●就職先が決まらないお子様を見ていると、つい自分が就活をしていた頃の経験をもとにアドバイスをしたくなるかもしれませんが、干渉しすぎないようにしましょう。
●大学の卒業式までに就職先が決まらずとも、3月31日までに就職先が決まれば新卒として就職することは可能です。
- 「息子の就職が決まらない…どうしたら内定が出るんだろう…」
- 「就職先が決まらない息子にどう接すればいいのかがわからない…」
- 「息子の就活に口を出してもいいんだろうか…」
就活生のお子様を持つ親御さんは上記のような悩みを持つ方も少なくないのではないでしょうか?
特に毎日就活を頑張っているものの、不合格が出るたびに落ち込んでいるお子様に対して、どのようなコミュニケーションをとるべきなのか迷うこともあるでしょう。
本記事では、息子・娘の就職の就職先が決まらない原因や親が就活中の子供にできることなど、お子様が内定を取るキッカケとなりうる内容を紹介していきます。
息子の就職が決まらない原因
まずはじめに、”就活はしているようだけど、なぜだか就職先が決まっていない”という場合に考えられる原因を、「企業選び編」「書類・テスト編」「面接編」という3つの観点から紹介します。
原因が特定できることにより、今後の行動が明確になります。お子様の就職先が決まらない原因に、該当するものがあるかどうか確認してみてください。
企業選び編
以下では、お子様が内定がない原因を「企業選び」の観点から見ていきたいと思います。
◇原因その1:エントリー数が少ない
そもそものエントリー数が少ないことが原因として考えられます。
2021年5月に行なわれたディスコの就活学生のモニター調査によれば、就活生がエントリーした企業の数は平均27~29社だそうです。
内定をとる学生の多くが30社程度エントリーしているなか、お子様はどの程度エントリーできているでしょうか。
もし30社に達していないのであれば、今すぐエントリーするよう促すといいでしょう。
参照元:ディスコの就活学生のモニター調査◇原因その2:大手企業ばかり受けている
2つ目の原因は「大手企業(人気企業)ばかり受けている」ためです。
東洋経済の「内定の競争倍率が高い会社」ランキングTOP100」という記事によると、2021年8月時点で1番倍率が高い企業はウェディング業界のノバレーゼという企業で1107.3倍とのことです。
コロナの影響で採用抑制をしていたものの応募者数が例年通りだったためにこのような数字になっているそうです。
知名度が高く人気が集まりやすい企業は、応募者数に対して採用人数が多くないため、倍率が高くなりやすいです。
そのためもしもお子様が難易度の高い企業ばかりを受けているようであれば、多少視野を広げて企業を選びをすることを伝える必要があります。
書類・テスト編
ここからはお子様が内定がない原因を書類・テストの観点から考えていきたいと思います。
◇原因その1:エントリーシートの内容を作り分けていない
まず1つ目の原因として考えられるのは「同じ内容のES(エントリーシート)をいろいろな企業で使いまわしていること」です。
実際、ESの設問によっては使いまわすことが可能なものもありますが、「自己PR」「志望動機」に関しては必ず各企業に合わせて内容を変更するようにしましょう。
以下で自己PRと志望動機を作成する際のポイントを簡単に説明します。
まず「自己PR」ですが、能力や人柄といった自分自身の良さや長所をアピールし、企業に自身を売り込むための項目です。
そのため自己PRでは、志望企業の採用HPや求人サイトに掲載されている情報をもとに、企業の求める人物像に当てはまる強みをアピールする必要があります。
続いて志望動機についてです。「志望動機」とは自分がなぜその会社に入りたいのか、なぜその仕事をしたいのかを企業に伝えるための重要な項目です。
特に新卒採用は中途採用と異なり、今のスキルよりも今後大きな成長が期待できるかどうかというポテンシャルが重要視されます。
実際、スキルが同じくらいの学生が2人いる場合「この会社で頑張っていきたい!」という熱意や意欲がより伝わる学生を採用したいと思うのは普通のことでしょう。
なぜなら、熱意や意欲がある人であれば「入社後も仕事に前向きに取り組んでくれそう」「長く働いてくれそう」という印象を持つことができるからです。
