「インターンシップの感想文で出さなきゃいけないの?」「どうやって書けばいいの?」という疑問を持っている人に向けて、インターンシップ後の感想文の重要度や書き方の5つのステップを紹介していきます。
また、ありがちな例文とその例文の修正点も解説していますので感想文を書く際にぜひ参考にしてみて下さい。
なぜ企業はインターンシップ後の感想を求めるのか
インターンシップに参加した後にアンケートや感想文を求められることがあります。
「項目ごとにチェック欄があるだけのアンケート」と「インターンシップに参加した感想を求められる感想文」があり、アンケートは学生からのフィードバックをもらうことが目的ですが、感想文の場合はフィードバック以外の目的があることが多いです。
インターンシップの趣旨が学生に伝わっているかの確認をするため
参加者に感想文を提出してもらいその内容を確認することで、参加者である学生たちがインターンシップの趣旨を理解してくれているかどうかを企業は知ることができます。
インターンシップに対する学生たちの理解度が高ければそのインターンシップは成功であるといえますが、もし趣旨が伝わっていなければ企業はそのインターンシップを改善しなければなりません。
企業にとっては学生たちから直接参加した感想が聞ける貴重な機会なのです。
参加者の学習能力を見極め本選考の参考にするため
同じインターンシップに参加しても吸収力には個人差があるので、その差を感想文を通じて見極めるのもう一つの目的といえます。
多くの人が参加するインターンシップではグループとしての成果を判断することはできますが、個人の能力までを正確に判断することは難しいです。
企業は学生に感想文の提出してもらうことで個人の能力を判断しようとしているといえます。
また、企業側の視点では個人の能力を見られてしまいますが、参加者としては他の学生と差別化を図りアピールできるチャンスでもあります。
インターンシップで活躍できた人はさらに他者と差をつけることで本選考をさらに有利に受けることができます。
一方で、インターンシップで活躍できなかった人も他の参加者を差を埋め、挽回できるチャンスでもあります。
インターンシップ内での活躍だけでなく、インターンシップ後の感想文でも評価されていることを意識しておかなければなりません。
インターン後の感想の重要度
チェック欄が設けられただけのアンケートと参加した感想が求められる感想文があります。
チェックすることがメインのアンケートであれば企業は学生からのフィードバックが主な目的なので本選考に影響することが少なく、あまり重要視されていないと言えるでしょう。
しかし、感想文の場合であれば学生からのフィードバックだけでなく学習能力を判断する場合もあるので本選考に影響することが少なからずあります。
答え方としては、チェックがメインのアンケートであれば各項目に素直に回答し、『その他』の欄があれば最後にお礼と感想を簡潔に書いておくとよいでしょう。
一方で、感想文であれば本選考に影響することがあるので慎重に書かなければなりません。以下では感想文を書くのに大切なことを紹介していきます。
インターンシップ後の感想で意識すること
インターンシップ後に提出を求められる感想文で良い印象を残せるように、感想文を書くにあたって意識するべきことを紹介していきます。
ただの感想だけで終わらせない
企業は今後の選考における判断材料として感想文を課しているのであって、ただの感想が聞きたいのではありません。そのため、『面白かった』『参考になった』などただの感想を述べているだけでは他の学生との差別化は図れません。
例)Web記事を書くときには難しい言葉を使わない方がいいということが学べて非常に勉強になりました。
感想を述べるときには必ず根拠を付け加える
では、①のように感想だけで終わらないために意識するべきことは何でしょうか。
それは感想の前に根拠を述べておくことです。
『なぜ面白いと感じたのか』『なぜ参考になったのか』というように『なぜ』を意識して書くとよいでしょう。
例)『〇〇ということを学び、これまで△△という考え方だったのが××という考え方に変わったため、今回のインターンシップはとても勉強になりました。』
経験したこととそこから得た学びを具体的に書く
インターンシップから『何を学んで』『何を得たのか』を具体的に書くようにしましょう。
これらのことを具体的に書くことで、企業は学生がインターンシップの趣旨を理解しているのか確認することができますし学生は自分の理解度を伝えることができます。
例)今回のインターンシップに参加し〇〇のプログラムで学んだ〇〇という考え方から、今まで××という意識が××という意識に変わったため、今後△△という場面で非常に役立つ考え方であると感じました。そのため、今後△△をするときには××という意識をもって取り組もうと思います。
マイナスなことは書かない
感想文やアンケートで改善点や問題点などのマイナスなことを書くのはお勧めしません。
企業の人事にマイナスなイメージを与えてしまう可能性があるからです。
そもそも企業はそれなりの人・時間・コストをかけてインターンシップを作り上げているため、多くの人は「面白かった」「参考になった」といった感想を強く抱くはずです。
感想文その日のうちに書き上げよう!
