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【業界研究】化粧品業界の動向6選!仕事内容や志望動機・自己PRのポイントも紹介

美容大国日本においては、数多くの化粧品メーカーが存在しています。

資生堂やコーセーなど、皆さんにとって聞きなじみのある企業もあると思います。

そんな化粧品業界ですが、実際のところどのような仕事をしているのかご存じでしょうか。

本記事では「化粧品業界の仕事ってどんな人が向いている?」「化粧品業界って将来性あるの?」という人に向けて、化粧品業界の仕組みや動向、志望動機・自己PRの書き方についてわかりやすく解説していきます。

また化粧品業界の売上や利益、年収、従業員数、勤続年数をランキングで紹介しているので、志望企業が決まっていない人はES作成の参考にしてみてください。

目次

仕事選びサポート_CTA

化粧品業界の仕組み

化粧品業界においては数多くの業種が関わっています。

化粧品メーカーにて商品が生産されたのち、大きく2つの販路に分かれて私たち最終消費者のもとに至ります。

1つ目の販路が卸売りの後、販売小売店を介するパターン、2つ目がEC(電子商取引)を経由するパターンです。

業界研究_化粧品業界_ビジネスモデル

化粧品の販売経路

上記では大枠のビジネスモデルを紹介しましたが、実際には化粧品の販売経路は多岐にわたっています。国内化粧品の流通経路は主に4つに分かれるため、図を参考に把握しておきましょう。

まず①の「制度品」とは、卸売店を介さず、化粧品メーカーと直接取引契約を交わした店で販売される化粧品を指します。

また②の「一般品」とは問屋や代理店を経由して販売する化粧品のことで、制度品と対比した呼び方です。

③と④は、店を構えずに販売する、無店舗販売である点は同じですが、消費者に商品を届けるルートが異なっています。

③の訪問販売が、メーカーの訪問販売員が直接顧客に販売していくのに対して、④の通信販売はカタログやインターネット、テレビショッピングなどを介して、メーカーから顧客のもとに直接届けられます。

近年のインターネットの急速な普及により、インターネット上のショップやホームページを通して販売される化粧品も増加しており、通信販売は今一番勢いのあるチャネルといっても過言ではありません。

業界研究_化粧品業界_販売チャネル

化粧品のジャンル

皆さんは「化粧品」と聞いて何を思い浮かべるでしょうか?

一口に化粧品といっても、実は数多くの種類が存在しています。

ここでは主な化粧品のジャンルと、近年化粧品業界各社が力を入れている「ECサイトにおける販売」で、売上の増加したジャンルについて触れていきます。

主な化粧品のジャンル

まずは化粧品のジャンルから見ていきましょう。

化粧品には、大きく分けて以下の6つのジャンルがあります。

▷スキンケア化粧品

化粧水や洗顔料、乳液など、皮膚を健やかに保ち、肌のコンディションを整えることを目的とする化粧品のことを指します。

その他、クレンジング剤やパックなどもスキンケア化粧品の一例です。

化粧品産業ビジョン検討会「化粧品産業ビジョン」によると、2019年の化粧品市場(日本)における製品カテゴリー別の市場シェアではスキンケア化粧品が53%と約半数を占めており、市場の大方を担っていることが分かります。

参照元:化粧品産業ビジョン検討会「化粧品産業ビジョン」

▷メイクアップ化粧品

メイクアップ化粧品は2つのカテゴリーに分かれています。

1つ目は、「魅力を増し,容貌を変える」ことを主な効果とし、肌荒れやシミなどの見せたくない部分を隠したり、肌色の補正をしたりすることを目的とするべ一スメイクアップ化粧品。