もしも「自分の息子はめんどくさがり屋だから、毎回同じ内容でES提出してそうだな…」といった親御さんは、自己PRや志望動機の内容を全企業同じ内容で提出していないかをお子様に確認してみても良いかもしれません。
◇原因その2:エントリーシートの書き方が悪い
原因の2つ目は「ES(エントリーシート)の書き方に問題がある」ためです。
その中でも、特に自己PR・志望動機・ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)の構成に問題があるかもしれません。
典型的な設問である上記3つは評価される書き方が存在します。そのためお子様が自己流でこれらの設問を書いてるのであれば、ぜひお子様に確認してみてください。
またESでは相手が読みやすい文章になっているかどうかが非常に重要です。もしもお子様が自身のESに対して誰からもフィードバックをもらったことがないということであれば、親御さんのほうで確認し、客観的な意見を伝えるのもありでしょう。
そもそもの書き方がわからないということであれば、以下の記事を共有してあげてください。
まだ自己PRを考えてない人も、すでに考えている人も自分の自己PRがこれで大丈夫か確認してみてください。
企業は、「志望度の高さや会社の社風・ビジョンとマッチする人材かどうか」を判断するために志望動機を聞きます。それらを満たす志望動機を作成するためには、以下の4点を含んでおく必要があります。
◇原因その3:適性検査対策をしていない
原因の3つ目が「適性検査の勉強をしていない」ためです。
多くの企業がESと適性検査を同時に課すパターンが多く、仮にESの内容が良くても適性検査の得点が悪いと落選する確率が非常に高くなります。
例えば、人気企業は採用枠に対してたくさんの応募が殺到します。
しかし採用担当の人数は限られており、そのすべての応募者の履歴書やESを確認する時間を作ることは難しいでしょう。
そのため企業はテストの点数である程度の人数まで絞り、その次にESなどの内容で判断するようにしています。
もしもお子様が適性検査後の書類選考で落ちているのであれば、適性検査に向けた対策をしっかり行っているのかどうかを確認してみてください。
面接編
以下では、お子様が内定がない原因を面接の観点から考えていきたいと思います。
◇原因その1:基本マナーが身についていない
原因の1つ目は「面接の基本作法が身についていない」ためです。
基本作法が身についていない人は、以下のような例が挙げられます。
✓ネクタイをきちんと結んでいない
✓革靴が磨かれていない
✓声が小さい
✓目を見て話さない
✓猫背になっている
✓髪型がセットされていない
このような基本的なマナーが抑えられていない場合、落選確率は高まる可能性があるため、普段の話し方や面接当日の服装を確認してみてください。
◇原因その2:志望動機が浅い
原因の2つ目は「志望動機が浅い」ためです。
例えば、食品メーカーの志望動機でよくあるのが「御社の商品が好きだから志望している」という志望動機です。
企業側としては、商品を気に入ってもらえていることに関しては好印象を抱いてくれると思います。
ですが、企業が求めているのは消費者目線の就活生ではなく消費者に仕掛ける側の目線を持つ就活生です。
つまり、企業がどんな人材を欲しがっているのかを把握をしたうえで、その人物像から逆算をして志望動機を伝える必要があります。
このように志望動機の構成は「逆算して作られた内容」になっているか、チェックした方が良いかもしれません。
◇原因その3:自己アピールが下手
原因の3つ目は「自己アピールの仕方が悪い」ためです。
具体的には、自己PRやガクチカなどを伝える際に、面接官に響かない伝え方をしてしまっているということです。
中には緊張してうまく話せなかったり、とにかく自分について知ってほしいからとダラダラと自分のことを話し続けてしまったりする人もいるかもしれません。
そのような状態に陥ってしまう気持ちもわかりますが、面接では自分が一方的に話す(アピールする)というよりも、面接官と会話することを意識できると良いでしょう。
内定がない原因とその対策についてより詳細に知りたい方は、下記の記事を参考にしてみてください。
本記事で紹介する4つのステップを実践することで、内定獲得に近づくでしょう。よく読んでこれからの行動につなげてください。