インターンシップの経験は日が経つと忘れてしまうことがありますし、提出期限を遅れてしまうこともあります。そのため、一番記憶に残っている当日のうちに書いてしまうのがベストです。
グループワークで一緒になった人たちと企業に残って作業をしたり、近くのカフェに行って交流を深めながら書き上げてしまうのも良いでしょう。
感想文の書き方5ステップ
上記ではインターンシップ後の感想文で意識することを紹介してきました。こうした意識を持ったうえでどのような構成で感想文を書いたらいいのか、5ステップに分けて説明していきます。

ステップ⑴ 【序論】お礼と簡潔な感想
冒頭では簡潔にお礼と参加した理由を書くのが良いでしょう。参加理由を書くときに注意することは、選考の時に提出したESや面接で言ったことと大きな矛盾がないようにすることです。
例)
この度は『新規事業に挑むインターンシップ3DAYS(インターンのタイトル)』に参加させていただきありがとうございました。
新規事業を立ち上げる経験をしたことがなかった私には、すべてが新しい経験の連続でとても充実した三日間でした。
ステップ⑵ 【本論】参加して学んだことと感じたこと
どんなプログラムの中で何を学んだかを具体的に述べましょう。
グループで苦戦した課題やその解決までのプロセスといったエピソードを交えながら述べるとより伝わりやすくなります。
具体的に書くことは意識しつつも長くならないように気を付けましょう。
感じたことでは、自分に足りなかったことや改善点を述べるのがポイントです。
ステップ⑶ 【結論】今後どう活かしていくか
ステップ②で得た経験や知識を今後どのように活用していくかを述べましょう。
ここでは個人の知識の吸収力や学習能力が見られるので、具体的に『どういった場面で』『どのように活用し』『どんな結果を求めるのか』まで書けると良い印象を与えられる可能性が高まります。
ステップ⑷ 【+α】その他印象に残ったこと
インターンシップでは参加者同士で関わる以外に社員の方たちと関わる機会も多くあります。
そのため、『誰から』『どのようなアドバイスやFBをもらい』『どう役立ったのか・どのように印象に残ったのか』を述べましょう。社員の名前まで覚えていると印象がいいですね。アドバイスの内容や社員の名前などを忘れないためにもその場でメモするのが確実な方法です。
ステップ⑸ 【最後に】もう一度お礼
文字数に余裕があれば最後の締めとして再度お礼を述べましょう。序論と全く同じ文にならないよう工夫しましょう。
感想文の例文
ここまで感想文の書き方について説明してきました。
以下では実際の感想文を使って良い点・悪い点などを見ていきながら5ステップに沿った感想文に改善していこうと思います。
修正前の感想文には上述した5ステップがわかりやすいように①~⑤の番号を振っています。
②「営業とは商品を売り込むのではなく自分自身を売り込むものです。」というフィードバックを頂いたことで、私の営業に対する意識が変わりとても参考になりました。
③また、お客様と信頼関係を築くことが重要であることにも気が付きました。
④このような今回の営業体験から、私は営業とは商材の魅力を伝えることよりもお客様と信頼関係を築き自分自身を売り込むことの方が重要であるということを学びました。
⑤(最後のお礼なし)
多くの学生が例文と似た構成や内容の感想文を提出しているのではないでしょうか?読みやすい文章で端的に感想が伝わりますね。ですが、具体性や根拠が抜けている部分があります。文章のどこを修正していけばいいのか詳細に解説してきます。
①序論は確かにこの文章でも全く問題ありません。ですが、簡単な感想を一言付け加えるだけで感想文全体の印象が大きく変わります。なぜなら、自分がインターンシップに参加してどのような感想を持ったかが最初に明確に分かるからです。
修正例)
先日は貴社のインターンシップに参加させていただきありがとうございました。営業業務を体験してみたいと思いインターンシップに参加しました。私が考えていたよりも営業は奥が深く、今回は非常に貴重な機会となりました。
どうでしょうか?感想を一言加えるだけで印象が大きく異なりますね。
細かい部分かもしれませんが、細かいからこそ他の学生と差をつけるポイントになりうるのです。
②具体的にどんなフィードバックをもらったのかを書いてあるのはとてもいい意識ですね。