2つ目は、陰影を付けて顔に立体感を出したり、色を与えて強調したりする目的を持つポイントメイクアップ化粧品です。

前者の例としてファンデーションやコンシーラー、後者の例として口紅やチークなどが挙げられます。

メイクアップ化粧品は、前述した製品カテゴリー別の市場シェアで21%を占めています。

▷ヘアケア化粧品

ヘアケア商品とは、頭皮および毛髪を洗浄し、髪の痛みを補修し、整髪するものを指します。

代表的なものとしてはシャンプーやリンスなどが挙げられますが、その他カラーリング剤や育毛剤などもこれに含まれます。

ヘアケア化粧品は、前述した製品カテゴリー別の市場シェアで17%を占めています。

▷ボディケア化粧品

顔以外の部分の肌を、清潔に保ち、様々な肌トラブルを防ぐ役割を果たすのが、ボディケア化粧品です。

ボディーソープやボディクリーム、制汗剤などが代表例として挙げられます。

▷フレグランス化粧品

フレグランス化粧品とは、香りを楽しむことを目的とした化粧品のことです。

基本成分や香料の配合量により呼び名や香りの持続時間が異なるのが特徴で、一例として香水、オードパルファム、オードトワレなどがあります。

フレグランス化粧品は、前述した製品カテゴリー別割合で3%と割合は小さいですが、今後の市場拡大が期待できます。

▷トイレタリー用品

トイレタリーというと、トイレのイメージが先行してしまいがちですが、実際は日用品の一ジャンルのことで紙おむつや入浴剤、歯磨き剤などが含まれています。

ただし業界内においてもトイレタリーの定義はあいまいで、基本的には身嗜みのため、身体を手入れするためのものとして捉えられています。

ECサイトでの販売による化粧品への影響(ジャンル別売上の変化)

ここからは、ECサイトにおける販売で、売上が増加したジャンルを紹介していきます。

近年、ECを用いた販売チャネルは化粧品業界各社が力を入れているだけでことに加え、現在の新型コロナウイルス禍においてさらに需要が高まっている傾向にあります。

ECのデータ分析を手掛けるNint(ニント)が提供する「Nint ECommerce(ニントイーコマース)」の売上推計データによると、2020年1~12月の化粧品の流通規模(個数ベース)は、楽天が前年同期間比で66.2%増、Yahoo!ショッピングでは、19.8%増となっています。

以上より、新型コロナウイルスの影響を受け、化粧品のEC市場は拡大傾向にあることが分かります。

中でも特に、スキンケア・ヘアケア市場は顕著に拡大しており、楽天市場の「スキンケア」ジャンルの2020年の流通規模は、前年比で2.1倍となりました。

次に、ECサイトの中でも主流である楽天市場に焦点を絞って見ていきます。「美容・コスメ・香水」として定義される分類の中で、さらに大きく6つに細分化することができます。

売上シェアの大きい順から、「スキンケア」「ヘアケア・スタイリング」「ベースメイク・メイクアップ」「ボディケア」「アロマ・お香」「その他」です。

参照元:「Nint ECommerce(ニントイーコマース)」売上推計データ
就活において業界研究は必要不可欠であり、ただ情報を集めるだけでなく、その情報を志望動機・自己PRの作成や面接対策などに活かすことが大切です。本記事では業界研究のやり方から注意点、情報を集める際に活用すべきものを紹介しています。

化粧品業界の動向

ここでは化粧品業界の動向を2つ紹介していきます。

大枠として以下のトピックスについて紹介しているので、化粧品業界の動向を把握しておきましょう。

■市場規模
・現在の堅調な市場規模の拡大
・法制定による将来の市場への影響(中国電子商取引法)

■新たなビジネスチャンス
・インフルエンサーマーケティング
・異業種参入
・DtoCモデルの拡大
・メンズコスメ市場の拡大

業界研究_化粧品業界_動向

参照元:業界動向サーチ/業界ごとの合計、または平均を項目ごとにランキング。化粧品業界19社が対象(2020年-2021年)※2022/06/14時点

化粧品業界の動向(1):市場規模

2021年の化粧品出荷額は前年比8.2%減の1兆3,529億円で、2年連続で出荷額減少という結果になりました。

マスク着用の定着やテレワークの普及により化粧品の消費が減少したことから、2021年も新型コロナウイルスの影響を受けた年となりました。

しかし2022年の春以降は、外出規制緩和に伴い口紅などのメイク用品の需要が伸びつつあります。中でもドラッグストアなど、低価格帯の高機能商品が好調です。

さらに2022年10月には、訪日外国人の受け入れが再開され、インバウンド消費に期待が高まっています。

▽法制定による将来の市場への影響(中国電子商取引法)

前述のとおり、日本における化粧品の国内市場は比較的安定しています。

しかし、2019年1月に中国で施行された「中国電子商取引法(中国EC法)」により、EC事業者やECモール運営者を対象に、営業許可の取得が義務付けられたり、現地(中国)で転売業者にも納税義務を課すようになったりという変更がなされました。

この影響を受け、従来行われていた、中国人の転売業者(ソーシャルバイヤー)が百貨店やドラッグストアでコスメを爆買いし、現地のECサイトで売りさばくといった行為が容易ではなくなり、インバウンド需要も見込めないため、今後も少なからず日本の化粧品の国内出荷額にも影響が及ぶものと考えられます。

