ジュエリー業界は、ブライダルや大切な人への贈り物、自分へのご褒美等といった日々の暮らしを特別なものにする商品を扱っています。
贅沢品とも呼ばれ、この業界は経済環境によって売上が大きく左右される特徴を持っています。
変わりゆく時代の中で、経済環境の波に飲まれないよう様々な取り組みが取られているため、どのような取り組みが取られているのか確認してみましょう。
本記事では、動向や取り組みについて紹介するだけでなく「将来のキャリアパスはどうなっているの?」「仕組みを詳しく知りたい!」という人に向けて、ジュエリー業界のキャリア、仕組み、自己PRの書き方についてもわかりやすく解説していきます。
またジュエリー業界の売上や利益、年収、従業員数、勤続年数をランキングで紹介しています。
ビジネス規模や働きやすさ等がわかるので、確認してみましょう。
ジュエリー業界の仕組み
ジュエリー業界には、様々な業界が関わっています。
発掘された原石を扱っている「宝石問屋」から「商社」が素材を購入し、加工、デザインを行い、「卸売業」に販売されます。
そして「卸売業」から「メーカー」に販売され、私達「消費者」に商品が届けられます。

メーカーの他にも、場合によってはブライダル企業もジュエリーを卸売業から購入し、消費者に向けて販売しているケースもあります。
本記事ではジュエリーを扱うメーカーを中心に動向を紹介するので、確認してみましょう。
ジュエリー業界の動向
ここではジュエリー業界の動向を3点紹介していきます。それぞれ以下のトピックスについて紹介しているので、確認しておきましょう。
■デジタル化
・SNSでの商品発信
・ECサイトの利用が活発
■事業展開
・同業種のM&Aが増加
・新規事業の展開
まず動向を学ぶ前にジュエリー業界について数字で見てみましょう。
不景気の影響から贅沢品と言われるジュエリーの売上が落ち込んだため、伸び率も右肩下がりとなりました。

売上推移
矢野経済研究所によると、1991年のジュエリー業界の市場規模は3兆円を超えていましたが、バブル期以降のデフレ経済や消費者の低価格志向などの影響を受けて売上は縮小していきました。
不況が落ち着き始めると2009~2015年までは上昇基調が続き、2019年にかけては横ばいで推移しています。
しかし、コロナが流行した2020年の国内宝飾品小売市場規模は、前年比83.2%の8,195億円まで減少しました。
しかしそれ以降の市場規模は上昇傾向にあり、2022年には10,228億円まで回復しています。
このような売上推移を見ると、ジュエリー業界は世の中の景気に左右されやすいことが分かるかと思います。
参照元:宝飾品(ジュエリー)市場に関する調査を実施(2023年)/株式会社矢野研究所SNSを活用した商品発信
最近では、SNSを活用したマーケティングや商品発信を行う企業が出てきています。
SNSを始めた背景には、ターゲットである結婚・婚約指輪を購入する率が高い1980年代後半から2000年代初頭に生まれた「ミレニアル世代」がSNSを積極的に利用しているからです。
過去にはミレニアル世代をターゲットに、スワロフスキーがミレニアル世代のインフルエンサーとコラボしたキャンペーンを行ったり、ティファニーがフォロワーが100万人以上いるインフルエンサーとタイアップしてキャンペーンを行いました。
■ECサイトの利用が活発
コロナの影響を受けてかECサイトでのジュエリー販売が活発に行われています。
例えば、「4℃」ブランドを展開のヨンドシーHDではECサイトを拡大し、2021年3月から8月までのEC事業の売上高は前年同期比34.8%増の8億9000万円でした。
他にもオーダーメイドのブライダルジュエリー工房「ith(イズ)」を全国8ヶ所で展開しているアーツアンドクラフツでは、コロナの影響で休業せざるを得なくなり、オンラインアトリエを始め、オンラインでの売上が上昇しています。
事業展開
景気に左右されやすい業界でもあるため、不景気でも売上を担保するための動きが取られています。
ここでは各企業が行っている事業展開について紹介します。
■M&A
ジュエリー業界やジュエリー関連の事業を行う企業がM&Aをする目的には、シェアの拡大と製造などに関する専門的な知識を持つ優秀な人材の獲得などが挙げられます。
2019年のM&Aの件数は853件、2020年は849件でした。2020年はコロナの影響を受けたことから件数は前年よりも4件少ない結果となりましたが、年々M&Aの件数は増えています。
例えば、2019年にはモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトンがティファニーをM&Aし、ブックオフグループホールディングスがジュエリーアセットマネジャーズを完全子会社化しました。
2020年には京セラが三菱マテリアルトレーディングの宝飾品事業を譲受しています。この様に業界全体でM&Aが積極的に行われていることが分かります。
■新規事業の展開
M&Aだけでなく、新たな事業や商品の展開を行い、売上げアップを図ろうとしている企業もあります。
例えばツツミでは、20~30代の女性をターゲットした新たなブランド「TODAYS DIAMONDS」を立ち上げ、新規の顧客獲得を図っています。
更に2017年4月にコスチュームジュエリーの「アクセガーデン」の拡販に取り組んでおり、2019年3月時点で85店舗まで拡大しました。
ジュエリー業界では、合成ダイヤモンドの登場に注目が集まっています。
それを受け、2018年に天然ダイヤモンドの生産で最大手とされているデビアスが合成ダイヤモンドを使用したジュエリーの販売を発表しました。
ジュエリー業界の動向を知ることは選考を突破するために必要です。
そのため「志望業界についてもっと知りたい」「選考の通過率を上げたい」という方は、ぜひ就職エージェントneoを利用してみてください。
ジュエリー業界で目指せるキャリアパス
ジュエリー業界には接客のプロになる以外にも様々なキャリアが存在します。動向を知るだけでなく、将来何をやりたいのか、何に興味があるのかという今後のキャリアについても考えてみましょう。こちらはあくまで一例になります。