ただ、インターンシップに参加する前と参加した後でどのように変化したのかを具体的に示す必要があります。意識の変化を具体的に書くことでなぜ参考になったのかを明確にできるためです。
修正例)
私が社員の〇〇さんに模擬的に営業を行った際に「営業とは商品を売り込むのではなく自分自身を売り込むものです。」というフィードバックを頂きとても参考になりました。私は営業とは商品を魅力的に伝える業務だと考えていましたが、営業をする自分自身が魅力的でなければお客様は自分から商品を買ってほしいと思わないのだという意識に変わったためです。
このように具体的に書くことでなぜ参考になったのかという根拠を示すことができます。具体的に書くことでインターンシップの趣旨を理解をアピールすることもできますので、「なぜ」「どのように」の2点は意識してみてください。
③ここも②と同じです。「なぜ」重要であると思ったのかを詳しく書きましょう。
修正例)
どんなに商品が優れていても担当者がきちんと説明してくれなかったり頼りがいがなければ商品を買いたいとは思いません。そのため、お客様とのコミュニケーションの中でいかに信頼関係を築けるかが重要であることに気が付きました。
④結論を簡潔にまとめてあるのはわかりやすくていいですね。ただ、感想文の中で『ステップ3 今後にどう生かしていくか』が抜けてしまっています。今後の活かし方まで書くことでインプットするだけでなくアウトプットする能力があることもアピールすることができます。
修正例)
このような今回の営業体験から、私は営業とは商材の魅力を伝えることよりもお客様と信頼関係を築き自分自身を売り込むことの方が重要であるということを学びました。今後私が営業を行うときには、お客様に満足度の高いお買い物をしてもらえるように、お客様に寄り添った丁寧な対応をして信頼関係をしっかりと築きたいと思います。
⑤最後にもう一度お礼を述べておきましょう。そうすることで感想文の最後であることが明確になり、文章全体の締めの一文となります。
修正例)
この度は営業体験という貴重な機会を体験させていただきありがとうございました。
ただ本文のまとめを書いた時よりも一段高い視座でインターンシップの内容を吸収できている印象を受けると思います。インプットすることも重要ですが、インプットした経験を実践していかに自分のモノにするのかが社会人には重要になってきます。
以下では例文に上記の修正を加えた感想文になります。
店舗を想定して社員の方をお客様として営業をするという設定で行われた営業体験の中で、私は自分自身を売り込むのが営業であると学べたと思います。私が社員の〇〇さんに模擬的に営業を行った際に「営業とは商品を売り込むのではなく自分自身を売り込むものです。」というフィードバックを頂きとても参考になりました。
営業とは商品を魅力的に伝える業務だと考えていましたが、営業をする自分自身が魅力的でなければお客様は自分から商品を買ってほしいと思わないのだという意識に変わったためです。どんなに商品が優れていても担当者がきちんと説明してくれなかったり頼りがいがなければ商品を買いたいとは思いません。
そのため、お客様とのコミュニケーションの中でいかに信頼関係を築けるかが重要であることに気が付きました。
このような今回の体験から、営業とは商材の魅力を伝えるよりもお客様と信頼関係を築き自分自身を売り込むことの方が重要であるということを学びました。
今後私が営業を行うときには、お客様に満足度の高いお買い物をしてもらえるように、お客様に寄り添った丁寧な対応をして信頼関係をしっかりと築きたいと思います。
この度は営業体験という貴重な機会を体験させていただきありがとうございました。
最初から完璧に書ける人などほとんどいません。今まで書いた感想文を見直して自分で添削したり、インターネット上にあるインターンシップの感想文を自分で添削するのもいい訓練になります。たくさんの感想文にふれて上達を目指しましょう!
まとめ
本記事ではインターンシップ後の感想文の重要度や書き方について紹介してきました。
遠足は家に帰るまでが遠足を言われたことがあると葉もいますが、インターンシップも『感想文を提出するまでがインターンシップ』です。
感想文が大小問わず本選考に影響することがあるため、インターンシップ体験だけでなく感想文やアンケートも真剣に取り組みましょう!
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