化粧品業界の動向(2):新たなビジネスチャンス

新型コロナウイルスや中国電子取引法制定の影響を受けている日本の化粧品市場ですが、新たな需要を創出すべく、ビジネスチャンスの獲得を目指しています。

以下では、ECサイトへのシフトチェンジ、インフルエンサーマーケティング、異業種参入、DtoCモデルの拡大、そしてメンズコスメ市場の拡大についてそれぞれご紹介していきます。

▽ECサイトへのシフトチェンジ

デパートなどで化粧品を買うメリットとしては、実店舗で気になっている化粧品を実際に試した上で購入検討できるといった点です。

しかし新型コロナウイルスの感染拡大によって、店舗で気になる化粧品を試すということができなくなりました。

今までの強みを活かせなくなった化粧品メーカーは、新たな施策としてデジタルシフトを加速させています。

具体的には、ECサイト上でメイク画像や商品紹介を配信、オンラインカウンセリングの実施などを行っています。

オンラインカウンセリングでは、カウンセリング前にキットが自宅に届くようになっており、BAさんが画面上で一緒に同じ過程を行いながら説明してくれるため、自分で行いながらアドバイスをもらうことができるといった点が特徴です。

このように各化粧品会社はECサイトの拡大に注力しています。

▽インフルエンサーマーケティング

近年、ツイッター、インスタグラムやYouTubeの利用者が増大し、それらのSNSを用いて化粧品やコスメの情報を得る人が増加しています。この傾向は特に若者の間で顕著です。

それに伴い、SNS上でコスメや美容情報に特化した情報を発信するインフルエンサーの数も増え、存在感も増しつつあります。

このような動向を受け、各化粧品メーカーはインフルエンサーマーケティングに注力しているのです。

インフルエンサーマーケティングのメリットとしては、ターゲット層との親和性の高さゆえに、ターゲット層を囲い込みやすいことが考えられるでしょう。

その理由としては、化粧品を探すときに、店頭に足を運ぶのではなく、SNSを用いる人が多いことが挙げられます。

特にインスタグラムにおいては女性ユーザーの割合が大半で、20代と30代では女性ユーザーが60%以上を占めています。

そのため、ユーザー特性が化粧品と非常にマッチしており、ターゲット層への訴求が高い確率で狙いやすいとされているのです。

▽異業種参入

異業種参入の強みは、自社の得意な技術を再構築して、化粧品に応用できることです。

以下にその実例を2つご紹介します。

1社目は富士フィルムです。同社は、写真フィルム製造の会社として1934年に創業した企業ですが、その後のデジタル化の進行により、2000年以降写真フィルム事業が縮小し、新たに化粧品事業へと参入しました。

代表的ブランドとしては、『アスタリフト』が挙げられ、これは創業以来、写真フィルム製造の分野で培ってきた4つのコア技術・研究を基礎に、独自性の高い先進的な製品として生み出されたものです。

2社目は、目薬の老舗メーカーとして有名なロート製薬です。同社は、01年から展開され

ているブランドである『オバジ』をはじめとして、『肌ラボ』、『50の恵』など1,000円以下の低価格帯スキンケアを中心に展開しています。

▽DtoCモデルの拡大

DtoCとは「Direct to Consumer」の略であり、卸売業者や小売店舗を仲介せず、消費者に直接アプローチし、契約や購買に結び付けるビジネスモデルのことを指します。

似た言葉にBtoCがありますが、これは一般消費者を対象に企業が取引を行うこと、つまりデパートやスーパーマーケットといった小売店と消費者間でおこなわれる商取引のことを指します。

DtoCモデルが拡大した背景には、近年の消費者ニーズが関係しています。

機能的な価値だけではなく、独自のコンセプトやストーリーを持ち、ユニークな体験ができる商品(高品質、独自性)を求めるようになっており、ユーザーに直接商品のコンセプトを紹介することができるDtoCモデルの需要が高まっています。

▽メンズコスメ市場の拡大

最後にメンズコスメ市場の拡大についての動向を見ていきます。

株式会社インテージ社の調査によると、男性用化粧品市場は2015~2019年の5年間で109%と伸長しており、なかでも「基礎化粧品」は115%と特に大きく伸びています。