販売職からスタートするケースが高いですが、例えば、接客のプロとして自身の販売スキルを磨く選択肢やマネジメントとして店長や店舗運営、人材育成に携わる選択肢もあります。
他にも本社勤務で、人事やバイヤー、広報等に異動することも可能です。
企業によっては、デザイナーや製作職などのような専門職コースもあるので、興味のある企業のキャリアパスを確認してみてください。
HP等でわからない場合は、会社説明会や座談会等に参加して情報収集をしていきましょう。
ジュエリー業界の志望動機の書き方
ジュエリー業界の志望動機を書く際は「なぜジュエリー業界なのか」「なぜその会社なのか」をしっかりと深堀りしておくことが必要です。
具体的には自分が将来何を成し遂げたいのか、例えば「ジュエリーという特別な商品で、お客様の日々の暮らしに煌きを届け、笑顔にしたい」などといったジュエリー業界ならではの理由を述べるようにしましょう。
“なぜその会社なのか”については、他の企業ではなくその企業でなければいけない理由を伝えます。
例えばティファニーは、ダイヤモンドを全て職人の手でカットしているため、カットデザインがとても独特で洗練された作りとなっています。
他にも女性社員が多くいることから、女性の管理職者も多くいます。
企業ごとの特徴や強みを把握した上で、志望企業を決めるようにしましょう。
ジュエリー業界の志望動機の例文を見てレベル感を掴みたい方は以下の記事を参考にしてみてください。
ジュエリー業界でうける自己PRの書き方
自己PRの書き方について学ぶ前に、まずはジュエリー業界の求める人物像を把握しておきましょう。
企業に評価される自己PRをするためには、その業界ではどのような人が求められているのか知っておくことが重要です。
ジュエリー業界の求める人物像
接客をメインに行う仕事のため、大前提コミュニケーション能力が必要です。他にも高級品を扱うこともあり、丁寧さや落ち着き、慎重さが求められます。
また、お客様が何を求めているのかを聞き出す傾聴力や適切なアドバイスができる商品知識と提案力も必要になってきます。
ブライダルやプレゼント用以外にも冠婚葬祭にも使われるため、商品知識だけでなく、そのような場面に対する質問が来たときにも適切な回答ができる知識も必要です。
そのためジュエリーに興味があり、学び続ける勤勉さがあると良いでしょう。
ジュエリー業界の求める人物像について学んだら次は自己PRの書き方を学んでいきましょう。
自己PRの基本的な書き方
自己PRを書く際は基本的に「強み⇨エピソード⇨結果・学んだこと⇨入社後どう活躍できるか」の順番で書きます。

