ガクチカを作成していく中で「これで大丈夫かな?」と不安になっていませんか?他にも「例文を参考にして自分のガクチカを更に良くしたい」と考えている人も多いかと思います。
本記事ではゼミと学業(留学、資格)に関する例文や書き方を紹介しています。書き方を学んでガクチカをマスターし、あなたの選んだ題材と同じ分野の例文を参考にしてより魅力的な例文を作成することであなただけのガクチカを作成しましょう。
ガクチカとはなにか?
就活を始めて「ガクチカ」という言葉をよく耳にするかと思います。「ガクチカ」とは「学生時代に頑張ったこと・力を入れたこと」の略称です。
実際の選考では「学生時代に最も打ち込んだことを教えて下さい」「学生時代、どのようなことに取り組みましたか?」と質問の仕方は企業によって変わりますが、志望動機や自己PRと同じ様にESや面接でよく聞かれる問題となっています。
頻出問題の1つに該当するので、ガクチカについて理解をしておきましょう。
面接官がガクチカを聞く理由
ガクチカが「学生時代に頑張ったこと」だと分かった人は、面接官がガクチカを質問する理由を知っておきましょう。なぜ質問をするのか?という背景を知ることで、書く際にどのようなことを押し出せばは良いのかが理解出来ます。面接官がガクチカを聞く理由は、下記になります。
✓意欲や人柄を知るため
困難への向き合い方を知るため
企業側は長く一緒に働きたいと考えています。社会に出ると学生の頃には経験しなかった壁に直面することがたくさんあり、挫折を経験する人も出てきます。そのためガクチカを通して「困難を乗り越えた経験や乗り越え方」を知ることで、入社後に生じる困難に対して「どの様に行動するのか?」「仕事への向き合い方はどうか?」を面接官はチェックしています。
意欲や人柄を知るため
面接官は、エピソードの中身から「その人はどんな役回りに徹するのか?」「どのような人間性や価値観を持っているのか?」を見極めようとしています。そこから「社員と良い関係性を築けるのか?」「当社とマッチする人材か?」を知ろうとしています。
そのため例えアルバイトを4年間続けていたり、部活の全国大会で優勝していたりしても、「能動的な行動」「何も得るものがなかった」「困難を乗り越えようと努力しなかった」のであれば、ESが通過することは難しいです。
大きな実績を残していなくても、あなたなりに頑張ったことがあれば、それをアピールすれば良いです。
ガクチカのテーマとして使える題材
「面接官が質問する理由は理解できたけど、結局何を書けば良いの?」と悩んでいる人は、下記を参考にテーマを探してみましょう。
ガクチカで使われやすいテーマ
まずは、ガクチカで使われやすいテーマを紹介します。他の学生もよく使うことから、文章の流れが整っていなかったり、具体性がなかったりすると他の人よりもマイナスの評価になりやすくなる可能性があるので、注意しましょう。
下記の内容がガクチカで多く用いられている内容となります。
✓ゼミ・学業
✓インターン
✓アルバイト
どんなに素晴らしい取り組みをしていても面接官に伝わらなくては意味がないので、「なぜそれをやろうと思ったのか?」「どれぐらいの成果が出たのか?」等を詳しく記載することを意識してください。
日常生活に隠れているガクチカ
次に日常生活にあるテーマを紹介します。人によっては「書けるエピソードがない」「サークル等に所属していない」と悩んでしまう人がいます。しかし、「部活で優勝した」等のような出来事でなくてもガクチカに書いて構いません。例えばどのようなテーマがあるのか下記を確認してみましょう。
✓筋トレを毎朝行っている
✓日記を毎日続けている
✓毎朝5時に起きている
✓犬のしつけで、〇〇の技を取得した
✓勉強を毎日○時間行っている
✓資格の勉強
✓趣味(映画ノートをつけている、ハンドメイド商品を販売等)
✓友人の悩み相談にのる際は、〇〇を意識した
✓流行を誰よりも早くキャッチアップして、SNSで発信する
✓スキマ時間の有効活用法を考えた
✓本を年間○冊読んだ 等
例えば、「ハンドメイト商品を販売して始めは1日3個しか売れなかったが、〇〇をしながら販売をしたら1日10個も売れるようになった」のように事実を記載します。
どれぐらい変化が起きたのかという実績を記載するだけでなく「なぜ行おうと思ったのか」「具体的に何をしたのか」「その出来事から何を学んだのか」というあなたの考えや価値観をより詳しく記載しましょう。
さらに詳しく知りたいという人は下記を確認してみてください。
▶参考:「ガクチカがない」と悩んでいる学生必見!~書き方・テーマ・題材の見つけ方を紹介~
