体的にどのようなコミュニケーションが必要だと思いますか?
⇨チームに自分のこだわりや計画などを伝える際に意識していることはありますか?
■例文2
【想定追加質問】
⇨周りを把握するために心がけていることは何ですか?
頑固
■例文1
海外経験を通じて多様な価値観への受容力が身についたので、他者の意見をまず否定するのではなく、一度違う視点からの意見として理解してから自分の考えを責任を持って伝えるように心がけています。
【想定追加質問】
⇨海外経験を通じて~」と言っていましたが、具体的にどのような経験を通して受容力を得ることができたのですか?
■例文2
【想定追加質問】
⇨他人の意見を吸収するために、他に何か取り組んだことはありますか?
慎重
■例文1
【想定追加質問】
⇨「行動に移すのに時間がかかる」と言っていましたが、それを改善するために周囲にアドバイスを求める以外に行っていたことはありますか?
■例文2
私の所属する学校は大学2年時の冬に志望するゼミを決め、そのための試験を受けます。結果的に希望のゼミに合格したのですが、準備に取り掛かるのが遅れ、一次募集では落選してしまいました。慌てて対策を取り、事なきを得ましたが、この苦い経験を踏まえ、今では優先順位を立てて物事に取り組むよう心がけております。
【想定追加質問】
⇨「慌てて対策を取り~」と言っていましたが、具体的にどのような対策を行ったのですか?
⇨優先順位を立てる際に、意識していることは意識していることはありますか?
計画性がない
やるべきことを細分化し短期目標の達成を繰り返すことで、大きな目標を達成できたと考えています。この経験を他の授業や研究に活かし、短所の克服に努めています。
【想定追加質問】
⇨「短期目標の達成を繰り返すことで~」と言っていましたが、自分で決めたことを維持するために何か心がけていたことはありますか?
面接でよく聞かれる質問集と回答例は下記の記事を参考にしてください。
面接で「短所」を聞かれたときに避けるべき内容
ここでは面接で短所を答える際に避けた方が良いものを紹介します。避けるべき短所がどんなものなのかを知り、面接の際に活かしてみてください。
非常識な短所
「企業が短所を聞く意図」の部分でもお伝えしましたが、社会人として当たり前のことができないという短所を伝えるのは避けるようにしましょう。
例えば、「忘れ物が多い」「遅刻癖がある」などといった社会人として出来て当たり前のことができていないとシンプルにマイナスイメージを与えてしまい、「この学生とは一緒に働きたくないな」と思われてしまう可能性が非常に高いです。
そのため、短所を答える際は、そういった短所を避けつつ、本当にそのような短所があるという人は、社会人になる前に直しておくようにしましょう。
身体的な特徴に関する短所
体型や体質、例えば「身長が低い」「病気がち」など、自分の努力で改善しにくいものを短所として伝えるのはやめましょう。
身体的な部分はいくら努力をしたところで、変えるのは難しいです。
上述していますが企業は短所に対する改善策を聞くことでその人の人柄を知ろうとしているため、努力しても変えられないことを伝えても、全く何のアピールにもなりません。
身体的なものではなく、内面的な弱みを伝えるようにしましょう。
仕事と関係ない短所
仕事に全く関係しない短所を伝えるのもやめましょう。
例えば「運動が苦手」「家事ができない」等のような、仕事に全く関係ない短所に関しては、企業も別に知りたくありません。
企業が短所を聞く意図をしっかりと理解し、その意図に沿った回答ができるように心がけましょう。
志望職種に支障が出る短所
こちらも企業が短所を聞く意図の部分でお伝えしましたが、企業は短所を聞く際に「その就活生に自社業務の適性があるか」を判断しようとしています。
そのため、志望職種で求められている素養がないと判断されてしまった場合、選考通過は一気に難しくなってしまうと言えます。
例えば営業職の選考で「人と話すのが苦手」「コミュニケーション能力がない」という短所を伝えてしまうと、自社には向いていないと判断されてしまうでしょう。
そうならないためにもまずは志望職種では具体的にどのような仕事を行うのかを理解し、その仕事を行うにはどのような素養が必要かを考えた上で、マイナスにならない短所を選ぶようにしましょう。
短所はありません
「短所がないって答えた方が印象いいのかな?」「少しでも印象を良くしたい!」のような気持ちから、面接で「短所はありません!」と答えてしまう人も少なくないのではないでしょうか。
しかしそのような回答は正直逆効果であり、避けた方が良いと言われています。理由としては短所は誰にでも必ずあるためです。
つまり「短所はない」と答えてしまうと「この学生は自己分析が足りていないな…」と逆にマイナスな印象を持たれてしまう可能性があります。
また面接官は短所の内容よりも、その短所に対してどのような行動を取っているのかについて知りたいと考えています。
そのため短所はないと答えるのではなく、その短所に対してどのように向き合っているのかを積極的にアピールしていくようにしましょう。
まとめ
本記事では面接で短所について聞かれた際の回答方法について紹介してきました。
面接で答える短所を考える際に大事なことは、努力や工夫でカバーできる短所を選ぶということです。
本記事でもお伝えしていますが、面接官は短所を聞いて就活生の弱みへの向き合い方や適性を判断しようとしています。
努力では直らない短所を伝えてしまうと、面接官の意図に沿った回答ができなくなってしまうため、短所を伝える際は必ず克服できる短所を伝えるようにしましょう。
その際はぜひ本記事で紹介した例文も参考にしてみてください。
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