市場拡大の大きな要因としては新型コロナウイルスの影響がありますが、以下に詳細を3点ご紹介していきます。

1点目は、男性の美意識が高まっていることです。zoomなどのオンライン会議が増えたことで自分の顔を見る機会が増えたことや、不要不急の外出を控える傾向のなか、自分の時間が増え「自分磨き」に時間を使う人が増えたのが理由とされています。

2点目は、オンラインショッピングの活用が拡大したことです。実店舗で購入するのに恥ずかしさが先行してしまい、とまどいがあった人も、オンラインショッピングでは買いやすいことがメリットであり、男性の間で広まっています。

そして3点目は、肌荒れに悩む人の増加です。マスクを常に着用した状態での生活や、外出自粛により運動・スポーツをする機会が減ったことにより健康状態が悪化したことを要因として肌荒れが引き起こされ、化粧品に頼るようになった人が増加しました。

参照元:イマドキ男性のスキンケア事情|株式会社インテージのプレスリリース

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化粧品の企業紹介

ここでは、化粧品メーカーを計5社紹介していきます。

各社の違いを理解するために、社風や強みなどを比較しながら読んでみてください。

各社の顔ともいえる主力商品、売上や利益などの業績に関しては、記事の後半で紹介していますのでそちらをご覧ください。

資生堂

化粧品業界の売上高において、資生堂は圧倒的なトップを誇ります。

その要因としては、プレステージブランドの成長と海外展開への注力の2つが挙げられます。

はじめに、プレステージブランドとは、デパートや化粧品専門店においてカウンセリングを通じて販売している、高い付加価値を持つ高価格帯化粧品のことです。

資生堂の「ANNUAL REPORT 2019」によると、売上高構成比は46%を占めており、同社のグローバル規模の成長の大方を担っています。

また、海外売上比率は60%を超えていて、中国や欧州をはじめとする世界各地に事業展開しています。2018年10月より社内の公用語が英語となったことからも、世界で戦う基盤づくりに注力していることが伺えます。

さらに、おさえておきたい戦略としては「トラベルリテール事業」が挙げられます。トラベルリテール事業とは、名前の通り旅行者を対象とした小売事業で、機内販売や空港の免税店、クルーズ船などで販売することを指します。

航空旅客が増加傾向にあるアジア太平洋地域を拠点とする資生堂のトラベルリテールは、中国など主要市場の成長機会をフルに活用できる非常に有利な立場にあり、近年大きな売り上げを誇るセグメントとして成長しています。

資生堂の主力ブランドとしては、『クレドポーボーテ』、『エリクシール』、『アネッサ』などが挙げられます。

コーセー

高価格帯から低価格帯商品まで幅広く強みを持つのがコーセーの特徴です。

高価格帯商品としては、『コスメデコルテ』や『ジルスチュアート』、低価格帯商品としては『FASIO』や『Visee』

お客様の多様なニーズに応えるため、様々な商品を多角化された販売チャネルで取り扱っています。

具体的には、企業名を冠した「コーセーブランド」と、独自性の高い多彩なブランド群である「インディヴィデュアルブランド」 の2つに大別して、商品を展開しています。

さらに、同社は小売り各社との共同開発にも注力しています。

一例として、2019年9月に発売された、コーセーとミルボンが共同で開発した美容室専売化粧品である『インプレア』や、2021年11月より販売開始される、株式会社マツキヨココカラ&カンパニーとの共同開発商品である敏感肌向けスキンケアシリーズ『レシピオ(RECiPEO)』などが挙げられます。

花王

花王と聞くと、おそらく洗剤やヘアケア製品、紙おむつといった日用品のイメージが先行する人が多いのではないでしょうか。

しかし実際には、化粧品も含め、多岐に渡る商品展開をしているのです。

同社の主力ブランドはソフィーナですが、2006年に花王の子会社となったカネボウと合算すると、化粧品の国内シェアは首位級を誇ります。

そんな花王の強みとして、高い研究開発力と高い倫理観が挙げられます。

前者については、ひとつの技術を別カテゴリーに応用展開するマトリックス運営と呼ばれる組織運営を行っており、新しい価値を持つ商品の開発に成功してきました。

また後者については、米国のシンクタンクEthisphere Instituteが選ぶWorld’s Most Ethical Companies®(世界で最も倫理的な企業)に、15年連続で選定されているアジアで唯一の企業であることから伺うことができます。

ポーラ・オルビスHD

ポーラ・オルビスHDは、訪問販売に強みを持つ「ポーラ」と通信販売に強い「オルビス」が主力ブランドの化粧品メーカーです。

現在では従来の訪問販売に加え、エステ併設型店など店舗での販売も増えていますが、一貫としてお客様との直接的なつながりを大切にし、高いブランドロイヤリティを誇っています。