評価されるガクチカの特徴
面接官がガクチカを質問する理由がわかった人は、どうすれば評価が高いガクチカを書くことができるかを確認していきましょう。大前提、指定された文字数に収められているか、誤字脱字はないか、専門用語を使っていないかは守るようにしましょう。
そのうえで、下記が出来ているガクチカは評価が高い傾向にあります。
✓数字を使用している、または第3者目線の評価を記載してある
■結論ファーストで記載
エピソードをダラダラと記載するのはNGだと覚えておきましょう。面接官は何十人ものESを確認しているため、全員のESを細かく見ることは難しいです。そのため、読みにくいESや伝えたいことが分からないと感じられたら、先を読んでもらえなくなることも大いにあります。
最後まで読んでもらうためにも、先に結論を伝え「これから〇〇について説明するんだな」とエピソードの全体像を理解してもらうことが大切です。
■取った行動に対する、具体的なエピソードが書かれている
ガクチカを書いている皆さんは、エピソードを詳細に理解しているため抽象度が高くてもエピソードの内容を理解出来ますが、面接官は初めて見るため、具体的に説明をする必要があります。例えば「〇〇を頑張りました」という内容は抽象度が高いです。
そこで、「バイトの教育係として〇〇を行ったことで、独り立ちまで3ヶ月かかるところを1ヶ月に短縮させることができた」のように具体的に説明をするように心がけましょう。
■数字を使用している、または第3者目線の評価を記載してある
ESのガクチカでは決められた文字数の中であなたが行った成果について具体的且つ分かりやすく伝えなくてはいけません。そのため「サークルの参加率20%を80%にした」等のように数字を使うことで、具体性が増し、あなたの行動でどのような成果に繋がったのかを分かりやすくアピールすることができます。
他にもエピソードに説得力を増すためには、第3者からの意見を入れると良いです。例えば「〇〇をした結果、皆から助かったと言われた」「始めは皆からは成功しないと言われていた」等のような内容を伝えましょう。
ガクチカの書き方
ガクチカを書く上での注意点を理解できた人は、ガクチカをどのような流れで書いたら良いのかを紹介するので、書き方を見ながら実際に作成してみましょう。
ガクチカは『結果→動機→目標と課題→取り組みや対策→結果→学び』の順番で記載すると、面接官に分かりやすく、かつ論理的に説明することが出来ます。
結果
最初に、一言で学生時代に頑張ったことを述べましょう。数字を使って記載できる場合は、具体的な数字を使いましょう。
例えば「学生時代に頑張ったことは30人が所属しているバスケ部の部長として、退部率を20%まで引き下げたことです」のように記載します。文字数によっては「学生時代に頑張ったことは」を削除しても構いません。
動機
次になぜ、結果で記載したことを取り組もうと考えたのかを述べます。文字数によっては自分の感情や周囲からの声を入れると動機に説得力が増します。
例えば「”部員同士の交流の場が少なく楽しくない”という思いから、入部1年目で辞めていく同級生が半数以上いたことに問題意識を感じました」等のように記載しましょう。
目標と課題
続いて、どんな目標を掲げ、どんな課題に直面したのかを記載しましょう。ここでも変化を数字で表せる場合は、数字を使います。
例えば「まずは新入生の退部率を40%まで抑えることを目標に、〇〇を行いました。そこで、△△という課題があり、退部率を下げるのは容易ではありませんでした」のように記載します。
取り組みや対策
上記の課題に対しての取り組みや行った対策について述べていきます。「話を聞いた」等のように抽象的な言葉は使わず、「どの様に話を聞いたのか」を具体的に記載することがポイントです。
例えば「相手の意見を尊重しながら、本質となる課題を解決するために全員と1対1で対話をしました。その上で意見をカテゴリー化しながら何が課題かを考え、〇〇という問題を見つけ出し、△△を行いました」と記載します。
結果
その取り組みを行ってどうなったかを述べます。ここの部分は1~2文程度で収められるようにしましょう。
例えば「結果、〇〇することができ、退部率を20%まで引き下げることができました」のように記載します。
学び
ガクチカを書いたエピソードから学んだことを述べましょう。ここでも1~2文程度で収められるように記載します。
例えば「部員の声に耳を傾けることで〇〇ができることを学びました」のように記載しましょう。文字数によって、どうしても他の箇所を削ることが出来ない場合は「学び」を記載しなくても大丈夫です。