(1)結論
自己PRを書く際は最初に「私は○○することができます」といったように自分の長所を端的に述べます。
最初に結論を述べ面接官に今から何の話をするのか伝えることで、聞き手側も話が入りやすくなります。
そのため、自己PRをする際は結論として、まず長所を伝えるようにしましょう。
(2)エピソード
長所を伝えたら、実際にその長所があることを証明できるエピソードを交えます。
ここではできるだけ具体的なエピソードを伝えるために、その出来事の中で生じた課題・目標や、その課題・目標に対してどのような行動をとったのかについてまで書くようにしましょう。
また企業は、課題・目標やそれ対する行動を通してその人の人柄や価値観を判断しているため、なぜその課題・目標に取り組もうと思ったのか、なぜそのような行動をとったのかについて、しっかりと見つめ直しておいてください。
(3)結果・学んだこと
エピソードの次は、自分がとった行動によってどのような結果になったかについても書きましょう。
結果を書く際は、定量的に表すことを意識してください。
例えば「〇〇というアイディアを出し実践したところ、売上を40%上げることができた」など数字を用いてアピールした方が相手に伝わりやすいです。
また、この経験を通して何を学んだのかについても書きます。面接官はその人の学びからも価値観や人柄を判断しています。
価値観や人柄はその学生を採用するかどうかの大きなポイントとなるため、自分がどういった人なのか、いかにその企業に必要な人材であるのかをアピールするようにしましょう。
(4)入社後どう活躍できるか
企業は採用活動を通して、自社に貢献してくれる人材を求めています。つまり、面接官にこの学生は「自社で活躍する素養がある」と思わせるのが大事です。
そこで自己PRをする際は、最後に今伝えてきた長所をどのように志望企業の業務に活かしていくかまで伝えるようにしてください。
そのためには企業が求めている人物像を把握する必要があります。業界研究・企業研究を通してどのような強みをアピールするのか考えておきましょう。
より詳しい自己PRの書き方について知りたいという方は以下の記事を参考にしてください。
また「志望企業に評価される志望動機・自己PRの書き方が知りたい」「選考通過率を上げたい」という方は、就職エージェントneoを利用してみてください。
ジュエリー業界ランキング
ここではジュエリー業界のランキングを「業績」と「社内環境」に分けて紹介します。
ジュエリー業界の業績ランキング

売上については1位がコメ兵HD、2位がエステールHD、3位がサマンサタバサジャパンリミテッド、経常利益は1位がコメ兵HD、2位がNEW ART HD、3位がヨンドシーHDです。
コメ兵は中古品をメインとしたジュエリー、時計、ブランドバッグ等の買取・販売を行っている会社で、ジュエリー以外の商品も含めてブランドファッション事業として事業展開しています。
他の企業はジュエリーをメインに製造や販売を行っている事業が展開されているためため、他の商品も扱っているコメ兵が売上1位となったと考えられます。
売上や利益、利益率をチェックした方が良い理由は、以下の2点です。
・売上は企業の財務力を表しているから
・利益、利益率は企業が行っているビジネスの成否を示しているから
売上は企業の財務力、ビジネスの規模を表しています。つまり売上が高い企業の方が行っているビジネスの規模が大きいということです。
またA社とB社が同じ利益の場合、売上が大きい企業の方が金融機関からの融資を受けやすいとされているため、売上を見ることで企業の資金調達力もチェックすることができます。
次に利益、利益率は企業が行っているビジネスの成否を示しています。そのビジネスによる付加価値がどれくらいあるかを測る指標です。
つまり利益がほとんど出ていなかったり、赤字だとビジネスに何らかの問題があるということになります。
ただし、このランキングだけでなく、成長率も大事であるため各企業の過去についても振り返っていきましょう。
ジュエリー業界の社内環境ランキング

年収は1位がヨンドシーHD、2位が NEW ART HD 、3位がエステールHD、勤続年数は1位がナガホリ、2位がヨンドシーHD、3位がツツミとなります。
勤続年数が長いということは定着率が高いということになります。一概には言えませんが、定着率が高い会社は良い会社である可能性が高いです。
また従業員数が多い会社は多様な人と関わり合うことができるというメリットがあります。
しかし多いと自分の意見が通りにくい場合もあるというデメリットもあるため、自分にとってどの環境が合っているのか考えてみましょう。
まとめ
本記事ではジュエリー業界について紹介してきました。
ジュエリー業界は景気に左右されやすい業界ではありますが、不景気の波に飲み込まれないよう様々な取り組みが取られています。
志望動機や面接では「なぜこの業界・会社にしたのか?」を伝えられるようにするだけでなく、SNSでの商品発信のように「他にどんな幸せの提供の仕方があるのか?」「自分ならどうするか?」まで考えられると他の学生との差別化が出来ます。
「業界研究って他に何をしたらいいの?」と思う人は下記の参考記事を見ておくことをオススメします。
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