研究開発における特長は、女性の肌悩みとして上位に挙がることの多い「シワ・シミ」の領域に集中して取り組んでいることです。

特に、エイジングケア・美白ケア領域の基礎研究や新素材開発においては、世界にないオリジナル成分や特許などを複数保有しています。

その一例として、ヒアルロン酸が挙げられます。1980年代にヒアルロン酸を世界で始めて化粧品に配合して市場に送り出し、2019年には新たに高分子ヒアルロン酸をナノサイズのボール状に凝縮し、肌内部へ浸透させる技術を開発しました。

主力ブランドとしては、ポーラの最高峰ブランドである『B.A』やオルビスから発売されているエイジングケアシリーズである『オルビスユー』が挙げられます。

DHC

1972年の創業以来、化粧品や健康食品のほか、医薬品、翻訳・通訳、アパレル・インナーウェア、リゾート等、幅広く事業を展開しているのがDHCの特徴です。

1983年から基礎化粧品の通信販売を開始した同社は、DHCの原点となる第一号化粧品である、最高品質のオリーブオイルを使用した美容液「DHCオリーブバージンオイル」と、同オイルを主成分とした「DHC薬用ディープクレンジングオイル」の爆発的ヒットにより、通信販売を主軸とした化粧品メーカーとして確固たる地位を築きました。

また同社は、今では当たり前になっているコンビニエンスストアでの化粧品販売の先駆者でもあり、次第に量販店やドラッグストア、バラエティショップ等へも販売網を拡大していきました。

スキンケアやメイクアップ製品のほか、健康食品などを展開し、それぞれのチャネルに対応した商品開発にも注力しています。

化粧品業界の職種

皆さんは化粧品業界にどのような職種があるのかご存じでしょうか?

ここでは化粧品業界の代表的な職種をご紹介していきます。

化粧品業界の職種(1):商品企画

商品企画とは、市場や消費者のニーズをくみ取った商品を生み出すことです。

商品企画をするにあたって、まず必要なのが市場分析です。

消費者動向、特にターゲット層の嗜好・志向の動向、また競合他社の動きや、シーズン毎の流行の変化など、マーケティング部とともに様々な情報の分析を行います。

その分析結果に基づいて、新商品の企画をしたり、既存商品のリニューアルの提案をしたりします。加えて、自社商品の販売戦略を考えることも商品企画の仕事内容の1つです。

必要となる知識が幅広く、さらに多くのアイディアも求められる職務であるため、「流行に敏感な人」や「発想力が豊かな人」が適しています。

化粧品業界の職種(2):マーケティング

マーケティングは、商品企画と兼任されることの多い職種です。

化粧品会社のマーケティング職は、新製品の発売に関わる大変重要な仕事です。マーケティング職は経営に近い仕事であり、会社の売上を左右するやりがいを感じやすい職種の1つです。

商品企画部によって生み出された商品をいかにして販売拡大に繋げるかという戦略を考え、実行するのがマーケティングの最大の目的です。

マーケティングも商品企画と同様に、「移り変わるトレンドをいち早く抑えることができる人」や、商品の売り出しに際してアイディアを生み出せる「発想力のある人」が求められます。

化粧品業界の職種(3):研究・開発 

商品企画部門と連携し、顧客のニーズに合わせた商品を実際に作り開発する仕事です。 

新商品のコンセプトに従って、原料を選定したり、調合の微調整を行ったりします。また、

試作・試食を繰り返し、商品コンセプトに近づけていきます。

ちなみに、「研究・開発」と混同されがちな職種に先に述べた「商品企画」がありますが、それぞれ異なった役割を持っています。

端的に述べると、商品企画は「アイデアを明確化する」仕事、商品開発は「明確化されたアイデアを元に実際に商品を生み出す」仕事です。

本職種においては、化学・薬学などといった理系の基礎知識があることが前提ですが、その上でデータを正確に把握する「分析力」や、チームでの作業を行う上で求められる「コミュニケーション能力」が必須となるでしょう。

化粧品業界の職種(4):生産(設備管理・品質管理)