更に詳しく書き方を知りたい人は下記を確認してみましょう。
▶参考:評価される「ガクチカ」の書き方を解説|見直しに役立つ”チェック表”つき
ガクチカでゼミ・学業を書く時の注意点
ゼミでの研究や個人で行っている学業は専門性の高い内容であることが多いので、初見の人が読んでも伝わるように分かりやすく内容を平易にして書きましょう。
ただし、補足に多くの文字数を割いてしまうのはNGです。なぜなら、ガクチカで伝えるべきことは『どんな目標を立てて』『どのようにアプローチしたのか』といった課題解決能力だからです。
また、相手に伝わりにくいことがあるので成果や実績は必ず具体的に伝えましょう。
例えば『教授に~という点を評価していただきました』ではなく、『教授に~に関して先行研究がないという点で独自性があると評価していただき、最高評価であるA評価をもらうことができました』といったイメージです。
受験に関して書くことはあまりおススメできません。なぜなら、努力するのが当たり前だからです。受験で頑張らなければ結果は出ませんし、頑張っていない人などいません。
海外の大学を受験して合格した実績や特待生になるために勉強を極めたなど特筆すべき内容がない限りは書かない方が無難でしょう。
ガクチカ「 ゼミ・学業 」に関する例文
評価されるガクチカの特徴がわかった人は、他の人の例文を見ながらレベル感を確かめてみてください。自分のガクチカが「何か足りない」という人はどこが足りないのかを明確にしましょう。
例文で色分けを行っていますが、下記の内容ごとに行っていますので参考にしてください。
ゼミ
労働経済の分野について詳しく研究したいと考えたためである。
ワークライフバランス施策に関するテーマを設定し、優秀賞を取ることを目標とした。
仮説と検証結果のズレをもとに何度も分析と修正を行うことが最も困難だと感じた。特に施策の一つである在宅勤務の生産性とメンタルヘルスの関係についてである。仮説では在宅勤務は生産性を低下させるがメンタルヘルスには好影響を与えるとしたが、様々な論文から抽出した結果はメンタルヘルスにもマイナスの影響があったのだ。ここで私はグレーテルという統計解析のソフトウェアを用いて約400社を対象とし統計学を勉強しながら分析を行ったところ、この結果を裏付ける統計を得ることができた。
このように検証と分析をしつこく繰り返した結果、優秀賞を取ることができた。
ゼミでの経験から、数値に基づいた検証を行うことの有用性を学んだ。
→『在宅勤務の生産性とメンタルヘルスの関係』というように困難だった内容を具体的に書けているため非常にわかりやすいガクチカとなっています。
最後の『結果を裏付ける統計』がどのような内容だったのかまで詳細に書けるとより分かりやすいガクチカとなります。
環境問題の深刻化に向き合いたいと考えたためである。
分子間力プローブ顕微鏡に関して世界初の応用を試みたが、前例がなく全てが手探りだった。
そこで、実際に木材学会にも出席し発表や意見交換を活発に行ったり、他大学と共同で研究したりしたことで新しい研究結果を求めた。
私の代だけでは完遂できなかったため、今でも後輩たちが引き継いで研究している。
→一見、短い文字数ながら書きたいことを詰め込めているように見えますが、過去の事象を羅列しただけとなっており専門性が強く初見では理解が難しいです。意見交換や共同研究でどんな成果を得たのか、後輩たちに引き継ぐまでに自分たちはどこまで進捗したのかまで書くようにしましょう。
また、明確な結果を書いていないため評価をしにくいガクチカとなっています。こうした専門性の強い内容の場合、もっと文字数が多いガクチカないと補足説明を入れることが難しいです。
上記のような専門性の強い研究内容を取り扱う際には、『取り扱う分野に関する研究を行っている企業』や『非常に多くの文字数が設定されている企業』などに限定して提出するようにしましょう。
学業
■留学
日本の文化がない環境で成長したいと考えたためだ。
モロッコ留学では海外文化を体感し異文化への理解を深めることを目標とした。
イスラム文化に触れるのが初めてだったため現地コミュニティに馴染めなかった。私が留学した地域では非常に仲間意識が強かったためである。現地の友人から指摘されてムスリムの生活に順応していないことが原因だと分かったため、私は食生活や生活リズムを変えた。さらに、イスラム教の生活文化を学んだり、肌の露出を控えたり一緒に礼拝をなどを行った。私が行動ベースで彼らに対しての理解を示したため、現地の人たちは徐々に私のことを受け入れたのだ。