就職が決まらない息子と接する際に避けるべき接し方
お子様と接する時に避けるべきポイントを3つ紹介していきます。
息子の意見を否定する
入社をして実際にその会社で働くのはお子様自身です。
そのためお子様が選んだ選択を理解し、お子様の意見を尊重してあげましょう。
息子さん・娘さんの意見に対して「その企業はやめた方がいい」「そんなんじゃ就活はうまくいかない」等と否定をしてしまうと、自分で決めたことを応援してもらえないとショックを受けたり、ネガティブな感情を抱いてしまったりすることに繋がってしまいます。
また、たとえ親御さんが思う”良い会社”に就職したとしても、適性が無ければ活躍できず、早期離職に繋がってしまう可能性もあります。
以上の理由から、お子様の意見を否定することは避けましょう。
自分の意見・価値観を押し付ける(過度に干渉する)
つい自分の頃の就活や勤務経験をもとに選考を受けるを指定したり、自信満々に過干渉してしまうこともあると思います。
ですが、過去と現在では就活の事情は多少異なりますし、お子様から「うるさく口出ししてくる親だ」と思われては、家族関係がこじれてしまう可能性もあります。
上から一方的に意見を伝えるのではなく、一緒に考えるプロセスを踏むことによりお子様の納得感を生み出してあげることが大切でしょう。
他人と身内を比較する
ママ友ネットワークでの体裁を重視している親御さんは特に気を付けたほうが良いでしょう。
「同級生の○○君は○○(大企業)に内定が決まったらしいね!あなたはまだ内定がないなんて…」といったことを、つい口にしてしまう方もいらっしゃるかもしれません。
中には、兄弟と比較して、「お兄ちゃんは大手企業に入った」などと息子さんに言葉をかけてしまう人もいるでしょう。しかしこのように誰かと比較するのはやめてください。
比較されてしまうと自分自身を否定されているような気持ちになり悲しくなります。
それでなくても就活という日々ストレスを感じている中で、身内からもプレッシャーをかけられると心が休まる時間がなくなってしまうでしょう。
そのため兄弟や他人と比較して言葉をかけるのではなく、息子さんのペースで頑張れるように応援して一緒に並走してあげてください。
就職が決まらない息子のために親がやるべき5つのこと
就職が決まらないお子様のために親御さんにできることを5つ紹介していきます。
以下で紹介していることを実践することで、お子様の就職が決まるキッカケを得ることできるかもしれません。ぜひ参考にしてみてください。
1:就活が決まらない息子を精神的にサポートする
就活は日々ストレスを感じる場面が多くあります。
そのためお子様の言動や行動に対して、プレッシャーをかけないよう「認める・褒める・肯定する」を徹底した適切なサポートをしてあげましょう。
特に就活を頑張っているのにも関わらず内定獲得に至っていないような状況のお子様は、選考に落ち続けて、自己肯定感が低くなってしまっている可能性があります。
そのため「あなたは頑張っている」「今はまだあなたに合った会社に出会えていないだけ」と励ましてあげてください。
またもしも普段と比べてなんだか落ち込んでいそうだったり、辛そうだったりする場合には、「何かあった?」と声をかけてあげましょう。話を聞いてもらうだけでも息子さんは気持ちが楽になるはずです。
2:息子の話に耳を傾ける(意見を言わない)
お子様の話をしっかりと聞いてあげる姿勢を見せることが非常に大切です。
実際に、雑誌プレジデントの特集記事「東大生173人アンケート 学力を伸ばすたったひとつの親の習慣」では、「子供の話を聞くこと」が子供を伸ばす習慣であることが解説されております。
就活と受験は同じ前提条件とは一概には言えませんが、子どもを伸ばすという観点では同じです。
このようにお子様の話を傾聴することで、承認欲求が満たされ、その欲求がさらなる行動への原動力となるでしょう。
3:お子様と一緒に内定が出ない原因を特定する
お子様自身も選考において自分がどの選考フローで最も落ちているかを理解していない可能性もあります。
冒頭で紹介した内容をもとに内定が出ない原因をお子様と共にぜひ特定してみてください。
原因が分かることで、次に行なうべき行動が見えてきます。
しかしお子様の人柄や普段の関係性によっては、就活の状況を詳しく話したり、一緒に原因分析をしたりすることを嫌がられる場合もあると思います。