生産工程においては、研究・開発により企画された商品の大量生産を行っています。

その他の業務としては、安全な商品をつくるために万全の生産体制を整えることや、新設備の導入をすることがあります。

例えば、生産ラインの管理や工場の設備機能に関する不備の確認などが挙げられます。

生産ラインを止めないために、工場内外の人とのやり取りが欠かせないため、最低限「コミュニケーション能力」は必須です。

また、どのような事態が起きても冷静に対応できる「対応力」も求められるでしょう。

化粧品業界の職種(4):営業・販売促進

営業における主な仕事としては、小売店を巡回し、製品の提案(売り込み)をすることが挙げられます。また、自社の商品を手に取ってもらうため、以下の2点が求められるでしょう。

1点目は「継続的に売れる商品」を提案することです。どんなに良い営業マンでも商品自体が悪ければ取り合ってもらえません。そこで自社の商品を的確に把握することが重要です。

2点目に、商品が売れるような売り場づくりの提案をすることです。

取り扱う商品自体は素晴らしかったとしても、売り場の構成一つで売上に影響が及びます。そのため売り場づくりの提案も重要な業務です。

営業という職種には常に数字や成果が付きまとうため、前向きさやメンタルの強さが求められます。

また、取引先との信用関係を生むため、商談の時間を厳守する、納品日に商品を届けるなど、約束を必ず守る「責任感」も欠かせません。

化粧品業界の求める人物像

化粧品業界の国内市場は日本の社会課題でもある少子高齢化に伴う人口減少によって、縮小の一途をたどることが予想されます。

また、中国EC法や新型コロナウイルスの影響も相まって、ますます今後の動向は見通しが立たない状況です。

そのため、刻一刻と移り変わる消費者のニーズを把握し、新たな需要やビジネスチャンスを創出することが欠かせません。

また、国内にとどまらず海外に視野を広げる必要性もあるでしょう。

そこで求められるのは、向上心を持ち、著しい変化にも柔軟に対応し行動できる人物であると考えられます。

また現状の課題を打破していく中で、周りを巻き込んで、組織全体をまとめ上げるリーダーシップも重要です。

加えて、営業を行うに当たってはモチベーションの高さや根気強さ、そして会社の顔としての責任感も求められることとなります。

営業という職種には学歴が大きく影響しないため、やる気次第でトップに上り詰めることが可能であり、やりがいも感じやすいでしょう。

化粧品業界で評価される自己PRの書き方

自己PRを書く際は基本的に「強み⇨エピソード⇨結果・学んだこと⇨入社後どう活躍できるか」の順番で書きます。

自己PRのフレームワーク_化粧品業界

(1)結論

自己PRを書く際は最初に「私は○○することができます」といったように自分の長所を端的に述べます。

その際、化粧品業界や自身が希望する企業の求める人物像に合わせ「向上心がある」や「変化にも柔軟に対応できる」といった長所を選ぶようにしましょう。

このように最初に結論を述べ面接官に今から何の話をするのか伝えることで、聞き手側も話が入りやすくなります。

そのため、自己PRをする際は結論として、まず長所を伝えるようにしましょう。

(2)エピソード

長所を伝えたら、実際にその長所があることを証明できるエピソードを交えます。

理由としては、企業は、課題・目標やそれに対する行動を通してその人の人柄や価値観を判断しているためです。

以下で「柔軟な対応力」という長所を選んだ場合の例を紹介します。

  私は自らの強みである柔軟な対応力を活かして、飲食店の営業回転率の向上に取り組みました。

当時働いていた飲食店では、英語で接客のできるスタッフは私ひとりでした。そのため、海外のお客様への対応に時間がかかり他のお客様への対応が遅れ、営業回転率の低下を招きました。

営業回転率の向上は売上アップの大きな課題と考え、接客英語表現リストを作成、配布し、スタッフの接客英語力向上を図りました。

ところが、自主的に取り組むスタッフはわずかでした。そこで、楽しく学ぶ環境を作り参加度を上げることが必要だと考え、仕事のない時間帯にクイズやロールプレイ形式でのレッスンを行いました。

(3)結果・学んだこと

エピソードの次は、自分がとった行動によってどのような結果になったか、この経験を通して何を学んだのかについても書きます。

  結果、自主的に学ぶ意欲がなかったスタッフも積極的に参加してくれるようになり、スタッフ全体の接客英語力が向上しました。

それにより、営業回転率を向上させるという目標を達成することもできました。 この経験から、人によって柔軟に対応を変えて提案することの大切さを実感しました。

また、結果を書く際は定量的に伝えることでよりイメージしやすい自己PRを作成することができるため「〇〇というアイディアを出し実践したところ、売上を40%上げることができた」など、数字を用いてアピールしてみましょう。