最初は友達がほとんどいなかった私だが、彼らが日本に来た際には案内をするほど仲良くなることができた。
モロッコでの留学経験から、本当の意味で相手のことを理解するにはその背景にある文化まで受け入れる必要があることを学んだ。
→留学中に直面した困難を具体的に書き、どのように改善したのかまで書いてあるため分かりやすいガクチカとなっています。
結果では、友達がほとんどいなかった状態から日本の案内をするほど仲が良い友達ができた状態に変化したことが書かれているためどんな成長ができたのかが分かりやすいです。
異なる国の大学に行き、様々な英語に触れ合うためである。
2か国目の大学では英語の発音や語呂などが1か国目とは全く異なり最初は会話することさえ苦労した。
地域独特の言い回しやニュアンスなど分からないことをその場で聞き直し、英語で理解するよう意識したことで多種多様な英語を学んだ。
帰国後には留学の経験を活かして海外の観光客向けのガイドとして活躍することができた。
→文字数が限られているため伝えられることが限られています。こうした時は、何か一つのことに絞って書くと良いでしょう。
また、2か国目で直面した困難に対して具体的な改善策が記されているのでどんな工夫をしたのか分かりやすくなっています。
■資格
最初は就活で使うために受けていたが、途中から前回の自分を超えるために続けた。
毎回結果を分析しているとリスニングが苦手であると分かった。
原因は英語を実際に使う機会が少なかったからだ。そこで私は米軍基地の近くにある飲食店でアルバイトを始め英語を使う機会を設けたが、初めは全く話せなかった。聞き取れなかった言葉を同僚に聞いたり、常連のお客様にイギリス英語とアメリカ英語の違いを教えてもらったりしたことで体感的に英語を学んだ。また、頭の中で日本語から英語に変換して話す癖を矯正するために言葉の意味などを英語で理解したことで、日常会話や会話中のジョークなども分かるようになった。
こうした取り組みのおかげでリスニングへの苦手意識がなくなり目標の950点を獲得することができた。
アウトプットする機会を設けることで知識は初めて役に立つことを学んだ。
→950点を取るまでの努力がきちんと書かれているためどんな経緯を経たのか分かりやすくなっています。
しかし、TOEICのように終わりがないものに関しては『なぜもっと上を目指さなかったのですか?』といった内容の質問を面接でされることがあるのでしっかりと準備しておきましょう。
そして資格を活かすために税理士法人で長期インターンを始めたが、実務に全く活かせなかったのだ。
分からないことを社員の方々に聞き、毎日業務に関するPDCAサイクルを回すことで資格取得時に身に付けた知識を実務レベルで活かせるレベルに昇華させた。
長期インターンでの経験から、知識とはアウトプットできて初めて意味があると学んだ。
→よくあるガクチカです。全体的に抽象度が高く自己分析が甘い印象を受けます。
どんな資格を取得して、どのような実務で通用しなかったのか具体的に書くようにしましょう。
例えば、『簿記1級を取得したことで書類に記載されている意味は理解できたが、記載されているデータを効率的に資料にまとめる能力が必要であることが分かった』というように具体的な経験が書けると魅力的なガクチカになります。
もしくは、『宅地建物取引士試験に2回落ちたため、知識を吸収する学習スタイルから同級生と授業をし合う能動的な学習方法に変えました。相手が分からない箇所がないように平易かつ具体的に説明することを意識したのです。』のように資格取得時に苦労したことや工夫したことを書きましょう。
ガクチカの見直しで利用できるチェック表
例文を見て他の人のレベル感が確認が出来た人は、下記のチェック表を基に「自分の文章に足りないところはないか?」「修正すべき点はないか?」「例文との違いはどこか?」を確認してみましょう。
チェック表を利用して完成度の高いガクチカを書けるようになりましょう。
まとめ
本記事では、評価されるガクチカの特徴と例文を紹介しました。例文を全て転用してしまうと著作権に反してしまいます。他にも面接官は何十人もの学生のESを確認しているため、転用をしていることがバレてしまうこともあります。
そのため、あくまで参考程度に自分に足りないところを補う要素として使用しましょう。そして、作成ができたESは大人の人に読んでもらい「話が通じるか?」「今の内容で具体性があるのか?」を確かめてもらうことをオススメします。
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