その場合は、無理やり一緒に分析をするようなことはしないほうが良いでしょう。
親御さんからしてみればまだ子供のように感じるかもしれませんが、大学生にもなると自分のことは自分でなんとかすることができます。
そのためお子様の言動を温かく見守ってあげてください。
4: 就活に必要な費用を援助する
就活はお金がかかるため、金銭的な援助も欠かせません。スーツ代はもちろん、面接などの交通費は大学生にとって負担になります。
特に地方在住の方で、家から通える範囲外での就職を希望している場合はなおさらです。
就活のためにアルバイトする学生も多くいますが、そうすると選考対策や面接などに参加する時間が足りなくなってしまいます。
もしも息子さんが金銭的な問題で就活に取り組めていないようであれば、費用の援助を検討してあげてください。就活にかかる費用については、以下の記事で解説しています。以下の記事を参考に、必要な就活資金が用意できているのかをお子様に確認してみてください。
5:人に相談する
もしもお子様が就活に苦戦している原因の特定に苦戦していそうであれば、キャリアセンターや就職エージェントで相談してみることをおすすめしてあげてください。
キャリアセンターは予約が取りにくい場合もあるので、より早く相談したいという方は就職エージェントがおすすめです。就職エージェントでは、就活生と1対1で面談を行い、その人にあった企業の紹介を行っています。
「今の選考状況を打開するためにどんな対策をすべきかわからない」「自分に合った業界・企業がわからない」といった状況なのであれば、特におすすめの相談先と言えるでしょう。
就職先が決まらない息子がいる親がよくする質問
親御様からよくお問い合わせいただく内容について回答をしていきます。
Q. 大学卒業までに就職先が決まらなかった場合どうなりますか?
お子様が大学卒業までに就職が決まらなかった場合、「就職留年」「就職浪人」「フリーター・派遣」の3つの選択肢があります。
就職留年とは、大学を卒業せずに来年度の就職に向けてもう一年大学に通うことを指します。
一方、就職浪人とは、大学を卒業し既卒として就活を継続することです。2つの選択肢の大きな違いは「新卒扱いになるか、既卒扱いになるか」です。
そして3つ目の選択肢が「フリーター・派遣社員」になることです。しかし厳密にいうと卒業式までに就職先が決まらずとも、3月31日までに就職先が決まれば新卒として就職することは可能です。
とはいえそこまで採用活動をしている企業を自身で見つけるのは難しいでしょう。その場合は、就職エージェントにご相談ください。
Q. 子どもが就活にやる気を出しません。どうすればいいですか?
まずはお子様がなぜ就活にやる気を示さないのかについて探ってみましょう。原因が分からないと、対策をしても有効な手立てであるか判断ができません。
原因を探る際には、「お子様の意見を否定しない」ことに注意をしましょう。
親心からつい色々意見を言いたくなるかもしれませんが、まずはお子様の主張に耳を傾けることに意識を向けるといいです。
Q. 就職時に資格を取得しておく必要はありますか?
会計士などの資格がないと就職できない職種は異なりますが、就職時に資格が必要とされることはほとんどありません。
もちろん資格はあるに越したことはないですが、資格を取るのか取らないのかはお子様の就活事情や獲得単位の状況などを踏まえて相談する必要があります。
またもしも大学卒業間近にして、単位が取り終えていない状況下であれば、資格取得よりも卒業するためにすべきことを整理し行動すべきです。
最後に
本記事では、お子様の就職先が決まらない原因と就職先が決まっていないお子様のために親御さんができることについて解説してきました。
就活は日々ストレスがかかる場面が多くあります。そんな中でも、お子様が納得のいく就活先に出会えるよう、適切な距離感を保った応援を通し、精神的に支えてあげられると良いでしょう。
最後に繰り返しになりますが、就職先に入社をして実際にその会社で働くのはお子様自身です。そのため、最終的にお子様が選んだ選択に関してはしっかり理解を示し、お子様の意見を尊重してあげてください。
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