(4)入社後どう活躍できるか

企業は採用活動を通して、自社に貢献してくれる人材を求めています。つまり、面接官にこの学生は「自社で活躍する素養がある」と思わせることが大事です。

  入社後は貴社の〇〇という業務でこの経験から学んだことを活かし、柔軟な対応力を発揮していきたいと思います。

より詳しい自己PRの書き方について知りたいという方は以下の記事を参考にしてください。

【関連記事】
企業から評価される自己PRの書き方とは?ポイントや注意点をわかりやすく解説

志望動機・自己PRについて相談する_オレンジ

化粧品業界で評価される志望動機の書き方

はじめに、なぜ化粧品業界を志望するのかを説明する必要があります。

具体的には自分が将来何を成し遂げたいのか、例えば「自らが化粧品によって前向きになれた経験があり、その感動を与える側になりたい」などといった化粧品業界ならではの理由を述べます。

その場合、自分の過去の体験と紐付けて答えるとより説得力が増すでしょう。

次に“なぜその化粧品メーカーなのか”については、他のメーカーではなくそのメーカーでなければいけない理由を伝えます。

例えば、資生堂は「マキアージュ」「クレ・ド・ポー ボーテ」などの化粧品を保有しており、海外事業に意欲的という特徴があります。

このように、各メーカーの企業理念・社風の違いや注力している事業などをしっかりと調べ、メーカーごとの特徴や強みを把握した上で、志望企業を決めるようにしましょう。

実際に志望動機を書く前に、選考を通過した例文を参考にしたいという人は、以下記事をチェックしてみてください。

関連記事:
化粧品業界の志望動機の例文・書き方~資生堂など5社の選考通過ESを公開~

化粧品業界ランキング

ここでは化粧品業界のランキングを「業績」と「社内環境」に分けて紹介します。

化粧品業界の業績ランキング

業界研究_化粧品業界_ランキング1
参照元:業界動向サーチ/化粧品業界の売上高ランキング(2021-22年)は上記企業の有価証券報告書に基づき作成しています。ランキングは上記企業のデータの合計または平均を表したものです。また企業名にあるホールディングスを「HD」と省略しています。(※2023年3月時点)

売上については1位が資生堂、2位が花王、3位がコーセー、経常利益は1位が花王、2位が資生堂、3位がコーセーです。

売上を見ると、シェアナンバーワンの資生堂は2位を大きく引き離していることがわかります。

また、利益率一位のノエビアHDは化粧品部門に限れば日本一の売り上げを誇っています。

“こころの満足”を追求することを企業理念とし、スキンケアからメイクアップ、ヘアケア、トイレタリーまで中高価格帯の商品を提供している企業です。

売上や利益、利益率をチェックした方が良い理由は、以下の2点です。

・売上は企業の財務力を表しているから

・利益、利益率は企業が行っているビジネスの成否を示しているから

売上は企業の財務力、ビジネスの規模を表しています。つまり売上が高い企業の方が行っているビジネスの規模が大きいということです。

またA社とB社が同じ利益の場合、売上が大きい企業の方が金融機関からの融資を受けやすいとされているため、売上を見ることで企業の資金調達力もチェックすることができます。

次に利益、利益率は企業が行っているビジネスの成否を示しています。そのビジネスによる付加価値がどれくらいあるかを測る指標です。

つまり利益がほとんど出ていなかったり、赤字だとビジネスに何らかの問題があるということになります。

ただし、このランキングだけでなく、成長率も大事であるため各企業の過去についても振り返っていきましょう。

化粧品業界の社内環境ランキング

業界研究_化粧品業界_ランキング2
参照元:業界動向サーチ/化粧品業界の平均年収ランキング(2021-22年)は上記企業の有価証券報告書に基づき作成しています。ランキングは上記企業のデータの合計または平均を表したものです。また企業名にあるホールディングスを「HD」と省略しています。(※2023年3月時点)

年収は1位が花王、2位がマンダム、3位がコーセー、勤続年数は1位が花王、2位がマンダム、3位がコーセーとなります。

勤続年数が長いということは定着率が高いということになります。一概には言えませんが、定着率が高い会社は良い会社である可能性が高いです。

また従業員数が多い会社は多様な人と関わり合うことができるというメリットがあります。

しかし多いと自分の意見が通りにくい場合もあるというデメリットもあるため、自分にとってどの環境が合っているのか考えてみましょう。

まとめ

本記事では化粧品業界の仕組みや動向、志望動機・自己PRの書き方について紹介してきました。

化粧品業界は元々は女性人気が高いことで有名でしたが、近年のメンズコスメ市場の拡大を受け、男性人気も高まっている業界です。

そんな化粧品業界ですが、今後の人口減少に伴い市場規模が縮小することは否めず、対策が必須です。

そこで、各化粧品メーカーは刻一刻と移り変わる消費者の動きを把握し、新たな需要創出に向けた取り組みに尽力しています。

また、海外市場に価値を見出し、海外展開を積極的に行なっている企業も多く見受けられます。

各社によって取り組みは異なるため、自分が少しでも興味を持っている企業はどのような事業に注力しているのか、業界研究を通してしっかりと学んでおきましょう。

さらに詳しく業界研究を行う場合の”やり方”は下記記事を参考にしてください!

関連記事:
たった4ステップで業界研究を完璧に!誰でも簡単にできるやり方を紹介

【本記事のまとめ】
●”化粧品業界”の仕組み
化粧品メーカーにて商品が生産されたのち、大きく2つの販路に分かれて私たち最終消費者のもとに届く
(1)卸売りの後、販売小売店を介するパターン
(2)EC(電子商取引)を経由するパターン
●”化粧品業界”の動向
動向(1):市場規模
▷現在の堅調な市場規模の拡大
▷法制定による将来の市場への影響(中国電子商取引法)
動向(2):新たなビジネスチャンス
▷インフルエンサーマーケティング
▷異業種参入
▷DtoCモデルの拡大
▷メンズコスメ市場の拡大
●”化粧品”業界の職種
化粧品業界の職種(1):商品企画
化粧品業界の職種(2):マーケティング
化粧品業界の職種(3):研究・開発
化粧品業界の職種(4):生産(設備管理・品質管理)
化粧品業界の職種(4):営業・販売促進
●”化粧品業界”の求める人物像
・向上心
・変化に柔軟に対応し行動できる人
・周りを巻き込んで、組織全体をまとめ上げるリーダーシップがある人
・モチベーションが高い人
・根気強さがある人
・責任感がある人
●”化粧品業界”で評価される自己PRの書き方
方法(1):強みを書く
方法(2):エピソードを具体的に書く
方法(3):結果・学んだことを書く
方法(4):入社後に強みをどう活かすのかを書く
●”化粧品業界”で評価される志望動機の書き方
「なぜ化粧品業界なのか」「なぜその会社なのか」を深掘りする

業界研究について相談する_赤

“化粧品業界”に関するその他の記事

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化粧品業界の志望動機の例文・書き方~資生堂など5社の選考通過ESを公開~
【業界研究】百貨店業界の動向7選!仕事内容や志望動機・自己PRのポイントも紹介
百貨店の志望動機の例文・書き方~三越伊勢丹など3社の選考通過ES公開~
ドラッグストアの志望動機の書き方と例文

その他にも、本サイトでは自己PRの書き方、業界研究のやり方、インターン選考対策に関するコンテンツなども多数公開しています。

自身の就職活動に少しでも不安がある方、行き詰まってる方は、以下ボタンからその他のコンテンツも参考にしてみてはいかがでしょうか?

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就職エージェントneoでは、専任のアドバイザーが個別面談を実施し、各人の就活状況や人柄を把握した上で、希望や適正に合致した企業の求人情報を紹介してくれるサービスを提供しております。

何千人もの就活生を見てきた就活のプロがあなたに合ったアドバイスをしてくれるのが特徴と言えます。

受けられるサービス

(1)個別面談(就活相談)
各人の抱える就活の悩みを相談することができます。

(2)企業紹介
面談をした上、あなたの希望や適正にマッチした企業を紹介してくれます。

(3)履歴書・ESアドバイス
専任のアドバイザーが企業から評価されるESの書き方の助言をしてくれます。

(4)面接アドバイス
面談を通して、自分という商材のアピール方法をアドバイスしてくれます。

メリット
  • サポートはすべて無料で受けることができる
  • 模擬面接の予約が取りやすい
  • 面接練習だけではなく本番の面接のセッティングもしてくれる
デメリット
  • 相性のいいコンサルタントに当たるとは限らない
  • 志望度が高くない企業を紹介される可能性がある

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とはいえ、「就職エージェントってなんか不安だな」と思われるかもしれません。ですが、仮にキャリアセンターに相談をしても、紹介できる求人数に限りがある場合もあります。

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